五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

何事もまず10年

2011年09月05日 | 第2章 五感と体感
東京表具経師内装文化協会主催の作品展を見てきました。

ここ数カ月間、扁額を作っていたこともあり、襖や屏風の技術が気になり、色々な作品を細々と拝見させていただきました。
もちろん、お馴染み、表装も一作入魂の素晴らしい掛け軸をたくさん拝見することができ、多方面にわたり、勉強させていただきました。

仕事の丁寧さは必須の条件でありましょうが、一作に対する思い入れは様々です。

ここまでするか、というくらい細かい作業を経て仕上がっている軸を感心しながら拝見し、私は、まだここまでの執着で作っていないことを自覚しました。

子育てしながらボチボチと表装を習い始めて10年くらいで、ようやく「何が解らないか」が言語化できるようになり、そこからまた更に時が断ち、そろそろ折り返し地点が近づきだし、ようやく他者の作品を見て、自分に取り入れたいという情動が湧いてきたような気持が湧いています。あまりにものんびりした話ですが、私にとって順当なペースかな、とも思います。

先日、ヴァイオリニストの古澤巌さんが「ようやくヴァイオリンの持ち方がわかったよ…」とおっしゃられたという話を聞きました。天才的なヴァイオリニストがそんなことを云うなんて、と思う人もいるかもしれませんが、何かわかるような気がします。

職人の世界は特に、師匠は教えてはくれません。弟子は師匠の姿を見ながら体得していきます。姿を真似ていくうちに、何が自分が解らないかが見えてきます。それが見えてきた時に、ようやく師匠に具体的な質問ができるのです。

あまりにものんびりした話ですが、私はようやくそれができるようになってきたように思います。

10年どころの話ではありません。そろそろ二回目の折り返し地点が見えています。

じっくりと師匠に付き、10年続けることができたら、たぶん自分の身体が続く限り、やっていくものかもしれない、と思えるように思います。そこから先は自分次第です。

素晴らしい技術の作品を拝見し、取り入れていきたいアイディアにも沢山出合い、とっても充実した時を過ごさせていただきました。

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