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Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

痛恨 逆転負け

2006-06-14 | FIFA World Cup
大会4日目、日本代表はオーストラリア代表に痛恨の逆転負けを喫した。 日本中が失意のどん底に落ちたのではないか?

不安な立ち上がり
試合が行なわれたカイザースラウテルンのフィッツ=ヴァルター球技場。 フィッツ=ヴァルターは1954年ワールドカップスイス大会で西ドイツ代表が優勝したときの主将で4年前、私が観戦した蔚山での アメリカ 対 ドイツ 戦の試合前にその訃報がスタジアムの電光掲示板でも紹介された。 そしてここをホームにする 1FCカイザースラウテルンは昨シーズン16位に終わり2部降格とってしまった。このチームほど不思議なチームは無い。Meisterschale を勝ち取ったかと思えばその翌年に最下位に転落したり。 1FC カイザースラウテルンと言えば、70年代にスウェーデン代表の名GK、ローニー=ヘルストレームがいた。 この試合、彼にあやかり川口に好プレーを連発してもらいたいものだ、と思った。
日本のスタメンは怪我が完治しなかった加地に替わり駒野が起用された以外は予想通り。オーストラリアは話題になっていたキューウェルがスタメンに。そしてDFヴィルクシャーが起用された。キューウェルはオランダ戦、リヒテンシュタイン戦で起用されなかったが、この試合のスタメン起用にはそう驚かなかった。あぁ出れるのか。と言う程度。日本から確実に勝点を奪う為と感じたが、90分プレーするとは思わなかった。それよりケーヒルをベンチに置いた方が以外に感じた。後にこれがヒディング采配に結びつく。ヴィルクシャーはオランダ戦で退場になったDFだ。スココ、ポポヴィッチ、ラザリエスらを抑えて抜擢された。
試合開始からオーストラリアはヴィドゥーカが体格を生かして突破する。早くも6分には右サイドを破られ決定的なピンチを招くが川口がファインセーブ。ヘルストレームの加護が川口に宿ってくれたと思った。その後もヴィドーゥカの突破が続く。日本は何とかDFを集めてゴールを許さない。 しかし、先制点は日本だった。26分に中村がゴール前に入れたロブがそのままオーストラリアゴールに転がり込んだ。GKシュヴァルツァーをはじめオーストラリアの選手、そして後にはヒディング監督もキーパーチャージだと激しくアピールする。 そして後日、エジプト人 ABD EL FATAH Essam 主審は“ゴールを認めるべきではなかった”と自らの誤審を認めた。 その直後、キューウェルが得意のドリブルシュートを放つがクロスバーをかすめる。このドリブルは2001年、ウルグアイのモンテビデオで行なわれたプレーオフで、彼が見せた同じ様なドリブルシュートを髣髴させた。しかし、90分間でキューウェルらしさが見られたのはこのシーンのみ。前半はオーストラリアが何度もチャンスを掴みかけるが、日本DF陣そして中田が読みの良い好守を見せて得点を許さない。そして川口もファインセーブを連発する。それにしても ニール、クリナ、ウィルクシャーらは中村には当りがきつい。そして後ろからでも蹴ってくる。だがオーストラリアマスコミは中村の転倒を“マリーシア”の一つと見ている。 

選手交替の違い
ハーフタイム中に選手交替は無く、選手交替が一つの鍵となってきそうだった。53分、ブレッシアーノに替わってケーヒルが入り、61分にはムーアに替えて注目の長身選手ケネディが入る。ブレッシアーノが下がったことでクロスの配給者が居なくなったのでは?とも思った。ケネディの投入は、おそらく56分に坪井が怪我で茂庭に替わった事に寄与するだろう。しかし、ケーヒルが入った事で前線でボールが回るようになった。それでも中田が相変わらず読みの良い守備で貢献する。そして空中戦でも中澤が負けていないが、前半から守勢に回っていた日本DF陣のスタミナも心配だ。75分にはウィルクシャーに替えてアロイージが投入された。今考えれば正にヒディング監督の選手起用は適材適所だ。ケネディも決定的な仕事は出来ないが良いターゲットになり、そのこぼれダマに日豪両選手が群がるのでなかなか日本陣内を抜け出せない。しかし、次第にオーストラリア選手の動きがおちて来る。ヴィドゥーカも突破力が衰えてきた。キューウェルはすでに動けない。日本ベンチも後手に回らない様な選手起用をと願う。79分に柳澤に替わって小野が投入される。そして中田をやや前線に置いた。しかし、中田の守備能力が失点を防いでいたので、ここは稲本を入れて中盤の守備を厚くするか、前線に動ける選手を入れて前からのプレスをかけるかにすべきではと思った。83分、ペナルティーエリアから僅か外側でオーストラリアがFKを得る。そしてアロイージが直接狙うがまたもや川口がファインセーブ。私はこれでこの試合は貰ったと思った。

悪夢の3連続失点
しかし、悪夢はそれが始まりだった。その直後のスローイン。ケネディと交錯した川口はボールをクリアーできない。そのこぼれダマがケーヒルの正面に転がり、ケーヒルのショットはそのままゴールネットを揺るがした。日本サポーターと異なり、応援歌や手拍子の応援が聴かれなかったオージーの大サポーターから大音量の歓声が上がる。オーストラリア史上初めてのゴールが記録された。 これまで好プレーの連発だった川口の痛いミスだった。これでオーストラリア選手は生き返った。そして日本DF陣の足が止まりだす。そして恐れていたことが、89分にまたもやゴール中央からケーヒルに撃たれたシュートは右ポストに当たってそのままゴールライン上を辿って左ネットに刺さった。一気に逆転だ。ここでベンチは大黒を入れる。しかし、ここで投入なら何故逆転される前に投入しなかったか?ロスタイムは3分、中継していたNHKアナウンサー、解説の井原正巳は“これまで何度もロスタイムで日本は得点を挙げた….”と繰り返すが、次のゴールもオーストラリアのアロイージであった。 茂庭が下がりDFが2枚になってしまい、容易に追加点を許した。本当にジーコジャパン最悪の10分間だった。 しかし終わってみればシュート数がオーストラリアが20本に対し、日本は6本。ゴール枠を捉えたのはオーストラリア12に対して日本は僅かに2本。戦術の違いは有るかもしれないが、この数字をみれば 1-3 というスコアは妥当だったかもしれない。決定力以前の問題だ。

次のクロアチア戦は?
今大会初めて逆転負けを喫したのが何と我が日本代表であった。これから中五日間あるが、精神的なコンディショニングが大変だろう。 心配なのはこれでチームが崩壊してしまうこと。 クロアチアはブラジルに敗れたことで日本戦には相当な意気込みで当たってくることは必至だ。
ニュールンベルグの Franken Stadium も屋根が無いのでじりじりと日差しがきつくなり温度が上昇し最後は体力勝負にもなるか? クロアチアの初戦はブラジルとのナイターだったので、ディゲームの戦いに順応できるだろうか?
いやその前に日本代表選手達がどの様な準備をしてニュルンベルグに登場してくれるだろうか?
前大会終了後、むしろ4年後のワールドカップが楽しみにと思っていたのだが、それが思い違いでなかった事を祈るよ。

日本:川口 - 中澤、宮本、坪井(茂庭56 大黒 90) 駒野、中田、福西、中村、三都主、高原、柳沢(小野79 ) Goal 27: 中村 警告 宮本、高原、茂庭

オーストラリア:Schwarzer - Moore ( Kennedy 61 ) Neil, Chipperfield, Wilkshire ( Aloisi 75 ) Emerton, Grella, Bresciano, ( Cahill 53) Culina, Vuduka, Kewell Goal 84,89 Cahill, 90 Aloisi

オーストラリア解説陣の予想は?

2006-06-12 | FIFA World Cup
昨日のイランは本当に惜しかった。たった一つのミスが取り返しのつかない事に。確かにザンディが怪我で出られなかったのは痛かったが、選手交替をもう少し有効に使えなかったか?カリミを何故下げたのだろう?そしてダエイに少しこだわりすぎた気がする。
今日、大会4日目はいよいよ日本が登場する。自分がプレーするわけでも無いのに日本が出場する日は緊張するものだ。しかし、このありがたい緊張感を味わえるのは、ほんの8年前、2大会前から。日本がワールドカップの舞台に立てるのだという感慨の方が強い。初めて観た32年前のワールドカップ。この時は子供心に日本に出場資格があるのかも知らなかった。そしてこの大会の存在を知らない日本人が圧倒的に多かった。西ドイツ、オランダ、ポーランド、ブラジル、ユーゴスラビア、スウェーデン、東ドイツ、アルゼンチン、チリ、オーストラリア、ブルガリア、ウルグアイ、イタリア、ハイチ、スコットランド、ザイール。以上が1974年西ドイツ大会に出場した国々だ。そこにオーストラリアがある。従って“オーストラリアでもサッカーをやっていたのですか?”と訊く事は“サッカーは11人で試合をするのですか?”と言うのと同じレベルの質問だ。むしろ Aussie 達が“日本人もサッカーをするのですか?”と言う質問の方が的を得ているかもしれない。 とは言うものの、日本代表は中田英寿を始め既にワールドカップを経験している選手が多いが、オーストラリアは初めてワールドカップを経験する選手ばかりだ。 しかし、かつての代表主将を務めた2人John Kosmina, Paul Wade, そして元代表のRobbie Slater, 1974年大会時のメンバーRay Richards 元代表コーチだったRale Rasic 、Les Scheinflug そしてかつての国内リーグで数チームのコーチを歴任した名監督Branko Culina 以上の6名は決勝トーナメント進出間違いなし”と強気の言うコメントを寄せている。
かれら6人は1次リーグでキーとなる選手を Harry Kewell でも Mark Viduka でもなくMarco Brescianoとしている。Rasic は“Bresciano はイタリア セリエA と言うハイレベルなリーグでプレーするわくわくさせる選手”と語る。またScheinflugは“Bresciano こそ世界のトップクラスが備えるべき物を全て持っている。スキル、視野そして最も重要なのはFKやCKからのセットプレーで相手に脅威を与える”
昨年末の組分け抽選でAustralia の名前がBrazil と Croatia に次いで Group F として読み上げられたときはかなりのうめき声が漏れたらしい。日本が呼ばれたときはどうだったのかな?前回のワールドカップで Hiddink の指揮によって韓国が Semi Finalist に導かれたのであれば、何故今大会 Australia が Group F の上位2カ国に入れないと言うのだ?と強気なコメントも。
Culina, Wade そして Slater の3名は“ Hiddink が韓国を準決勝に導いた事実は、Socceroos を準々決へと導く”と誰も1次リーグで敗退するとは予想していない。そして1次リーグを突破すれば、決勝トーナメントではイタリアかチェコとの対戦が待っているのでベスト8は… と警鐘を鳴らす。しかし Slatter と Rasic は Brazil とは引分けれれる可能性がある、と豪語?(オーストラリア語ではありません。) “Socceroo 達は4年前の韓国や日本を見習うべきだ。彼らが成し遂げた事に少し上乗せすればベスト8は見えてくる。オーストラリアの方がQuality の高い選手が多い。“と自国の潜在性を強調。しかしながら全員が”初戦の日本戦が鍵“と、これは日本側の誰もがコメントする事と同じだった。Richards は” 1974年当時は我々は誰一人決勝トーナメントに進めるとは思わず、その通りとなった。しかし今のチームは期待できる。(初戦は)攻撃的に行くべきだ。 Aloisi と Viduka を2トップに据えて 4-4-2 の布陣で日本戦、クロアチア戦に臨むべきだ”とコメント。しかし、Australia は昨年のウルグアイ戦等、Viduka のワントップの方が良い結果が出ているのだが。日本戦については“日本はタフな相手だ。彼らがドイツ戦で演じた事を見るべきだ。私は日本が pushover ( すぐに負けるチーム)だと考える人々に注意を促した”“日本戦は何が何でも勝たねばならない。その為にも2トップで臨むべきだ”“ブラジルと引分けるには10人DFで臨めば引分けられる” 2トップはともかく、ブラジル戦の10人DFは使えるかもしれない?
Wadeは今ジュニア世代のコーチングに携わっているが彼も“日本は 2002年よりも進化している。日本人が我々を知らないと思わないほうが良い。ギリシア戦には多くの日本人ジャーナリストが来ていた。私には Harry Kwell 以外の全てをよく(スタメンに)予想していたように見えた。”“ZICOの存在が彼らのレベルを上げた、特にマリーシアを学んだ” とコメントしている。しかし、心配は要りません。日本のジャーナリストは最近サッカーを知った人ばかりですから。そして上記7名の解説者諸氏は日本戦のメンバーに必要な選手を以下の通りにしている。
Brett Emerton, Craig Moore, Lucas Neill, Scott Chipperfield, Culina, Bresciano , Viduka. の7名は満場一致で。 Vince Grella (7名中5名が) Tim Cahill (6名) Josip Skoko (5名)そしてGKはMark Schwarzer を、と。 最後にこの“座談会”の企画をした The Australian 紙のアンケートの回答を。

1. Australia はどこまで勝ち残れるか?
2. Group F の結果予想は?
3. Socceeroo で最も重要な鍵となる選手は?
4. サプライズを起こす選手は?
5. 日本戦でのスタメンは?
6. 大会後のヒディング監督の後任は?

BRANKO CULINA
1: ベスト8
2: Japan○, Brazil△, beat Croatia○
3: Mark Viduka
4: Jason Culina
5: Kalac; Emerton, Moore, Neill, Chipperfi eld; Grella, Culina; Bresciano, Cahill, Kewell; Viduka
6: Marco van Basten

JOHN KOSMINA (元オーストラリア代表主将。現 Adelaide Unitedコーチ)
1: 決勝トーナメント
2: Japan ○ Brazil△ Croatia△
3: Vincenzo Grella
4: Jason Culina
5: Kalac; Emerton, Moore, Neill, Chipperfi eld; Grella, Culina; Bresciano, Cahill, Lazaridis; Viduka
6: Graham Arnold

RALE RASIC, (1974年 ワールドカップ西ドイツ大会オーストラリア代表監督)
1: 決勝トーナメント
2: Japan○, Brazil○(希望的観測)Croatia△
3: Marco Bresciano
4: Jason Culina
5: Schwarzer; Emerton, Moore, Neill, Chipperfi eld; Grella, Culina; Bresciano, Cahill, Skoko; Viduka.
6: Arsene Wenger

RAY RICHARDS ( 1974年 ワールドカップ西ドイツ大会オーストラリア代表選手)
1: 決勝トーナメント
2: Japan○, Brazil△, beat Croatia○
3: Marco Bresciano
4: Jason Culina
5: Schwarzer; Emerton, Moore, Neill, Chipperfi eld; Bresciano, Culina, Cahill, Skoko; Viduka, Aloisi.
6: Bora Milutinovic

LES SCHEINFLUG (元オーストラリア代表、コーチ)
1: 決勝トーナメント
2: Japan○, Brazil△, beat Croatia○
3: Mark Viduka
4: Marco Bresciano
5: Schwarzer; Emerton, Moore, Neill, Chipperfi eld; Grella, Culina; Bresciano, Cahill, Skoko; Viduka.
6: Luiz Felipe Scolari

ROBBIE SLATER (元オーストラリア代表、現解説者)
1: 準々決勝
2: Japan○ Brazil X, Croatia△
3: Harry Kewell
4: Jason Culina
5: Schwarzer; Emerton, Moore, Neill, Chipperfi eld; Grella, Culina; Bresciano, Cahill, Skoko; Viduka.
6: Graham Arnold and Johan Neeskens.

PAUL WADE(元オーストラリア代表主将)
1: 準々決勝
2: Japan○ Brazil△ Croatia ○ (もし必要ならば)
3: Marco Bresciano
4: Jason Culina
5: Schwarzer; Emerton, Moore, Neil, Chipperfield; Bresciano, Culina, Skoko, Kewell; Viduka, Aloisi.
6: Marco van Basten

全員が日本から白星を挙げると予想している。このあたりは日本もオーストラリアも変わらない。しかし上記の予想解説者の中に2年前の10月に亡くなった尊敬する Johnny Warren がいないのが寂しい。
キックオフまであと12時間程度です。良い試合を期待しましょう。勿論日本に勝って貰ってですが。

Wallabies, Socceroo 高さ対策はいかがですか?

2006-06-11 | FIFA World Cup
昨日はワールドカップ2日目、これから約1ヶ月間に渡るイベントが始まったと言う実感が。昨日のトピックは何と言ってもトリニダードドバゴだ。おそらくドルトムントの競技場に詰め掛けたスウェーデンサポーター達は“自国のゴールシーンを何度見られるだろうか?”との胸算用をしていただろう。タイムアップの瞬間にベーンハッカー、トリニダードドバゴ監督がカリブ海から駆けつけたサポーターの集団に両手を挙げたシーン、そして選手達が勝ったかの様にピッチ上で折り重なって抱き合うシーンは、スポーツを愛するものを感動させただろう。サッカーのワールドカップはこれがあるからたまらない。この試合のヒーローは England Premier West Ham United 所属のベテランGKヒスロップ。そして同じくベテランMFのドワイト=ヨークの2人だ。1990年イタリア大会ではこの地区から初出場であったコスタリカがブラジルには敗れたものの、 Scotland そして Sweden を破って決勝トーナメントに進んだ。6月15日にニュルンベルグでの England vs Torinidad & Tobago が非常に楽しみとなった。

さてさて我が日本代表の初戦を明後日に控えて、更に更に日本国内ではオーストラリア分析が進んでいるが、今オーストラリアでは違った考察が行われているに違いない。今日6月11日、シドニー Telster Stadium では England 代表チームを迎えて Wallabies がテストマッチを行われる。このカードはサッカーで言えばワールドカップの決勝戦で実現するカードと言える。 Wallabies のJohn Connolly 監督はメンバーに Rocky=Elson, Daniel=Heenan, のフランカーを入れてロックの Nathan=Sharpe, Dan=Vickeman とのコンビネーションを完全にするとコメントしているらしい。この狙いは England 戦でラインアウトを制するのが目的との事。ここでも空中戦を制する事に重きを置かれている。
そして2003年のワールドカップ優勝者 England に対して Force Hooker のポジションにTai= McIssac プロップに Rodney Blake の起用が仄めかされているが、この2人は何と代表初選出。もし England 戦の出場となると大変な代表デビューとなる。 もはやサプライズ人事はサッカーだけではない、というよりも新人選出自身をサプライズ人事と表現するのがサプライズなのかもしれない。

しかし、Hiddinki 監督はもとより、John Connolly Wallabies 監督を含めてオーストラリアでどうやらSocceroo には空中戦での advantage は日本のマスコミが思っているほどは無いと思われている様だ。
6月9日付けの地元紙では Blue Samirai have capacity to soar when it matters ( Blue Samurai 達は必要時には上昇能力を持っている ) との見出しをつけている。ドイツ戦の日本はセットプレーからの空中戦で2失点を喫し、アーノルド・コーチを始め空中戦に活路を見出せると世論は言うが果たしてそれほど差があるのだろうか?と。 下記の様な比較表があった。

JAPAN’S DEFFENDERS BY WEIGHT AND HEIGHT
Teruyuki Moniwa 181cm 77kg
Yuichi Komano 171cm 71kg
Tsuneyasu Miyamoto 176cm 72kg
Koji Nakata 182cm 74kg
Alessandro Santos 178cm 69kg
Keisuke Tsuboi 179cm 67kg
Akihiro Kaji 175cm 67kg
Yuji Nakazawa 187cm 78kg
AUSTRALIA’S ATTACKERS BY WEIGHT AND HEIGHT
Mark Viduka 188cm 91kg
Harry Kewell 183cm 85kg
Tim Cahill 180cm 69kg
Marco Bresciano 182cm 73kg
Jason Culina 175cm 75kg
John Aloisi 188cm 83kg
Archie Thompson 171cm 70kg
Joshua Kennedy 192cm 82kg

Mark Viduka は188cm、そして最近話題になっている Dinamo Dresden ( 来季より 1FC Nurunberg ) の Joshua Kennedy の192cmを知る人が増えたが、 Kennedy がスタメンに名を連ねるとは考えにくい。中盤選手は一番の長身が Grella の 183cm で最も低いのが175cmの Culina 。しかし日本のDF陣は中澤が187cmで Viduka のマークには充分だ。それに新たに召集された茂庭が181cm そして仲田浩二が182cm だ。怪我が完治しスタメン起用が現実的になってきた Cahill のヘッドは文句なしに Socceroo の中では定評が高いが、彼は 180cm だ。 ならばGKの川口は180cmにも満たない( 公式発表は179cm ) だからもし“身長の優位をのみでアジア王者に対抗できると思っているのであれば。” 川口の“我々はこれまで数え切れないほど、こういった(身長で優る)チームを相手にしてきたが、もしその度に屈していたらここには(ワールドカップ)いない”というコメントを引用し、オーストラリア一般で唱えられている楽観論に警笛を鳴らしている。 しかし、上記の様に数字を出して解説をするところは日本のマスコミはしない事だ。いや、そこまで頭が無いのだろう。

そして先日、ロッテルダムで行われたオランダとの試合では強豪相手に 1-1 と引分けた。日本はドイツと引分けただけで、ベスト16間違いなしとか、金星に等しい、とかの見出しが躍り続けた。 オーストラリアでもそういった風潮はあるが、 Sydney Morning Herald 紙は この試合で明らかになったことが2つある。 GKにはシュヴァルツァーをそして Duke (ヴィドゥーカ)にはこれ以上PKを蹴らさない事だ。となかなかユーモアとペーソスの効いたコラムがあった。 善戦は結果だけであった、内容はGKシヴァルツァーの4度に渡るワールドクラスのセービングがあったからで、もしワールドカップ本番でPKを得たのならヴィドゥーカは遠慮をするべきだろうと。ウルグアイでのPK戦でもヴィドゥーカだけが決められなかった。 

試合前の分析やその分析内容はどうやらオーストラリアの方がリードしているといわざるを得ない。

FIFA World Cup 2006 開幕 頑張れ第三勢力 !!

2006-06-11 | FIFA World Cup
いよいよワールドカップが開幕した。経ってみれば4年間はあっという間に、と言う感が否めない。
開幕戦は地元ドイツが勝利で飾った。ホスト国の進撃がなければ大会も盛り上がらないので大会委員会としては安堵をしただろう。クリンスマン監督としてはバラックを欠きながらの4得点を挙げたFW陣に安心させられたか?それともコスタリカ相手に2失点を喫したDF陣を改善点と考えるのか?それにしても今大会の公式球はよく“跳ねる”というか“スピード”が出る。これはFKに advantage のある日本には吉報か? もう1つの Group A の試合ではエクアドルがポーランドを2-0 で破った。昔、大会初日は1試合のみで2日目から本格的に試合が始まったものだった。 今大会から前大会の優勝国が自動的に出場権を得ることが無くなったので、開幕戦はホスト国のドイツが登場する事になった。 我が日本代表の登場は大会4日目からだ。幸せな事にフランス大会から日本は連続出場してくれているので、昔と大会の見方が大きく変わった、いや更に面白くなったと言うべきだろう。70年代から大会の度に優勝候補の戦いぶりや知っている選手の動向を追っかけていたが、それと共にアジア代表を含む“ Third World “ 国の戦いぶりにも非常に興味をもっていた。アジア、アフリカ、北中米、オセアニアから出て来る国々と欧州、南米との差から日本の位置を測っていた。しかし、それはただ世界との隔たりを再認識させられるに過ぎなかった。1974年西ドイツ大会の予選で England が地区予選落ちをした時は下記の様なコメントがあった。

“ there were the usual justifiable grumbles about the failure to “ dezone “ the weaker Third World teams. This resulted in some second-grade footballing countries qualifying with comparative ease while considerable stronger European and South America teams eliminated one another. “

そこには“ dezone : 隔離された地域 “ 格の落ちる第三世界のチームはどうしようも出来ないと言う、まさにいつもの不平があった。二線級の国のいくつかは比較的容易に予選を勝ち抜け、一方注目に値する欧州や南米の列強の国々はお互いに“消しあわねば”ならない。 
そして下記の通りにも述べられている。

The Justification for these grievances was emphasized by the grossly unfair insistence that the winner of the European Group and one south American group must play-off for a single place.

その“苦情”を正当とする証拠は 欧州と南米の勝者で1つの出場枠を巡って Play Off を行わねばならないという酷くアンフェアーな主張によって強調された。

1974年大会予選ではチリがソ連とそして1978年大会ではハンガリーがボリビアと Play Off を行った。1974年大会はアジェンダ左翼政権をクーデターで倒した軍事政権下にあったチリにアジェンダ前政権を支持するソ連との試合となったが、軍事政権が政治犯収容所としてつかっていたのが首都サンチャゴの国立競技場。チリが興行的な事もありFIFAの指導にもかかわらず国立競技場での試合開催を譲らなかったのに対し、ソ連はその国立競技場での試合を拒否しモスクワでの試合を 0-0 となった後のチリのホームゲームを棄権し、チリの出場が決まったというエピソードも生まれる事に。 1982年のスペイン大会から総出場国数が16から24に拡大され、第三諸国にも出場枠が広がったが、それこそ当時の提唱者アベランジェ氏の狙いで、それらの地域の有権者からの票を集めて後にFIFAの会長に就任したのだった。
16年前のワールドカップイタリア大会北中米予選ではトリニダードドバゴはアメリカと激しく出場権を争う事に。最終戦、トリニダードドバゴは地元ポートオブスペインでのアメリカ戦で、しかも当日は建国記念日、勝点でリードしていたトリニダードドバゴは引分けてもイタリア大会出場が決まるところだった。そして政府の命令で観客全員がナショナルカラーである赤いシャツを着て競技場に詰め掛けた。試合は地力に優るトリニダードドバゴが徹頭徹尾攻めこむが、アメリカが当時ドイツでプレーするカリギウリがミドルシュートを決めて先制する。それでも攻め続けるトリニダードドバゴであったが、最後までゴールを割る事が出来ず、イタリア行きの切符を手に出来なかった。フィールド中央に集って感涙の号泣を続けるアメリカ選手に大観衆は罵声1つ浴びせることなくその後整然と競技場を後に。この観客に対してFIFAはフェアープレー賞を送った。私はこの試合のビデオを今でも持っている。しかし、これはFIFAが次回のホスト国であるアメリカを出させる為にメキシコを締め出した結果とも言われている。1985年ソ連で行われたFIFA U-20 大会で年齢詐称をした選手を起用したという理由で出場停止中であったが、その裁定が下ったのは大会後しばらくしてから。しかも後年ブラジルが参加資格の無い選手をユース大会で起用したのが発覚した時は“選手個人の問題で協会も騙されていた”と言う寛容な裁定とは大違いで、今でもFIFAの意図的な工作と思われている。その後大会総出場国はさらに32に拡大され、そのおかげで日本もワールドカップに出場できる事になった。今大会はアジア4、アフリカ5、北中米4、オセアニア1と合わせて14カ国の第三勢力が出場している。開幕戦のコスタリカに続いてGroup B の北中米代表国トリニダードドバコが今日スウェーデンと対戦する。北中米地区予選18試合、そしてバーレーンとの Play Off 2試合を経て初出場を決めた。チームの中心選手はオーストラリア Sydney FC というよりも A-League のスーパースター そして元 Manchester United の中心選手でもあったドワイト=ヨーク予選では12試合に出場した。そしてイングランド、コベントリーシティーでプレーする予選19試合出場12得点のエースのスターン=ジョン。DFでは Scotland Premier Rangers 所属の中村のライバル? マーヴィン=アンドリュースは18試合出場した。それから元横浜FCの中盤シルビオ=スパンもいる。 監督のレオ=ベーンハッカー氏はかつて Real Madrid そしてオランダ代表の監督も歴任し、地区最終予選で開幕3試合( 1-2 USA, 1-5 グアテマラ、0-0 コスタリカ)の後を受けて就任し、見事にチームを初めてのワールドカップに導いた。本大会1次リーグでは Sweden, England , Paraguay が相手で3戦全敗も考えられる厳しいグループだ。初戦のスウェーデンはFWイブラヒモビッチが192cm DFの3名, ルチッチ187cm メルベリ 185cm ニルション 185cm と北欧らしく長身揃いだが今大会のメンバーは Barcelona 所属の12年前の大会経験者FWラーション178cm Arsenal 所属のMF リュングベリ 175cm スベンション 177cm ヒルヘルムション 178cm リンデロート 176cm と上背の無いが多い。一方トリンダードドバゴのDFデニス=ローレンスは 201cm だ。GKは37歳のベテラン、ウェストハム所属のヒズロップがいるが、正GKはScotland Premier の Dundee United のケルビン=ジャックだ。しかし、スウェーデン代表監督のラガーベック氏はこの1962年に独立した北中米の国の資料が無いのではないかな?だがこのカリブ海に面した国にとってワールドカップ出場は建国以来2度目の大快挙だ。最初の快挙は1976年7月24日、モントリオール五輪男子100mでクロフォードが金メダルを勝ち取ったことだ。この種目での金メダリストは過去7カ国の選手(他には米国、南アフリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、ソ連、)しか勝ち取っていない。クロフォード(もし元気であれば)スタンドに座れば選手達を勇気付けるだろう。
頑張れ!! The Third World !!

TRINIDAD & TOBAGO
Goalkeepers: Kelvin Jack (Dundee/SCO), Shaka Hislop (West Ham United/ENG), Clayton Ince (Coventry City/ENG).
Defenders: Dennis Lawrence (Wrexham/ENG) Cyd Gray (CL Financial San Juan Jabloteh), Marvin Andrews (Glasgow Rangers/SCO), Brent Sancho (Gillingham/ENG), Ian Cox (Gillingham/ENG), Atiba Charles (W Connection), Avery John (New England Revolution/USA)

Midfielders: Silvio Spann (unattached), Chris Birchall (Port Vale/ENG), Aurtis Whitley (CL Financial San Juan Jabloteh), Anthony Wolfe (Jabloteh), Densill Theobald (Falkirk/SCO), Carlos Edwards (Luton Town/ENG), Dwight Yorke (Sydney FC/AUS), Russell Latapy (Falkirk/SCO).

Forward : Stern John (Coventry City/ENG), Kenwyne Jones (Southampton/ENG), Collin Samuel (Dundee United/SCO), Jason Scotland (St Johnstone/SCO), Cornell Glen (LA Galaxy/USA).

1970年 ペレブラジルは守備的なチームだった

2006-06-09 | FIFA World Cup
1970年ワールドカップメキシコ大会を無敗で制したブラジル。神様ペレを中心に、リベリーノ、トスタン、ジャイルジーニョと攻撃陣にタレントを揃えたセレソンは攻撃的な布陣で大会を制したと思う人が多いらしい。6試合で19得点。時代が異なるとはいえ、一試合あたり3得点以上の得点力で勝ちあがったと思えるだろう。しかし、当時を振り返ったペレはこういう。“皆さんは我々が offensively に戦ったと思われているが、実は defensively に戦ったんだ。”と漏らした。“当時、大会のセレソンは2ヶ月前に監督がマリオ=ザガロに交代するという緊急事態であった。そしてペレは疲れ切っていたといわわれていた。所属先のサントスはペレ人気にあやかりワールドツアーを続け、ペレは休む暇さえなかった。しかも4年前のイングランド大会で欧州のラフなDFに大会から蹴りだされ、”もうワールドカップには出たくない“と考えたときもあったらしい。 その時に、新しく指揮を振るうようになったザガロはチームに規律と役割分担を徹底させた。そしてシステムも変更した。そのシステムは 4-4-2 とも 4-5-1 とも言われた。70年代の日本は3トップが当たり前のシステムであったのでそれ自身が斬新であったかもしれないが、ペレに言わせれば”システムという言葉を借りるのなら 我々のシステムは 8-2 だ。“6月初旬の TIMES にはこの様に述べられている。そしてペレは続ける”もしボールが相手に渡ると我々はジョルジーニョを残して全てが自陣に戻りボールを取り戻そうと努めた。大会の総得点からみて攻撃的に戦ったと思われがちだが、それはあくまでも守備的なサッカーだ。そしてそれは大会の結果(優勝と得点数)からみてモダンなサッカーと言えただろう。“ だが私はその裏には選手個人の高い能力と高地のメキシコの天候と気圧に欧州勢がまず対応せねばならないと言う事実も見過ごせない。ブラジルの個人技に対抗するには運動量が必要であった。4年後の西ドイツ大会では、2次リーグの最終戦で対戦したオランダがそのトータルフットボールの集大成と言うべき試合展開でブラジルを圧倒したが、もし試合会場がドルトムントではなく、高温の南欧や南米であればオランダの選手はその運動量を維持できただろうか? 

そして私は他に面白い数字を見つけた。下記を参照下さい。 これはブラジル、アルゼンチンのワールドカップ代表メンバーが欧州のクラブチームに所属していた選手の数の遍歴だ。

1974 Brazil 0 Argentina 5
1978 Brazil 0 Argentina 2     
1982 Brazil 2 Argentina 3   
1986 Brazil 2 Argentina 6   
1990 Brazil 12 Argentina 12    
1994 Brazil 11 Argentina 9   
1998  Brazil 16 Argentina 13 
2002 Brazil 10 Argentina 20  
2006 Brazil 21 Argentina 17  

アルゼンチンは歴史的に見ても南米の中で欧州との交流が長く、深かったことから選手達の渡欧が顕著であった。これはむしろ、アルゼンチンがワールドカップで優勝したのが1978年の地元開催まで待たねばならなかったと言う原因の一つでもあった。 しかし、サッカーがよりコマーシャリズムに侵食されるようになり、両国は特に“輸出国”として開拓され例え代表クラスでなくても多くの欧州のクラブチームは南米選手抜きでチーム編成は考えれなくなってきている。 前回の日韓大会ではブラジルよりも候補と見られていたアルゼンチンが1次リーグで敗退したのは、増え続ける所属先の試合数がいかに影響していたかがわかる数字だ。 
だが今回はどうだろう。多くの選手にとっては時差の無いドイツはむしろ“地元”に近いのではないか? ブラジル、アルゼンチンを迎える地元ドイツ、そして前評判の高いイングランド、イタリアは今大会は“地元”の南米選手に対峙せねばならない。 もし欧州勢がタイトルを手中に出来なければ、次回は南アフリカ大会、次々回はブラジがホスト国ではと見られている。ワールドカップが欧州大陸に帰ってくるのは2018年まで待たねばならなくなるかもしれない。 

アルゼンチン代表は以下の通りです

Goalkeepers: Roberto Abbondanzieri (Boca Juniors), Leonardo Franco (Atletico Madrid), Oscar Ustari (Independiente)

Defenders: Fabricio Coloccini (Deportivo Coruna), Roberto Ayala (Valencia), Gabriel Heinze (Manchester United), Juan Pablo Sorin (Villarreal), Gabriel Milito (Real Zaragoza), Nicolas Burdisso (Inter Milan), Leandro Cufre (AS Roma)

Midfielders: Lionel Scaloni (West Ham United), Esteban Cambiasso (Inter Milan), Javier Mascherano (Corinthians), Luis Gonzalez (Porto), Pablo Aimar (Valencia), Juan Roman Riquelme (Villarreal), Maximiliano Rodriguez (Atletico Madrid)

Forwards: Carlos Tevez (Corinthians), Hernan Crespo (Chelsea), Lionel Messi (Barcelona), Rodrigo Palacio (Boca Juniors), Javier Saviola (Sevilla), Julio Cruz (Inter Milan).

アジア最強はイラン

2006-06-09 | FIFA World Cup
クロアチアが国内で最後に行った調整試合の相手国はイランだった。8年前のフランス大会前にもスーケル、ボバン、アサノビッチらを擁したクロアチア代表チームはイランの首都テヘランでイラン代表相手に強化試合を行い 2-0 で勝っていた。試合後イランのエースアリ=ダエイが“前の年(11月にジョホールバルで戦った)の日本の方が手強かったよ”とコメントし、そのコメントに対して当時のブラジェビッチ、クロアチア代表監督は“イラン人の言う事は聞かないほうが良い”と言ったのを思い出す。 そのブラジェビッチ氏は後にイラン代表を率いる事になり、今のイラン代表のイヴァンコヴィッチ監督は前任のブラジェビッチに師事していた。昨年末にワールドカップの組分けが決ったときにこの2カ国がマッチメイクする事は想像していたが、まさかこんな最後の段階とは思わなかった。

         GK 1 ミルサブール

     4 コルモハマディ      5 シザイエ

    13 キャビー             20 ノスラティ

        6 ネコンナム    24 ティモリアン
      ( 23 ジョジャエイ 86 )
   8 カリミ            7 ザンディ
               ( 25 バクティアリサエ 46 )

         10 ダエイ   9 ハシュミアン
     ( 22 カゼミアン 76 ) ( 15 ボルハニ 70 )

          9 プルショ 17 クラスニッチ
    ( 18 オリッチ 56 )   ( 21 バラバン 75 )
            19クルニチャル

   8バビッチ           2 スルナ
           ( 16 イェルコレコ )
        5 トゥドゥル    10 ニコ=コバチ
    ( 14 モドリッチ 46 )    ( 6 ムラニシュ 23 )

   13 トマス    4 ロベルト=コバチ    7 シミッチ
   ( 11 トキッチ 46 )

            1 プルディゴサ

試合は立ち上がり直後はイランが攻め込み、開始1分半では早くも最初のCKを得る。しかしそのクロスにはダエイが触れない。37歳のアリ=ダエイはイヴァンコヴィッチ、イラン代表監督が絶大なる信頼を置いているのか、イランサッカー協会がそうさせているのか、この日もスタメンであったが、ダエイ絡みであわやと思わせたシーンはここだけ。後はバイエルン=ミュンヘンでレギュラーの座を手に入れようとしているアリ=カリミのドリブル突破のみが攻撃の糸口となる。マハダビキアがいないのでどうしても右からの攻撃が手薄になるのか?それでも6分にはカリミがミドルレンジからドリブルシュートを放つ。しかし以降は地力に優るクロアチアがイラン陣内で試合を進める。ここで目立つのは体格の差。体格の面ではイランこそアジアでは1,2を競うが、クロアチアの選手と混じればむしろ小さく見える。トップのダエイはアジア諸国との試合では電信柱の様に目立つが、クロアチアDFの中ではそう目立たない。本当に公式発表の通り189cmあるのかな?トマス186cm、ロベルト=コバチ180cm、シミッチ182cm だ。それとも跳躍力が落ちているのかな?しかし、ここまで見てもイランが体格で劣るのは明らかだ。他のフィールド選手にしても日本選手を体格で押さえ込むという印象があるイランの選手の方がフィジカル面で劣り、ボール回しやパスワークなどを駆使してボディコンタクトを避けているようだった。

それでも先制点はイランだ。20分にハシュミアンがドリブルで左サイドを上がり中のティモリアンに渡す、さらに右のカリミにはたくとトマスの甘いマークを容易にくぐり放ったシュートがそのままゴールネットに突き刺さる。これまでクロアチア代表は2部練習を前日まで続けており、疲れはあったのだろうがDF陣のもたつきは相変わらず。ここをつくとチャンスが生まれるか?しかし、その後も主導権を握っていたのはクロアチアだ。攻め込んではCKを得る。左からのCKを含むプレースキックはクルニチャルが、左からはスルナが蹴る。特にスルナのクロスは早くて低いのや放物線を描きながらもポイントを得る良いボールを入れる。そして29分にはクロアチアが同点に。23分にロベルト=コバチに替わって早くも投入されたムラニシュが右サイドを上がり、クラスニッチにクロスを入れ、それをクラスニッチが頭で折り返したところをクルニチャルが足で落としそのこぼれ球をプルシュが打ってそのままゴールイン。日本がクロアチア相手に見せたいダイレクトで繋いだ見事な攻撃だった。(ブラックデビルか?)

しかしクロアチア代表クラニチャール監督が心配するのはムラニシュに替わって引っ込んだボランチのニコ=コバチの状態ではないか?この同点ゴールの直後から激しい雨が降ってくる。イランは開始直後のダエイのワントップから2トップにし 4-4-2 のシステムに。攻撃時にはカリミ、ザンディが両サイドを上がるが、クロアチアの3DFは随分左右に振られる。特に真ん中のロベルトは前後の動きは早いが、左右の動きには1歩、2歩遅れる。そしてザンディのドリブルには遅れ気味だ。同じポジションの三都須はこのあたりよく学習したかな?それとも今から元京都パープルサンガの松井は呼べないやろなぁ。前半のクロアチアは42分にプルショのクロスからクラニッチがフリーで放つがゴール枠を捉えられない。

ハーフタイム中に雨が止んだ。イランはザンディに替えてバクティアリサデを入れ、クロアチアはボランチ、トゥドゥルに替わってモドリッチが左サイドバックのトマスに替わりトキッチが投入される。この交代はイランには凶とでる。バクティアリサデはあまり前に出てこず、ザンディが下がった事で攻撃時に前線が3人に減ってしまった。開始早々の47分にはクラスニッチが倒され自らはなったFKが、55分にはバビッチのCKからのムラニシュのヘッドがゴールを襲う。56分にはプルショ、クラニチャル、モドリッチ、スルナと渡り、再びクラニチャルがヒールでフリーのプルショに戻すが打てなかった。その直後はこぼれ球を今度はスルナが撃つがゴールを外れる。64分にはスルナが下がりイェルコレコが投入される。そしてイランは攻撃の起点であったハシュミアンが下がりボルハニが入る。まぁ試合結果の問われるゲームじゃないから。その後もダエイに変わってカゼミアンがクラスニッチに替わってバラバンが入り両チーム攻撃陣が入れ替わる。クロアチアの中心選手クラニチャルが下がらないのは。この日の出来が悪いまま下げたくなかったからか?それにしても動きが遅いなぁ。体重がベストでなさそうなのは確実だ。

その後もゲームはイランコートで進むが、2点目を先に入れたのはイランであった。久し振りにクロアチアコートにイランが攻め込むがトキッチがカットする。しかしトキッチが中のロベルト=コバチに渡すつもりが、コバチの頭を越えてフリーのボルハニに渡ってしまう。そしてボルハニが落ち着いてクロアチアゴールに蹴りこんでイランがまたリードする。ワールドカップ前のホームゲーム最終戦がこのていたらくではと地元サポーターから口笛が飛ぶが試合はこのまま終わらない。ロスタイムに入り、後方からイランゴール前にロングボールがはいり、これをDFミザイエとGKミルサブールがお見合いをするとその隙にオリッチがボールを奪って中に切れ込む直前にミルサブールがオリッチの足を掴んだ。文句なしのPKが宣告され、それをバビッチが決めて敗戦と言う結果は免れた。 クロアチアは最終ラインが相変わらず不安定、というよりもボランチとの守備面での受け渡しの徹底が必要だろう。攻撃の方ではスルナ、バビッチが上がるとボールがよく廻る。あとはクルニチャルのコンディションだ。このままでは大会後ディナモ=ザグレブのサポター達から何を言われるか?? 

一方のイランは好守に渡るエース、マハダビキアが欠場。それで引分けられたのでイヴァンコビッチ監督も収穫ありと思ったか?大会ではダエイを起用するのかな?このダエイ、とマハダビキアの2人が8年前のフランス大会の経験者だ。アジアから4カ国がワールドカップに出場出来るが、8年前同様イランが実力的に1番ではないか?メキシコ、ポルトガルのいずれかを破るのは容易では無いが(もう1つはアンゴラ)ポルトガルはけっこう第三勢力との分が芳しくない。前回はアメリカ、韓国に1986年大会ではモロッコに敗れ1次リーグで消えている。また1979年日本で開催されたワールドユース大会でも初戦でカナダに敗れた。イランは8年前の、バケリ、アジジを加えた時の様な破壊的な攻撃は無いが、ナビドキア、ザンディ、レザイエと言った欧州でプレーする選手が増えた。ただ最近伝統的な堅い守備がやや落ちているのが気になる。1978年に初出場を果たしたが、当時はアジア、オセアニアからの出場枠が1つしかなかった時代だ。その後イスラム革命、イランイラク戦争があり2大会連続でエントリーしなかったが1990年アジア大会で優勝すると復活の狼煙を上げ、1993年ドーハで行われたワールドカップアジア地区最終予選では本大会出場はならなかったが若き日のアリ=ダエイが大会得点王に。そして4年後は最後にオーストラリアとのプレーオフをアウェーゴール数で制し4大会ぶりの出場を決めた。今大会、何とか1次リーグを突破して欲しいものだ。出来れば日本と共に。

Goalkeepers: Ebrahim Mirzapour (Foolad Khuzestan/IRI), Vahid Talebloo (Esteghlal Tehran/IRI), Hassan Roudbarian (Pas/IRI)

Defenders: Yahya Golmohammadi (Saba Battery/IRI), Mohammad Nosrati (Pas/IRI), Rahman Rezaei (Messina/ITA), Sattar Zare (Bargh Shiraz/IRI), Hossein Kaabi (Foolad Khuzestan/IRI), Sohrab Bakhtiarizadeh (Saba Battery/IRI), Amir Hossein Sadeqi (Esteghlal Tehran/IRI)

Midfielders: Javad Nekounam (Sharjah/UAE), Anderanik Teymourian (Abomoslem Khorasan/IRI), Mehdi Mahdavikia (Hamburg/GER), Fereydoon Zandi (Kaiserslautern/GER), Ali Karimi (Bayern Munich/GER), Mehrzad Madanchi (Persepolis/IRI), Javad Kazemian (Persepolis/IRI)

Forwards: Ali Daei (Saba Battery/IRI), Vahid Hashemian (Hanover/GER), Reza Enayati (Esteghlal Tehran/IRI), Arash Borhani (Pas/IRI), Masoud Shojai (Saipa/IRI), Rasoul Khatibi (Sepahan Isfahan/IRI).

イチローからの無言のエールだ !!

2006-06-06 | FIFA World Cup
4月中旬の韓国の全国紙、朝鮮日報には下記の様な記事があった。

WBCの韓日看板バッター、イ・スンヨプ(読売ジャイアンツ)と鈴木イチロー(シアトル・マリナーズ)が相反した成績になっている。イ・スンヨプは日本プロ野球の‘巨人’になった一方、イチローは‘屈辱的な’打率でシーズン初盤に面目をつぶしている。 WBC当時、重みのある5本塁打で活躍したイ・スンヨプと、自国ファンの目を引くため終始大げさに振舞い続けたイチローゆえに、いっそう対照的だ。

イチローは13日現在(以下韓国時間)、9試合で打率2割3分1厘、1打点、出塁率3割1分8厘という低調な成績にとどまっている。それさえも13日のクリーブランド・インディアンズ戦で3安打と固め打ちしたおかげで2割台になった。前日までは19打席無安打、打率1割7分6厘だった。14日の試合でシーズン初本塁打を放ち、そろそろペースが上がってきそうな兆しだが、相変わらずがっかりするような成績だ。
年俸1253万ドル(約120億ウォン)をもらう選手らしくない。いや、イチローらしくない成績だ。わずか2年前の2004年に大リーグ1シーズン最多安打新記録(262本)を打ち立てた。去年は2001年の米進出以降、最悪の不振という評価にもかかわらず206安打、打率3割3厘をあげた。デビューの後5シーズン連続200安打以上を記録した大リーグ初の選手だ。  ( 以下省略 )

上記の記事が掲載された理由はWBCで2勝1敗と勝ち越した相手である日本が優勝したと言う悔しさと、でっちあげられた“イチローの30年発言”によるものと想像するには容易だ。4月のイチローはここ11年間見られなかったスランプで打率が2割にも満たない日が続いた。イチローの不振に韓国マスコミもネタ作りに困らない日が続いただろう。だが、イチローの不振をネタに紙面作りが出来たのも4月までであった。5月にはいるや否や俄然調子の出てきたイチローのバットからは連日マシンガンの如く快音が弾き出され、打率もあっという間に3割を越えてしまった。その快進撃は月が変ってもとどまるところを知らず、6月5日のロイヤルズ戦では2安打を放ち、連続試合安打を6に伸ばした。試合前にはアメリカンリーグの週間MVP受賞が決定。しかも“この賞がまだあったことに気付いていなかった”と地元の記者達に漏らしていたらしい。泣かせる一言ではないか? しかし、この1ヶ月のイチローの活躍こそ、私は今週末から始まるワールドカップに臨む日本代表への無言のエールではないか?と思う。日本のマスコミは連日忙しい。ドイツ戦で引分ければ“対戦国の警戒が強くなった”との報道。オーストラリアがオランダと引分ければ“ヒディングマジック健在”。そして日本がマルタに引分ければ“こんなことではいけない” と場当たり的な論調が続く。 芸能人、知識人、そして政治家までが“是非とも決勝リーグを”と願って止まず、週刊誌には1次リーグ予想が氾濫している。そしてここJリーグ発足以降雨後の竹の子の様に沸いて出てきた無知な評論家達は“日本が決勝トーナメントに進んだときの経済効果、そうでない時の損失”となかなか笑えるコメントを。だが勝ちたいのは他ならぬ代表選手達本人だ。確かに我々の声も届いており、その期待を受ける立場にある事に誇りを感じている事だろう。だからこそ、イチローの活躍を代表選手も糧にして頂きたい。 WBCの実現により野球界での世界選手権がようやく始まった。誰よりもこれを喜んだのはイチローではなかったか?かつてサッカーで世界サイズの大会が有ることをイチローは非常に羨んでいたと聞いた事がある。松坂が五輪メンバーに入ることをこの上なく喜んでいた様に、イチローも世界の土俵で戦える幸せを感じていたのだろう。“アメリカで野球人生を始めてここの野球界でも人種差別がある事がわかった。だからこそ日の丸を着て闘いたい” “野球人生で一番屈辱的な日” “この前はしゃくにさわりましたから。野球は喧嘩じゃないですが、今日はそんな気持ちでした。” “(ブーイングは)大好きだわ。もう少し強いほうが気持ちいいんだけど。” “今日負けることは、日本野球界に汚点を残す事になる。勝てて最高” 有言だけではない。2次リーグ初戦、アメリカ戦での先頭打者本塁打。準決勝の韓国戦では3安打1打点。決勝のキューバ戦では2安打1打点。そして、大会開始前から闘っている姿を見せてくれたのはイチローだけ。それはメジャーリーガーになり、初めて日の丸を意識したイチローが国を代表して野球が出来るという事の価値を知っていたからであろう。 
今イチローはドイツにいる代表に“言葉でエールを送るよりも”快音よドイツまで届け“と思い打席に入っている事だろう。
欧州での大概のホテルは CNN が映る。私もCNNのスポーツニュースを通じてイチロー、松井の活躍を知ることが多かった。選手達の休息時間にCNNのスポーツニュースがあるかは知らないが、ここ数週間のイチローの快打連発こそ彼からの無言のエールと捉えて頂きたい。

対日本戦はセットプレーで

2006-06-04 | FIFA World Cup
クロアチアがイランと、日本はドイツとそれぞれ強化試合(調整試合?)が行われた。南半球から空路20時間以上をかけてオランダで合宿を張る Socceroo 達は明日6月4日、アイントホーフェンでオランダ代表との試合が組まれている。 オーストラリア代表の合宿地がこのアイントホーフェンの近くらしい、それは今ヒディング監督が指揮を執るPSVのホームタウン。そしてオランダ代表とのゲーム。さすが監督の人脈だ。そしてコーチはかつての私の憧れの選手ヨハン=ニースケンス。でもニースケンスはアヤックスの出身だったんだけど? 日本がドイツと引分た翌日アーノルドコーチは次の様なコメントを残している。

 “ドイツはセットプレーから打開策を見出した。我々が見たことは、参考になる。しかしその試合の全てが福音とはならないだろう。ジーコ監督は更に考えを纏める様に選手達と切磋琢磨するであろう。”日本は前線に出るには非常に目を見張るものがあった。しかし守備に就いては我々は“利用”する余地がある“ 

そしてCKや攻撃時のFKを任されているブレシアーノはこう語る。

”日本の選手達の前線へボールを運ぶパス回しは大変シャープに見えた。ドイツの様なチームにプレスを掛け続け一時は2点をリードした。我々は日本が(ドイツから)複数のゴールを挙げたのを知った。それまで(日本は)相手ゴール前では不利だと思っていたのだが、だが日本はオールラウンドにいいチームだ。“ 

日本が得点力不足と言う(オーストラリア)の前評判は吹き飛ばされた。このしみったれたDF陣のチーム(ドイツの事)から2得点を挙げた事で。 この様に地元紙 The Australian は論評している。 そのプレースキッカーのブレッシアーノはヒディングとの“マインドゲーム”に生き残るとの見出しが。今やキューウェル、ビィドゥーカ、ケーヒルに並んで押しも押されぬキープレーヤーとされているが、ヒディングが代表監督就任直後は状況は別であった。これまで代表23試合で7ゴール。試合数をゴール数で割った“ Goal Scoring Strike Rate : ゴール決定率?”はビィドゥーカ(32試合6ゴール)キューウェル(19試合6ゴール)を上回り、代表ではケーヒル(14試合8ゴール)に次いで2番手らしい。 しかし、2001年のFIFAコンフェデレーションズ杯で初代表に選出されて以来、ファリーナ前監督時代は絶対的なレギュラーであったが、ヒディングが就任するや最初の試合、ソロモン諸島戦では何と先発メンバーから外れ、57分からの途中出場であった。確かにその1ヶ月程度前にドイツで行われたFIFAコンフェデレーションズ杯にはブレッシアーノは参加しなかったが、彼は怒りを隠さなかった。そしてヒディングにも近寄らなかった。しかしアーノルドコーチはブレッシアーノには“ポジティブに考えるんだ。そして何が出来たかを監督に示すんだ”とアドヴァイス。3日後のアウェーでのソロモン諸島戦には先発出場を果たした。 地元のマスコミはしきりに日本DF陣の空中戦の弱さを指摘するが、ヒディング監督にとってはそれよりもケーヒル、キューウェルの怪我の回復ぶりが朗報だろう。2日の地元クラブチームとの練習試合を終えた翌日もフォーメーション練習では“ Timmy don’t rest over there, close him down ! ティミィー(ケーヒル)そこで休むな、詰めるんだ。“Come on Dukes, where’s the tracking back : デゥーク(ビィドゥーカ)何処に戻るんだぃ?”と激しい口調でポジショニングの指示を。またプレーを止めてブレッシアーノの腕を掴んでポジションの違いを示すなど。 アーノルドコーチによると“ケーヒルをオランダ戦で起用するかはわからない”と言いながらも” That’s the best “ と、彼の復調には喜びを隠さない。ケーヒルが入るとスココが外れると見られる。“オランダ戦のメンバーは白紙”と同コーチは語りながらも“ギリシア戦、そしてシドニーでのウルグアイ戦が理想のフォーメーション”コメント。それは(恐らくビィドゥーカの)ワントップを強調している。ツートップとなると昨年夏のFIFAコンフェデレーションズ杯のチュニジア戦以来だが、そのチュニジア戦はスコアレスドローだ。そしてアーノルドコーチは攻撃的中盤にタレントが揃っている事を強調。地味だがステリョフスキーはヒディング監督のお気に入りだ。またクリナはかつてオーストラリアサッカー協会の強化プログラムの一環でアヤックスのユースチームの“留学”の経験がある。しかしトップチームの出場機会はその時は無く、他のオランダのクラブチームにレンタルに出されたりしたが、当時ユースチームのコーチでもあった今のオランダ代表監督のマルコ・ファン・バステンのアドヴァイスで FC Twente に 2003-04 のシーズンに移籍。その後ヒディング氏の目に留まりPSV の一員に。 また今はプレミアの Blackburn Rovers に在籍するエマートンはかつてフェイエノールトに在籍した。今は Arsenal に在籍しオランダ代表にも選ばれたロビン・ファン・ペルジはかつてのチームメイトであったらしく、この“対戦”を楽しみにしているとか。確かに日本はドイツ戦で健闘し、マスコミは早くも楽観論のオンパレードだ。ライバル達は対策を講じてくる。
最後にNHKに。“オーストラリアサッカーを知る A-League でプレーするイマヤナオキ選手”にオーストラリアサッカーに就いて色々質問していたが、 彼の所属は New Zealand Knights ( A-League に加盟している)であってマルコーニFCではありません。今はシーズンオフなので下部リーグと言うか、Knights で“プレー”していないがマルコーニFCは A-League に加盟していません。そしてもう1人の日本人選手 Perth Glory の石田選手にも訊いて上げてください。 

エリクソン監督、スウェーデンに頼み事は?

2006-05-31 | FIFA World Cup
5月30日、 England 代表は Old Tradfford でハンガリーと対戦。 3-1 と結果を残した。England でのHungary と言えば1953年自国では当時無敗だった England が マジックマジャールこと、ハンガリー代表に 3-6 と粉砕され、続くハンガリーの首都ブダペストで行なわれた試合では 7-1 と England は返り討ちにあった。そしてその England 代表の右サイドバックを務めたのがアルフ=ラムゼー氏、13年後に England 代表を率いてワールドカップ優勝に導いた監督だ。60年代のある時期まで England では代表選手の選出は協会、FAが行なっていた。ラムゼー氏は自分で代表選手の選出が出来る最初の England 代表監督であった。そしてラムゼー氏は現役時代は Tottenham に所属し、2部だった Supurs を1部に昇格させる一端を担い1950-51のシーズンにはリーグ優勝も果たしている。しかし、彼の功績に対して誰も口出しは出来ず、1973年のワールドカップ予選では Poland の前に屈し、欧州地区予選落ちの憂き目にあった。そして4年後、代表を引き継いだドン=レヴィもどうすることが出来ずに連続大陸予選落ちという暗黒の時代に入っていった。30日のハンガリー戦を前に上記の事を述壊するベテランサポーターもいたと思う。 この試合、26日のベラルーシ戦と異なり、まずAマッチと認定され代表のレギュラークラスがスタメンに名を連ねる。エリクソン監督の収穫はなんと言ってもジェラードであろう。ルーニーの起用の目処が不透明な今、3種類の攻撃布陣が考えられる。

A 案
      クラウチ     オーウェン

J.コール   ジェラード   ランパード  ベッカム


B 案
            オーウェン
    ジェラード
 
J.コール   キャリック   ランパード  ベッカム

C 案
    J コール  オーウェン  クラウチ

ランパード    ジェラード       ベッカム

A案は先般のベラルーシ戦で2トップのみだが試された。 そしてこのハンガリー戦はB案、ジェラードの攻撃力を生かすと言う戦術だ。前半、ジェラードは無視できない選手と言う印象を与える動きを披露、そしてペナルティーエリア内で倒されPKを引き出す。それをランパードが外す。戦後 England はPKを20試合で21回失敗している。2004年の欧州選手権のフランス戦でベッカムが、1992年ブラジルとのAマッチでリネカーが。ランパードもその仲間入りを果たしたと TIMES 紙は報道する。しかし後半開始早々、ベッカムのクロスを受けたジェラードが先制ゴールを挙げるがそれからEngland の動きが見違える。50分には John Terry が代表初ゴールを挙げるが、テリーのゴールは所属先のチェルシーでよく演じられたもの。代表初と言うことが意外だ。この2得点を演じたのが主将のデヴィット=ベッカム。ジェラードには右からのクロスを、テリーにはFKから絶妙の配球を。かつての様なスタミナはまだ見せぬが“ここ数年間の国際試合で最高の出来”と TIMES は賞賛する。今回で3度目のワールドカップとなるが、この好調振りが持続できればとイングランドサポーターは祈るだろう。 83分にはJoe Coleの左サイドからのボールを受けたクラウチが右足ワンタッチでかわして3点目。足技も使えることをアピールしたか? だが保守的な?英国紙の評価は辛口だ。ベッカム、ファーディナント、J.テリー、ジェラード、クラウチらが高評価であったが、それは“ハンガリーのソフトなマークを割り引かねばならない。ワールドカップはブラジルを始め他の31カ国のDFはもっとタフだ。”との論調。ベラルーシ戦に次いで先発出場し65分プレーしたオーウェンについては“怪我で離脱後の5ヶ月間では最も Fit していた。しかし、練習場での fitness と試合場での sharpness では異なる。クロスバーに当たるシュートとGK Kiraly にセーブされたのが1本ずつあったが、孤立する時間が長かった”との評価。完全復活はまだ少し先か? また Gary Neville が前半でふくらはぎを痛めてハーグリーブスと交替した。ブンデスリーガ、Bayern Munchen 所属のハーグリーブスはベラルーシ戦に続く出場だったが、55分にはこの日のハンガリー選手の中では最も出来の良かったPaul Dadai に振り切られ 25mのミドルを放ったれ、ロビンソンを破ったがカバーに入ったキャラハーがクリア。それよりもエリクソン監督はこれ以上の怪我人はご免と思っただろう。ネビルの症状をエリクソン監督は自ら“ Slight 軽い “ と試合後コメント。65分にはウォルコットがオーウェンに替わってベラルーシ戦に続いて登場。Aマッチデビューを果たす。評価はベラルーシ戦よりか高かったが日本のマスコミが持てはやすほど地元メディアは甘くはないなぁ。しかしジェラードはエリクソン監督から”うちのセンターフォワードだ“と言われた様な能力を証明した。 ルーニー抜きでも大丈夫か?  
England は6月10日フランクフルトでパラグアイ、15日にニュールンベルグでトリニダードドバゴそして20日にはケルンでスウェーデンと当たる。20日のスウェーデン戦の前に決勝トーナメント進出を決めたい所であろう。エリクソン監督自身がいつから知っていただろう?まだ England は Sweden から親善試合含めても勝利を挙げたことが無い。印象的だったのは8年前の欧州選手権予選。Group 5 はSweden が独走し2試合を残して早々と予選突破を決め、最後の切符を Poland と England が争った。 England はホームでの最終戦をPoland と引き分け、ストックホルムで戦う Sweden VS  Poland の最終戦を待たねばならなかった。Polandは引き分けても本大会進出が決まったが、既に予選突破の決まった Sweden が Poland を 2-0で降し England がPoland を得失点差で上回りようやく本大会出場を決めた。今大会では前回に引き続いてSwedenと同組になった。まさかまたSweden の加護が必要だろうか?その時は監督自ら頼むのかな?
ハンガリー戦のメンバーは下記の通り

               オーウェン ( 65 ウォルコット )   
          ジェラード ( 65 クラウチ)
 
J.コールニング       ランパード        キャラガー   ベッカム 
 
A. コール          テリー( キャンベル)   ファーディナント    ネビル ( 46 ハーグリーブス)

              ロビンソン

ハンガリー: Kiraly 6 — Feher 5, Egar 5 , Komlosi ( sub V.Vanczk 9, 6 ) ,Halmosi 6 — Molnar 5 ( sub K.Vadocz 83 ) Dardai 7, Gera 6 , Toth 6 (sub: Torghell 62, 6 ) –Huszti 6 , Szabics 5 ( sub A Polonkai 73 )

母国イングランド、40年振りの快挙なるか?

2006-05-31 | FIFA World Cup
サッカーの母国 England 。しかし20世紀に入りワールドカップ、欧州選手権が開催されてからの彼らの栄光は 1966年、地元で開催されたワールドカップの優勝のみ。ドイツ(西ドイツ時代を入れると)はワールドカップ優勝3回、準優勝4回。欧州選手権、優勝3回、準優勝2回。イタリアはワールドカップ優勝3回、準優勝2回、欧州選手権優勝、準優勝1回ずつ。それらの実績と比較すると England の実績は物足らないと感じるだろう。しかし、今大会は開催国ドイツよりも優勝の可能性はイタリアと並んで高いとみていた。4月29日、チェルシー戦でルーニーが負傷するまで。地元マスコミは連日ルーニーの怪我の回復具合といつワールドカップに登場するかの予想記事で持ちきりだ。 そして代表と Manchester United との間でルーニーの召集、起用を巡る攻防も。England の40年ぶりのタイトルはルーニー抜きでは不可能なのだろうか?
5月26日、 England は Belarus と Madejski Stadium で代表 B マッチを行なった。ベラルーシ代表の中には先のワールドカップ予選のメンバーは含まれておらず目ぼしい選手はかつて Stoke City で 2003-04 シーズン途中までプレーした Sergei Shaunik くらいだった。 Shaunik が Stoke City を離れた理由は家族の問題で、今は離婚が成立したので、またこの地に戻りたいらしい。 Stoke City を離れてから Potteries, Shtaniuk でプレーし2年連続リーグMVPに輝き、今はウクライナの Metalurg Zaporizhya でプレーする。Stoke City 時代の 2001-02 には警告13、一発退場2回を記録し、翌シーズンは改善されたとはいえ警告10、レッドカード1枚を貰った。2002年2月にレッドカードを受けたがそれがこの Madejski Stadium であった。エリクソン監督は兎に角この事を知っていたか試合結果よりどうか怪我人がこれ以上でない事を祈っていたはずだ。しかし、後半、 David James に替わって投入されたその6分後、Robert Green が負傷でピッチを去る。Green はこれで不運にもワールドカップは絶望的に。試合は 1-2 で England が敗れたが、エリクソン監督としては有る程度の収穫はあっただろう。 まずオーウェンは話題のウォルコットと交代するまでの60分間プレー。“代表合宿でギャラガーからタックルを受けても問題なかった”と試合前に自ら語ったが負傷前の様に動けるかはまだテストが必要であろう。 ソル=キャンベルは先日の Champions League 決勝戦で復帰お披露を終えているがリオ=ファーディナントを脅かす出来では無かった。ただこの3人に就いてはまずピッチ上で動けるのを見れたのが収穫だろう。そしてルーニーの代役?とも言える Liverpool 所属のクラウチはオーバーヘッドシュートを魅せるなど器用な所を披露。しかしこの試合で存在を見せたのはまず、Tottenham 所属のマイケル=キャリック。攻守に渡る中盤での動きは本番でも起用の余地ありだ。そして同じく Tottenham 所属の若い Aaron Lennon 対峙する A.Yervich を翻弄し、本大会ではジョーカーとなり得る事を証明。しかし、この影にはもう一人のオーウェン, Owen Hargreaves が慣れない右サイドバックで彼を押し上げる動きを続けられた事によるところが大きい。このオーウェン=ハーグリーブスはカナダ出身のドイツ系選手でイングランドには住んだ事はないらしい。もう一人の若手の注目選手 Theo Walcott は30分プレーしたがベラルーシDFの頑丈なマークに転倒する場面も。彼ももう少しテストが必要だろう。それから Jermain Defoe 。 今季のTottenham での活躍を見ればメンバーに入れてもと言う気も。この試合もクラウチに変わって12分プレーをしたが、もう一度見てほしぃなぁ。 今大会のメンバーには Tottenham のMF陣から3人が選ばれている。もう一人もと思うのだが。 ベラルーシ戦のメンバーは以下の通り。 


     オーウェン ( 60 ウォルコット )   クラウチ ( 78 クラウチ)
 
ダウニング( 78 ドーソン)  キャリック  ジーナス( 60 J.コール)  レノン 
 
A. コール        キャンベル     キャラガー    O.ハーグリーブス

       D.ジェームス( 46 グリーン 53 カーソン )

ベラルーシ (4-1-3-2): Y Zhevnov 5 (sub: V Khomoutovsky, 46min 5) — S Omelyanchuk 4, D Lentsevich 4, S Shtanyuk 5, A Yurevich 5 (sub: A Shahoika, 60 5) — A Kulchy 4 — V Korytko 6, T Kalachev 5 (sub: A Pankavets, 79), M Romashchenko 6 (sub: N Kashevsky , 74) — V Bulyga 4 (sub: S Kornilenko, 46 5), V Kutuzov 5 (sub: A Kontsevoy, 63 4).

  ワールドカップ England 代表

Goalkeepers: Paul Robinson (Tottenham), David James (Manchester City), Robert Green (Norwich City)
Defenders: Gary Neville (Manchester Utd), Rio Ferdinand (Manchester Utd), John Terry (Chelsea), Ashley Cole (Arsenal), Sol Campbell (Arsenal), Jamie Carragher (Liverpool), Wayne Bridge (Chelsea)
Midfielders: David Beckham (Real Madrid/ESP), Michael Carrick (Tottenham), Frank Lampard (Chelsea), Steven Gerrard (Liverpool), Owen Hargreaves (Bayern Munich/GER), Jermaine Jenas (Tottenham), Stewart Downing (Middlesbrough), Joe Cole (Chelsea), Aaron Lennon (Tottenham)
Forwards: Michael Owen (Newcastle), Peter Crouch (Liverpool), Wayne Rooney (Manchester Utd), Theo Walcott (Arsenal).

そして England は30日、ハンガリーと対戦した。

韓国は連続ベスト4??

2006-05-29 | FIFA World Cup
「オーストラリアが日本を破るとしたら、それは韓国のための勝利だ」(15日、フース・ヒディンク監督)5月15日の朝鮮日報は報道するがこれは “ヒディンク監督は15日、韓国のテレビ番組に出演し「日本に勝つとすれば、それは韓国のための勝利になる」と語った。日本としてはかなり気分の悪くなる発言だ。 ”と言う話だ。 残念ながらこの報道の裏を取れる報道を探せなかったので真意はわからない。しかし5月12日付けのオーストラリア紙 Sydney Morning Herald 紙には “ Koreans expect Japan World Cup flop “ と言う見出しが。直訳すれば韓国人は日本がワールドカップで flop する事を expect する。” flop” とは“不恰好にドスンと倒れる”と言う意味。 “ expect “ は予想、予期すると言う意味だが“期待する、~に….して欲しいと思う”と言う意味も含まれる。ただそれには expect A to do / expect that A will do と目的語をとる位置や to 不定詞、that 節を従属するとか文法的な制約があるが。  その記事の内容はこうだ。日本サーチセンターとギャラップコリアが実施した世論調査の結果によると韓国では64%がワールドカップで日本の1次リーグ落ちを expect している、と言う行があるが、原文はこうだ

A poll conducted by the Japan Research and Galaaup in South Korea found 64 per cent if South Koreans expected Japan to fall at the first hurdle next month.

上記の通り expect の後に Japan と言う目的語と to 不定詞が伴われているのでこの expect は期待すると訳される。 また日本人の 12% が韓国決勝ラウンドに進出できないと believe ( 信じる ) と述べられ、韓国人の 42% が全大会同様ベスト4に進出すると were optimistic about ( 楽観している )と、また日本人の27%が日本代表は前大会同様ベスト16で終わると予想し、20%が1次リーグで敗退すると予想していると報道されている。早い話が韓国国民では前大会の成績から今大会も1次リーグ突破は言うまでも無く、世界の列強として連続ベスト4も可能とかなりの自信を持ち、隣国日本は1次リーグで敗退して当然、まだワールドカップで上位に進出できるほどではないと希望している。一方日本国民は謙虚に決勝ラウンドに進出できれば成功と考えている。相変わらず日本には全てにおいて上回られると自尊心をいたく傷つけられ、仕舞いには歴史問題まで結び付けてしまう国民性は健在だが、更に特筆すべき出来事は同日5月12日付けの朝日新聞のスポーツ欄に。 Sydney Morning Herald 紙同様の報道がなされている。この世論調査は4月に実施され、日本では15歳から79歳、韓国では15歳から70歳までの男女が対象で有効回答は日本が 1188 韓国は 858。ただし朝日新聞には韓国ではベスト4でなくベスト8が42%と報道されている。そして韓国の世論の64%が日本の1次リーグ落ちを expect している事は報道されていない。 韓国マスコミのWBC 前のありもしないイチロー発言の捏造とは対象的な朝日新聞らしい報道と言えよう。 
韓国サッカー代表チームのアドフォカート監督は5月11日午後3時30分、弘恩洞のグランドヒルトンホテルで記者会見を開き、2006ドイツワールドカップに出場する23人の最終エントリーを下記の通りに発表した。

 GK:李雲在(イ・ウンジェ/水原)、金龍大(キム・ヨンデ/釜山)、金永光(キム・ヨングァン/全南)

 DF:李栄杓(イ・ヨンピョ/トッテナム)、金東進(キム・ドンジン/ソウル)、崔真 チェ・ジンチョル(全北)、
金永徹 (キム・ヨンチョル/城南)、金珍圭(キム・ジンギュ/ジュビロ磐田)、金相植(キム・サンシク/城南)、趙源熙 ( チョ・ウォンヒ/ 水原)、宋鍾国(ソン・ジョングク/水原)

 MF:朴智星(パク・チソン/マンチェスター・ユナイテッド)、李乙容(イ・ウルヨン/トラブゾンスポル)、金南一(キム・ナムイル/水原)、李浩 (イ・ホ / 蔚山)、金斗 ( キム・ドゥヒョン/ 城南)、白智勲(ペク・ジフン/ソウル)

 FW:朴主永(パク・ジュヨン/ソウル)、薛鉉 ( ソル・ギヒョン/ ウルバーハンプトン)、鄭暻鍋(チョン・ギョンホ/ 光州)、安貞桓(アン・ジョンファン/デュイスブルク)、宰湊( チョ・ジェジン/ 清水エスパルス)、李天秀(イ・チョンス/蔚山)

 予備エントリー:キム・ピョンジ、ユ・キョンリョル、チャン・ハクヨン、キム・ジョンウ、チャ・ドゥリ

 FW李東國は残念ながら怪我でエントリーされず、車ドゥリも正メンバーから漏れた。ユース時代は将来を担うのではと思われた崔成国も選ばれなかった。Jリーガーからは清水の宰湊、磐田の金珍圭が選ばれた。名古屋の金正友人(キムジョンウ)は予備エントリーに留まった。フランス大会の正GK、キムピョンジュも予備エントリーに留まった。今大会は前回のエントリーメンバーから10名が連続エントリーを果たした。前大会は 3-4-3 のシステム。その後コエリョ、ボンフーレ前監督は同じシステムを継承したが昨年10月からチームを率いるアドフォカート現監督はワールドカップ予選出場のなかった李浩、趙源熙 を見出し代表に入れ、システムも 4-3-3 に変更に変更した。朴智星、李乙容といったプレミアで活躍する選手が中心の布陣。若手もFW朴主永、李浩 DF金珍圭らが台頭してきた。そして2002年の英雄、宋鍾国、李天秀 は大会後欧州に移籍していったが失意の帰国。しかし国内Kリーグで輝きを取り戻している。FWは攻撃の軸李東國が負傷で無念の代表落ち。しかし薛鉉、安貞桓の海外組は健在、個々の能力は前大会を上回ると言われている。問題はDFラインだ。一度引退した崔真を呼び戻すなどタレント不足は否めない。李乙容にかなり負担が掛かるか?そうなると攻撃力も手薄になる事も。そして洪明甫の様な精神的支柱となる選手がいないのが不安材料の一つだ。
しかし世論調査はともかく今大会のグループ分けを見ると韓国の方が1次リーグ突破の可能性が高い。トーゴ(6月13日フランクフルト)、フランス(6月18日ライプツィヒ)スイス(6月23日ハノーバー)の日程だが、これも悪くない日程だ。韓国がトーゴに勝てる確率は日本がオーストラリアに勝てる確率よりかは高く、初戦に勝てばフランスに敗れても五分の勝負が見込めるスイスとの最終戦が残っている。日本はともすれば1次リーグ3連敗も考えられるが韓国は考えにくい。もし韓国が決勝トーナメントに進出すると1回戦はスペイン、ウクライナ、サウジアラビア、チュニジアいずれかのがいるH組から勝ち上がった国との対戦だ。そこでスペインとあたると文字通り前大会の因縁試合の雪辱戦となる。今回は韓国も苦しいだろう。しかし、ウクライナ、またはサウジアラビア、チュニジアが相手になるとベスト8も夢でなくなる。23日は仮想“トーゴ”セネガルと対戦。74分金斗のゴールで先制するもその6分後にMoussa N'Diayeのゴールで追いつかれ、引き分け、 5月27日にはボスニア=ヘルツェゴビナを薛鉉、宰湊のゴールで 2-0 と勝利し翌日スコットランド合宿に旅立った。6月1日にはノルウェー、4日にはガーナとの試合が予定されている。 まぁここは日韓いがみ合うではなく、兎に角アジアのチームには1カ国でも多く決勝トーナメントに上がってもらいたい。8年前は全滅で、勝利もイランがアメリカから挙げたのみであった。成績によってはアジアからの出場枠を減らされてしまう。出場国が結果を残す事が同じ(アジア)連盟の一員としての責任であろう。 ファィティング !! ( この意味わかる人??)

サッカールー ホーム最終戦

2006-05-28 | FIFA World Cup
日本時間の27日午前1時に我が日本代表はフランクフルト空港に到着。いよいよ現地入りをした。ワールドカップの開幕がまた近づいたと感じさせられる報道が続く。 そして5月26日はオーストラリア代表が次の合宿先オランダに向けて出発した。Socceroo がドイツに向けて出発した前日、 Melbourne Cricket Ground でギリシア代表を向え 95,103人の大観衆の前で 1-0 と勝利を収めた。この大観衆は競技場の有料入場者数の収容新記録との事。オーストラリアにはここより収容能力の高い競技場は無いのでオーストラリア記録となる。この試合には地元オーストラリア代表サポーターのみならずギリシア代表のサポーターも数多く詰め掛けたらしい。彼らの殆どはギリシアからの移民で、代表の来豪に自らのアイデンティティも再確認出来たと思う。両国のサッカーでの力関係からこの試合は26年振りの対戦で、その時はアテネで行われ 3-3 で引分けている。恐らくイタリアで行われた欧州選手権に向けてのギリシアの強化試合であったのではないか?尊敬する元 Socceroo Johnny Warren 氏の著書によると 1969年はホームで1970年はアウェーでギリシアと対戦しておりそれぞれ 1-0, 3-1 で勝利を収めている。特に1970年のアテネでの勝利はギリシアが過去5年間で初めてホームゲームで破れた試合であった。 当時の日本は万国博覧会で沸いた1年であった。試合前日、ギリシア戦についてのコメントを求められると“日本戦までに3試合の強化試合の1つ”としながらも“欧州王者と戦えるのは価値がある。彼らは全て偉大な選手だ。ギリシアは欧州大陸予選を突破出来なかったが欧州王者のプライドを世界に示すためにも欧州選手権時よりも攻撃的に仕掛けてくるだろう” “結果については杞憂する必要は無い。目的はメンタル、フィジカル、戦術、戦略をフィットさせること”と語りながらも“明日の試合には”サプライズ“は多くは無い。交代枠6人まで認められるが全てを使い切るかは解らない。”“これは”さぁファンを楽しませようぜ“と言う様な試合でも多くを変えるものでもない。”と言いながらも“最も大切なのは観客、国民が試合を楽しむ事で、それが我々にプレッシャーとはならない”と結んだ。 それから36年。オーストラリア戦に臨むギリシア代表のスタメンは2年前の欧州選手権そしてワールドカップ予選でも中心だったハリステアスを含め8人の選手を含んでいた。そして話題の21歳のサマラスもスタメンに名を連ね2トップの布陣。一方のオーストラリア、GKにはプレーオフの立役者シュヴァルツゥアーでは無く AC ミランの第二GK カラッツが起用された。GKの起用に就いては“シュヴァルツァー、カラッツかは五分五分”とコメント。カラッツは2001年のウルグアイとのプレーオフの初戦で起用された。しかし彼は代表でも五輪、 U-20, U-17 でも第二GKに甘んじている。ドイツで長年の苦労が報われるのはレーマンだけではないか?フィールドプレーヤーはエマートン、ムーア、ネイル、チッパーフィールドの4バックにスココ、ゲレラのボランチ(気味?)ヴィドゥーカのワントップの下にはブレッシアーノ、クリナ、ステリョフスキーの3人。 GK以外は予想通り 4-2-3-1 のスタメン。ヒディング監督はいよいよキューウェル抜きの日本戦を本格的に考察せねばならなくなったか? 試合は開始からオーストラリアのペース。開始10分に3度のCKのチャンスを得たがゴールには結びつかず、16分に4度目の左からのCKをブレッシアーノがファーサイドに入れネイル、ステリョフスキーがそれぞれヘッドでペナルティーエリア外のスココに戻し、そのままスココが豪快にゴール右上隅に決めて先制。ギリシアGKニコポリディスはシュートの軌道を見送るしかなかった。24分にはブレッシアーノが20mの直接FKがゴールを襲うなど優位に試合を進める。43分にはヴィドゥーカが抜け出してゴール前でフリーになる直前にジャージーを掴まれて倒され、PKをアピールするがイングランド人マイク=リレー主審はノーホィッスル。スココ、クリナの2人が右の空いたスペースへ侵入を繰り返しチャンスを広げた。特にスココの出来は良かった。キューウェル、ケーヒルの欠場で“代役”ストライカーを務めたステリョフスキーは幾度のチャンスを創りその攻撃力は“新発見”と評価された。負傷の為にウルグアイとのプレーオフに出場出来なかったムーアは体格を生かしたCBとしての存在感をアピールした。しかしGKカラッツは不安定な立ち上がりでペナルティーエリア外から入れられたハイクロスを捕れなかったり、ゴールの片方に寄り過ぎてもう片方を大きく空けたりと不安定であった。幸運な事に危険地域にあまりボールは入れられなかった。

ギリシアのオットー=レーハーゲル監督は前半のふがいなさに業を煮やしたか後半は3名の選手を入れ替えて臨んだ。それが功を奏したか立ち上がり5分の間に2本のシュートを放った。しかし、後半のオーストラリアは疲れのせいか精細を欠き追加点を奪えなかった。二人のA-League所属選手を除けば全員が欧州で10ヶ月のシーズンを終えたばかりだったが22日にメルボルン合宿を初めて以来3日間毎日2回、2時間ずつのトレーニングを行ったのが原因だったとかで、コンディショニングを不安視する声も上がったが“我々の目標は初戦の日本戦にベストの状態で臨む事でギリシア戦では無い”と一蹴する。そして“選手達は疲労が溜まっている事は判っているが大観衆の声援がそれを克服させると信じており、さほど危惧もしない、と。
 システムに就いて試合後質問を受けると“それはオランダ合宿で更に考察するが、相手の出方、ストライカーを1人または2人、3人とフォーメーションが替わる事でこちらのフォーメーションを決めたい”これまで 3-5-2 か 4-4-2 のいずれかを用いたが、この日は 4-2-3-1 のシステムを初適用。地元 Melbourne Victory に所属していたトンプソンは60分にヴィドゥーカと替わりワントップに就いたが得点は挙げられなかった。 また6月4日のオランダ戦には負傷で離脱中のアロイージが起用できる目処が立った。 迎え撃つ日本代表、スカウティングは充分に出来たかな?ここで気になるのが飛行時間だ。彼らはどの飛行経路でドイツに向ったのだろう?メルボルンからシドニーが1時間程度。そこからシンガポール経由ではシドニー~シンガポールが7時間50分。シンガポール~アムステルダムが12時間40分だ。チャーター機が代表のメインスポンサーのカンタス航空から手配されるだろうが、オーストラリアからオランダまでの無寄航では距離的に飛べないだろうからシンガポール、または香港経由になるであろうから20時間以上のフライトは必要だ。参考までに東京からフランクフルトは約12時間だ。長時間のフライトは結構堪えるのだけれど。 

AUSTRALIA : Kalac, Emerton, Moore, Neil, Chipperfield, ( 49 : Popovich ) Skoko ( 60 : Wilkshire ) Grella, Cullina, Bresciano, Sterjovski, Viduka ( 60 Thompson )

GREECE : Nikopplidis, Seitaridis, Dellas, Fyssas, Kyriagos, Katsuolius, Giannakopouls, Basinas, Karagounis, Charisteas, Samaras

移民国家オーストラリア ギリシア戦を前に

2006-05-25 | FIFA World Cup
本日Melbourne Cricket Garden にギリシア代表を迎えて行なわれる Socceroo の壮行試合、様々な人間模様がある様だ。 

1)オーストラリアに凱旋試合
Gerogios Samaras 21歳の Manchester City 所属のストライカー。ワールドカップ予選には召集されなかったが、2年後の欧州選手権連覇を狙うギリシア代表オットー=レーハーゲル監督から豪州遠征召集の声がかかった。ここ2試合に起用され2ゴールを上げておりその成果が認められての召集だ。 Samaras の祖父ギリシアからここオーストラリアの南メルボルンに移民し、当時のギリシア人コミュニティーのリーダー的存在だったらしい。そして Gerogious の父親 Giannis =Samaras 氏はメルボルンで生まれ12歳の時にギリシアに戻り Panathinaikos, OFI Crete 等で活躍するギリシア代表選手になった。代表出場数は25にものぼる。親子2代に渡る代表入りに父親の生まれたオーストラリアでの遠征で感慨も深いだろう。そして“オーストラリアでプレーする可能性もあった。どちらでプレーをするかを考えたときもあった。しかし、誰もコンタクトして来なかった。そしてギリシアを選んだ”とコメントをしているが、彼に声を掛けなかったオーストラリア協会は後悔しているのでは無いか? ギリシア代表がメルボルン入りした時は地元のギリシア人コミュニティーから大変な歓迎を受けて驚いた選手もいたらしい。私も商用でオーストラリアを訪れたときに何人かのギリシア系の移民に会ったことがある。 今日の試合はおそらくいつもの 5-4-1 のシステムで臨み、ワントップには EURO2004 の英雄ハリステアスが起用されると思われる。21歳のサマラスに登場の機会があるかは判らないが、彼がピッチに出れば少なからず MCG からは歓声があがるのでは無いか?? 移民国家オーストラリアならではの話題だ。尚両国は 1978年に対戦しているらしい。

2) New System のテスト??
この試合の焦点は初めて試みる4バックシステムの 4-2-3-1 フォーメーション。キューウェル、ケーヒルの回復が最悪の時の事を考慮してのテストだろう。ギリシア戦ではムーアがポポビッチに替わって起用濃厚だ。そしてスココが昨日の練習では MF のクリーナとの攻守の連携に時間をさいていた事が報道されている。スココはフランク=ファリーナ前監督時代はレギュラーで昨年のコンフェデレーションズ杯にも出場している。ヒディング監督になり起用機会が減っているがこのシステムの採用で状況は変わってきそうだ。またステリョフスキー、チッパーフィールドのFC Barsel 所属の2名にも出場機会は保証されそうだ。この二人は所属の FC Barsel が最終戦でリーグ優勝を逃した精神的ダメージが大きかったらしい。中田浩二はどうだったのかな?しかし、最近はチームによくフィットしてきており特にステリョフスキーは久々の代表定着に意欲満々だ。 ただベテランDFラザリディスの出番は無くなるか?1997年11月にここ MCG でイラン相手にまさかの連続失点を喫しフランスワールドカップ行きの切符を失ったが、ラザリディスはその時のメンバー。MCGでの試合出場にただならぬ思いもあっただろうが。 

3)怪我の回復具合
ヒディング監督への朗報としてケーヒル、アロイージの怪我の回復進行が良好であるとメディカルスタッフから報告された。あとはキューウェルだが、ひょっとして故障と言うのは三味線を弾いているのかな? ただ ”サプライズ人事” の一人ケネディがアキレス腱の痛みで離脱。ギリシア戦は欠場が濃厚。明後日の結婚式は大丈夫かな? 

4)予想スタメン  4バックでギリシア戦に臨む Socceroo の予想スタメンは下記の通り

       ビドゥーカ

ブッレッシアーノ  クリーナ  ステリョフスキー

ゲレラ      スココ

チッパーフィールド  ムーア ニール エマートン

     シュヴァルツァー ( カラッツ )  

システムのテストも大事だが、本音はこれ以上故障者を出さない事であろう。 
それとヒディング監督のもう一つの祈りはは冬に近づく南半球の変わり易いメルボルンの天候で氷雨や雪が降らない事だろう。

オーストリア vs クロアチア スカウティングは充分か?

2006-05-25 | FIFA World Cup
次期欧州選手権開催国に快勝

5月23日、クロアチア代表がウィーンにてオーストリア代表チームと“テストマッチ”を行い、アウェーながら 4-1 と快勝した。  オーストリアと言えば戦前は “ Wunder Team “ と欧州各国から恐れられたサッカー列強であった。しかし1938年フランス大会、事実上ヒットラーによりドイツ連邦に組み入れられたオーストリアは再三 FIFA をはじめ世界の機構に抗議したにもかかわらず FIFA は“オーストリアは既に存在せず”と予選エントリーを認めなかった。実際にオーストリアの優秀な選手達はドイツ代表に入れられた。しかしオーストリアの英雄 Matthias Sindelar はドイツ入りを拒否。最後は自殺をしたと後に報道された。彼はユダヤ人でもあった。オーストリアと言えば今でも鮮明に覚えているのは 1978年アルゼンチン大会だ。欧州予選では東ドイツを勝点1差で退け本大会に出場。本大会でも下馬評は低かったがスペイン、スウェーデンを連破し早々と2次リーグ進出を決めた。さすがに2次リーグではオランダ ( 1-5 ) イタリア ( 0-1 ) と連敗を喫したが最後の西ドイツ戦では終了直前エース、ヨハン=クランクルのゴールで38年ぶりに西ドイツに勝利を収め、西ドイツの大会2連覇の夢を砕いた。続くスペイン大会も欧州予選を突破。1次リーグではチリ、アルジェリアに連勝し前回同様1試合を残して2次リーグ進出を決めたが第三戦の西ドイツ戦は“ワールドカップ史上最悪の試合”と呼ばれる片棒を担ぐことに。西ドイツ、オーストリア両国が2次リーグに進出するには西ドイツが 1-0 で勝たねばならなかった。そして試合はその通りに進む。しかも両方とも公用語はドイツ語。前日チリを 3-2 で破り2勝1敗で1次リーグの日程を先に終了したアフリカ代表のアルジェリアを帰国させることに成功をしたのだった。西ドイツはその後決勝まで進むが大会初戦のアルジェリアには 1-2 で敗れていた。そして2次リーグでのオーストリアはフランス ( 0-1 ) 北アイルランド ( 2-2 ) と勝ち星無く大会を後にした。以降1990年イタリア大会、1998年フランス大会と8年ごとに地区予選を突破し、今大会は出場する順番であったが、今回のワールドカップ予選は第6組に入れられ3位に終わり本大会出場を逃した。3位といえば聞こえはいいかもしれないが、この組はポーランドとイングランドの完全なマッチレースで、1位ポーランド勝点25 2位イングランド勝点24に対しオーストリアは9勝点も開けられ4勝3分3敗の勝点15に終わっている。ウェールズにはホーム、アウェー共に勝利を収めたが、残りの2勝はホームのアゼルバイジャンと北アイルランド戦で上位2カ国との直接対決では最終戦ホームでのイングランド戦を 2-2 と引き分けた以外は全て黒星。予選終了後、ハンス=クランクル監督は退き、ジョセフ=ヒッケルスベルガー新監督の下。2年後の欧州選手権、スイスと共同開催のホスト国として強化を進めている。

ヒッケルスベルガー監督の指揮はこれで2試合目。3月1日にウィーンでカナダと対戦したが 0-2 で敗れている。クロアチアとは過去2回対戦して2連敗だ。 2年後の欧州選手権での好成績を目指すオーストリアはワールドカップ予選に臨んだ選手に3人の代表デビュー ( Prager, Leitgeb, Janko ) を加えての布陣。一方ワールドカップに備えるクロアチア、GKは再びレギュラーポジション奪還を狙うプレディゴサが先発。他は本大会で予想される先発メンバーがそのままスタメン。 オーストリアの首都ウィーンはクロアチアの首都ザグレブからは 300km 程度。クロアチア代表のクラニチャール監督はかつては Rapid Wien のスター選手だった。かつてウィーンは東欧の玄関口と言われていただけあって何かと縁が深いだろう。22,000人集まった Happel Stadion, 試合は開始からオーストリアが優勢に進める。この立ち上がりを地元メディアは“カナダ戦からは進歩が観られる”と一応の評価はあった。そして先制点は13分、イヴァンシュッツが決定的なボレーを放つがノーゴール。しかし、11分にはプルショの左からのクロスを受けたクラスニッチが至近距離からショット。これにはオーストリアGKペイヤーもなす術が無かった。そしてクラスニッチにはオーストリアDFイヴェルツベルガーのマークがルーズになっていたらしいがクロアチアは最初のチャンスを得点に結びつけた。 それでもオーストリアは3分後同点に。イヴァンシュッツがCKを直接クロアチアゴールに捻じ込んだ。 これは日本のスカウティングも要チェックだ。俊輔、CKでもどんどん直接ゴールを狙え!!
その後もオーストリアは攻守によく動き、25分にはニコ=コヴァチのヘッドをイベルツベルガーがクリアー、26分にはプルショのシュートをGKペイヤーがセーブ。攻撃陣も33分にはアウフハウザーが惜しいシュートを放つ。しかし35分にはオーストリアCBシャウナー、ストランツルを振り切ったクラスニッチが勝ち越しのゴールを挙げた。 

後半、クラニチャール監督は“地元” Austria Wien でプレーする第三GKディブリッツァを投入。開始直後にアウフハウザーのロングシュートは難なくキャッチ。彼も日本戦での出場を夢見ているか?55分には試合を決定付ける3点目が入る。ボランチ、ボビッチ18mからのシュートがGKペイヤーを破る。 そして以降はテクニックに勝るクラニチャールを中心としたクロアチア攻撃陣の独断場。70分には交替出場のバラバンの20mの直接FKが決まり4点目。そして後半から2得点を挙げたクラスニッチに替わって投入されたオリッチが5点目のチャンスを逸するが、怪我からの回復が不安視されていたオリッチが45分プレー出来たのはこの試合最大の収穫だ。クロアチアの次の試合は6月3日、ドイツのヴォルフクブルグで行なわれるポーランド戦だ。 

オーストリア  Standfest, Scharner, Stranzl, Ibertsberger - Lexa (83. Fuchs), Aufhauser (66. Feldhofer), Prager, Leitgeb (73. Mörz) - Ivanschitz - Janko (64. Linz)

クロアチア  Pletikosa (46. Didulica) - Simic, Tomas, R. Kovac (61. Tokic) - Srna (70. J. Leko), Tudor, Kranjcar, N. Kovac (57. Modric), Babic - Klasnic (46. Olic), Prso (57. Balaban)

得点者 0:1 (11.) Klasnic 1:1 (14.) Ivanschitz 1:2 (35.) Klasnic 1:3 (55.) Babic 1:4 (70.) Balaban (Freistoß)

サッカールーは MCG から

2006-05-24 | FIFA World Cup
ワールドカップ開幕まであと16日。参加国は最終調整に余念がない。オーストラリア戦まであと19日。日本代表も連日福島県の Jヴィレッジでの練習の様子が報道される。ただ観客付きの練習で選手達はトレーニングに集中出来るのだろうか心配なところだ。メルボルンで合宿を張るオーストラリア代表は5月25日Melbourne Cricket Ground でギリシア代表との“壮行試合”を行い、翌日結婚式を挙げる Josh-Kennedy 以外の全選手がオランダ合宿に向う。 オーストラリア代表は怪我人続きでヒディング監督もさぞ苦悩がと思うが、さほどでもなさそうだ。 Everton 所属のケーヒル、痛めている膝の靭帯治療の為に欧州に残ると思われたがオーストラリアに戻りメルボルンの病院にて療養を。チームとの一体感を促進させるのが狙いか?不整脈でワールドカップメンバーを辞退したトニー=ヴィドマー、イングランドに残って療養中のエース、キューエルそしてウルグアイとのプレーオフ第二戦のPK戦で最後のショットを決めたアロイージまでがかかとに痛みを訴えて25日のギリシア戦には欠場をする事になった。これでウルグアイ戦のメンバーから4名が欠ける事になったが、この期にヒディング監督は 4-2-3-1 のシステムを試すと見られている。 
まずGKだが Middlesborug 所属の正GK候補シュヴァルツァーと第二GKの AC Milan 所属のカラッツが45分ずつ起用される見込み。特にカラッツはオセアニア地区予選では6試合ゴールを守った実績もあり、プレーオフのウルグアイ戦は2試合ともシュヴァルツァーに譲ったがドイツでもゴール前に立ちはだかるのは自分だ、とメルボルン合宿でも意気込みを見せている。 DF陣、サンフレッチェ広島でもプレーしたポポヴィッチよりも昨シーズンは怪我で代表の出番は無かった Newcastle United のクレイグ=ムーアが起用される可能性が高い。ヴィドマーの代役には昨年のFIFAコンフェデレーションズ杯でも得点を挙げたスココがグレッラと共に中盤の底を形成する為に起用される見通し。MFケーヒルの代役には地元 Melbourne Victory でプレーしたトンプソンが。ウルグアイとのプレーオフが終わるとヒディング監督はトンプソンを自ら指揮する PSV アイントホーフェンへ連れて帰ったがオランダでの出場機会は無くワールドカップ後はメルボルンに戻る事が濃厚と見られている。それはまだVictory との契約が3年残っているからとの見られ方があるが、このオランダでの経験は貴重であったはずだ。2月のアジアカップ予選、レバノン戦にも出場を果たした。皮肉な事にウルグアイとのプレーオフ、モンテビデオでの初戦はトンプソンがスタメンで、そしてシドニーでの第二戦にはケーヒルが起用された。前線はヴィドゥーカのワントップにディフェンシブMFクリーナがキューウェル不在を受けて前に出て来ると見られる。以上の事からスタメン予想は以下の通り

         ヴィドゥーカ

ブレッシャーノ  クリーナ   トンプソン

      スココ   グレッラ

ラザリディス  ムーア  ニール  エマートン

    シュヴァルツァー(カラッツ)

MCGは1997年、日本でも衛星中継されたが、イランとのプレーオフで後半まさかの連続失点でフランスワールドカップ行きを逃した苦いスタジアムである。ここはシドニー五輪のオーストラリア対イタリア戦等にも使われたが本来オージーフットボールの Grand Final に使われる競技場として名高い。競技の無い日は有料で見学ツァーもあり、私もそのツァーに参加した事がある。そしてピッチにも入れてくれる。25日のギリシャ戦には 93,000枚のチケットが発売され、立ち見席が数千枚残るのみとなっている。当日はサッカーでの観客動員数の記録となる事は必至だ。しかしこの時期のメルボルンは気温が低く、一日のうちに天気が何度も変わり突然雨や雪そして突風が吹く。 ヒディング監督の本音としてはそのまま欧州のどこかで合宿を張りたかったのではないか?しかし、それも合宿初日の22日 Federation 広場での代表お披露目式に寒い中集った地元観客の激励を受けたので後悔はしていないであろう。何しろ32年ぶりのワールドカップなのだから。