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Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

ブラジルに死角はあるのか?

2006-05-23 | FIFA World Cup
これまで開催された18回のワールドカップ全てに出場。これはブラジルだけだ。優勝5回 準優勝2回、セミファイナリスト3回、誰もが知る世界最高の水準を誇るブラジルだがブラジル国民の関心はただひとつ“セレソン”が優勝するかどうかだ。こんな大国と日本は6月22日に対戦せねばならない。世界中のどの国がこのブラジルを破ることが出来るのだろう?

ブラジル代表の23人は以下の通り。

GK : Dida (AC Milan / Italy ), Julio Cesar (Inter Milan / Italy ), Rogerio Ceni (Sao Paulo)
DF : Cafu (AC Milan / Italy ), Cicinho (Real Madrid / Spain ), Lucio (Bayern Munich / Germany ), Juan (Bayer Leverkusen / Germany ), Roberto Carlos (Real Madrid / Spain ), Gilberto (Hertha Berlin / Germany ), Cris (Olympique Lyon / France ), Luisao (Benfica / Porutugal )
MF : Edmilson (Barcelona / Spain ), Juninho Pernambucano (Olympique Lyon / France ), Emerson (Juventus / Italy ), Ze Roberto (Bayern Munich / Germany ), Gilberto Silva (Arsenal / England ) , Kaka (AC Milan / Italy ), Ricardinho (Corinthians)
FW : Ronaldo (Real Madrid / Spain ), Robinho (Real Madrid / Spain ), Ronaldinho (Barcelona / Spain ), Adriano (Inter Milan / Italy ), Fred (Olympique Lyon France ).

私の愛読する Four Four Two Magazine に中々興味深い記事があった。下記の五つの理由からブラジルが何故優勝すると楽観視されているかを疑問視している。

①歴史は繰り返す
これまで5大会の優勝でブラジルが大会前から優勝候補とされていたのは1962年のチリ大会のみ。この時は前回のスウェーデン大会で彗星のごとく現れたペレを中心にワールドカップ連覇が予想されていた。しかし、そのペレは初戦のメキシコ戦でこそゴールを上げ 2-0 の勝利に貢献するも次のチェコスロヴァキア戦で怪我、次のスペイン戦以降ポジションをアマリルドに譲ることになりピッチに立つ事が出来なかった。だが代役アマリルドがスペイン戦の2得点と決勝のチェコスロヴァキア戦での同点ゴールと大会3得点を挙げる。他にもガリンシャとババが4得点ずつ挙げるなどペレ以外の総合力で他国を圧倒していた。以降1970, 1994, 2002 と優勝を重ねるが、前回大会は南米大陸予選から苦戦続きで監督が替わる等大会の結果が不安視される中での優勝であった。だが1970年大会は大会前から欧州勢はメキシコの高地と高温対策に悩ませており、1994年アメリカ大会もスポンサーの関係から欧州時間に合わせて試合時間が決められた為、炎天下の試合が続き逆に欧州勢の切れは悪くなっていった大会であった。優勝した全ての大会がブラジルに期待されていない大会では無かった。 Four Four Two のこの記事には” 1974年大会は連覇が期待されていたが…” と述べられているが、かつて鹿島アントラーズでプレーしたレオナルドはこの行に“当時はペレ世代の終焉で新旧交代の時期であった。”と指摘。私も当時は地元西ドイツの成就、新生クライフのオランダ、そしてイングランドを欧州予選で破った五輪チャンピオンポーランドの台頭と欧州勢の下馬評が高かった大会と記憶する。 1982年スペイン大会は黄金のカルテットを擁しながら2次リーグでロッシのハットトリックの前に屈した。かつて中盤の一人ソクラテスは“決勝トーナメントでイタリアと当たる可能性があるので要注意”と述べているが、このイタリアをブラジルとは結構互角に戦っている。ワールドカップではブラジルの3勝(1PK勝)2敗だ。だが 1982年のセレソンの敗戦の原因は中8日で臨んだイタリアと中2日しかなかったブラジルとのコンディションの差も大きかったと思うのだが。それからマスコミがよく指摘する“ワールドカップが大西洋を渡ったのは1回だけ”というジンクスは今回はわからない。セレソンのメンバーを見ると第3GKの Rogerio Ceni ( サンパウロ ) MF リカリジーニョ (コリンチャンズ) 以外は全て欧州のクラブに所属する選手達だ。おまけにブンデスリーガ所属の選手が4人もいる。ドイツ以外にこれだけブンデスリーガ所属の選手を抱えている参加国はあるだろうか?コンディション調整を含め今や欧州は彼らの“ホームグラウンド”と言えるのではないか?

② FIFA の思惑 
前回大会と8年前のアメリカ大会でのブラジルの優勝は主審の手助けもあったと述べている。アメリカ大会の準々決勝戦、オフサイドポジションにいたロマーリオにボールが出たがロマーリオはわざとボールに触れずそのままボールはべべトに渡り貴重なゴールが生まれたが、このロマーリオのプレーは本当にボールに無関心を“装っていた”と判断できるか微妙だったと言う専門家もいるらしい。そして記憶に新しい前回の決勝トーナメント1回戦のベルギー戦、ビルモッツの完璧な先制ゴールを主審は何故か認めなかった。これは主審が問題だった。オランダ戦の主審はコスタリカ、ビルモッツのゴールを認めなかったのはジャマイカとサッカー界では小国の主審。彼らは大試合での経験に乏しく、ブラジルを負けさせてはいけないと言う意識が働くらしい。94年のオランダ戦後ブラジル協会の Ricard Teixeria 氏は“ワールドカップの勝負はピッチ内ばかりでない”と述べたらしい。 しかし、今回は風向きが異なる。もし今大会欧州勢が優勝を逃せば、次回の南アフリカ大会そして次々回の開催地として有力なブラジルと欧州勢には不利な開催地が続く。従ってUEFA オルセン会長を始め、欧州勢が今大会優勝する必要があると思っている?それにブラジルが連覇すれば先述の Teixeria 氏の権力が強くなりFIFAブラッター会長ブの地位が脅かされるとの危惧がある。

③ ブラジルサッカー協会 CBF の問題
フランス大会の決勝戦。体調が万全でなかったロナウドを強行出場させたのはスポンサーである NIKE の責任であった、とされている。しかし、現在多くの専門家は NIKE はただスケープゴードにされただけで、真の責任者はサッカー協会の CBF にあった。と見られている。 スポンサー料を吊り上げるために協会がザガロ監督以下ブラジルベンチに圧力を掛けたと言われている。 ただこの手の話は多くある。1978年アルゼンチン大会、初戦のスウェーデンとは 1-1 、続くスペイン戦を0-0 と連続して引き分け1次リーグ落ちが不安視された。第三戦は既に2次リーグ進出の決まっていたオーストリア。エジーニョ、ジーコ、レイナウドが外れロドリゲス=ネト、メンドンサ、ロベルトが起用され、そのロベルトのゴールで勝利を収めたが、“メンバーを決めているのは協会でコウンチーニョ監督はただ座っているだけ”と言う噂が飛び交った。確かに唯一得点を決めたレイナウドが外されたのは以外だったが、ジーコは調子が全く上がらず、エジーニョはタフな守備で定評のある選手。ロベルトは続くポーランド戦でも2ゴール。1980年にはバルセロナに移籍するほどのストライカーの資質を備えていた。 しかしもっと気になるのは先述の Teixeria 会長だ。3月にマイナス20度の極寒の中、ロシア代表と親善試合を行なったがその目的はブラジル製ビールのロシア市場での拡販とされているがAmBev社側は否定してる。だがあの時期に氷点下20度の中で試合を行なうこと自身が不可解だ。 Teixeria 会長はセレソンが遠征する際のホテルの手配等を一切仕切っているが、 NIKE Brazil のトーレス会長でさえ“ Teixeria は協会とのこういった係わりを一切話さない”と述べている。 セレソンは今や世界1のドル箱。テストマッチがセレソンの強化以外の目的で組まれる事は明らかだ。

④ 選手に潜む問題
地元ジャーナリストは選手自信の自己満足に危惧を隠さない。確かに彼らは自信を持ってピッチに立ち、いくらかは負けるのではないかとの不安感も持つ選手もいる。しかし、セレソンというブランドが選手達に慢心を抱かせないか?1994年コーチであった、アルベルト=パレイラ、1970年ベテランFWジャイルジーニョは“とにかく慢心、自己満足を取り除く事に腐心した。”と語っている。今の代表選手にそれを自己認識しているかが心配らしい。それから欧州DFはラフに削ってくる。ロナウジーニョがその標的になるのではないか?1966年イングランド大会ではペレがブルガリア、ポルトガルのDF陣に削られまくったが審判はだれもファウルを取らない。この様にして文字通りペレは大会から蹴り出されてブラジルは1次リーグで消えた。ただこの時のブラジルは世代交代の時期に差し掛かっておりそれが上手く進んでいなかったときでもあった。 

⑤ 誇大評価を信じるな?
果たして今のセレソンは一人一人を見るとそんなに突出した選手なのか?ブラジルのマスコミはカフー、ロベルト=カルロス、GKジダの間の空間を“バミューダ三角海域”と呼んでいる。その空間は何がおこるかわからないと言う事だ。ACミランの GK ジダとレアルマドリードのロベルト=カルロスことロベカルは今季それぞれ所属先のクラブでさしたる活躍は無かったとブラジルでは思われている。カフーは怪我で離脱していた期間が長かった。ACミランのジダは歴代のブラジルGKの中では最も有名なクラブチームでレギュラーを得たとされている。 Champions League での好守連発を思い出せば私は決して今季は不調だったとは思えない。歴代のGK、レオン、タファレルと並ぶ選手と思うが黒人GKとなると1950年、ウルグアイに敗れたワールドカップ以来のGKとなるらしい。(1982年のペレスは違ったかな?間違っていたらごめんなさい。)今でも有色人選手は白人選手の中に混じると気後れしてしまうらしい。これは単一国家の日本人には理解し難い事だ。ロベカルは今年33歳。カフーに至っては開幕2日前に36歳になる。もしどちらかに替わってチチーニョが起用されたら“彼は攻撃参加をしたらそこに留まる” とかつての英雄トスタンは杞憂する。 ”スポーツチャンネル” として世界的に有名なESPN ブラジルのTrajano 氏は “センターバックはいつも我々をいらいらさせる“ とコメント。前回のイングランド戦で自らのミスからオーウェンに失点を許したルチアーノをパレイラ監督が未だに好んで起用する事が不可解らしい。 エメルソン、ゼ・ロベルトの二人もブラジル人から見れば“並みの選手”との評価で、アドリアーノ、ロナウドは“輝きを失っている”との事。今大会の南米地区予選ではブラジルは1位で通過したがそれはアルゼンチンと同勝点で並び得失点差で上位に来ただけで、それもホームでチリを 5-0 で破った試合があったからと厳しい評価。今大会予選ではベネズエラ以外全ての国がブラジルから勝ち点を挙げたがこれはブラジルのレベルが下がったと言うよりも南米のレベルは上がったと言うべきだろう。 しかし先述の Trajeno 氏は“優勝候補と言われる事が心配だ”と述べ、ペレと共にワールドカップを勝ち取ったリベリーノも“多くの代表選手は自分の道を踏み外していると思われる。その選手達がワールドカップで従来の力が発揮できるかに掛かっている。”と“非常に心配している”とコメントしている。 ブラジル国民はそうなるように祈っており、他の31カ国はそうならないことを願っている。 

クロアチア戦 勝機はあるのか?

2006-05-21 | FIFA World Cup
ワールドカップで同組になるひとつの国、クロアチア。昨日、隣国スロヴェニアにて代表チームは始動合宿を始めた。クラニチャール監督は“ジーコ監督の事を尊敬している。ジーコ監督の素晴らしさが無ければ今の日本代表は無い”と言うジーコ監督の賞賛に始まり、日本のテレビ番組向けには“クロアチアには勝たないでオーストラリア、ブラジルに勝って下さい。一緒に決勝トーナメントに行きましょう。”と余裕のコメントを。 だがはっきり言ってクロアチアの世論、そして一般市民は誰もクロアチア代表が日本代表に負けるとは想像もしていない。1991年に端を発した旧ユーゴスラビアの崩壊に始まり、1996年の欧州選手権決勝大会への進出を皮切りに、ワールドカップフランス大会の3位、続く日韓大会への連続出場、2004年ポルトガルでの欧州選手権進出。これだけの戦績を列挙しただけでも彼らがアジアからやって来た、行った事も無い国に負けるなど考えられないと言う事も理解できる。 8年前のフランス大会では 0-1 と惜敗ではあったが、日本の決定機はあの中田から出たロングパスを受けた中山のシュートが GK ラディッチの自身の歴史書に残るであろう反応によって防がれたあの1回のみ。不安視された負傷で出られなかったボバンの穴も問題せず勝利という結果を引き出した。 6月18日に当たるクロアチアに敗れるようでは日本のベスト16は有り得ない。では日本はクロアチアに勝てるのであろうか?

クロアチア代表の23人
Keepers: Tomislav Butina ( 32 : FC Bruges/BELGIUM ), Stipe Pletikosa ( 27 : Hajduk Split ), Joseph Didulica ( 28 : Austria Vienna/AUSTRIA )
Defenders: Robert Kovac ( 32 : Juventus Turin/ITALY ), Stjepan Tomas ( 30 : Galatasaray/TURKEY ), Dario Simic ( 31 : AC Milan/ITALY ), Mario Tokic ( 31 : Austria Vienna/AUSTRIA ), Josip Simunic ( 28 : Hertha Berlin/GERMANY ), Igor Tudor ( 28 : Sienna/ITALY ).
Midfielders: Jerko Leko ( 26 : Dynamo Kiev/UKRAINE ), Jurica Vranjes ( 26 : Werder Bremen/GERMANY ), Antony Seric ( 27 : Panathinaikos/GREECE ), Niko Kovac ( 34 : Hertha Berlin/GERMANY ), Marko Babic ( 25 : Bayer Leverkusen/GERMANY ), Darijo Srna ( 24 : Shakhtar Donetsk/UKRINE ), Ivan Leko ( 28 : FC Bruges/BELGIUM ), Luka Modric ( 23 : Dynamo Zagreb), Niko Kranjcar ( 22 : Hajduk Split).
Strikers: Ivan Klasnic ( 26 : Werder Bremen/GERANY ), Ivan Bosnjak ( 26 : Dynamo Zagreb), Bosko Balaban ( 27 : FC Bruges/BELGIUM ), Ivica Olic ( 26 : CSKA Moscow/RUSSIA ), Dado Prso ( 21 : Rangers/SCOTLAND ).

クロアチア伝統のシステムは 3-4-1-2 。しかし、前回のワールドカップではボクシッチのワントップ気味のどちらかと言えば4バックを採用した 4-3-2-1 。1次リーグで敗退したせいか?2年後の欧州選手権では 3-4-1-2 に戻している。しかし、当時のバリニッチ監督は、今大会で話題になっている司令塔クルニチャ-ルをメンバーから外し、クラスニッチ、バビッチと言ったブンデスリーガで活躍する選手を起用せず守備的な布陣で臨み1次リーグで敗退。イングランド、フランスと同組では(もう1つはスイス)そうせざるを得なかったか?後任のズラトコ=クラニチャール監督は伝統のシステムはそのままにしながらも特に実息になるニコ=クルニチャールを直ぐに代表に呼び戻すなど攻撃的な布陣を敷く方策を慣行。それには特にディナモ=ザグレブのサポーターを中心に批判が集ったもののソフィアでのブルガリア戦でゴールを挙げるなどその実力を証明するなど完全にチームの中心的存在となる。 しかし、今般の代表選出に当り、2005年のクラアチアリーグ最優秀選手でもある注目の帰化人選手ディナモ=ザグレブ所属のエドゥアルド=ダシルバを外しマルコビッチ協会会長までこの選出に言及し“クラニチャール監督を話し合う”とコメントする等物議を醸し出している。 兼ねてからクラニチャール監督は“予選の重圧を乗り越えた選手を選ぶ”と公言していた。 確かにダシルバはワールドカップ予選に選出されたがプレーはしていない。だがディナモサポーターはFWオリッチは怪我の回復が不安視されている、ダシルバを選ぶべきと、これはディナモ叩きだ、と不満を隠さず息子ニコのユニフォームを豚に着せるパフォーマンスまで。だが、先のアルゼンチン戦の好パフォーマンスを評価され、ワールドカップ予選に召集されなかったただ1人の選手、モドリッチはディナモの選手だ。予選では合計38名の選手が召集され6名が国内クラブチーム所属の選手だった。その中から今回選出された23人の選手の中で国内組はディナモ、ハイデゥク=スプリトから2人ずつの4人だ。

GK 日韓大会ではプレティコサがレギュラーであったが、以降ブティナが正GKとして2004年欧州選手権もゴールを守る。ワールドカップ予選も10試合中2試合をプレディコサに譲るも予選突破のかかったスウェーデン、ハンガリーとの最後の2連戦はプティナが起用された。第三GKのティドリッツァも含めGK全員が190cm以上の長身。中村のFKに手が届きやすいか? 

DF : 左からシムニッチ、コヴァチ、トマス(またはシミッチ)の3バックだが、スタンメン候補はシミッチを含む4人全員が前回のワールドカップ、2年前の欧州選手権の経験者。DF登録6名の平均年齢は30歳丁度。こちらはトキッチ以外180cm以上。欧州では高いDFとはいえないだろうが、今大会の予選も高さでは定評のあるスウェーデンを2試合とも完封している。 空中戦では日本は不利だろう。思い出すのは8年前。クロアチアDF 陣は終盤の日本は何度もコーナーキックを得るが、それはクロアチアが制空権を完全に支配したとみるや、日本の連続攻撃に余裕を持ってコーナーに逃れた為。 中澤の攻撃参加に期待するか?それとも空中戦以外の戦術に専念するか?だが平均年齢30歳、ブラジルとの初戦を終えた後ではスタミナの消耗も激しいであろう。DF陣の層の薄さがクロアチアのネックだ。シムニッチ、トマスの両サイドバックのバックアップ(洒落ではありません。)に人材がいない。日本戦はそれが吉と出てくれれば良いのだが。 日本のFWは高原、玉田。または高原、柳沢の様に動きの早さに特徴のある選手が効果的か?そして終盤のスタミナ切れを狙って巻を投入するか?

MF トップ下に配されるハイデゥク=スプリト所属の司令塔のクラニチァール、攻撃的MF左のバビッチ、右のスルナは脅威だ。両サイドから質の高いクロスが配球され、特に右のスルナ=ダリオはブルガリア戦で2得点最終戦のスウェーデン戦での1ゴールを含む予選4得点クロスも挙げてゴールも決めると言うメキシゴ輪の宮本、杉山を髣髴させる(古いか?) 先のアルゼンチン戦で見せたクラニチャールのパフォーマンスは欧州のどこのビッグクラブでも欲しがるのでは無いか? またダブルボランチのニコ=コバチ、トドゥールこそスウェーデン、ハンガリーに失点を許さなかった立役者。おそらく先制点を取れば、後はニコ=コバチの実弟ロベルトを入れて守備を厚くしてくる。ユーベントスでプレーするロベルトは、かつてはバイエルン・ミュンヘンでもプレーしている。ブラジル戦ではワントップにしてこの3人が守備的MFに配置され、失点を抑えあわよくば引分に持ち込み、日本戦には2ボランチで臨んでくると思われる。ニコ=コバチは欧州選手権のフランス戦でゴールを決めており、トドゥールはフランス、イングランド相手に1点ずつ決めており国際舞台での得点力も有る。そしてあまり注目されていないが SRNA Darijo は要注意だ。ホームとアウェーでのスウェーデン戦で各1点ずつ、ブルガリア戦で2得点と重要な試合で得点を挙げている。日本戦では彼がどこかで起用される展開になるかもしれない。だがコバチ兄弟は年齢30歳以上。大会期間中もコンディショニングが不安視されている。

FW 予選5得点のプルショはグラスゴーレンジャーズのストライカーで身長190cmの長身で予選最終戦のハンガリー戦では2ゴールを決めている。そしてブンデスリーガ、ブレーメンの186cm FWクラスニッチは優勝した 03-04 では13得点を挙げて、ドイツFWクローゼと並ぶ得点源。昨シーズンもクローゼに次ぐ10ゴールを挙げた。 プルショは2004年の欧州選手権のフランス戦でも1ゴールを決めているが、クラスニッチは先述した通り出場機会を与えられなかった。もう1人の予選で2得点を挙げたFWバラバも187cmの長身で欧州でも屈指の力強いFW陣だ。もう1人の欧州選手権経験者CSKAモスクワ所属のオリッチは怪我の回復が不安視されている。

クラニチャール監督は日本DF陣の弱点を横からの揺さぶりと公言している。これは同時に高さの事も表しているだろう。MFバビッチ、スルナのクロスはハイレベルだ。失点を防ぐのはサイドへのスペースを消す事だ。それと最終ラインが勇気をもって高い位置を維持する事だ。いくら上背がある選手でもその脅威はゴール前のみ。ペナルティエリアの外ではさほど脅威にならない。日本の中盤構成は小野、稲本といった攻撃的MFよりも福西、中田浩二といった守備能力に優れた選手が適役か?ただジーコ監督の指摘する“かつてほど足元がしっかりしていない”と言う様に1対1なら日本も負けないのではないか?クロアチア首脳陣にとってはMFを含めて攻撃的選手にワールドカップ経験者がいないので期間中のコンディショニングが課題だ。クロアチアは好守に渡り中盤がカギを握っている。この中盤を制する事が出来れば日本の勝利も見えてくる。月並みだが相手が攻撃に転じればDFとMFが連携をし、日本が攻めるときはMFの早い押し上げ、前線へのサポートを続け常に数的優位を保つ事が必要だ。

参考までに、GK Joey Didulica, DF Joship Simunic そしてMF  Antony Seric の3人はオーストラリア生まれのクロアチア人で境遇はオーストラリアのFW Mark=Viduka と同じだ。 Viduka も一時クロアチア=ザグレブでプレーをしていたが、他の3名はそのままクロアチアに留まることを決意した。
クロアチアは当然日本から勝点3を挙げられると計算しているだろう。欧州人のほとんどがその様に想像するのは当然だ。アジアの代表国はかつて欧州の地では2回しか勝利を収めていない。そのうちの1つは8年前のフランス大会でイランがアメリカを1-0 で破った試合だが、欧州勢が相手だと、あの伝説の1966年大会イタリアを朝鮮民主主義人民共和国が破った試合しかない。6月17日にイランがポルトガルと対戦するが、日本がクロアチアを破ればAFCにとっては歴史的な日になる。(同日韓国がフランスと対戦する) 日本のマスコミが楽観的に分析する様な容易な試合には決してならないが、可能性はフランス大会よりは高いのではないかと思っている。 

それを”朗報”と言うのか??

2006-05-18 | FIFA World Cup
世界各国がワールドカップ代表選手が続々と発表されるここ数日。日本のスポーツ新聞に“日本に朗報”と言う見出しが躍っていた。 よく見ると6月12日に対戦するオーストラリアの主力選手の故障回復が遅れているということらしい。少なからず本格的にスポーツの真髄を極めようとしていた私にとってこの見出しは気分の良いものでは無かった。まぁ原稿を作る人々の中にはスポーツ経験が限りなくゼロに近い人間がいると言うことを聞いた事があるので、こういう無神経な見出しが紙面に躍るのだろう。 
オーストラリアと言うよりも欧州でも屈指の Strummer ,ハリィー=キューウェルは FA Cup の決勝戦で古傷の股関節と足の付け根の筋肉を傷めて途中でピッチを後にしたばかりか、故国オーストラリアに帰国しての代表キャンプに合流できず5月25日、メルボルンで行なわれるギリシアとの“壮行試合”にも欠場、その試合の翌日欧州に入りする代表チームと現地で合流することになった。ただオーストラリア代表のチームドクター?( Physiotherapist と表現されていた。)は完治するまで3週間と明らかにしていたらしい。しかし、ヒディング監督はバックアップメンバー帯同させない意向とのことらしいが。 また4月22日の Birmingham City 戦で Damien Johonson と交錯して左膝靭帯を痛めているケーヒルは未だ回復の見込みが立たないらしく、欧州に留まりキューウェルと共に現地合流の予定だ。しかし、怪我をした当時は“この種の怪我は一般人にはあまり起こらないので回復見込みについてはなんとも言い難い。もし完全に靭帯が断裂していた場合は複雑な手術が必要だ。部分的な断裂に就いては大体6週間の回復期間は見込まねばならない。この2週間の精密検査次第だ”とのことであったが、どうなったかな?一方スペインの Alaves 所属のアロイージは5月13日最終節の残留のかかったラ・コルーニャ戦を欠場。何故この大切な最終戦に出場しなかったのかはオーストラリアメディアの間でも謎だそうだ。多分ワールドカップに備えてだろう?Alaves は 1-0 で Deportivo La Cournua を降したが、勝ち点1足らずに降格が決まってしまった。尚 Liga de Espanola はまだシーズン全日程が終了しておらず、欧州王者のバルセロナがアスレティッキ=ビルバオとの試合が残っている。 また第二GKと言われている(ただ正GK候補のシュヴァルツァーに取って変わるかもしれないが)AC Milan 所属のカラツがある賭け屋に入店するところの写真が La Gazzetta dello Sport に掲載された。しかし、この一連を彼は“私はただ、競馬をしに出かけただけ。おそらく誰かが金目当てに写真を売ったんだろう。もし私がAC Milan の選手でなければ新聞も取り上げなかったはずだ。もし私がこれまで通り Perugia でプレーしていたら何も言われなかっただろうに。”と一笑に伏した。 今イタリアは Juventus の審判操作疑惑が持ち上がっているので AC Milan の選手の写真は何かとネタになるのであろうに。 だがこんなニュースばかりでない。ヒディング監督は代表の練習キャンプに五輪選手をスパーリングパートナーに選んでいる。これは欧州に行っても当地でプレーする五輪候補選手も当地で合流して Socceroo の練習パートナーを務めるらしい。 翌年、北京五輪のアジア予選に臨むオーストラリア五輪代表こと Olyroo にとってはこの上ない動機付け、経験になるに違いない。オーストラリアと対戦せねばならない新生“反町五輪チーム”。相手は手強いぞ。  
オーストラリアは多くの選手が8年前のフランス大会予選からの経験者。Stan Lazaridis の様なようやく世界の舞台に立てた選手もおればTony Vidomar の様に健康上の理由で(不整脈がみられている。)直前になって晴れのワールドカップ行きを断念した選手も。これはオーストラリアに限ったことがないが、例え対戦相手とはいえ、 Vidomar の様な選手の心中を考えると私はとても”朗報“とは思えない。

サッカールーも 23人決定

2006-05-16 | FIFA World Cup
5月15日、日本列島を話題に包んだワールドカップに選ばれた日本代表23人の発表があった。“サプライズ”はほぼ当選確実と言われていた久保が外れて巻が選出された事。だが故障で体調が万全では無い久保が外れて、ここしばらくの代表の試合で結果を残していた巻が選ばれたのは至極当たり前であろう。また個人的には今はフランスでプレーするがかつては我が愛する京都パープルサンガでプレーしていた松井大輔が選出されなかったのは残念であった。松井はまだ若いので4年後を積極的に狙って欲しい。
その日本代表メンバーの発表の前に、6月12日に初戦で対戦するオーストラリア代表の最終メンバーが5月10日発表された。 ここでの”サプライズ”は“地元” A-League でプレーする選手2名、191cm のDF Michael Beauchamp ( Central Coast Marines ) と DF のMark Milligan ( Sydney FC ) が選ばれた事と、ドイツブンデスリーガでプレーする 191cm の長身FW Josh Kennedy が選出された事だ。
Beauchamp は昨年ヒディング監督就任直後のオランダキャンプにも呼ばれており、 Milligan は2003, 2005 年のワールドユースのメンバーで昨年、オランダでのワールドユースでは日本とも戦った。 Kennedy は代表初選出がこのワールドカップの舞台となる。 18歳からドイツに渡り、 Wolfsburg, Stuttgart そして 1FC Koln を経て現在は 2部のディナモ=ドレスデンでプレーをする Kennedy はニースケンスコーチが推薦したらしい。この長身のFWには“ England の クラウチ “ をイメージしての選出だ。 Kennedy は来シーズンは F.C.Nuremberg でプレーする。 現在彼の最大の問題は5月26日にバスケットのオーストラリア代表選手 Jacinate Hamilton 嬢との結婚式を控えており、それは Melbourne Cricket Garden で行われるギリシアとの壮行試合の翌日で、この日に代表は欧州に出発するのではあるが、Kennedy は結婚式の為に特例をもって一日遅れての出発が認められた。Milligan はおそらく大ベテランの DF Tony Vidmar の健康上の理由からの代表辞退によるものと見られている。現在 A-League はシーズンオフで、New South Weales 州の1部 ( Premier League ) の Sutherland Sharks でプレーしているが、ここでの観客数は400人程度。 それがこれから8万人の前でプレーするのだ。 Milligan は今年3月 Sydney FC との Grand Final には累積警告で出場出来なかった。これまで1回だけ Socceroo に選ばれた事があるが、それが2月にバーレーンで行われたアジアカップ予選であった。国内リーグで頑張ってきたその積み重ねたものが認められた選出と言えるだろう。また注目のGK枠争い、Middlesbrough のオーストラリア人第二キーパー Bradley Jones は残念ながら選ばれなかった。
ヒディング監督の今の焦点は DF Vidmar の穴をどう埋めるかだろう。それに190cm以上の長身の選手を入れてきたのは日本対策ではないかな? GK シュヴァルツァー、 FW キューウェル、ヴィドゥーカ、MFケーヒルと負傷で仕上がりが今一の選手達、しかもそれが主力の選手である Socceroo だが、このチームは組織力よりも個人の能力で状況を打破するチーム。その主力選手の調子が勝敗を左右する。 あと約1ヶ月、彼らは日本相手にどのような方策を練ってくるのだろう? 

Socceroo Squad
GK : Ante Covic ( 30 / Hammarby :Sweden) Zeljko Kalac ( 34 / AC Milan : Italy )
Mark Schwarzer ( 34 / Middlesbrough : England )

DF : Michael Beauchamp (25 / Central Coast Marines ) Mark Milliga ( 21 / Sydney FC )Stan Lazaridis ( 34 / Birmingham City ) Graig Moore ( 31/ Newcastle United : England) Lucas Neil ( 28 / Blackburn Rovers : England) Tony Popovic ( 33 / Crystal Palace :England)

MF Marco Bresciano ( 26 / Parma : Italy) Tim Cahill ( 27 / Everton : England) Scott Chipperfield ( 31 / FC Basel : Switzerland) Jason Culina ( 26 / PSV Eindhoven : Holland ) Bretto Emerton ( 27/ Blackburn Rovers : England) Vince Grella ( 27/ Parma : Italy) Harry Kewell ( 27 / Liverpool : England) Josip Skoko ( 31 / Wigan Athletic England ) Mile Sterjovski ( 27 / FC Basel : Switzerland) Luke Wilkshire ( 25 / Bristol City : England)

FW John Aloisi ( 30 / CD Alaves : Spain) Archie Thompson ( 27 / PSV Eindhoven Holland ) Joshua Kennedy ( 23 / Dynamo Dresden : Germany) Mark Viduka ( 30 / Middlesbrough : England )

オーストラリア も ワールドカップモード

2006-05-07 | FIFA World Cup
オーストラリア大陸の大都市はシドニーを始め殆どが東部に集中している。オーストラリア西部の大都市パース~シドニー間は国内機でも4時間のフライトだ。それも東西間の移動なので2時間の時差を頭に入れて移動予定を組まねばならないのが辛い。しかしパースはシンガポールから飛行機で約4時間半のフライトで、時差も無い。世界屈指のシンガポール航空の快適なフライトといじわるなスチュワーデスで有名なカンタスの狭い国内機のフライトとを比較すれば今後はどういう経路でここに来るべきか述べるまでもないだろう。極めつけは航空運賃だ。昨年来の原油高騰をうけてカンタスはさらにSer Charge の値上げを発表した。 そのカンタスがメインスポンサーになっておりQantas Socceroo と地元マスコミに名付けられている、オーストラリアサッカー代表チーム。6月12日、カイザースラウテルンでの我が日本戦に向けて地元でもようやくワールドカップモードの入ってきた様だ。まずサッカー熱がA League 発足の影響で急上昇しており、現地入りした当日の紙面では8月から始まる A League の地元 Perth Glory の日程が紹介されていた。目標はやはり昨シーズン優勝を収めた FC Sydney だろう。だが地理的に対戦相手はアデレイド以外、全てのチームが東部(そして New Zealand Auckland Knights ) に集中しているのでその移動距離がネックになると。街行く人の中にも Perth Glory のレプリカを着る人も目に付く。もちろん彼らの口からはここでプレーする日本人選手“ハヤシ”の名前はよく出て来る。これまではどうしても Aussie Football や Rugby Union, Rugby League のレプリカしか見なかったのに。日本の書店何ヶ月も前から山の様にワールドカップ観戦ガイドが発売されていて食傷気味だ。しかも内容も幼稚でお粗末なものが殆どだ。昔、まだワールドカップが世間に知られる前は専門誌が本大会の組分け、日程が決まってから増刊号として出版していた。今から考えればそれらは非常にシンプルで的を得ていた内容であった。オーストラリアではどうだろう、と News Agency のスタンドに行くとワールドカップの紹介雑誌を見つけた。だがそれらにはどうも初戦の日本戦はあまり重視をされておらず、第二戦の相手ブラジルの紹介、分析に随分誌面を割いている。確かに4月19日の地元紙 The Australian にはセレソンの MF エメルソンが本大会でヒディング監督率いる Socceroo が4年間の“Korean Style “ でブラジルを破る番狂わせを instigate ( 扇動 ) 出来得る、とのコメント記事を載せている。”彼ら(オーストラリア代表)の最大の artillery (火器) はベンチに座っている“”ヒディングは貴重な経験を持った監督だ。これまでいくつものタイトルを指揮するクラブチームのもたらしその能力を示した“と語ったらしい。確かに ZICO は監督経験無いけど。ブラジルの大会連覇は強固なものとしながらも、ヒディングこそセレソンの2次リーグ進出を最も妨げる、と述べている。ただあまり Socceroo の個々のメンバーは熟知していないとも。所属先の Juventus のチームメイトでウルグアイ代表としてオーストラリアとプレーオフを戦った Zalayeta に色々訊いているらしい。この際日本にも教えてくれないかな?また欧州で活躍する ヴィドゥーカ、キューウェルそして同じセリエAのParmaに所属のブレッシアーノ、グレラにも要注意との事だ。そのエメルソン自身、1998年フランス大会に出場しながら前回は大会直前に腕の骨折で出場できず、今大会に臨むにあたり心中期するものがあるに違いない。心中期する選手ではオーストラリアの Josip Skoko も同じだろう。2005年のFIFAコンフェデレーションズ杯では4ゴールを挙げながらヒディング監督下では10分しかプレーしていない。昨年11月には所属先の Premiership の WIGAN XI から下部リーグにあたる League Championship の Stoke City にいわゆるレンタル移籍の形で移った。しかし、移籍後は8試合連続出場し2得点を挙げ復活をアピール。2月22日のアジアカップ予選のバーレーン戦ではフル出場を果たし、1得点を挙げ Man of the Match になったが、この試合、ヒディング監督は不在だった。本日 Premiership 最終戦のArsenal 戦に出場予定だ。だが来季は Stoke City に完全移籍となるらしい。だが今ヒディング監督を悩ませているのは、欧州のリーグ戦を終盤に迎えたこの時期の選手の状態だろう。イングランドはオーウェンが今年初めに怪我で戦列を離脱し、ルーニーまでが4月29日の Chelsea 戦の骨折でドイツ行きが絶望的だが、オーストラリアもけが人が続出だ。 まずウルグアイとのプレーオフでの勝利の立役者 Middlesburg 所属のGKシュヴァルツァーは22日の West Ham 戦で頬骨を負傷し退場の憂き目に。27の UEFA Cup の Steaua Bucuresiti 戦も当然出場出来なかったが、その穴埋めを同じオーストラリア人GK Bradley Jones が果たす。5月1日の Manchester United 戦は後半ニステルロイのPKをストップし、ワールドカップ予選には選ばれなかったが、これで一躍GK候補に。このポジションには他にもワールドカップ予選6試合に出場した AC Milan の第三GKゼリコ=カラッチ、出場は無いがベンチ入りは果たした Sweden Hamamardy 所属のアンテ=コビッチ、トルコリーグ Sivasspor 所属の ミヒャエル=ペトコビッチ,そしてカズのチームメイトでもあった Sydney FC のクリント=ボルトンと候補が絶えない。しかし、Everton 所属の ティム=ケーヒル の代役はそうそういないだろう。22日の Birmingham 戦で負傷し、手術にまでは至らず、本大会にも間に合いそうな見通しだが、 Everton の David Moyes 監督は早くも”大会では無理させない様にすべきだ“と牽制を。シュヴァルツァー、そしてヴィドゥーカの起用を マクラーレン監督が言及しなかったのは既にイングランド代表監督のポジションが決っていたからだろうか?その”デューク“マーク=ヴィドゥーカも怪我で今ひとつだ。4月20日 ブカレストで行われた UEFA の First Leg そして22日の West Ham 戦は大事を取って不出場。しかし、27日の UEFA Cup Second Leg の Stauau 戦 は半ば強行出場。3度目の奇跡の立役者になるも、29日の Everton 戦は、1日の Manchester United 戦は欠場。今後の回復振りが心配されるが、本人としては14日の UEFA CUP の決勝戦には完治したいだろうに。そしてエースの Kewell も怪我だ。4月19日のボルトン戦では” 彼のCarrier では Best Performance の1つ“と評価され、次節のブラックバーン戦では後半から途中出場し22分程度プレーし評価は 6 であった。そして22日 FA Cup 準決勝の Chelsea 戦では先の Blackburn 戦、同じポジションをノルウェー代表のリーセに譲った鬱憤を晴らすようなパフォーマンスを披露し好機を演出するも77分、負傷退場。4月26日の West Ham 戦はベンチから外れた。 Kewell の状態こそワールドカップでのオーストラリアの成績を大きく左右する。だがCBルーカス=ニール 右MF ブレット=エマートン の Blackburn Rovers コンピは健在だ。優勝を決めて士気が下がっていたとはいえ Chelsea を破り、次の Charlton にも快勝し一気に UEFA CUP 圏内に入ってきた。最終戦の Manchester City 戦でその権利を確実にしたいとこだ。また Eredivisie NAC Breda 所属の ベテラン DF トニー=ヴィドマー はおそらく大会後はオーストラリアに帰国し A- League の Adelaide United への入団が濃厚らしい。ウルグアイとのプレーオフでも左DFを務め、大会期間中に36歳になり、代表キャップ90を誇るベテランは大会後に凱旋帰国するとの事。また同じポジションで Birmingham 所属の スタン=ラザリデス も大会後は Newcastle United Jets を初め計4つの A League のクラブがアプローチをしている。そしてUAEのクラブも。ただ ラザリデスはヒディング監督が指揮する PSV Eindhoven 戦では怪我の為に出場出来ず、ワールドカップ出場へアピール出来たであろうか?オーストラリアに来る機会が出来て8年。ようやくサッカーがこの地でも市民権を得てきた。専門誌の日本の評価は”中盤での高い技術と組織力“と”攻撃力とフィジカルの不足“を指摘。まぁこれは誰もが指摘するところだけど。マークする選手は中田と中村の2人を上げている。大会終了後は現地の人から日本のサッカーの事も訊かれるだろう。ただ日本のレベルの高さを訊いてもらえる結果となる事を祈るが。そして泣かせる記事も。1974年、前回本大会に出場した時の様子が写真付きで紹介されていた。過去の功績、先人の軌跡を称える。日本のマスコミが決してしないことだ。一昨年亡くなった私の尊敬する伝説のオーストラリア選手で解説者でもあった Johnny=Warren がこの状況をさぞ喜んでおられるだろうと思った。

対戦相手 Australia その反応は?

2006-01-03 | FIFA World Cup
ワールドカップでは日本は初戦、6月13日 Kaiserslauterun で Australia と対戦する事はもう誰もが知るところだが、Australia ではどう思われているのだろう? 抽選会直後のマスコミの反応を見ると、まず優勝候補ブラジルとの力関係を計る記事が目に付いた。12月10日付けSydney Morning Herald 紙は “ Brazil? No worries, says Guus “ との見出しに始まり、 Brazil の1位は確実、2位で通過した場合は Group E ( Italy, Ghana, USA, Czech ) の1位と当たる事になるとの行から始まる記事が。“Australia が Brazil を含む Group F に組み入れられた時、 Hiddink は頭を抱えずにはいられなかった”しかしその否定形な body language は注視されるのですぐに肯定的な仕草を見せた“ につづき、”彼ら Socceroos 達 は Australia で私に ” no worry mate : 心配するな“と言う事を教えてくれそれが時にはリラックスし過ぎるのではと思わせるが、このチームはそんなに心配は無いという事が解った”とコメント。ずっと Brazil の事について言及されており、ようやく Japan の名前が出たと思えば“ 初戦がBrazil 相手であれば引分けられぬが、Japan 相手ではチャンスが有る”と。そして“正直、Australia, Croatia, Japan が Brazil に勝てるとは考え難い。従って第三戦の Croatia 戦に決勝トーナメント進出が掛かってくる”とのコメントから一気に Croatia に触れている。キャプテンの Mark Viduka ( Middlesbrough ) を初め、 Tony Popovis ( Crystal Pales ) , Zeljko Kalac ( AC Milan ), Josip Skoko ( Wigan ) , Jason Culina ( PSV Eindhoven ) , Ante Covic ( Harmerby : SWEDEN ) がCroatia 系の選手達だ。また Croatia 代表にもAIS ( Australian Institutes of Soccer ) 出身の Josip Simunic ( Herta Berlin ) , Ante Seric, Joey Didulica ( Austria Wien ) らも名を連ねそうだとの事。それだけ馴染みがあるので、難しい相手ではないと言いたいのだろうか? ただ Croatia 戦さえ何とかなれば決勝トーナメント進出へ視界が開けると言いたげだ。Hiddink もBrazil は3連勝。1勝1分けでグループ2位には充分な勝点を、とコメントしている。元々 Croatia とはテストマッチを組んでいたがこの抽選結果を受けてキャンセルが予想されるが、もうこの時点でオランダ、韓国といったかつて指揮を取った国とのマッチメイクの動きがあり、 England との対戦も予定出来るとか。これこそが Hiddink 効果である。だが Hiddink 自身、最も案じているのはチームの掌握であろう。彼が指揮を取ってから対戦相手はソロモン諸島との2連戦と最後の大陸間プレーオフの Uruguay との2連戦で実質ベストメンバーが揃ったのは Uruguay 戦のみだ。今後も主力の殆どが欧州でプレーするのでその召集と戦力の掌握が大きな課題だ。自身も PSV で指揮を取っているので同じ大陸でも頻繁に選手を見には行けまい。昨年から発足したオーストラリアの国内リーグA League は空前の人気を博しているが、そこから選手は登用するのか?また欧州組みとの融合は? Uruguay とのプレーオフに勝利を収めたが、Sydney での第二戦、フォサッティ監督が72分にエース アルバロ=レコバを引っ込めるという愚行が無ければ結果は判らなかった。だが Uruguay と渡り合ったことは選手に自信を齎すだろう。 一方、日本は予選では、最も厳しいアウェィでの Iran 戦で敗れている。 地元のマスコミは全く日本はノーマークだ。この国で海外のサッカーと言えば、England の Premiership。英国で発行されている British Football News がここでも同時発行されている。従ってどうしても欧州志向が強くアジア王者の日本は眼中に入らないというの理解出来るが、まさか日本サッカーの実力をラグビーのそれと同等に見ているのだろうか? Hiddink 自身、4年前の日本の好成績はあくまで地元開催の恩恵を受けてと切り捨てるが韓国を率いたHiddink の言葉では説得力もある。そして Hiddink には力強い見方が。それは大韓民国だ。今でも英雄視されている Hiddink の為ならどんな協力も惜しまないと公言してはばからない韓国はその裏には“日本をやっつけるためなら何でもしましょう”と言う思いが丸見えだ。ワールドカップは国家を巻き込んで闘わねばならない。かといってニュージーランドに何か訊いてもなぁ?? 大会まであと半年。まず主力選手が怪我をせずに6月を迎えることを願う。そして私自身は次回のオーストラリア出張も楽しみだ。

優勝はイタリア?

2005-12-13 | FIFA World Cup
英国の新聞 Timesに面白い記事が。 来年のワールドカップはイタリアに優勝の機会が大いにありと。ワールドカップ優勝3度を誇るサッカー界の列強の1つイタリアは今大会も当然シード国だ。最後に優勝を果たしたのは1982年のスペイン大会であったが、その大会を境に12年前の1970年大会はペレ率いるブラジルに次いで準優勝。そしてスペイン大会の12年後、1994年大会も決勝戦でブラジルに敗れての準優勝。即ち、70年準優勝、82年優勝、94年準優勝と来れば12年後の2006年は優勝する順番と言うことらしい。だが今のアズーリが24年前の様に優勝の美酒に酔うことが出来るだろうか? 1982年の大会は振り返ると思い出の深い大会であった。当時もNHKは結構深夜に生中継、昼間には中継録画でスペインからの試合を届けてくれた。大学生だった私は夜遅くまでテレビ観戦。翌日は授業も出ずに昼前まで惰眠をむさぼりそのまま中継録画を観戦する日々を続けた。 この大会から本大会出場枠が24に拡大され前回のアルゼンチン大会より五日間長い30日間に渡っての大会であった。当時は欧州のカップ戦も全てがトーナメント戦で試合数が少なく、開幕日が6月13日であったので、日程的には厳しいものでは無かった様に思われたが、大会も進むにつれて高温と当地の長い日照時間は大会が進むにつれて披露回復を含めた体調管理が大きなウェイトが占めたかも知れない。 優勝したイタリアはシード国で1次リーグはポーランド、ペルー、カメルーンと同組。3試合とも引分て勝点、得失点差でカメルーンと並んだが総得点で上回り(イタリアが2、カメルーンが1)薄氷の2次リーグ進出であった。だが1次リーグ、スペイン北部の比較的気温の低いビーゴと言う街のバライドス競技場で全試合を行い(昔は1次リーグ全て同じ地域、競技場で行われた)2次リーグの対戦相手は南米の2強、ブラジルとアルゼンチン。だがブラジルはアリ・カンテ。前回優勝のアルゼンチンは開幕戦をバルセロナのノウ・カンプで終えた後セビージャに廻って、2次リーグの会場、バルセロナのサリア競技場に戻ると言う移動であった。日程も2次リーグの初戦でアルゼンチンを破った事から次のブラジル戦まで中8日おいての日程が組めたが一方のブラジルは1次リーグ終了後2次リーグ初戦のアルゼンチン戦まで中8日開いたが次のイタリア戦には中二日で臨む必要があった。この大会の2年前、イタリアは欧州選手権のホスト国であり優勝は当然義務付けられていた。当時は欧州を7つのグループに分け、各組1位がホスト国に集い覇を競うセントラル方式が取られた最初の大会であった。イングランド、スペイン、ベルギーと同じ組に入ったイタリアは初戦のスペインと引分、正念場のイングランド戦をマルコ=タルデリのゴールで 1-0 で降したが、第三戦のベルギー戦も引分、決勝に進めなかった。3位決定戦でもチェコスロヴァキアに破れ4位に終わってしまった。しかも前年に発覚した八百長疑惑に2年前のアルゼンチンワールドカップで彗星のごとく現れ4得点を挙げた Juventus のパオロ=ロッシも連座していたとして2年3ヶ月の出場停止処分で欠いていた。当時のイタリア代表監督ベアルツォット氏はスペインワールドカップに欧州予選に出場出来なかったロッシをメンバーに入れ各方面から批判を浴びたが、その決断がイタリアを44年振りの優勝に導く。2次リーグではアルゼンチンをタフに戦い、タルデリ、カブリーニと後衛の選手達のゴールで 2-1 で勝利を収め、第二戦をロッシの3ゴールで大会期間中誰に聞いても優勝候補最右翼に挙げられていたブラジルを葬ってしまった。この時のブラジルはあの黄金カルテット(ジーコ、ファルカン、ソクラテス、トニーニョセレーゾ)そしてエデル、DFはオスカール、レアンドロ、らがいたが、欧州のクラブでプレーしていたのはディルセウ(アトレティコマドリード)ファルカン( ASローマ)の二人のみであった。一方のイタリアセリエAは外国人選手が解禁になって4年が経過したばかりで今の様に重要な ポジション を外国選手に頼るという事は少なかった。そして代表にはワールドカップ4度目のGKディノ=ゾフがおり精神的にもチームの重鎮となっていた。1994年大会のバレジの様に。参考までに当時のアズーリは Juventus, Inter Milan , フィオレンティーナ から5人ずつ。トリノ, ウディネーゼ、ASローマ、カリアリ から1人ずつ。そしてAC Milan からはフランコ=バレージ(但し出場機会は無し)とコロバティ の二人しか選ばれていなかった。この様に当時を振り返り今のアズーリと比較すると、容易に決勝に進出するとは少し考えがたい。だが78年のロッシ、90年のスキラッチと本大会に入って彗星のごとく出て来るスターがいるのもイタリアの伝統だ。そういう選手が出てきてゴールを量産すれば、タイトルを争えるか? その辺は大いに気になるところだ。なぜなら、1次 リーグでのイタリア、日本の順位によっては決勝トーナメント1回戦で当たる事もあるからだ。

対戦相手決定 !!

2005-12-11 | FIFA World Cup
今朝(10日)は土曜日にもかかわらず朝7時のニュースを点けた。勿論数時間前に終わったワールドカップの組分け抽選の結果を知る為だ。もう歳のせいか?FIFA World Cup のホームページでの生中継を見ようかと考えてはいたのだが。 組分け抽選の結果はトップニュースで伝えられた。対戦相手はAustralia, Croatia そして Brazil. 対戦相手の分析等はこれからじっくり研究させてもらうこととして? まず第一印象で“よし。もらった。”と思った。それは1次リーグ通過は確実と言う楽観論ではなく“可能性大いにあり”という意味だ。初出場の98年大会よりも決勝トーナメント進出の可能性はずっと高いと思う。対戦相手もさることながらその日程も悪く無いと思う。。 このグループではまず Brazil は決勝トーナメント進出確実。残る1枠には3カ国均等にチャンスがあると思われる。 そんな中で最終戦が Brazil という事は有利だ。最初の2戦にBrazilが連勝してしまえば98年大会の第三戦で Norway がBrazil を破って決勝トーナメント進出と言う再現が期待出来る。だが2位通過ではE組で恐らく1位通過となる Italy との対戦となるのでトップ通過の為に3連勝を狙ってくるかも知れないが。Brazilが1次リーグ突破を最終戦に賭けたのは78年のアルゼンチン大会以来無い。初戦のオーストラリアとの対戦は長年 Socceroo Watcher であり商用で何度も訪問している国だけに興味深い。第二戦の Croatia はフランス大会で対戦し シューケルの1発に沈んだが、今はその時ほど実力差は無い。この2連戦で2連勝もあれば、2連敗も、2分けもある。それに3カ国共に優勝を狙うと言うチームでは無いので、まず決勝トーナメント進出を狙うコンディショニングを行うだろう。 まず開幕当時に何人の各国代表選手達が万全の状態で大会に臨めるかが分岐点となるだろう。 もうひとつの注目すべき点は今大出場している他のアジア代表国にもけっこう1次リーグ突破の可能性がある事だ。 Group G の韓国はフランスと同組だが他はスイス、トーゴ。シード国スペインの入ったGroup H にはサウジアラビアがウクライナ、チュニジアが振り分けられた。韓国、サウジアラビア共にシード国を破るのは厳しいがそれ以外の2カ国は勝てない相手ではない。 メキシコ、ポルトガルと同じGroup D のイランは少し厳しい(もう1ヵ国はアンゴラ)が4カ国のいずれかが決勝トーナメントに残れば、あの 1966 年の朝鮮民主主義人民共和国以来、欧州で開催されるワールドカップでアジア勢が1次リーグを突破すると言う快挙となる。参考までに欧州の地で勝利を挙げたのは先の北朝鮮とフランス大会のイラン(対アメリカ 1-0 )の2カ国、2勝のみ。日本のみならず、なんとか複数国が次のラウンドに進出し、アジア地区からの ワールドカップ出場枠拡大に繋げて貰いたい。我々がその恩恵に与った様に他のアジア諸国にその門戸を広げることも、地区予選突破国の義務である。

組分け抽選直前 England は?Leipzig は?

2005-12-10 | FIFA World Cup
あの強豪 England でさえ、今回のワールドカップ抽選ランキングでは過去の戦績も認められて Brazil に次いで2位にランクされている England でさえ、これから行われる抽選には恐怖で身震いをするらしい。 Angola, Croatia そして Trinidad & Tobago らが同組みになる事を願い、 Holland , Australia そして米国が来ない事を祈っているらしい。日本はどう思われているのかな? だが Times 紙はこう“問題はどの国が相手になるかではなく、いかに England が調子を上げるか?いかに Wayne Rooney が fit してくるか?ではないか”とコメントしている。そしてより多く試合をする為には(要するにより勝ち進むためには)グループリーグの戦いで全力を出し切っては優勝には届かないと。だが1次リーグでの対戦相手は重要だ。前回優勝のBrazil は Turkey, Costa Rica, 中国。準優勝のドイツは Ireland, Cameroon, Saudi Arabia が同組だった。特にドイツは決勝トーナメントに入っても Paraguay, USA, 韓国と欧州勢というよりも対等に近い実力を持つ国は Paraguay 程度であった。ワールドカップの本大会出場国もかつての2倍、32カ国に拡大された。そして決勝戦までは7試合闘わねばならないが、これは24カ国であった大会と16カ国であった西ドイツ大会とアルゼンチン大会でも同じ試合をこなさねば優勝に届かなかった。問題は大会期間が今は一ヶ月の長期に渡る事で選手たちの体調管理が勝敗を分けるとも言われている事だ。1次リーグ以降がトーナメント方式であった1970年のメキシコ大会までは大会期間は3週間(イングランド大会は20日間)西ドイツ、アルゼンチン大会の様に2次リーグを行った大会では24日間であった。参加国がかつての2倍に拡大され、いくら大陸間の実力差が収縮したとは言え、全大会ドイツがサウジアラビアを 8-0 で破ったように上位と下位との差はかなり拡がっていることは否めない。かつては前回のドイツの様にアジア代表と2回以上対戦する事は無かった。また優勝した Brazil も全大会は決勝トーナメント以降は Belgium, England, Turkey , Germany ( 決勝戦 )であったが32年前の同じドイツ大会に対戦した Scotland, Yugoslavia, Zaire, DDR, Argentina, Holland, Poland と比較すると実力の隔たりは否めない。しかしながらEngland の Erriksson 監督は“どの国が同じ組に入っても恐れる必要は無い。相手国の監督達は我々とは当りたくないと思っている”としながらも Holland は避けたいとコメントし、USA, Australia と言った英語母国語の国とは当りたくない、なぜならそういう国々は England から勝利を収めて一旗挙げようと狙っているからだ。また前回の Semi Finalist の韓国も避けたいと。1958年以外優勝カップ ( World Cup, ジュールリメ杯)は大西洋を渡ったとは無いが、ここ15年間南米の選手が欧州のクラブで活躍する南米戦士が激増しているので昔ほど欧州勢には有利にならないと。“選手達が Fit さえすれば前回、または昨年ポルトガルで開催された欧州選手権当時のチームより強くなるはずだ”とコメントしながらも“優勝候補は組分けが決まるまでわからぬが100人中75人が Brazil と言うであろうとのこと。アフリカ勢に就いては Cameroon を抑えて出場を決めた Ivory Coast にごン言及したのみであった。
そして最後まで日本の名前が出てこなかった。約3時間後に Draw が始まる……. 起きていられるかな?? 

ワールドカップ 組分抽選 

2005-12-08 | FIFA World Cup
12月9日 Leipzig にて、来年6月から開幕する FIFA World Cup の組分け抽選が行われる。6日にシード国8カ国の発表等があった。前回優勝のブラジル、地元のドイツを初めシード国は下記の8カ国だ。
1 Brazil 5 Mexico
2 England 6 France
3 Spain 7 Argentina
4 Germany 8 Italy

今大会はメキシコが(地元開催の70年と86年大会を除いて)初めてシードされ、FIFA Ranking 2位のチェコ、3位のオランダがシード落ちした。 日本を含むアジア4カ国は中南米3カ国と同じ第4ポットで逆シード?されている。 このシード国、何故チェコ、オランダでなくメキシコが入ったのか?
それは大会委員会が前回と前々回のワールドカップと過去3年間のFIFAランキングを独自の計算方法ポイント化しその総合計によるものだ。 例えばブラジルは98年大会が準優勝、前回が優勝、FIFAランクでも2003年から3年連続して1位なので総合計64ポイントで2位にシードされたイングランドの50ポイントを大きく引き離して堂々1位にシードされた。オランダは前回予選落ちなのでその分ポイントが下がり総得点は10位。また2大会連続出場で前回はベスト8のアメリカがこの3年間でも常に上位にFIFAランクに顔を出していたので8位のイタリアに1ポイント差の9位だった。アメリカがシードされる可能性も十二分にあった。この3年間FIFAランクが6位、4位、2位と好調のチェコはここ3大会連続で欧州予選落ちしており、この計算方法で行くと日本の12位を下回る16位。アジアでは韓国が前回の4位が大きく得点を稼ぎ最新のFIFAランクでは29位(日本は15位)ながら日本より1つ上の11位にランクされていた。FIFAランクは当てにならないと言われているが、実はこんなところで影響を及ぼしていた。 1998年のワールドカップ予選で“新規参入”した当時のユーゴスラビアがスペイン、チェコといった強豪ひしめく組に入れられたのも同様の背景があった。 今はセルビア=モンテネグロと名を替えた旧ユーゴスラビアは最新のFIFAランクでは47位で欧州勢では最も低いランクなので、欧州の国がシードされているグループには振り分けられず、メキシコ、アルゼンチン、ブラジルのいずれかと同組になることとなった。 シード国の全ては恐らくチェコ、オランダには来て欲しくないであろう。そして我が日本代表であるが、出来ればメキシコの組に入って欲しい。そしてそこにセルビア=モンテネグロが入って残るはアフリカ勢で、今回の計算方法では下位3カ国を占めるガーナ(30位)アンゴラ(31位)トーゴ(32位)のいずれかが来てくれればと願うがそうはいかないやろなぁ..... 
この抽選では過去様々なドラマがあった。その1つに32年前に同じドイツで開催された大会で、ウルグアイ、イタリア、ブラジルと並んでシードされた地元西ドイツと同じA組に東ドイツが組み入れられ、史上最初で最後の東西ドイツ対決が実現した。1978年大会は地元アルゼンチンがシードされたA組がイタリア、フランス、ハンガリーと同組の“死のグループ”となり開幕までの数ヶ月間、国民を不安にさせたが最後は優勝で幕を閉じた。1966年のイングランド大会の抽選は初めてテレビ中継され、1998年のフランス大会がマルセイユの Velodrome競技場に38,000人の観客を集めるショー化された抽選会であった。そして1970年のメキシコ大会。それまで8大会全てに出場を果たしながら通算20試合中1勝1分け(対ウェールズ 1958年スウェーデン大会)18敗と全く相手にならなかった地元メキシコ。(その1勝も1962年大会、既に1次リーグ突破を決めたチェコスロヴァキアが相手の消化試合)結局史上初めてベスト8に進出する事になったのだが、組み分け抽選では当時大陸別のシード制は無かったが同じ北中米地区のエルサルバドルと同組になる幸運?に恵まれ、欧州勢からは不正があったのではと疑われる一幕も。
今大会、日本の対戦相手は? こういった楽しみが味わえるようになったのもわずか8年前からでそれ以前は“あぁそうなったのか”程度であった。 昔夢に見ていた事が現実となったという幸福感を改めて感じる。

トリニダードトバゴ

2005-11-16 | FIFA World Cup
明日行われるPlay Off の第二戦で今回の全てのワールドカップ予選が終わる。おそらく?? 欧州では3試合、 Australia の Sydney, そして Bahrain の Manama 。その Manama には北中米地区第4位のTrinidad & Tobago が乗り込む。恐らくこの国の名前をこのワールドカップ予選で憶える人も多いだろう。  最初に私がこの国の名を知ったのは 1976年の Montreal Olympic の時だった。五輪種目で最も注目される 男子の100m に優勝タイム10秒06で金メダルを勝ち取ったのはトリニダードトバゴからのスプリンター、クロフォードと言う選手であった。彼が母国に史上初の金メダルをもたらした。しかも100mで、アメリカの選手や連覇を狙うソ連のボルゾフそしてもう一人の候補ジャマイカのクウォーリを抑えてだ。この時中継していた NHKのアナウンサーがゴール後に“トリニダードトバコ、トリニダートバゴのクロフォード1着”と叫んで、私はどちらの名前が選手の名前か判らなかった。この結果には米国陸上競技界は相当なショックだった。前回の Munchen 五輪でも同種目の優勝をソ連のボルゾフにさらわれ、2大会連続での敗戦となった。1980年の Moscow 五輪、米国はソ連軍のアフガニスタン侵攻に抗議して出場をボイコットしたが、例えアフガン侵攻が無くても米国がこの種目には勝てなかったと断言する。何故なら当時欧州ではこの種目連戦連勝だった英国の アラン=ウェルズと言う選手がおり当然の様に Moscow 五輪でも金メダルをさらった。この種目でのタイトル奪回は Carl Lewis の出現を待たねばならなかった。陸上競技の話題はこれくらいにしてサッカーでもワールドカップまであと1歩まで迫ったことがあった。1989年、翌年開催されたイタリアワールドカップの当時出場枠が2つあった北中米地区、絶対候補のメキシコが前年のFIFA U-20 に年齢詐称をした選手を起用し出場停止となっていた。地区予選ではまずコスタリカが予選を突破。もう1つの出場枠を巡りアメリカとトリニダードドバコが激しく争い、最終戦を前にトリニダートドバゴが勝点でリードし、地元 Port of Spain にアメリカとの直接対決を迎え、この試合に引分けてもイタリア行きが決まるところだった。当日のトリニダードトバゴは建国記念日、スタジアムは国旗を彩った赤色のシャツ一色に塗られ、観客の誰もが自国のワールドカップ出場を信じて疑わなかった。試合は地元トリニダードトバゴが大観衆の声援を受けてアメリカゴールに迫る。だがアメリカはセンターラインを越すことすら出来ない。文字通りトリニダードトバゴの得点は時間の問題であると誰もが思った。しかし先制点はアメリカだった。後半初めて相手陣内に入り、Budesliga でもプレーした経験のあるカリギウリのループシュートがそのままネットを揺さぶった。それでもまだ時間もあり引分でも良いトリニダートドバゴには余裕があった。しかし、先制点にアメリカも自らを勇気付け、必死の防御を。ペナルティーエリア付近を7~8人で固める。そして遂にタイムアップ、その瞬間土俵際を徳俵でこらえたアメリカの選手達がグランドの真中で折り重なって号泣して喜ぶ姿が映し出され目前の光景を受け入れられない観客は静まり返った。だが誰一人取り乱すものはおらず、非常に紳士的にスタジアムを後にした。この観客にFIFAはフェアープレー賞を公式に与えた。試合後40年ぶりにワールドカップ出場を決めたアメリカの選手は“これは歴史的な事だ。スーパーボウルやワールドシリーズなんて問題にならない”と語った。欧州、南米以外にもサッカーは存在する。12日、Port of Spain のHasely Crawford Stadium での試合は後半にSalman Issa のゴールで Bahrain に先制を許したが試合開始から主導権を握ったのはトリニダードトバゴであった。開始7分にはAurtis Whitley が27mのロングシュートを放つが GK Ali Hassan の美技が阻む。14分にはCarlos Edwards が左サイドを突破しペナルティーエリア内に侵入するも再びAli Hassan がブロック。24分にようやくペースを掴みだしたBahrain は日本戦で自殺点を献上したMohammed Salmeen からのパスを受けたAl Gharrafa がトリニダードトバゴGK Kelvin Jack が弾き出す。Bahrain は昨年のアジアカップで得点王だった Ala’a Hubail がおらず同じく得点王のHussain Ali のワントップで厳しい。40分には Australia Sydney FC と言うよりもA-League のスーパースターDwight Yorke がヘッドを放つが三度目のAli Hassan の美技を引き出すに終わった。後半に入るとAlaa Hubail が投入される。その彼がチャンスを何度も作る、68分から5分間で4回のコーナーキックを得、73分にコーナーからTalal Yousef、Sayed Mohammed Adnanと繋ぎ最後は. Salman Issa のショットが決まった。しかしその3分後 England 生まれでEngland の Port Vale に所属するChristopher Birchall がロングシュートを Bahrain ゴールに捻じ込み同点とした。その後も大歓声を背にDwight Yorke, Stern John そして Russell Latapy の攻撃陣がゴールに迫るが逆転はならなかった。同点ゴールを決めた England 生まれのChristopher Birchall はこの Playoff の直前に代表入りした。そして Dwight Yorke はかつて David Beckham らと共に Manchester United でもプレーし Champions League のタイトルも勝ち取っている。ここまで書くと“何故貴方はウズベキスタンやトリニダードトバゴといった Bahrain の相手ばかり応援するのですか?”とお叱りを受けそうだが、ここは16年前にあと1歩と迫った、そして A-League のスター Yorke のいる、そして先日 横浜FCと契約を交わした Silvio Spann そしてArnold Dwirika が中国甲Aの広州に所属しており、こちらの方が東アジアになじみのある気がするのだ。またGary Glasgow 、Kelvin Jack (Dundee), Marvin Andrews (Rangers), Russel Latapy (Falkirk) Jason Scotland (St. Johnstone) らは Scotland で中村と相対することも(所属先では殆ど使われないからそれは無いかも??)西アジアの Bahrain よりは親近感を感じるのだが。

アフリカの爆弾

2005-10-31 | FIFA World Cup
“想像してごらん。ドイツ、イタリア、スペイン そして イングランドが ワールドカップ予選で姿を消すなんて。それと全く同様の事が先週末の ワールドカップ 予選 アフリカ 地区で起こった。”これは10月17日付けの英国の有名紙 Times のスポーツ欄のあるコラムの書き出しだ。アフリカ 大陸出場枠5カ国の中で チュニジア 以外の4カ国は全て初出場。4大会連続出場を含めた出場5回を誇りシドニー五輪でも金メダルを勝ち取った カメルーン は悲劇的な ウォメ PK失敗に沈み。前大会 ベスト8 の セネガル 、2大会連続出場中で次々回2010年のホスト国南アフリカも来年の本大会には縁が無くなった。94年、98年と連続して決勝トーナメントに進み 1996年のアトランタ五輪では金メダルに輝いたナイジェリアも次のワールドカップ出場まで5年待たねばならなくなった。 
一体かつてのアフリカの列強に何が起ったのだろう? カメルーン は袖無しユニフォームの着用を巡り FIFA から勝点6を剥奪された(後に特赦で撤回)。エース パトリック=エムボマ は日本で引退したが世代交代は進んでいたはずだ。今予選に出場した代表選手は全て外国クラブに所属していた。それも FCバルセロナ ( エトー ) チェルシー ( ヌジタップ ) PSG ( エムバミ ) トットナム ( アトゥバ ) といったトップクラス のクラブチームだ。中には デシーレ・ジョブ( アル=イテハド:サウジアラビア ) ベルタン=トムー ( 厦門FC ) と活躍の場をアジアに求めた選手もいる。だがこの現状が予選敗退の原因であろう。選手は金持ちだが協会役員はそれ程ではない。代表の強化費用は役員達の私用に消え遠征費等の必要経費は金持ちの選手達の自己負担。選手達が代表での待遇改善を要求すると決まって役員達は“君達は国民よりも稼いでいるじゃないか。”これはカメルーンに限ったことではない多くのアフリカ諸国が抱える問題だ。セネガル も今大会予選に選出された選手のうち国内組は3名のみ、19名がかつての宗主国フランスのクラブチームに所属するなど欧州でプレーする選手ばかりだ。ナイジェリア、南アフリカの両国は残念だがチーム力が低下線を辿る一方だった。南アフリカは次大会のホスト国だが、ナイジェリアは暗黒に時代に入りはしないかが心配だ。人口1億人を超え、豊富な原油資源を元に国の経済がもっと安定しても良い筈なのだが他のアフリカ諸国と変らぬ経済状態が現状。
それでは初出場の4カ国が出場に値しない国であったのか?全てがそうとは思えない。
まずガーナだが、これまでワールドカップ予選を勝ち抜けなかった事が不思議だ。アトランダ輪ベスト8 バルセロナ五輪銅メダル。ナイジェリア、カメルーンが世界の舞台で活躍する前にアフリカサッカー界をリードして来た。
アフリカネーションズ杯でも4度の優勝を誇る(しかし最後の優勝は1982年だが。)中盤の ムンタリ、アッピア、エッセシェン はワールドクラスの中盤と言われている。 DF にはかつて バイエルンミュンヘン に所属したクフォーがいる。欧州クラブに所属する選手が中心だが国内組との融合も潤滑に進みついに悲願を達成した。昨年のアテネ五輪で日本と戦った選手も何人か代表入りしているはずだ。 コートジボワール(コートダジュール 象牙海岸)は代表選手の殆どが欧州でプレーする。アルナ・ディンダーヌ はランスのストライカー。マルク・ゾロはイタリア メッシーナ のDF。ボナフェンチュル・カルー はパリサンジェルマンの中盤選手でチェルシーのストライカー ドログバ。
選手達は欧州に散ってはいても所属先では中心選手で、何よりこの2年間ほぼ同じメンバーで戦ってきたのが大きい。予選ではカメルーンにホーム&アウェーで連敗したが他に取りこぼし無く本大会出場を決めた。 残る2カ国、トーゴとアンゴラはやはりランクが1つ落ちるか?トーゴにはASモナコ所属のアデバヤがいるが他に目立った選手ではユーベントス所属のウィンガー セナヤ がいるが彼のキャリアーはむしろスイスリーグ2部の時代の方が目立っていた。ナイジェリアを抑えて予選を突破したアンゴラのエースはベンフィカリスボンでプレーするマントーラスだが、怪我でこの1シーズン半で1試合しか出場していない。ベテランFWアクゥワは今カタールSCに所属する。 かつての宗主国ポルトガルに7名の選手が所属するが同国のビッグ3(ポルト、ベンフィカ、スポルティング)に所属するのはマントーラスにみだ。 
今大会のアフリカ諸国はチュニジアとガーナ以外は予選突破で満足している雰囲気がある。そうなれば日本も少しチャンスが出て来る。組み分けではアフリカ代表と同組になる事もある。
だが1978年アルゼンチンワールドカップでメキシコ相手にアフリカ代表初勝利を収めたチュニジアは日本へのリベンジに燃えているだろう。勿論返り討ちに葬って欲しいのだが。

10.8 ウズベキスタン対バーレーン 仕切り直しの行方は?

2005-10-06 | FIFA World Cup
今週末はワールドカップの予選が世界各地で開催される。そして来週の水曜日12日には大方の地域で各大陸代表が決まる。私の注目はタシュケントで行われるアジア地区第5位決定戦、先月物議を醸した再試合、ウズベキスタン 対 バーレーンの一戦だ。主審の誤審から FIFA の裁定で再試合となったが、どうもこの裁定は バーレーン にやや追い風が吹いて来た様だ。昨年中国で開催されたアジア杯で得点王にもなった バーレーン の エースストライカー アラー=フバイル が8日の試合に復帰する見通しがついた様だ。9月28日に行われた所属先のカタール Al Garafaは国内のリーグ戦で Al Ahadi に 1-1で引分けたが、その試合に膝の怪我以来8ヶ月振りに アラー=フバイル が出場を果たした。本人のコメントではまだ8割の仕上がりらしいが、少なくともホームで行う12日の試合には間に合いそうだ。この試合には DFの モハメド=フセイン が内臓疾患で外れる以外は日本戦にも出場した フセイン=アリ,モハメド=フバイル ( アラー=フバイルの実兄) そして自殺点を献上してくれた サルミーン らも健在だ。ただ隣国カタールリーグに所属する10選手のコンディション調整が少し心配だ。
一方のホームのウズベキスタン。今回のメンバーには重鎮カシモフを始め、ディナモ=キエフ 所属のエース シャツキフ, らが合流。そして9月の試合で警告をもらい本来次戦は出場停止であった ドルペド=モスクワ 所属の ゲインリク が出場出来る。メンバー 22 名のうちロシア,ウクライナ で プレー する選手が8名、地元の老舗チーム パフタコール から9名が選出されている。 だが ロシアリーグ ロストフに所属する最も代表キャップの多い DF シルショフ はこの8日の試合には間に合わず12日のマナマでの試合からの合流になりそうだ。
しかし、ロコモティフモスクワ所属の MF マミノフ, DF パシニン(元広島所属)そしてGK ポリャコフらは8月のクウェート戦に合流しなかったので未だに召集して貰えない。もし、ディナモ=キエフが 欧州カップ戦に残っておれば シャツキフ は開放されただろうか?だが経済状態の悪いウズベキスタンでは国の名誉よりも自分の収入に重きを置くことも理解できるが。
個人的にはこの試合は 1-0 以上で ウズベキスタン に勝たせてやりたい。昨年夏のアジアカップでは準々決勝で直接対決。 PK戦でバーレーンが勝利を挙げたが、ウズベク には エース シャツキフはいなかった。 今回は シャツキフ, アラー=フバイル と両国のエースストライカーが揃うので9月の試合以上に均衡したゲームになるかも知れない。 テレビ中継はあるのか?今度こそ録画を忘れないようぬ様にせねば。

コロンビアコーヒーはいかが?

2005-09-21 | FIFA World Cup
先週参加した オーストラリア Sydney の展示会にColombia Coffee 社が出展参加しており個人的に大変興味を引いた。担当の人がいきなり日本語で話しかけてこられて驚いたが、話を聞けば父親が日本人で母国語のスペイン語そして英語、日本語が堪能。コロンビアのボゴタからやって来て、この展示会後は日本に駐在し日本国内で同社のコーヒーの拡販にあたるそうだ。コロンビアコーヒーと言えば日本では馴染みが薄いが、欧州では Nestle と並んでインスタントコーヒーなんかがスーパーマーケットに並んでいる。また欧州の航空路線で出されるコーヒーもこのコーヒーがく、コクの有る味で日本でも入手できないかといつも思っていた。その話をすると、“何とか日本の Nestle と AGF の市場に参入したい”と語っていた。またコロンビアの事についても2~3尋ねると、3~4年前に世界的に報道されていたような麻薬シンジゲートもほぼ完全に駆逐され治安も回復している、そしてボゴタは本当に美しい観光地として蘇ったと教えてくれた。昔のイメージでコロンビアを見て欲しくないと少し悲しそうな顔をしておられた。 だがサッカーに事が触れるとさらに失望感を露に。80年代終盤から90年代にかけて南米でも強豪であった時代が懐かしいと。当時のマツラナ監督は真面目で国民からも評価が高かったらしい。
そのコロンビア、目下 ワールドカップ 南米地区予選では5位 ウルグアイ と1勝点差の6位に着けている。既に アルゼンチン ブラジル が予選突破を決め、3位 エクアドル があと1勝点、そして4位パラグアイも次節はアウェーとは言え最下位の ベネズエラ 戦なのでほぼ予選通過は間違いない状況になっており、興味はオーストラリアとの Play Off をかけて ウルグアイが勝点21、コロンビア と チリ が勝点20ずつでその座を競っている事だ。残り試合はあと2試合ずつ。次節は コロンビア は ホーム に チリ を迎える。この試合の勝者が最終節に生き残りを賭ける。一方の ウルグアイ は次節 アウェィ で エクアドル 戦。 エクアドル は引き分けでも予選突破が決まるので手堅く引き分け、最終戦、ホーム モンテビデオ での アルゼンチン戦に臨みたいところだ。なにしろ ウルグアイ の ホーム モンテビデオ では実力以上の強さを発揮し、アルゼンチン は 50年以上ここで勝利したことが無い。前回の南米予選でも モンテビデオ での最終戦で アルゼンチン戦と 1-1 と引き分け コロンビア が最終戦、アウェィ で パラグアイ を 4-0 と粉砕しながら得失点差で1上回り5位を確保。Play Off でオーストラリアを降し 12年ぶりに本大会出場を決めた。
コロンビアの台頭は 1987年 アルゼンチン で開催された COPA AMERICA で地元 アルゼンチン を破って3位になった事から始まった。その前年メキシコで ワールドカップ が開催されたが元々は コロンビア で開催する予定であったものであった。しかし 1983年財政危機から開催を返上、急遽 メキシコ に振替開催が決まり史上初めて メキシコ が ワールドカップ を2回開催した国となった。コロンビア は大会は返上したが1986年に向けて強化は続けており、GK イギータ MF バルデラマ FW に リンコン、ウスリアガと言うタレントが生まれた。 1989年 リベルタドーレス杯 では National Medellin が優勝。同年末には TOYOTA CUP で AC Milan と対戦した。( 1-0 でMilan の勝) 以降 1990年から3大会連続してワールドカップ本大会に出場。特に 1994年アメリカ大会では予選で アルゼンチン をリバープレートで 5-0 と粉砕。この試合を観戦していた マラドーナ に代表復帰を決めさせた。そしてアメリカ大会ではダークホースとして名を上げられた。しかし、初戦ではハジ、ラドチョイ のいる ルーマニア に逆襲から2失点を喰らい 1-2 と敗れると第2戦には地元アメリカにエスコバルのまさかの自殺点で先制点を与え、まさかの敗戦。第3戦のスイス戦に勝利を収めたが時既に遅く1次リーグでの敗退が決まった。帰国後 エスコバル がこの自殺点が原因で暴漢に射殺された事を知る人も多いだろう。続くフランス大会でも ルーマニア、イングランド の後塵を拝し1次リーグでの帰国を余儀なくされた。また元代表GKであったスーパースターのイギータが誘拐事件、麻薬取引に関与したとの事で刑務所送りになったり暗い話題ばかり続いている。 イギータと言えば当時はワールドクラスのGKであったがイタリア大会では西ドイツ戦で PK を止めたりして決勝トーナメント進出に貢献。しかし1回戦ではペナルティーエリアからドリブルで大きく飛び出すという御得意のパフォーマンスを披露するとそれをカメルーンの英雄 ジョジ=ミラー にかっさらわれ決勝ゴールを謙譲してしまった。最近引退した元パラグアイ代表 GK チラベルの様であるが、実はこの二人1989年のワールドカップ予選で対戦している。アスンシオンでの試合ではロスタイムに 得たパラグアイ のPKを GK チラベル が自ら決め激戦に終止符を打った。リターンマッチでは前のエクアドル戦で不用意な行為から退場になったチラベルが出場出来ずホームのコロンビアが 2-1 で勝利を収め本大会への出場権を得た。
今回の南米予選で果たしてコロンビアは何位に終わるか?日本でコロンビアコーヒーが楽しめる事を祈るが、南米予選で5位になれても個人的にはオーストラリアを応援したいが…..

欧州戦線集結へ 後編

2005-09-13 | FIFA World Cup
5組 1位イタリア 17 2位ノルウェー 12 3位スロヴェニア 12
  4位スコットランド 10
イタリアは最終戦ホームでのモルドバで敗れることはまず考えられないので1位は決定的だ。2位争いはイタリアと引分けたり最近勝点を加算しているスコットランドが残り全勝( ベラルーシ、スロヴェニア)出来れば可能性が大きくなるが、ノルウェーが次節ホームでのモルドバ戦に負けるとは考えられない。両国ともベラルーシとの対戦を残しており、格下との取りこぼしがターニングポイントになり得る。連続出場を狙うスロヴェニアは残り2試合がイタリア、スコットランドと対象国との直接対決なので少し厳しい。
1位イタリア、2位ノルウェーとの予想だが…..

6組 1位ポーランド24 2位イングランド 19
先週のアウェィでの北アイルランド戦でまさかの敗戦を喫したイングランド。エリクソン監督の辞任問題にまで発展しているが、まぁ今から監督は替えられないであろう。だが残り2試合( オーストリア、ポーランド )をホームで残しておりこれに連勝すれば1位通過となる。思い出すのは32年前のワールド杯予選、前年のミュンヘン五輪チャンピオン、ポーランドにアウェィで破れホームで引き分けイングランドが初めて地区予選で敗退した事を。この2カ国、私の記憶でもイタリアワールド杯、アメリカワールド杯、フランスワールド杯、 EURO 2000 と4回も予選で同じ組になっている。(もっとあるかもしれない)尚、この組はオーストリアをはじめ他の4カ国にはもう予選突破の可能性は無い。

7組 1位セルビアモンテネグロ16 2位スペイン 14 3位ボスニア 13
4位ベルギー 11  5位リトアニア 9
サンマリノ以外全ての国にまだ予選突破のチャンスが有る。 
まずスペインは最終節にアウェィではあるが、サンマリノ戦を残しており勝点17以上は硬い。そうなるとリトアニアは連勝しても勝点が15までなので2位以内には入れないので脱落。ベルギーはホームではあるが次節はスペイン戦だ。従って2試合で勝点5以上上げるのは難しい。ボスニアは次節ホームでサンマリノ戦なので総勝点16以上は期待できる。最終節、セルビアがホームでボスニアと対戦し、旧ユーゴスラビア諸国の直接対決での勝者が予選突破となるが、やはり自力に優るセルビア(もう1ヵ国はスペイン)で決まりか? HSV ハンブルグの中心選手 バルバレスを“凱旋”出場させてやりたいが。

8組 1位スウェーデン 21 2位クロアチア 20
次節はクロアチアがホームでのスウェーデン戦に臨む。スウェーデンがこの試合に引分け以上だと、最終節はホームでアイスランド戦だから1位が大きく近づく。(クロアチアは最終戦はアウェィでハンガリー戦) 昨年の欧州選手権でもベスト8だった地力に優るスウェーデンが優位か? この組も6組同様ハンガリー、アイスランド等、他国には2位以内の可能性は無い。

欧州地区予選は8組に分けられ1位は無条件で予選通過。2位でも勝点の多い上位2カ国にも出場権は与えられ、他の2位国6カ国で直接対決を行いそのなかから3カ国が本戦に出場となる。その1着+2 の +2 はどうやら現時点で勝点20以上を上げている
第6組(イングランドかポーランド)と第8組(スウェーデンかクロアチア)の2カ国となりそうだ。
(第1組から3組は7カ国で形成されており、最下位国との対戦を除いて計算される) かつて本大会出場枠が16カ国の時代は欧州枠が9から10あった。それでもアジア、北中米、アフリカに出場枠が(1カ国ずつだけだったが)保証される事に UEFA, COMEBAL は不満を隠さなかった。 1974 年大会はチリ対ソ連 1978 年大会は ハンガリー対ボリビアと欧州と南米地区で出場枠を1つ争った。この様な事と、アベランジェ前 FIFA 会長がアジア、アフリカ地区の委員からの支持を得るために本大会出場枠が24に拡大され、遂には32にまで(かつての2倍!!)広げられた。それでも予選突破当落線上にある デンマーク、ギリシア、トルコ、ルーマニアといった国々のいずれの国もウズベキスタンやバーレーン(そして日本やイラン)に劣っているとは考えがたい。 来年の大会以降、また出場枠が変るかもしれない??