Mr.コンティのRising JAPAN

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キックオフ 2時間前 Socceroos スタメンはこれだ!!….と思う

2011-01-29 | Football Asia
いよいよ…と云う感じがする…
日豪でアジアの覇権を争う舞台が来るなんてあのMCGの悲劇の時は考えられなかった。著名なオーストラリアのサッカージャーナリストがこう言っていた。
“オセアニアで優勝したってちっとも嬉しくない。ワールドカップは南米の強豪が立ちはだかり本当に遠かった….”

商用で頻繁に訪れるオーストラリア大陸ではサッカーの話をする顧客は皆無に等しい時期が長かった。欧州系の移民とは昔のサッカー談話が楽しめたけど…
わずか10年前,今のオーストラリアでのサッカー人気なんて誰も想像できなかった。 2005年 A-League の発足、そしてウルグアイとのプレーオフで勝利を収め、決定的な転機になったのはあのカイザースラウテルンでの日本戦だった。ラスト8分のあの夢の様な、日本にとっては悪夢の、逆転勝が無ければその後の興隆は絶対に起こらなかった。云ってみれば日本はサッカー人気そして Socceroos 人気の育ての親ともいえるだろう… 

 

地元サポーター達は代表チーム Socceroos が Oceania Nations Cup の様なレベルでは無く AFC に加盟した事から Asian Cup に出場し、ワールドカップ予選でアジアの列強と対戦する等ハイレベルな国際試合の激増に熱狂し、それにつれてSocceroos ファンも激増。 Qantas 航空がスポンサーになる等オーストラリア大陸でのサッカーを取り巻く環境は大いに改善されている。

しかし“育ての親”の役目はそれだけでは無い事を知る人は少ないか? 
オーストラリア、ニュージーランドのサッカーと言えば“サッカー識者”達は判で押したように“フィジカルの強さと高さ。”ばかり強調するが現実は異なる。 A-League を見ても上位常連のチームはきちんと中盤でボールを繋ぎ、ボールを直接やり取りしない選手はスペースを作る動きを怠らない。そしてバックアップも忘れない。まだ雑なプレーや試合展開に応じてフォーメーションを細かく替える様な戦術は頻繁に見られないがそこに高さと強さが交わり J-League とは異なった特徴がみられる。
その変化の表れは現地のサッカーフリークに云わせれば “ジャパンスタイルを取り入れたんだ。”との事らしい。
2006年のワールドカップ、翌年 Sydney FC と戦った浦和REDS そしてAsian Cup , ワールドカップ予選と日本サッカーとの関わりが急速に多くなり日本サッカーの長所を取り入れる傾向が有る様だ。
それは2008年ACL準々決勝で 試合終了時に地元テレビアナウンサーが “Historical !! “ と叫んだAdelaide United が鹿島アントラーズを破った試合が良い事例だった。
代表監督も前任の Pim Verbeek はかつて愛する京都サンガの指揮を執り(短期間だけど)そして今は浦和レッズで ACL タイトルを勝ち取った Holger Osiek が監督に就任してる…

スタメンはこれで決まり…?
ワールドカップ予選と異なり集中開催で約3週間で、6試合目となる Asian Cup の決勝戦ともなればスタメンは予想し易い。
唯一問題になるのは左サイドハーフであるが、これは準々決勝を累積警告で出場停止だった Brett Emerton の代役で出場した Matt McKay を使うと Osiek 監督は明言している。 だからスタメンは下記で決まりだろう…と思う。           

           4 Cahill 178/65    10 Kewell 180/77      


      17 McKay 171/69             14 Holman 177/72


          16 Vareli 175/70    15Jedinak 189/88   


3 Carney 180/70  6 Ognenovski 195/95  2 Neil 185/80  8 Wilkshire 178/71


             GK 1 Schwarzer 194 / 85

ただ日本攻撃を警戒し右サイドバックに Brett Emerton を使うかもしれない。
左SB の Carney は本来は攻撃的な選手。Wilkshire はMFの選手で日本のSB長友、内田の攻撃力を考えれば Emerton の守備能力を置いておきたくなるかもしれない。 
GK Schwarzer はまさに鉄壁。
今大会のオーストラリアの決勝進出は Schwarzer のファインセーブ連発を無しに考えられない。それは今大会だけでなく前回、前々回のワールドカップ予選、多くの対戦相手がSchwarzer の軍門に下っている。アジアのレベルをはるかに超えているがもうアジアと云うよりも長年プレーする Premiership でも高い評価を受けている欧州でも屈指のGKからゴールを奪うのは容易ではない。
日本が勝つためには絶対に先制点を与えてはいけない。リードしたオーストラリアは逃げ切り方をしっている…



DFラインは両サイドバックの裏が狙い目か…

今大会オーストラリアが失点を許したのは1次リーグの韓国戦の1点のみ。
前回のワールドカップ最終予選でも失点は8試合でわずかに闘莉王のヘッド1発しかも予選通過を決めた後のメルボルンでの最終戦のみだった。
ワールドカップ終了後 Craig Moore が代表から引退し Lucas Neil とコンビを組むCB探しが急務だったが、大会直前のエジプト戦で召集された Sasa Ognenovski が今大会は定着している。
これまでのDFラインは高さというよりも Neil – Moore の絶妙のラインコントロールが特徴だった。( 確かに Moore も185cmあったけど ) 城南一和所属の Ognenovski は高さはあるが左右の動きに何があると韓国のマスコミに韓国戦の前に指摘されていた。両サイドバックの Carney , Wilkshire は元々中盤、攻撃的選手。 Wilkshire は2006年大会の日本戦ではMF ( ただあの試合は3バック ) 2010年大会では3試合ともスタメンで右SB だった。
Carney はもっと攻撃的な選手。 2007年ACL では Sydney FC の一員として浦和 REDSと戦ったがMFで起用されており攻撃に絡んでいた。特に左サイドの Carney と McKay は守備の面ではまだまだ難があるので対峙する岡崎、内田が積極的にがんがんついてくれば良いと思う。

      

2006年ワールドカップでの得点は中村俊輔の得点は本来はSchwarzer にぶつかった高原がキーパーチャージを取られてもおかしくなかった幸運な得点。
2009年ワールドカップ最終予選の最終戦での得点は CK からの闘莉王のヘッド。2007年 Asian Cup で高原が決めた様な流れの中でのゴールが観たいものだ…
出来れば2回以上..でもゴールならどんな形でもいいか

新ボランチは…
これまでは Jason Culina , Vincze Grella がボランチを組み、攻撃的なのが Culina , 1対1に強い Grella が守備的 MF と役割が決まっていた。
Carl Vareli はワールドカップで3試合ともスタメン出場。 劣勢の中攻撃にはよく絡んでいた。 しかし一緒に組んだのがドイツ戦こそ Grella だったが以降ガーナ戦、セルビア戦は Culina だったので役割が中途半端だった。ドイツ戦は Culina が左SHFで起用されると言うサプライズがあったのだけど…. Jedinak の特徴は 189cm の上背だ。 セットプレー、パワープレー時には前線に上がるだろうがその分守備を埋めるのは誰だろう? 

  


攻撃時にはこの2人が上がって来てこぼれ球を拾ったり、数的優位を作ったりするだろう。 しかし守勢に回った時には上手く対応出来るだろうか? 格が落ちる相手では攻め続けられるが今回の対戦相手でアジアトップクラスの韓国戦では韓国MF陣にボールを回されるシーンも少なくなかった。 ウズベキスタン、イラク戦でも押し込まれるシーンも。
ワールドカップ予選そして今大会のオーストラリアの特徴は守備ブロックを構成し、バイタルエリアを狭める守備戦術だ。日本はこのブロックの外でばかりボールを回し決定機をなかなか造らせて貰えなかった。
前のワールドカップ予選のMF,FW陣はスピード系の選手ばかりで強引に中に割って入れる選手がいなかった。しかし今大会は当たり負けしない本田がいる。彼が中に割って入りボールキープをし次への起点になる事が出来るのではないか?そして空いているスペースにどんどん入りドリブルで切れ込む事だ。 
ワールドカップでドイツがオーストラリを切り刻んだ様に…

サイドハーフは好クロスを配球する…
イラク戦では Kewell の決勝点を演出した素晴らしいクロスを上げ、ウズベキスタン戦では何度もスルーパスを通しチャンスを作り、得点を導いた。決勝トーナメントに入り Matt McKay 無しに決勝進出は語れない。しかし対戦相手は彼へのマークはやや甘かった。( ウズベキスタン戦は相手がリードされリスクを追ってでも前線に人を送る必要があったけど。) だけどウズベキスタン戦でのスルーパスを通すそのセンスはこれまでの Socceroos にはあまりいないタイプだ。
Holman はワールドカップで2得点を上げ今や Cahill に続く Socceroos の得点源と言われている。ロングレンジからのシュートが得意だが最近はクロスも上げる。
そして2トップの動きばかり気に取られていると Kewell , Cahill が2列目に下がって来た時にはよく前に飛び出してくる。前線の2トップを生かす動き、配球をサイドハーフ2人はこなしている。反対に日本のMF陣がこの2人を抑えれば前線の攻撃力が低下すると思われる。 香川が出られない分細貝を入れてサイドハーフ2人をケアーさせると言う手もあるか….

好調の2トップ
こんなに生き生きとした Harry Kewell を見るのはいつ以来だろう…
2006年ワールドカップではクロアチア戦で起死回生の同点ゴールを決めて以来怪我で泣かされ続け、 Socceroos のユニフォームを着た Kewell がこれだけ縦横無尽に走り回るのは….昨年のワールドカップでは不運なレッドカードを突きつけられ…もしワールドカップで納得のいくプレーが出来ていたらきっと Asian Cup には参加しなかったのではないかな…
ワールドカップ南アフリカ大会でのオーストラリアは前線は1トップだった。その為に Scott McDonald まで最後はメンバーから外された. Kennedy が1トップに使われる事もあったがワールドカップでは初戦が Cahill のワントップ。Cahill を出場停止を失ったガーナ戦は Kewell 。その Kewell を失った最後のセルビア戦では遂に Kennedy の1トップに Cahill のシャドー。この戦術に Verbeek 監督は地元マスコミに“消極的な守備的。”と言われた。しかしオーストラリアとは言えワールドカップでは格上との対戦になる。前線を減らして守備を強化すると言う戦術が最優先で取り上げることは不思議ではないと思っていた。
だが Osiek 体制になり2トップを採用する事をいち早く“公言”。これはRugby Union, Rugby League , Aussie Football が盛んなオーストラリア大陸で歓迎された。彼らは 1-0 で逃げ切る事は誰も期待していない。何点取られても相手よりも多く点数を取ってくれる攻撃的な試合を期待しているのだ…
しかしおそらくOsiek 監督の描いていた2トップは Josh Kennedy と Kewell または Cahill の2トップでそのどちらかは中盤から…であったと思うが Kennedy の負傷で思惑は崩れたと思う。
それでも今大会はこの2人がポジションチェンジを繰り返しながら素晴らしい動きを見せている。対日本戦4試合4得点の Cahill は最も警戒すべき選手だけど、足首の調子が懸念されるらしいが、ウズベキスタン戦の試合内容がこの2トップを途中でベンチに下げて休ませる事が出来た。これも大きいと思う。
日本がリード、あるいは同点の場合、投入される前線は McDonald かそれとも193cm 長身DF浦和レッズ所属の Spiranovich が入れられて前線に高層建築を施すか….

  


何度も云うが勝つためには先制ゴール. これさえ決まれば今回はかなり主導権を握れると思う。
前の試合で日本は120分+PK戦、オーストラリアは最後は余裕のあった90分。 共にインターバルは中三日だけど、3日あればかなり回復しているのではないかな…

キックオフまであと2時間。 明日はすがすがしい朝を迎えられる事を祈るよ。


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2 コメント

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アジア杯もろもろ (鍼灸)
2011-02-01 00:17:56
今回のメンバーで結果を出しても、得るものは少ない。これは以前から主張してきました。
しかし、コンティさんの指摘どおり、代表人気が豪国内のサッカー人気にある程度比例してる以上、結果はあった方がいい(矛盾してます)。Aリーグの観客の落ち込みの理由のひとつに南アフリカで結果が出なかったこともあると見ています。結果を出さないと他の4大スポーツに比べて、扱いがガクッと減りますからね。

で、シュート20本で1点も取れないとはひどいですね。
どフリーでふかしてばかりのエマートンを見ていると、もはやニールよりもこっちの方が限界かなと。エマートンより、そのままホルマンを使った方が良かったんじゃないかと思います。

今回の最大の発見はマッケイでした。実はマッケイのこと、よく知りませんでした(前の項であった、「ファリナ時代に呼ばれた」というのはマケイン(John McKain)のことではないでしょうか)。
年齢的にはマクドと同じ年(83年)なんで、ドバイU20とアテネ五輪に出ているわけですが、完全にノーマークでした。
埋もれなくてよかった。ルーは選考や起用で実績重視、ヨーロッパ組重視で、前監督時代は特にその傾向が強かった。オグネノフスキーみたいに埋もれる寸前で間に合った例もあります。
Age紙によると次回3月の欧州合宿では大量に若手を呼ぶそうんなので、それに期待します。
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大会済んで.... (Mr.コンティ)
2011-02-09 12:26:33
鍼灸様

いつもありがとうございます。 それから御指摘頂いたのは McKain でした。すみません。
今大会を機に大幅にメンバーチェンジ...と行きたいところですが、ドイツ組(それとも2002年組? MCG 組 ? ) は偉大すぎましたか、取って替れる選手がいないかも。ワールドカップ予選までには若い選手をテストし続けるかもしれないですね。 McKay, Kruse..欧州に渡る事でしょう。 Ognenovski も...? Brosqeは J-Leageu に来たけどあんまり関係ないか? Milligan, Spiranovic もっと頑張ってほしいです。
3月の欧州遠征がちょっと楽しみです。

でも Sccoeroos は強かった.....
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