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柏レイソルが J-League を救う…. 柏レイソル 0-0 水原三星 9th April 2013

2013-04-15 | Football Asia
試合が終わり柏駅に向かう途中、I Phone で全北現代vs 浦和レッズの試合結果を検索した。 前半が終わった時は 2-0 で浦和がリードしていた、後半途中は 2-1 にされていたけど…. そして試合は終わり 2-2 と映し出された。 あぁ….2点差を守れなかったか…勿体無いなぁ…と思った。 別にレッズサポーターではないけど勝点の計算をした。広州恒大がタイのムアントンに負けることはまず考えられないし… 次のラウンド進めるのはレイソルだけか…とちょっと残念に思った。 あぁ J-League が….

前の週の ACL 日韓対決は1勝3敗だった。その唯一の勝利を収めたのが柏レイソル。
相手はかつて韓国の銀河系軍団とも呼ばれた水原三星。 アウェーで三星を 6-2 で撃破するのだからその力は半端じゃないと感じた。 しかも不可解にPKを4度も取られていたのに。 今度はレイソルが三星をホーム日立に迎える。

2011シーズン覇者のレイソルは今シーズンはこれまで2勝1分2敗の8位タイ。首位横浜マリノスとは8勝点差を付けられているがACLでは本当に頼もしくこれまで他のJ League 勢の停滞を尻目に3戦3勝。この試合で勝利を収めACL4連勝としベスト16進出を決めて欲しい。そして同組のオーストラリア Central Coast mariners への援護射撃をして欲しいと願った。



この日のレイソルのスタメンは3日前ここで名古屋と対戦した ( 3-3 ) スタメンから3人が替わった。CB 鈴木大輔と組むCBには累積警告で出場停止の近藤直也に替わって渡部博文。 そしてレアンドロドミンゲスは負傷の為ベンチ入りもしておらず2列目右には名古屋戦で後半から田中順也に替わって出場した茨田陽生が、そして2列目左には狩野健太ではなくジョルジ=ワグネルが起用された。 前の三星戦でもMFは右がレアンドロで左が狩野だった。 他の8選手はみな三星戦、名古屋戦から連続スタメン。7日間で3試合、間の1試合が韓国でのアウェーゲームで選手達の疲労が少し気になった。



一方、前節ホームでPKを3度も失敗した上にレイソルに 2-6 と粉砕された水原三星は徐正源監督の怒りが爆発したのか次の K-League Classic の大田戦ではレイソル戦のスタメンから FW 鄭大世、MF昊章銀、CB 崔在洙GK梁棟源以外はすべてメンバーを替えて臨んだ。( 途中から交替出場をした FW Stevica Ristic はスタメン起用された。)そのカンフル剤が効いたのか試合は 3-1 で勝利を収めた。 それとも次のレイソル戦に備えて選手を温存したのか….
前節は大敗したので大幅なメンバーチェンジを予想したけど大田戦に出場した選手でこの日のスタメンに名を連ねたのは6人だけだった。 GKには前節のレイソル戦、大田戦では出場しなかった(怪我でもしていたのかな?それともワールドカップ予選の疲れか?)韓国代表GK鄭成龍がスタメン出場。 CB にはかつてJEF 千葉に在籍し昨年まで清水エスパルスでプレーした Edward Bosnar が前節レイソル戦では出場機会が無かったが大田戦に続いてスタメン起用され、前節のレイソル戦では Dzenan Radoncic に替わって途中から投入された朴宗真が2列目右に、左には大田戦に抜擢された金大がこの試合もスタメン起用された。
両チームともMFを替えてきた。鄭大世と組むもう2トップのもう一人は Radoncic ではなく前節では途中出場だったマケドニア人FW 189cm のStevica Ristic が起用された。 Ristic は2007年に韓国に渡り全北現代でプレーし翌年から2シーズン浦項スティーラーズにローン移籍していた。2010年からはウズベキスタンの Bunyodkor に移籍しさらにロシアリーグの FC Amkar Perm にも移ったが今シーズンから韓国に戻り水原三星でプレーしている。



2004-10 韓国史上最高の選手で韓国の釜本と言われていた車範根が監督を務め韓国では最も近代的なクラブとされ最大数のサポーターを誇る水原三星ブルーウィングスは他クラブの模範とも言われてはいるがまだAFC Champions League のタイトルは勝ち取ったことはない。これまで韓国勢では全北現代 ( 2006 ) 浦項スティーラーズ ( 2009 ) 城南一和 ( 2010 ) そして蔚山現代 ( 2012 ) が優勝を果たしているので三星サポーターとしてはそろそろ優勝してもと焦っているころだろう。(前身のアジアクラブ選手権では2000-01, 2001-02 と2連覇を果たしているけれど。) 現役時代は日本代表をスピードのある動きで結構苦しめた徐正源監督としては勝点3が欲しかった試合ではなかっただろうか….

試合は三星のキックオフで始まった。という事はレイソルがエンドを取る権利があったはずなんだけどこの試合も前の週の浦和同様に前半に自軍サポーターの前のゴールに攻め込むエンドを取っていた。 キックオフ前に韓国代表の鄭成龍がゴールに着くと大ブーイングだった。ここは専用競技場でしかもピッチと観客席の間が狭いので鄭成龍はどう感じただろう?だけど鄭成龍のゴールを破るのは容易じゃないとも思った。



反対側には熱心な三星サポーター達が。 円安だからもっと人が来るかなと思ったんだけど。まぁ Central Coast 戦よりかはずっと多かった。 



開始20秒鄭大世が中央を突破した Ristic からボールを受けてシュートに持ち込むがこれはGK菅野の正面に。立ち上がりは Ristic が右サイドにより朴宗真と洪淳学との連携で右サイドをよく突いていた。12分には Bosnar から逆サイドの朴宗真に振り折り返したところを Ristic を経由して鄭大成に渡り渡部のマークを受けながらもシュートに持ち込む。  レイソルはレアンドロが不在の為かなかなかボールが繋がらず反対に三星のカウンターを食らったりしていた。20分にようやく左サイドを上がりFKを貰うと増嶋の入れたFKに中央で工藤が体を反転させてシュートを放つ。 惜しくもポストのわずか左を通過したが最初にレイソルサポーター達が沸いたシーンであった。 そしてその直後に今度は鈴木が鄭大成を倒してFKを与えると洪が直接ゴールを狙う。その弾道は菅野が脚でクリアー、リバウンドを Ristic に撃たれたがポストの右に外れてくれた。

20分を過ぎるとレイソルは徐々にボールが繋がるようになり度々三星ゴール前に迫るようになった。26分には田中から左サイドの大谷に繋ぎ折り返したところを工藤が走りこんで撃ったが今度はジャストミートしなかった。  

28分、今度は三星が縦への突破を見せる。左SBの洪が一気にドリブルで上がりシュートに持ち込むが菅野がファインセーブでストップ。そのこぼれ球を金大が詰めるがゴールには至らなかった。
レイソルはサイドから、三星は縦から崩そうとする特徴が表れていた。 ただレイソルを含めたJリーグ勢ももっと単純に縦1本の突破を見せてもよいと思う。それはワールドカップ予選も同じなんだけど…



30分を過ぎると鄭大世がちょっと下がり気味のポジションを取るようになってきた。32分にはレイソルのFKを自軍PA内に入ってヘッドでクリアーいていた。3日前の大田戦では初ゴールを決めて涙したらしいけどチームにはうまく溶け込めているのだろうか? サポーター達からは彼がシュートを放つと“ チョン!テッセッ! チョン!テッセッ !”と歓声が上がっていたけど。そして金大と長身のボランチ朴鉉范が上がり気味のポジションを取るようになっていた。



40分に今度は別の歓声があがる。 中盤の位置で三星がFKを得たが Bosnar が直接レイソルゴールを狙った。その弾道はクロスバーを越えていったけど強烈な弾道を見せ観衆からは感嘆の声が上がった。千葉、清水に所属時代はそのキャノン砲に定評があり愛する京都ゴールも一度ぶち抜かれたことがあった。
ロスタイムが1分と表示されたあとジョルジ=ワグネルが左サイドを突破し中央の田中に送る。そこから左サイドを上がった増嶋に送られさぁどんなクロスが…とサポーター達が前のめりになるも増嶋は脚を取られたのか次の一撃をサポーター席に蹴りこんでしまった。そして前半終了のホイッスルが鳴った….. 前半は両チームともこれといった決定機が少なくそれがスコアーに表れているようであった。



両チームメンバー変更なしで後半が始まった。レイソルは前半の半ばからボランチと前線の間が少しあいているように思えた。それが得点に繋がらなかったのか? 50分には洪淳学に粘られてCKを与えそこからちょっとピンチを迎えたが失点は防いだ。
だけど勝たねばならないのは三星の方。 56分鄭大世がベンチに下げられ192cm の長身FW Dzenan Radoncic が投入された。 Randoncic はモンテネグロ国籍の選手で2003-04は Partizan Belgrade でプレーしその後韓国に渡り 仁川 United ( 2004-08 ) 城南一和 ( 2009-11 ) でプレーし今シーズンから水原三星に移籍してきた“韓国通”の選手。2007年には甲府で1シーズンだけローン移籍し9試合だけプレーした経歴を持つ。 ゴールを決められなかった鄭大成の心境はどうだっただろう? 彼を見に来た観客もいたと思おう。
また北朝鮮代表でプレーする機会があるかな…. あってほしいけど。 



続いて58分にも三星ベンチは MF 朴宗真を下げて徐訂普が入る。 徐訂普は2010年広州アジア大会、2009 FIFA U-19 のメンバーだった選手。3日前の大田戦はスタメンフル出場を果たした。 これで三星は2トップが長身の Radoncic と Ristic の助っ人コンビになりちょっと不気味な気がした。



そしてレイソルも61分に茨田が下がり広州から移籍してきた Cleverson Gabriel Cordova ことクレオが投入され田中と2トップを組み茨田の位置に工藤が入った。 “ クレオ柏を熱くしろ~!”とサポーター達からチャントが始まる。まだ状態は完璧ではなさそうだけど何とか得点をと期待する。



66分金大からボールを受けた Radoncic がフリーで抜け出すがシュートはクロスバーを越えた。 金大はこの試合なかなかいい動きをしていた。これからレギュラーに定着していくのではないかな? だけど2トップにもっとハイボールを上げてくるかと思ったけどそれほどでもなかった。 



そしてこれ以降クレオがシュートにどんどん絡んでいく。68分、スローインを工藤がヘッドで流してクレオが放ったショットはクロスバーをわずかに越える。 70分には藤田から工藤に縦パスが入り栗澤を経由してクレオと田中が待つゴール前に送られるがここはマークがきつくて誰もシュートに持ち込めない。 75分にはカウンター攻撃から最後はワグネルからのラストパスを受けたクレオが中央からシュートを放つが僅かにポストの左に外れていく。



時間が過ぎていくと両チームとも勝ち点を考えてくると思われる。 レイソルは引き分けで十分であるが三星は勝たねばならない。 84分にはボランチの昊章銀を下げて趙志を投入して前線に人数をかけてきた。 
しかしレイソルDF陣は勝ち点1を確保すべく冷静に対応。終了間際に何度かレイソルが三星ゴールに迫るがこちらも得点には至らずスコアレスのまま試合が終わった。 

試合後レイソル選手達と握手を終えた三星の選手達はハーフウェーライン上に並びレイソルサポーター達に向かって一礼をするとスタンドから拍手が沸いた。さいたまスタジアムとは大違いだった。 



そしてレイソルの選手は昨年もACLを戦っているので大会への望み方が調整方法も含めてよく解っているみたいだった。ただレアンドロがいないとちょっと攻撃が低下するなぁという印象も。
この試合でRound 16進出は決められなかったが大きく前進したといってもいいと思えた。ただ Central Coast Mariners がアウェーで貴州人和に逆転負けを喫し2位争いが厳しくなって来たのは残念だったけど。 
今シーズンは柏がACLでは J-League の存在を示してくれていると思うのは私だけではないだろう。

柏レイソル:(4-4-2)21-菅野;2-藤田、4-鈴木、5-増嶋、23-渡部;7-大谷、15-ジョルジ=ワグネル、20-茨田 ( 61’ 11-クレオ ) 、28-栗澤;9-工藤、18-田中

水原三星:(4-4-2)1-鄭成龍;15-洪淳学、23- Bosnar、29-郭熙柱、17-洪 、5-朴鉉范、9-吴章银 ( 84’16-趙志 )、18-朴宗真 ( 59’ 13-徐訂普 );36-金大;11-Steve Ristic 4-鄭大世 ( 57’ 10- Dzenan Radoncic )



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