Mr.コンティのRising JAPAN

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東アジアサッカーの将来 2

2005-02-20 | Football Asia
さて、このA3大会であるが、2年前がマツダ、昨年と今年は日産がメインスポンサーだが来年のスポンサー探しが難航しているとの事。そして今年韓国で開催される東アジア選手権、2007年に中国で開催が予定されているが、それ以降の開催についてもこれまたスポンサー問題で全く目処が立たないらしい。
アジアのサッカー界は最近ようやく韓国、日本がトップクラスに君臨するようになったが、70年代終わりから中近東勢の前に韓国ですら歯が立たない時期が続いた。その後プロリーグが発足した韓国は86年ワールド杯メキシコ大会出場以降、全ての五輪、ワールド杯の本戦に出場を果たしている。(ただし86年大会はアジアを東西に分けての予選で中東勢との対戦は無い。そして88年はソウル五輪)
多くの人が豊富なオイルダラーを元にサッカー先進国からコーチを招いたり、設備、環境を整備した事、また身体能力の違いからと指摘するが、この地域がアジア内でのレベルの高さを維持出来ている要因は他にもあると考えている。ここの地域の国々は真剣勝負を繰り返しお互いに切磋琢磨してきた。見渡しても、サウジアラビア、クウェート、イラク、UAE(アラブ首長国連邦)のアラブ諸国にペルシャ系のイラン。
全てがワールド杯出場経験のある。他にはワールド杯出場実績こそ無いが、バルセロナ五輪ではベスト8で1981年ワールドユース大会準優勝のカタール、そしてバーレーン、オマーン、シリア、そしてアジアカップで日本を苦しめたレバノンもレベルは上がって来ている。これら湾岸諸国の代表チームが集って覇を競うガルフカップを始め、エジプト、チュニジア、アルジェリア、モロッコというワールド杯出場経験のある北アフリカ諸国と代表チーム、クラブレベルでの交流が盛んで、こういったハイレベルのゲームの中で五輪やワールド杯予選を勝ち抜くのに必要な駆け引きやメンタル面が鍛えられていくのだ。
同様の事は東南アジア諸国にも言える。今でこそ、低迷をしているが、70年代は韓国でさえミュンヘン、モスクワ五輪予選ではマレーシアの後塵を拝している。この地域ではタイガーカップや東南アジア諸国間での五輪と言われているSEA GAMES がある。そして70年代は日本もよく参加したムルデカトーナメントという大会がマレーシアで開催されていた。国家レベルの真剣勝負で培われたものを以ってして日本はおろか韓国までも打ち破ったという歴史がある。次回のアジアカップはベトナム、タイ、マレーシア、インドネシアが共同開催だ。そしてベトナムを中心に経済状態が上向いており、それに伴い代表のレベルも上がってくると思われる。
こういう代表レベル、またはクラブレベルでの国際大会こそ最良の強化策だ。70年代の日本は真剣勝負の国際大会に参加する機会はムルデカ大会以外皆無に等しく、観光気分で来日する欧州や南米のクラブチームとの親善試合に明け暮れ、その結果で強化の進行状況を計っていた。
これでは、厳しい予選を勝ち抜けない。
韓国は70年代には大統領杯という大会を開催し(日本も81年に参加したことがある)近隣諸国と真剣試合をする事により強化を図ってきた。そして東南アジアでのトーナメントにも参加をし、三星や現代、ゴールドスター等はそこでのスポンサーになり、アジア市場でのマーケティングの一環としていた。 一方日本は、ビジネス面そして文化交流面でも欧米しか目が向いておらず、これではとても厳しい地区を勝ち抜けないのは当然である。
94年にFIFAのアジア地区の理事選挙で鄭夢準氏に大敗しその結果ワールド杯共同開催のきっかけを作ってしまったのだが、過去のサッカーにおける“アジア蔑視”が選挙結果の原因と言われている。
今、日本がすべき事はもう一度アジアに目を向けることだ。他のアジア諸国では日本代表の試合で観客を集められるという。またこういう大会に企業同行(スポンサー)で参加しても何ら後ろ指を指される事は無い。キリンカップや強化試合で欧州の代表チームがやって来ても一体何人のレギュラーがメンバー表に載っているのか? 我々が金を払って見たいのはある種の真剣勝負だ。こういった試合を積み重ねる事によって厳しい予選を勝ち抜く強さが培われていく。
A3チャンピオンシップ、東アジア選手権の様な大会をもっと増やして欲しいものである。
さもなくば、我々の地域が遅れをとるという事も十分に考えられる。
先日ご存知の通りアジア各地でワールド杯二次予選が行われた。日本、韓国、北朝鮮の中から一カ国でも多く本大会に東アジア地区から名乗りを上げて欲しいものだ。(日本は言うまでも無いが。)

★いつもブログに尋ねられている方、ありがとうございます。Mrコンティ氏は2/21より仕事で欧州へ出張になります。しばらくブログ更新が遅れるかもしれません。遥か遠方の異国より原稿の送信がありました場合は随時更新する予定です。(更新担当者より)


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