Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

A3 Champions Cup 日韓対決

2006-08-31 | Football Asia
誰でも、どこにいても自分の隣には負けたくは無いものだ。例えば学校時代の隣のクラスや同級生がいれば隣の家。自治会対抗で運動会があれば“隣の自治会には負けられねぇな。” これは国同士での同じだ。オランダ対ベルギー1970年代初めにヨハン=クライフの出現によってオランダが世界サッカー界の列強として名を連ねるまで、ベルギーはオランダをリードしていた。しかし1974年大会にオランダがトータルフットボールを掲げて準優勝を収めて以来、世界のサッカーファンは今でも“オランダなら何か華麗なプレーを見せてくれる。”と期待する様になった。しかし、オレンジ色のユニフォームを纏った選手達の進撃に歓呼するベルギー人はいただろうか? 
日本と韓国。隣国とは言えない。日本海(彼らから言わせれば東海)を隔てた対岸上の両国。歴史的な背景も大いにあるだろう。お互いに“あいつらだけには負けたくない。”と思っているだろう。スポーツでの日韓(韓日?)対戦で言えば、“負けたくない気持ち”は韓国の方が強いだろう。それは歴代の男子サッカーでの直接対決での勝敗に現れている。 だがスポーツの世界ではライバルをつくる事は大切だ。最近の日韓対決を見ると、サッカーではようやく互角に近い戦いが出来るようになったが、その他のスポーツではどうだろう?韓国女子ハンドボールは世界でもトップクラスでアテネ五輪では銀メダルでソウル、バルセロナ五輪は連続金メダルだ。 男子ハンドボールもソウル五輪以降、韓国がアジア王者の座を守っている。(最近は中東諸国が台頭しているが。)男子バスケット、男子ホッケーそれから男子バレーボールは現在、韓国が上だ。しかし、女子となるとそれらは日本がリードしている。それから女子ソフトボールに、女子サッカー。男女そろってリードするのは水球くらいか?あぁ大事な事を忘れていた。 WBCで日本のプロ野球が World Champion になった事を。 
8月3日(もう1ヶ月近くも前になってしもた…. ) A3 Champions Cup の開幕日。ガンバ大阪対大連実徳の試合に続いて韓国王者の蔚山現代が登場した。 対するのは前年ナビスコ杯王者のジェフナイテッド千葉。ワールドカップ終了後、ジーコ前代表監督の後任として当時未だ JEF の監督だったイビチャ=オシム氏が内定してからこのチームにスポットが当りだした。 このA3 大会も大会自身の展望よりもオシム監督が“愛弟子達”を見に来る、来ないの方に話題が集中していた。 だが私から言わせると、前身の古河電工はかつてアジアクラブ選手権の王者。ずっと前からクラブレベルではアジアでの戦いを経験している。そう言う事にもマスコミは言及すべきだ。 対する蔚山現代。AFC Champions League では東京ベルディを軽く一蹴して準々決勝進出を決めて9月17日にはサウジアラビアの Al Shabab との試合が待っている。韓国勢ではもう1つの全北モータースも準々決勝に進出している。 蔚山はワールドカップには2人の選手を代表に送り、予備メンバーに柳京烈が入っていた。 だが韓国代表の李浩は大会後ロシアのゼニト・サンクトペテルスブルグに移籍してしまった。しかし代表での中心選手李天秀は健在。そしてもう1人の私のお目当ては崔成国。一時は柏レイソルでもプレーし、2003年 UAE で開催された FIFA U-20 では日本相手に先制ゴールも挙げている。もう少し調子がよければ今年のワールドカップにもメンバー入り出来ただろうに。 70~80年代、代表レベルや学生選抜レベルでは韓国に歯が立たなかったがクラブレベルではどうなのか非常に興味があった。 1979 年に韓国農協がフジタ工業と対戦したがこれはこの年からクラブレベルでもリーグ戦優勝者同士で定期戦をしましょう、と言う催しが始まった第1回目であった。しかし、私はこの試合結果を覚えていない。むしろフジタ工業との試合の後に行われた日本リーグ選抜との試合の方が印象に残っている。釜本を初め、ラモス、ジャイロ、ジョージ与那城、小見、GK瀬田のいたテクニック溢れるチームが韓国王者を圧倒し釜本のゴールなどで勝利したのを覚えている。 しかし翌年にマレーシアで開催されたモスクワ五輪代表には韓国農協からは選ばれなかった。韓国銀行や軍隊所属の選手が多かった。そしてこの五輪予選が終わりプロチーム、ハレルヤが誕生する。それ以降このクラブレベルでの定期戦はどうなったのだろう.. 
最近の対戦では代表はほぼ互角に、学生選抜はむしろ日本の方がリードしているがクラブチームは本当に分が悪い。A3杯ではまだ日本のクラブは韓国勢に勝った事が無い。私が日韓対決を観戦するのは1988年の日韓定期戦以来2度目。そのときもここ国立での観戦。私はジェフのサポーターでは無いがここは是非頑張ってもらいたかった。 
第一試合終了後観戦場所を移動し、蔚山サポーターの陣取る“アウェー”側に移動した。中段下のフィールドが良く見える位置に来るが、ゴール前を拡声器が邪魔してよく見えない。しかたなく少しゴール裏側による。そこには蔚山のサポーターがちらほらと。反対側には織田記念ポールがある。このポールは織田記念ポールと言う名でアムステルダム五輪にて日本陸上競技史上初の金メダルを勝ち取った織田幹夫氏の栄誉を記念して立てられその長さが当時の優勝記録と同じ 長さ15.21mだ。大学時代インカレ出場したときにこのポールの手前で先行する選手を抜き去り予選通過を決めた事を思い出す。国立競技場に試合観戦に来られた人はこのポールが邪魔で試合が見づらいといわれる人もいるが、陸上競技経験者の私はこの前に平伏すべきだろう? この試合を観戦した韓国や中国の人はこのこと知っているかな? 
さて試合が始まるとジェフと数は少ないが蔚山の両サポーターが歓声を上げる。蔚山は、趙世権、柳京烈。朴東赫の3バックで趙と朴の2人はシドニー五輪メンバー。朴東赫は少々遠めでもシュートをよく撃ってくる。ジェフは巻がワントップ気味で左から楽山、右から水野が上がってくる。開始9分から連続してCKのチャンスを得たが得点にはならなかった。こういうセットプレーの時には巻が何処にいるか目で追ってしまう。その巻へのマークはワールドカップメンバーと言う事がよく知られているのか、やはりきつい。12分には巻が倒されるがその前に蔚山の選手が倒されており、さらにその直前にはジェフの選手が倒されている。特に3番の朴炳圭がきついマークをする。韓国はロングボールを多用。その標的となるのは 187cm 長身ブラジルFWのレアンドロ。韓国特有のキックアンドラッシュに対してジェフも走るサッカーで対抗するので攻守の切り替わりが早い。この高温多湿の状況下、これは持久戦になる。先制点が大事かなと思っていた21分、クルプニコビッチの上げたFKをドンピシャのタイミングで中島が頭で捕らえてジェフが先制点を上げた。きついマークを続けていた朴炳圭も完全に競り負けていた。私の近くにいた蔚山サポーターは黙ってしまった。しかし、彼らをすぐに元気付けたのはワールドカップの得点者李天秀だった...


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