五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

空気と向き合う

2011年09月26日 | 第2章 五感と体感
大器晩成という言い方で表現するよりも、助走期間も長けりゃ、ピークのベストスピードも助走とさして変わらない、というのが、どうも自分のペースのようです。

新宿御苑ギャラリーでの「江戸表具を愛する会」の作品展が終了しました。
御来場の皆様、心から御礼申し上げます。

「技芸は、ともかく10年続けること」というのが、今回も感じたことのひとつです。

たぶん、5,6年やっても、入口の前の扉をうろうろしている程度だと思うのです。
10年続けて、ようやく入口の扉が開かれるかもしれません。

代々継がれている家業であれば、DNAと環境が「素養」をつくり上げるかもしれませんが、素養があったとしてもそれを磨くか否かは、その人自身の問題意識次第でしょう。

日本の四季は、気候の変化によって、空気の中に水分が含まれたり、足りなかったりです。
移ろう四季と共に、空気は著しく変化します。
そのような環境の中で育まれた日本の文化は、空気の性質とどう向き合っていくかがテーマとなるように思います。

こればかりは、一気に解って納得できるものではありません。
それぞれの季節で、それぞれのテーマに取り組んでいると、あっという間に10年経ってしまいます。

きっと、そんな環境が、助走もピークもあまり変わらない自分を成しているのかもしれません。
「道」を習うことは、そういうことなのかもしれないと、ふとそう思います。

表装も能楽も、学生時代、2年でギブアップした茶道にしても、ともかく四季と共に体感から所作を学び、技を向上させていくしか、どうも術はなさそうです。

これからは、空気の中に水分が抜けていく季節です。それとともに気温も下がります。
カラリとしつつも秋の雨での湿度と向き合いながら、一幅仕上げることと致します。

修業は、まだまだ続きます。

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