Mr.コンティのRising JAPAN

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Beatles...Liverpool...Sydney 0-1 Fowler

2009-09-19 | Aussie & Kiwi
5年目を迎えた HYUNDAI A-LEAGUE は今年も楽しみなシーズンだ。(と言ってもこう感じる日本人は少ないだろうけど…)
何といってもチーム数が2チーム増えて10チームとなり新チーム、 Gold Coast United が好調。現役オーストラリア代表の Jason Culina そして現役ニュージーランド代表の Shane Smeltz らを擁して開幕から3連勝を飾る等、第5節を終わって勝点12で首位を走っている。その一方で昨シーズンの覇者 Melbourne Victory が7位、Grand Finalist だった Adelaide United は9位と出遅れている。 
そして首位 Gold Coast を勝点2差で追って2位につけているのが久々に好調の Sydney FCだ。9月12日には地元 Sydney Football Stadium に North Queensland Fury を迎え“頂上決戦”に臨むことに。この試合に Sydney が勝てば首位が入れ替わるだけに熱戦が大いに期待された。
しかし、他にも“熱戦”への理由があった。新チーム North Queensland には Marquee Player として何とかつて Liverpool を始め, Leeds United, Manchester City でプレーし England 代表26 Caps を誇る Robbie Fowler が入団しており、前節までの5試合で3ゴールを決めている。ただまだ N.Q. は勝星が無いけど…

オーストラリアで最も人気のある League はPremiership でFowler の事は地元の人達にも良く知られており、いよいよ “ Sydney 登場” とあって新聞紙上でもこの試合の事は始まる前から Australian Football League や Rugby Union, Rugby League 並みに取り上げられていた。 そして Sydney FC の中心選手 John Aloisi との ”対戦“ を煽る記事も….. 地元紙によると Liverpool サポーター達がわざわざシドニーまで Fowler を観に来ているとか。バックパッカー達の宿にもこの試合のチラシを貼ったらしい。 そして Fowler 人気に為にチケットの売れ行きが好調だとかも書かれていた…..当日権が買えるか心配になり Sydney FC サポーターの友人に電話で確認までした。彼の話だと大丈夫だ…との事だった。

しかしやはり心配だったので開始30分前に競技場に到着する様にホテルを出た。 道行くサポーター達の中には赤い Liverpool のユニフォームを着る人達もちらほらと、やっぱり Fowler はスーパースターだ。 そして競技場の入り口に到着すると英国を走る2階建てのバスが….

      
そういえば新聞にこの試合のデモンストレーションの為に2階建てバスを走らせるって書いていたなぁ….. そして Beatles Number が聞こえてくる。 Beatles をカバーする生バンドのライブだった。
Liverpool と言えば Beatles 。空港も Liverpool John Lennon 空港と名前が付いているらしい。  Beatles が現役の時から Liverpool に在住していた地元の人と話がしたいなぁ.. Liverpool FC は 1950 年代は低迷しており William Shankly が引き継いだ60年代からチームの再建がはじまり 1963-64 にはリーグ優勝、翌シーズンには初タイトルとなる F.A. Cup を勝ち取る等 Beatles のデビューと共にチームが再構築されていった……
Ticket 売り場の前には長蛇の列が。こんなのは初めて。こりゅあ Sold Out の看板が出るかも….と案じていたが無事にチケットは入手でき、スタンドに着席したが空席はまだまだあった。 そういえば新聞に書いてあったがここまで N.Q. Fury のホームゲームの平均観客動員数は 7528人。これから Australian Football League が9月26日の Grand Final をもってシーズンが終了するので、地元 North Queensland Cowboys に流れていた観客が Fury に来るだろうとの事であったが…
スタンドにはやはり赤い Liverpool のユニフォームを着た人達も目に付いたが、 Fury 側のサポーター席には赤いユニフォームが半数以上を占めていた。 

    

注目の1戦、 Fowler はもちろんスタメン。

   


そしてボランチにはかつてアビスパ福岡でもプレーしこの日の対戦相手 Sydney FC に所属していた Ufuk Talay が。左サイドバックには6月 MCG で行われたワールドカップ予選の日本戦にオーストラリア代表の左サイドバックでスタメン出場を果たした Shane Stefanutto が。しかし昨シーズンまで Adelaide United でプレーし ACL のガンバ大阪戦に出場した Jason Spagunuolo そしてかつてガンバ大阪、城南一和、名古屋、新潟、東京Vでもプレーした海本幸治郎は残念ながらベンチ入りしていなかった。海本、次はピッチにでてくれよ。 

開始30秒、いきなり Stefanutto のスローインを受けた MF Rostyn Griffiths が入れたクロスを Fowler がオーバーヘッドを試みスタンドから歓声が沸く。 観客の注目を集める Fowler だが彼だけでなく左MFの Chris Tadrosse の縦への動きが良い。 Tadrosse は A-League デビューシーズンには Melbourne Victory に所属し8試合に出場。以降はドイツに渡ったが Bundesliga の1部でのデビューはならず今シーズンオーストラリアに帰って来た選手だ。 
11分49秒には Stefanutto から縦パスがベテラン FW Daniel McBreen に入り 中のFowler に送られるミドルを放つが右上に外れていった。 15分3秒には Stefanutto からのスローインを受けた McBreen がクロスを入れ Fowler が飛び込むが僅かに遭わなかった。 前半 Fowler 率いる Fury は Sydney サポーター達の陣取る COVE 側に攻めてくるのでシュートが外れる度に大歓声が上がる。
出だしはおされぎみだった Sydney だがかつて広島でもプレーした元 Socceroos のベテランMF Steve Corica のゲームメークから徐々にチャンスを掴みだす。 そしてCHFの Kanol Kisel のドリブル突破も良い。20分47秒には中央からドリブルシュートを放つが 34歳ベテランGK Paul Henderson が倒れ込んで好セーブ。 徐々にペースを掴みだした Sydney が25分にビッグチャンスを掴む。 ゴール正面やや左で得たFKを Kisel が入れ今季から Sydney に入団した左サイドバックの韓国人DF 卞盛煥 Byun Sung Hwan が落としたところを Alex Brosque が走り込み GK Henderson と交錯し倒れる。Beath 主審はすかさずペナルティースポットをさす。映し出されたREPLAY を観ると Henderson の手が Brosque の足に当たっていた。
このPKを Aloisi がセットする。 Sydney サポーター達の見守る中 Aloisi が右側に撃つがこれを Henderson が見事にストップ。絶好のチャンスを逸した。

    
“4年前はここでウルグアイ相手に決めたのに..” 隣に座る Sydney FC サポーターとこんな会話をした。 翌日の新聞には“ウルグアイのGKが出来なかった事を Henderson は演じた。”と述べていた。
これ以降はやや Fury が優勢な展開。 下記の様に Fowler が1トップで2列目に3人が並ぶ。 びボランチの二人が攻守によくフォローする。 Griffiths が187cm McBeen が186cm と長身の選手が目立つ

               9 Fowler

18 James Robinson   23 R. Griffiths  19 D. McBreen

        3 Chris Tadrosse    6 Ufak Talay

一方の Sydney は Corica のゲームメーク頼りだがボランチの二人が他の選手の動きを良く見ている。そしてPKを失敗した Aloisi が挽回を試みるのかドリブル突破が増えくるがDF,ボランチ陣の網にかかる。 38分に久々相手の右サイドを崩し Brendan Gan が入れたクロスを Corica がヘッドを放つがポストの左に外れていった。
ロスタイムに入り今度は数少ない Fury サポーター達が歓声を上げる。 中央を Ufak Talay がドリブルシュート。これはDFに当たるが跳ね返ったところを James Robinsonが Sydney ゴールに押し込んだ。しかしここは線審がオフサイドの判定。 この線審は Sara Ho と言う Lineswoman 。女性線審で A-League は女性線審を起用することがある。隣の Sydney サポからは “ J-League でも女性審判はいるか?“ 
と訊かれたが記憶にないので
” 女子のリーグなら主審でもいるが、J-League は….と答えた。でも彼にとってこの線審は“女神”に見えただろう……

       

Half Time 中に Sydney F.C. サポーター達が陣取る COVE に移動する。 
2年前 ACL の浦和戦で知り合った地元サポーター達と会うためだ。 彼らはすぐに見つかり再会を祝う。 今年は Debut Year 以来優勝が狙えそうだと言っていた。 前半の戦いぶりを話し合うが、Corica 頼みのGame Make では限界があるので戦術を変えるかテンポを変えねば…と言っていた。
両チームメンバー交代の無いまま始まった後半、今度は Sydney が自軍サポーター側に向かって攻めるので迫力あるシーンを…と期待するのだが、開始早々に Kisel のクロスに Grant がヘッドで合わせ GK Henderson が何とかコーナーに弾き出して以来試合は向こう側での展開が続く。 Talay が前に出て来て中盤の人数を増やしたので Sydney コート内で試合が進む。
そして53分51秒、GK Henderson からのゴールキックを Talay がヘッドで前に送ると Sydney DF の Simon Colosimo と Shannon Cole の間に走り込んだ Fowler が上手くボールをコントロールし GK Clint Bolton が出てこようとするところをボールを Sydney ゴールに放り込んだ。 
大喜びのゴール裏に陣取る Fury サポーター達。勢い余ってそのうちの1人がピッチに入って来た。 

          

こういうところできちっと決めるところはさすが Fowler だ。 Fowler は61分にもTalay からのロングフィードを受けたMcBreen が右サイドから上げたクロスに走り込むがマークに入った Stephan Kelter の為に僅かにポストの左に外れしてしまった。60分に Sydney ベンチは今年 Socceroos の代表合宿に召集されたこともある Shannon Cole を下げて 北京五輪メンバーだったMark Bridge を入れて攻撃力をアップさせるがこうなってくると前半のPK失敗が悔まれる。 そのPKを失敗した Aloisi が65分にドリブルシュートを放つがDFに当たってゴールラインを割った。そしてその直後に Kofi Danning と交代でベンチに下がってしまった。そして Alex Brosque と Mark Bridge が前に出て来て Corica がトップ下に入る。Danning が右サイドの2列目に入りドリブルでサイド攻撃を仕掛ける。しかしFury DF陣の前になかなかシュートが撃てない。 

            
Fury ベンチは67分に Griffiths , 78分には Talay を下げて Chris Grossom ,そしてオランダ人FWの Dyron Daal を投入してくる。 かつて Sydney でプレーしたTaly が下がった時は Sydney サポーター達から大ブーイングだった。そして84分には競技場全体から沸き起こる歓声に送られて Fowler がベンチに下がる。

         


だけど COVE の一部のサポーター達からは “ Go Home Fowler ! GO Home Fowler !! “ とのコールが。隣に座る地元の友人は両手を広げながら“今 on the way だよ。”と呟いた。 Sydney はもう Brosque を1トップに攻撃時は2列目に Dunning , Corica, Bridge, 卞盛煥 を並べるが最後までゴールは生まれることなくN.Q. Fury に今シーズン初勝利を献上することとなった。 1点リードされてから焦りからか攻撃が単調になり無失点を喫した Sydney そしてチャンスをきっちりと得点に結びつけた Fowler 、ワールドクラスの選手の存在感を見せつけた結果となった。

“ キーポイントは PK だった。しかし我々は前後半ともに決定機を作ることが出来なかった。 ” 試合後 Sydney の Vitezlav Lavicka 監督がこう語った。
そしてSteve Corica 主将は “彼( Fowler ) は素晴らしいゴールを決めた。それ以外彼には多くのチャンスがあったとは思えない。しかし Top Striker は得点の為にはただ1度チャンスがあれば良いだけだ。彼はそういうチャンスがありゴールを決めた。彼こそ Top Striker だ。” この様に称賛をした。

試合後、いつもの Bar で地元のサポーター達と色々話した。日豪揃ってワールドカップ出場を決めているのでお互い採集メンバー選択につて話をする。 彼らから言うと Socceroos は選手層が薄いらしい。そして5年後のブラジル大会に向けては予選を勝ち抜く為のアジアの戦いは更に厳しくなるとの予想だ。それは日本も同じか….
オーストラリアは10月にオランダ代表を招いて親善試合を行う。日本が 0-3 で完敗した相手だ、と話した。彼らも日本がどの様に戦ったか興味深く訊いてきた。 
“いつものパターン。最初の30分は相手が様子を見て来たので何度かチャンスがあった。しかし時間が経つにつれて劣勢になり、最後の20分で3連続失点だった。ワールドカップでのオーストラリア戦の様に….”
彼らも私も今度 Socceroos がオランダにどういう試合をするのか楽しみだ、とお互いに語り合った……………

翌日の朝刊は Fowler の写真が大きく紙面を飾っていた。 そして Super A-League Import 6人衆の中に Dwite Yorke ( Manchester United - Sydney FC ) Junihno ( Middlesbrough ) らに交じって Kazuyoshi Miura の写真と名前があった。ロマーリオはなかったけど...

移動続きで疲れる出張だけどここで King KAZU にエネルギーを貰えた。

    



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