五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

天国を信じている人

2011年12月28日 | 第1章 意識と知覚
「そろそろ携帯電話を持ったら?」

と、単独行動の多い親しい来年88歳になる神父さんに問うと、「要りません」と、きっぱり。

彼はスロベニア人です。共産党政権の国になった母国に40年間入れなかったどころか、その立場上、自由に他国をいったりきたりすることができないことを覚悟で、日本に渡り55年経ちました。
スロベニアとなってからは、ユーロにも加入し、国が開かれました。神父さんもここ10年毎年母国を訪問しています。とても幸せそうです。
もともと、天性の明るさのある神父さんなのですが、鎖された国の重荷はあったようです。毎年徐々に更に色々なことを話してくださるようになってきました。

普段は、某大学の敷地にある修道院に住まわれていますが、夏の季節になると涼しい土地に移動します。ものすごいぼろ屋に一人で住むわけです。

神父さんをお世話してくださる方々が亡くなったり、病気になったりして、私達も神父さんの住まう環境を心配しつつあります。
そんなわけで、「一人で暮らしている中、何かがあったら心配だから、携帯持ったら?」と問うわけです。

そうしたら、昨日はこんな言葉が帰ってきました。
「もし、誰かと二人で死んだら、そっちのほうが問題でしょ。一人で死ぬなら、とっても幸せです。」

孤独と常に向き合ってきた人から紡ぎ出る言葉だな、と納得致しました。

ほんとうに幸せなんだと思います。

こっちは、心配だから、時々はお節介を致しますが、それはそれで、本当に楽しいひと時なのです。

人は、どんな人でも一人で死んでいくのです。よくよく考えてみると、そうなのです…。私だってそうなのです。

65年もののナポレオンで乾杯し、紅茶にカシスのリキュールをたっぷり注ぎ、意気揚々と帰って行かれました。

65年前は、祖国を逃れ、ローマで神学を学んでいらした頃。。。人生は、面白いと思いました。
当然、私はまだ生まれていませんが、思いもよらぬ日本の地で繋がる不思議さ…。これも必然です。

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