山元町の最南、新地町との境に磯浜漁港があります。
海を目の前にし、漁港に立った右側の海岸には小高い丘が迫り、夏になると海水浴客が訪れる風光明媚な海岸があったそうです。丘は数十メートルの高さで、頂上には展望台がありました。そこに昇る階段は頂上近くまで津波で削られ木はなぎ倒され、地肌が丸出しになっています。
漁港のテトラポットだけが整然と積まれており、波でえぐられた漁港の土台はあちらこちらに傾き、防波堤の向こうから聞こえてくる波の音は普段聞く波音と変わりありません。
でも、漁港から海水浴場のほうに目を向けると、右に見える海岸に迫る波が底無しのように恐ろしく、私は波際に立つことができませんでした。
巨大津波の迫る中、あの丘に登って助かった方々が町が呑み込まれていく瞬間を目の当たりにされたと思うと胸が詰まります。
春にはスズキ、夏にはホヤ、冬にはヒラメ、とやまもと民話の会編集の「巨大津波」に書かれてあります。
勿論、山元名物の「ほっきめし」のほっき貝も豊かに水揚げされていたことでしょう。
1隻の小さな船がぽつんと港に上げられてあったのが印象的でした。一筋の光のような可能性をその船に託す気持で港を後にしたのです。次に私が訪れる時は、船がもう少し増えていることを願いつつ…。
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