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Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

FIFA Club World Cup Auckland City 次の挑戦に向けて

2009-12-24 | Aussie & Kiwi
Saturday 12 December
Zayed Sports City, Abu Dhabi
Auckland City 0 Atlante 3 ( Arreola 36, Bermundez 69, Silva 90 )

初勝利から中2日置いて次なる Auckland の対戦相手は北中米王者のメキシコの Atlante Futbol Club 。 Al Ahli とは異なり大陸王者が相手。
Rafael Marquez はメキシコ代表メンバーとしてアテネ五輪、2005年 FIFA Confederations Cup に出場。Santiago Solari はアルゼンチン代表の経歴を持つ。 Jose Guerrero Christian Bermudez の二人 は 2007年 FIFA U-20 にメキシコ代表として出場。ウルグアイ人の Horacio Peralta は1999年 FIFA U-17 のメンバー。 他にもGK Federico Vilar , Miguel Martinez, Gabriel Pereyra, がアルゼンチンからの助っ人で Lucas Silva はブラジル人。

この試合を勝てば準決勝の対戦相手はあの Barcelona 。それは両チームに言える事でそれが最大のモチベーションとなる試合。
だが予想通りに試合は圧倒的に Atalante が押す展開。20分までのボール支配率はAtlante 78 に対して Auckland 22 。14分には Gonzalezの強烈なミドルが飛ぶ。21分には縦パスを受けた Rojas が右サイドから入れたクロスに Marquez がCB 2人の間に割って入り合わせるがボールはクロスバーを越える。その後も攻撃の大波が押し寄せるがHogg, Coombes の両サイドそして Uhlmann, Vicelich のCBの二人が必死で相手の猛攻を跳ね返す。しかし 36 分 Atlante CK からMcGeorge のクリアーボールが小さく Arreola の前に落ちそのまま押し込まれて Atlante が先制ゴールを決めた。 耐えに耐えていた Auckland がミスから失点してしまった。
その直後今度は Auckland が相手PA すぐ外でFKを得る。李基珩がボールをセットするが CB の Uhlmann, Vicelich と云った長身選手が相手ゴール前に並ぶ。しかし李基珩からのFK は誰も触れられなかった。
後半開始早々、 Coombes が強烈なミドルを放つ。そしてGK Vilar がファインセーブで弾くと Dickinson の前にボールがこぼれるが上手くヒットせずにゴールを捕えられなかった。惜しいチャンスだった。だが61分更なる決定機を Auckland は作る。右サイド Coombes が Arreola を振り切り中に入れると逆サイドの Hayne に渡る。フリーの Hayne の放ったショットは Navarro が必死のスライディングで防ぎそのこぼれ球をMcGeorge がダイレクトで素晴らしいミドルを放つがここも GK Vilar がストップ。後半のこのどちらかが決まっていればと惜しまれるシーンだった。
後半はほぼ互角の試合展開を披露した Auckland であったが69分には Marquez がエリア内に入った Navarro にボールを預け相手ゴール前に入ったところをボールを受け李基珩、Vicelich のマークより一瞬早く放ったシュートが Auckland ゴールネットを揺らし。追加点を決められた。
2点差がついても何とかまず1点を還すぞと Auckland はキックオフの直後からボールを繋ぎ Coombes が入れたセンタリングに交代出場の Young が飛び込むがわずかに及ばず Navarro がクリアー。そして李基珩が入れたCK Coombes がダイレクトでシュートを撃つが Arreola に当たって再びCKを。その前に Arreola の腕にボールが当たったと Auckland の選手達は抗議するが受け入れられなかった。
そしてロスタイムに素晴らしいパス交換から Navarro が右サイドのエリア内に切れ込み中央に入れたところを Pereyra がスルー。最後はフリーの Silva が冷静に決めて試合を決めた。

後半は立ち上がり2列目の選手を積極的に挙げて攻勢に出る時間もあった Auckland だったが、最後の決定力そして地力の差が出てしまった。

Atlante Jose Cruz 監督試合後談
我々はこの試合が難しくなるものと解っていた。特に見ての通りおよそ1カ月ぶりのゲームであったから。しかし選手達は充分にやってくれた。 Auckland は良いチームだと言う事を見せた。しかし我々は勝利を挙げ、大変嬉しい。 Barca 戦が待ち遠しくてならない。 我々のコンディションは最高でよい試合を披露し勝利するだろう。われwれは世界でも最高のチームを破り自分達の世界での位置をしっかりと測りたい。

Auckland Paul Posa 監督試合後談
この試合を見ての通り、ベストのチームが勝った。 Atlante は我々が今まで戦った中で最高のチーム。 今夜ンは football のレッスンを受けた。 しかし私は選手達を誇りに思う。 彼らはやや自信無げにプレーしていたが前を向き続けいくつかのチャンスを作った。 たとえ試合には敗れたがそれは素晴らしい経験だ。選手達はここから多くの事を学ぶだろう。 

日本ではバルセロナ優勝報道でしか沸かなかったが Auckland の3試合をテレビ観戦しまた彼らの試合を観たくなった。 そして数日後地元紙では右サイドを何度も素晴らしい突破を見せた Coombes が来年のワールドカップメンバー入りか?と報道されていた。 
来年の大会でオセアニアからどういうチームが出てくるか。それも今から非常に楽しみである。

Auckland City
1-Jacob SPOONLEY (GK), 3-Ian HOGG, 5-Matt WILLIAMS, 6-LEE Ki Hyung (25-Milos NIKOLIC 78), 8-Chad COOMBES, 11-Daniel KOPRIVCIC (10-Grant YOUNG 66), 15-Ivan VICELICH (captain), 16-Jason HAYNE, 17-Adam MCGEORGE, 20-Greg UHLMANN, 22-Adam DICKINSON (9-Paul URLOVIC 88).
Substitutes not used: 4-Sam CAMPBELL, 7-James PRITCHETT, 12-Simon EADDY (RGK), 13-Alex FENERIDIS, 14-Keryn JORDAN, 18-Paul GOTHARD (RGK), 21-Riki VAN STEEDEN, 28-Daniel MORGAN.
Coach: Paul POSA
Cautions: Adam MCGEORGE

Atlante FC
3-Federico VILAR (GK/Captain), 2-Miguel MARTINEZ, 5-Jose GONZALEZ, 7-Fernando NAVARRO, 8-Rafael MARQUEZ (10-Gabriel PEREYRA 86), 11-Santiago SOLARI (63-Lucas SILVA 74), 17-Jose GUERRERO, 18-Christian BERMUDEZ, 19-Guillermo ROJAS, 21-Luis VELASQUEZ, 31-Daniel ARREOLA,
Substitutes not used: 1-Gerardo RUIZ (RGK), 9-Horacio PERALTA, 15-Arturo MUNOZ, 20-Andres CAREVIC, 23-Gerardo CASTILLO, 26-Clemente OVALLE, 27-Luis CARRILLO, 34-Saul GARCIA, 54-Fausto RUIZ, 58-Antonio PEREZ (RGK).
Coach: Jose CRUZ
Cautions: Rafael MARQUEZ, Daniel ARREOLA


FIFA Club World Cup 2009 Auckland City 有終の逆転勝利

2009-12-23 | Aussie & Kiwi

Wednesday 16 December 2009
Zayed Sports City Abu Dhabi
Auckland City FC 3 TP Mazembe 2

時計の針はロスタイム3分を過ぎていた。このままPK戦と思われた。しかし Grant Young と Daniel Morgan のパス交換から左サイドを突破し中に入れたボールを受けた Rici van Steeden のショットが Mazembe ゴールに突き刺さり劇的な逆転ゴールが決まった。Van Steeden はかつてニュージーランド代表 All Whites のメンバーでワールドカップフランス大会予選に出場している。32 歳のベテラン DF 。
3年前日本で開催された FIFA Club World Cup にも岩元輝雄と共に出場した経験を持つが今大会は3試合目にして初登場だった。
これまでニュージーランドのチームがこの大会で勝利を収めた事が無かったが今大会は帰国する前に Auckland City が2つも勝利を挙げた。28年振りワールドカップ出場を決めた All Whites に続く快挙だ。
“2-1とリードを奪ったMazembe は少しペースダウンをした。そして我々にはまだチャンスがあると思った。 正直PK戦に入ることも考えたが。 Atlante 戦では上手くいかなかったが、我々はただそれよりいいプレーをしたかった。たとえどんな結果になろうとも。我々は自信を持ってプレーできた。それは我々が説き続けた事だ。 同点に追いついた事には驚いていない。 それはチームがこの12ヶ月間でやって来た事と何らかわりない。だが結果はセンセーショナルなもので Auckland City Football Club の歴史にとって偉大な夜であった。“ 

試合後 Auckland City の Paul Sosa 監督はこう語った。そして ”2006年に日本で開催されたこの大会に出場した経験が大きかった。“

とも付け加えた。 12月16日に行われたFIFA Club World Cup 5位決定戦は開始から全くの Mazembe ペースだった。前半20分ごろまでボール支配率は Mazenbe 75 に対して Auckland は 25 だった。話題の GK Kidiba, DF の要、主将の Mputu の二人はコンゴ代表でワールドカップ予選に出場。
Auckland もDF Ivan Vicelich が現役 All Whites そしてワールドカップフランス大会予選では日本とも戦った元韓国代表の 李基珩と云ったワールドクラスの選手はいるのだが…. 試合の分岐点となったのは24分、カウンターに転じた Auckland は中盤から李基の素晴らしいスルーパスが 完全にフリーのDaniel Koprovcic に通りそのままドリブルシュートの態勢に入るところを GK Kidiba がPA の外に飛び出し Koprovcic に向かってスライディングに入る。この出会いがしらに放った Loprovcic のシュートが Kidiba の上腕に当ったの事でメキシコ人の Archunda 主審はハンドを取ったばかりか Kidiba にレッドカードを示す。この判定は Kidiba に気の毒であった。ボールが当たったのはハンドとも取れないところ、ハンドだとしても故意に手ではたいたとは思えないプレーだったが….. 失意の Kidiba が第二GK Bakula とタッチをして控室に下がる時の表情は…
1人少なくなったというよりも守りの重鎮 GK Mputu を失った Mazenbe は目に見えて劣勢となる。そして5分後の29分 Coombers が右サイドから前線にフィードするとJason Hayne がまだ試合に入り切れていないGK Bakula との競り合いからこぼれ球をMazenbe ゴールに流し込み先制ゴールを挙げる。
これで Auckland がこの試合の主導権を握るものと思われた。しかし後半に入り地力に勝る Mazenbe が盛り返し 60分に Kasongo のミドルシュート、67 分にはMputu の素晴らしいヒールパスを受けたKasusula が Auckland ゴールに捻じ込み Mazenbe が逆転をする。7日間で3試合目となる Auckland の運動量が徐々に落ちて来ていた。それは Abu Dhabi の暑さだけでなくアマチュアの体力の限界に近いものがあったのだろう。
だが Paul Sosa 監督が試合後述べた通りここから今度は Mazenbe の動きが落ちてくる。そして逆転されてから5分後の 72分、交代出場の Grant Young のショットを一旦は Bakula にセーブされるがこぼれたところをエリア外から Hayne が Mazenbe ゴールに蹴り込みこの試合2ゴール目を挙げて試合を振り出しに戻し最後の劇的な逆転勝利に結びつけた。 

“我々は素晴らしいプレーをした、そして前の Atlante 戦よりも自信を持ってゲームに臨めた。  3年前のこの大会に参加した時はこの最高の大会を生かせなかったが今回は充分に準備を進めて来た。それはこの大会に参加した事で学べた事であって、また今回より多くの事を学べた。 我々はただ自分達のスタンダードを高めたい。 FIFA Club World Cup は我々の地域では自分達のスタンダードを上げるのに素晴らしい大会だ。Auckland は今この経験から多くの事を学び更によいチームとなり再びこの大会に戻って来るだろう。“

そしてこの勝利で大会賞金 US$150万 を得た Auckland FC は地元国内リーグNZFC 7チームと分け合うとの事。
“この報償は多くの人達のハードワークによって得られたものだ。New Zealand の他のチームは我々を押し上げ、また我々は彼らを押し上げ、そういう切磋琢磨したチームがあってこその事だ。” この Sosa 監督のコメントを聞いて恐らく多くの地元関係者が胸を打たれただろう。

  

Auckland City FC: 3 (Jason HAYNE 29’, 72’, Riki VAN STEEDAN 90’+4)
TP Mazembe (Congo DR): 2 (Ngandu KASONGO 60', Kilitcho KASUSULA 67')

Auckland City FC
18. Paul GOTHARD (GK), 3. Ian HOGG (21. Riki VAN STEEDEN 75’), 4. Sam CAMPBELL, 7. James PRITCHETT, 5. Matt WILLIAMS, 6. Ki-Hyung LEE, 8. Chad COOMBES, 11. Daniel KOPRIVCIC (10. Grant YOUNG 46’), 15. Ivan VICELICH, 16. Jason HAYNE, 22. Adam DICKINSON (26. Daniel MORGAN 46’)
Substitutes not used: 1. Jacob SPOONLEY (GK), 9. Paul URLOVIC, 12. Simon EADDY (GK), 13. Alex FENERIDIS, 14. Keryn JORDAN, 17. Adam McGEORGE, 20. Greg UHLMANN, 25. Milos NIKOLIC
Coach: Paul POSA
Yellow cards: Daniel KOPRIVCIC 10’

TP Mazembe:
1. Muteba KIDIABA (GK) 3. Kilitcho KASUSULA, 8. Mabi MPUTU, 11. Mulota KABANGU (15. Dioko KALUYITUKA), 12. Bawaka MABELE, 13. Mbenza BEDI, 18. Luyeye MVETE (21. Aime BAKULA (GK) 26’), 20. Kazembe MIHAYO, 23. Sita MILANDU, 24. Amia EKANGA, 27. Ngandu KASONGO
Substitutes not used: 4. Miala NKULUKUTA, 5. Mukinay TSHANI, 6. A Mukok KANDA, 7. Mianga NDONGA, 16. Mbomboko NGOYI, 17. Lufuluabo KAYEMBE, 22. Mpinu IKAMBA (GK), 28. Kanyimbo TSHIZEU, 30. Basisila LUSADISU
Coach: Diego GARZITTO (FRA)
Yellow cards: Sita MILANDU 57’ Red cards: Muteba KIDIABA 24’

Wednesday 9 December 2009
Mohammed Bin Zayed Stadium Abu Dhabi 
Auckland City FC 2 Al Ahli FC 0

  

今年からついに日本を離れた “クラブ世界一決定戦“。オセアニアからは2006年以来3年振り出場となる Auckland City FC 。この前は Guest Player として岩本輝雄が参加した。今大会はJ League のチームが出場権を得られなかったので私は Auckland City FC の戦いぶりを最も楽しみにしていた。そして3年前と異なり経験も積みかなりやるのではないかと楽しみにしていた。
初戦の相手は開催国枠によって出場権を得た地元 Al Ahli 。結構なタレントを揃えたチームだった。 DF Saad Surour が今年地元で開催された FIFA U-20 のUAE 代表メンバー。Mohammad Qassim は28歳ながら2001年からUAE 代表メンバー。Onaid Khaleifa はUAE代表でこのワールドカップ予選には4試合出場した。18歳の Ahmed Khalil と Yousif Jaber , Mohamed Fawzi は今年の FIFA U-20 のメンバーで代表メンバー。 ワールドカップ予選にはKhalil は6試合出場 Jaber は韓国戦1試合のみの出場だった。Abbas はUAE 代表メンバーで2大会ワールドカップ予選に出場したがそれぞれ最終予選には出場歴は無かった。Salem Khamis も代表歴がある。 Mohamed Rashid は2003年地元開催の FIFA U-20 のメンバー。そして外国人助っ人を見るとHosny Abd Rabo が エジプト代表レギュラーで今年のワールドカップ予選では12試合に出場した実績を持つ。そして は日本ではお馴染み、甲府、ガンバ大阪でプレーしたブラジル人選手 Bare。入れ替え戦で柏レイソル相手に6ゴールを決めてJ1昇格を決めた後の泣きじゃくる姿は忘れられない。しかしこれだけの選手を揃えながら Al Ahli は今年の ACL では Group League を1分5敗の最下位で終わり決勝トーナメントには進めず、国内リーグでも今シーズンは8節を終了して3勝2分3敗。首位 Al Jazira から11勝点差の7位と苦戦している。ただこの“ホームゲーム”となる Auckland 戦はかなり楽観していたのではないかな…. テレビや日本の専門誌の解説を見ても Bare がいる事もあるが Al Ahli の事は書かれていても Auckland City FC に就いては誰も的確に解説しておらず、“フィジカルを前面に出した….” と同じことばかり書いている。
Auckland は前回は経験不足が露呈。 Al Ahly Sporting Club ( エジプト ) に 0-2, 全北現代に 0-3 と2連敗無得点で帰国したが。 今回はメンバーの経験値が違った。 GK Jacob Spoonley , DF Ian Hogg は北京五輪メンバーで3試合全てに出場した実績を持つ。DF 李基珩は1996年アトランタ五輪メンバー。翌年のワールドカップ予選にも日本戦を含めた10試合に出場。しかし翌年のワールドカップメンバーには残念ながら選ばれなかった。1995年香港でのダイナスティカップでは日本相手に2ゴールを決めた選手。 Chad Coombes, Jayson Hayne, Greg Uhlmann, James Pritchett, Paul Urlovic , Riki van Steeden , 南アフリカ人選手 Grant Young そして Keryn Jordan , Daniel Kopivic は3年前のこの大会経験者。Hayne は2007年にも Waitakere のメンバーとしてこの大会に出場。Pritchett は1999年地元開催の FIFA U-17 にも出場、今年のワールドカップ予選にも出場している。Kopivic は2007年から Waitakere FC に移籍し、何と3年連続この大会に出場することとなった。CB の Ivan Viclich は 現役 All Whites 。バーレーンとのプレーオフは2試合とも出場し連続完封、そしてワールドカップ出場権獲得の立役者の一人に。2003年の FIFA Confederations Cup の日本戦にも出場をしている。控え GK の Simon Eaddy も2007年 Waitakere のメンバーとして出場経験がある。 3年前とは国際経験が全く違う。(当たり前か?)

試合開始から14,856 人の観衆が集まった大会開幕戦は地元 Al Ahli がやや優勢に見えたが 1 トップの Bare, そしてAli Abas 、Hosny Abd Rabo 達の個人能力に頼る戦術はすぐにわかった。相対する Auckland の CB Viclich, Uhlmamm らが1対1でもしっかりとケアー。また李基珩が攻守に実によく効いていた。 それでも26分にはゴールやや正面から Hassan Ali が Hayne, Koprivcic らのマークを掻い潜って放ったミドルが Auckland ゴールを襲うが、わずかにポストの左に外れる。このまま前半は 0-0 かと思われた 45分右サイドを Hayne がドリブルで上がり中に入れると Al Ahli DF Surour の前を過ぎ更に戻った Mohammed の左から走り込んだ Dickinson がダイレクトで押し込み3年前に挙げられなかったゴールを挙げ、 Auckland が先制した。 その直後のキックオフから Al Ahli は Bare が Dickinson を背負いながらも放ったシュートは GK Spoonley に防がれるがそのこぼれたダマを撃った Salem Khamis のショットはクロスバーを越えてくれた。 完全に1失点もののシーンだった。後半に入ってもほぼ“完全アウェー”の Auckland は堂々とした戦い。1対1でも決して引けを取らない。得意の空中戦は完全に自信を持っている。66分にはPAの少し外から右サイドドバックの Coombes が強烈なミドルシュートをゴール右上隅に突き刺しリードを広げた。 その後も懸命の挽回をはかる Al Ahli だったが左サイドバックの Matt Williams そして中盤の  Adam McGorge と李基珩の二人が中盤をケアー。シュート数 Al Ahli の24に対してボール支配率 41, シュート数 16 の Auckland が歴史的な勝利を収めた。

Paul Rosa Auckland City FC 監督のインタビューから
選手達は大変ハッピーで恍惚としている。 我々は勝つとは思われていなかったが今夜は我々のものだった、我々は Al Ahli のスタイルを解っていた。ただカウンターを狙っていてその通りになった。 ゲームの入り方を解っていてチャンスも造る事が出来た。それはただ我々に果たされた問いで、幸運にも今日はそれが出来た。  Atalante は素晴らしい相手である、 Barcelona と Estudiantes を除けば彼らこそ最上流のチームだ。だから本当にタフな試合になるだろう。出来れは彼らのリズムを崩したい。

Al Ahli Mahdi Redha 監督のインタビューから
我々は大変失望している。 選手達のコンディションをベストにしようと準備してきたが今夜は力が発揮でき無かった。 我々はパスを上手くつないだり、ポゼッションをキープしたりできなかった。もし前半最後の Salem Khamis が失敗したチャンスをきめら得ていたら結果は違っていただろう。 我々は自分達のミスから学び前を向かねばならない。

Al Ahli FC 0 Auckland City 2 (Adam Dickinson 45, Chad Coombes 67) 

Al Ahli:
1-Yosif ABDALLA (GK), 3-Saad SUROUR, 6-Kahled MOHAMMED (31-Waleed AHMED 84), 8-Ali ABBAS, 9-BARE, 12-Hosny ABD RABO, 14-Bader YAQOOT, 16-Hassan ALI (23-Mehrzad MADANCHI 53), 20-Yousif JABER, 26-Salem KHAMIS, 29-Ali HUSSAIN (30-Mohamed RASHID 46).
Substitutes not used: 5-Mohammad QASSIM, 7-Onaid KHALEIFA, 10-Ahmed KHALIL, 15-Ismail AL HAMMADI, 21-Mohammed FAWZI, 25-Abdulla AHMAD, 33-Saif YOUSUF (RGK), 35-Abdulla ABDULRAHMAN, 50-ALSUWADI (RGK)
Coach: Mahdi ALI

Auckland City
1-Jacob SPOONLEY (GK), 3-Ian HOGG, 5-Matt WILLIAMS, 6-Ki-Hyung LEE, 8-Chad COOMBES, 11-Daniel KOPRIVCIC (14-Keryn JORDAN 71), 15-Ivan VICELICH, 16-Jason HAYNE (13-Alex FENERIDIS 85), 17-Adam McGEORGE, 20-Greg UHLMANN (4-Sam CAMPBELL 90+1), 22-Adam DICKINSON
Substitutes not used: 18-Paul GOTHARD (RGK), 7-James PRITCHETT, 9-Paul URLOVIC, 10-Grant YOUNG, 12-Simon EADDY (RGK), 21-Riki VAN STEEDEN, 25-Milos NIKOLIC, 26-Daniel MORGAN.
Coach: Paul POSA

    

                           
 続く


Melbourne での掘り出し物

2009-09-27 | Aussie & Kiwi
約3カ月ぶりで訪れた Melbourne 。ここに来た時は必ず寄るところがある。
街の中心街を走っている Flinders Street を少し歩いて行くとMelbourne Cricket Ground が見えるところに1軒の本屋がある。スポーツ関係の書籍を専門店でここはオーストラリアのマニアの間でちょっと有名らしい。
私が来た時も遠方から来られた馴染みの方がおられ、店長さんと仲良く話し込んでいた。
私も年に数回しか来られないのだが店長さんは覚えていてくれて、6月のワールドカップ予選の前日はここで翌日の試合に就いて1時間近く話し込んでしまった。
彼の話だと A-League 発足後ずいぶんとサッカーファンが増えたらしいが、発足してから数カ月後に32年ぶりのワールドカップ出場を決め、更にワールドカップでは決勝トーナメントに進出するなど今オーストラリアのサッカー人気は追い風が吹きその風は“台風並み”だったそうだ。
前に1974年西ドイツ大会の時に日本の専門誌に掲載された Socceroos の写真をコピーしてあげたりすると
“ I’m almost crying !! “ と大変喜んでくれた。
ここには70年代のオーストラリアサッカーを知る人達も訪れるらしい、一度その人達と私を引き合わせたいと言ってくれた。

今回の話の話題は年末に行われるワールドカップの組み分け抽選。
“この前みたいに日本と同じ組になる事はない。今まだ世界各地では予選が行われているが、アルゼンチン、フランス、ポルトガルが苦戦している。強豪が消えてくれればオーストラリアにもチャンスが生まれてくる。”
こう言っていた。
“前回のオーストラリアは見事に決勝トーナメントに進んだ。しかし日本だって最後の8分間を凌いでいればチャンスだったんだけど…”
まぁ終わった事を言っても仕方がない。今回も話は尽きない。 A-League そして Asia Champions League…..
名古屋に行った Kennedy はどうしている….
店長さんはあらゆるスポーツに精通されており、何とか鈴鹿で開催される F1 に観戦に行ったさいに J-League の試合を観たい、出来れば Kennedy のいるグランパスも一緒に観たいけど鈴鹿と名古屋は近いか….とも訊かれた。
鈴鹿と名古屋は近いけど上手くスケジュールが合えばいいけど、J-League は東京付近にもチームが多いからホームでなくてもスケジュールさえ合えば…….ってな話をした。

そしてここに来る楽しみは何といてもレアーな“文献”を探しだす事。今回は結構な掘り出し物があった。
尊敬する Johnny Warren と Andrew Dettre が監修する Soccer in Australia という写真集だ。
ここには Warren が出場した3大会に渡るワールドカップ予選の模様が写真と Warren のコメント入りで紹介されている。そのコメントの中には試合の様子が詳細に書かれており、ゴールを決めた選手がオーストラリアのみならず対戦国の選手の名前まで詳細に…..
もっとも有難かったのは1965年11月13日と21日にカンボジアのプノンペンが行われたアジア・アフリカ地区予選の唯一(実際には2試合)の試合、朝鮮民主指示人民共和国との試合も写真付きで紹介されていた事だ。
当時の国家主席シアヌーク殿下が試合前に両チームの選手達に挨拶をしている写真もあった。
う~ん、涙が出そうなほどの掘り出し物だった。

そして1996年 Sydney と Brisbane で行われた The International Travellers vs The True Blues という試合のプログラムもあった。
これは当時海外でプレーしいていたオーストラリアの選手達 ( The International Travellers ) が国内リーグ National Soccer League 選抜の選手との“オールスターマッチ”だった。
International Travellers には Aurelio Vidmar ( 現 Adelaide united 監督: 当時 Sion Switzerland 所属 ) Mark Bosnich ( 当時 Aston Villa , 現解説者 ) Zeljko Kalac ( 当時 Leicester City , 現 AC Milan, 2006年ワールドカップメンバー ) らの名前があり、 Lucas Neil, Paul Agostino そして Mark Viduka と云った今でも顔なじみの選手達の名前があった。NSL 選抜となる The True Blues の中にも Paul Wade, Frank Farina と云ったベテラン選手達そして Tony Popovic, Craig Foster, Clint Bolton らの名前がある。あぁこの試合のビデオないかなぁ……

前にも1998年2月に開催された Optus World Series のプログラムを見つけたのもここだった。
1997年11月に MCG の悲劇でイランと引分けワールドカップ出場が叶わなかったオーストラリア協会が“再出発”とシドニー五輪に向けての強化の一環として日本、韓国、チリを招いて国際試合3連戦を組んだ。日本代表の紹介ページには“ King KAZU “ が大きく取り上げられていた。そして12年前の岡田監督….若いなぁ…..
日本代表は2月15日に Adelaide の Hindmarsh Stadium で試合が組まれ 3-0 で勝っている。ただこの時のオーストラリアは若手主体と云うよりも“国内組”主体で Kewell, Viduka と云ったシーズン真っ最中の欧州ベースの選手がいなかった。

代金を支払おうとするも店長さんは受け取ってくれない。 “日本からはるばるやって来てくれた。その上、写真やDVD(オーストラリアがらみの昔の試合)を持って来てくれた…..
私が上げたものは元手がかかっていないから支払いは受けてくれよ……..

結局私の支払いは受け取って貰えず、日本に来る時は事前に必ず連絡をくれる事と次回私が Melbourne に来た時は必ず立ち寄る事を約束し店を後にした。

帰国したら神保町を回ってみよう。そしてオーストラリア関連の資料を探そう…次回の訪問までに…..
そして国会図書館にも行こう……..

温暖化が感じられる暖かい Melbourne の夕暮れを歩きながらそう想った…….

試合後 Hindmarsh Stadium …..

2009-09-24 | Aussie & Kiwi

試合終了のホイッスルが鳴った。
周囲の Adelaide サポーター達と二言、三言 言葉をかわして私は通路に向かった。ハーフタイムの間、屋内のバーで知り合った地元サポーター達に紹介してもらった Tony = Vidmar と記念撮影をする為だ。 
Tony = Vidmar と言えば日本ではあまり知られていないようだけど、オーストラリアそして欧州では名の知れた Defender で1991年から15年間オーストラリア代表Socceroos に選ばれ続けた。出身はここ Adelaide。 Adelaide United の Aurelio Vidmar 監督は実兄になる。
欧州では Glasgow Rangers そして Middlesbrough でもプレーした。ワールドカップ予選はアメリカ大会から出場し、2005年11月 Sydney で行われたウルグアイとの死闘にも出場し、4回目の挑戦でついにワールドカップ出場の悲願を達成した。
しかし彼には不幸が襲う。大会開幕約1か月前の5月9日、不整脈の為にチームからの離脱を発表。文字通り目前であったワールドカップ出場が果たせなかった。
この時既に初戦で日本との対戦が決まっていたが、私は彼の長きにわたるワールドカップへの挑戦を知っていたので非常に残念に思った。そして大変不謹慎であるがこれで日本がかなり有利になる、と胸算用までしてしまった。

私が写真撮影を頼むと快く承諾してくれた。撮影している近くを通る人達が何人も彼の存在に気付き驚いていた。

ワールドカップに出られなくて残念だった事、でも日本が負けてしまい自分が大変ショックだった事、A-League の Central Coast Mariners に移籍後、一度試合後にサインを貰った事、そして引退試合となった 2007-08 のGrand Final を観戦した事を話した。彼がどこに住んでいるのか?と尋ねるので、日本から観戦に来た。試合結果は残念だけど….と話すと非常に驚いていた。 握手もしてくれ、丁寧に御礼を言いその場を離れた。

そしてピッチの近くに行った。何人かのサポーター達と共に選手達にサインを貰おうと待っていた。しかしこの日は負け試合だったので試合終了後のクールダウンやストレッチを終えた選手達はみな控室に帰ってしまった。すると1人だけ戻って来た。 かつては Sydney FC でプレーしたサイドバックの Iain Fyfe だった。 
2007年URAWA Reds との ACL の試合はSydney でもさいたまでも観戦したことを話すと喜んでいた様子。来年はAdelaide United はACL出場権があるはずだからまた J-League との対戦もあると思う…

今夜は Vidmar と写真が撮れたし、 Fyfe のサインも貰えたしこれでよしとしようと通路に戻りスタンドを出た。するとハーフタイム中に入った Bar の入り口に球団職員らしき女性が何やら案内してくれている。どうやら選手達がここの来てサイン会を催すようだ。私も促されるまま中に入った。そこには老若男女多くの人達がいた。 
大きなモニターでは Australian Football League の試合が中継されていた…….
そして中には昨年の ACL の時に販売されたであろう赤と青のマフラーをする子供も。青地のところには GAMBA OSAKA と書かれていた。
やがて選手達が出て来た。 そしてみな丁寧にサインや記念撮影に応じる。メンバーと服装から見ておそらくこの日ベンチ入りしなかった選手達だろう。 
20歳の建国大学出身の Inseob Shin の姿も。彼は私の日本代表のレプリカを指し “ Japanese か?” と尋ねて来たので “イルボンサラムニダ !! “ と答えた。

通じたかな?そしてある御婦人が 日本から来たのか?と声を掛けて来た。 
仕事で年に何回かオーストラリアに来ている事や A-League 発足以来ものすごく A-League のチームに興味を持っている事を話した。 こちらの御婦人には男の子がいて “ Korean だ。“と言っていた。だから御主人が韓国人だと思って訊いたら違うとの答え。御主人はすぐ隣に立っておられ、明らかな白人男性。
そして “ Adopt ( 養子 ) “ と言われた。思わず一瞬硬直してしまった。

しかしすぐに “ 日本のチームではどこを応援しているのか?“と訊かれたので、しばらくおいてから ” Gamba Osaka !! “ と言うと大いに受けた。 そしてすぐ横にいた綺麗なおねぇさん二人組に色々私の事を話しだした。どうもガンバサポーターが来ている事になったらしい….. しかし、試合終了後 Tony Vidmar と記念撮影をしたことや日本でのオーストラリアサッカーの事、3年前ワールドカップでショッキングな敗れ方をして以来多くの人がオーストラリアに興味を持っているけど、代表クラスの選手しかあまり知られていない、しかし ACL で Adelaide が活躍し昨年 FIFA Club World Cup に出場したので A-League そして Adelaide United の事を覚えた人も多いと話をし、持参した小道具を出した。 それは昨年の FIFA Club World Cup のプログラムと Melbourne で見つけた掘り出し物のプログラム。Adelaide の監督である Aurelio Vidmar がまだ現役の頃であった1996年に行われたあるサッカーの試合のプログラムでそこに Vidmar 監督のサインを貰いたいと話をした。 
監督は試合後の記者会見に応じているのでここに来れるかは解らない…と言っていた。それでも選手達が次々に会場に現れると1人1人に私のプログラムにサインをしてやってくれと頼んでくれていた。御蔭でほとんどの選手のサインを貰えた。 
おれもミーハーかな…と思ったけどもっとここではもっと年上の人だって“堂々と”サインや写真撮影を頼んでいてそれに応じてもらっていた。 
私が持っていた A-League の Season Guide を見て先ほどの御婦人がこれはどこで入手できるか、私と職員のおねぇさんに訊いていた、ここではなかなか売っていないのかなぁ…私は Sydney の Book Store で買ったけど...と答えるとおねぇさんがここの競技場内で Kiosk で購入できる、と教えていた。

やがておねぇさんの1人が、“どうやら記者会見は終わったけど、監督はここに来そうにない…” と教えてくれた。まぁ仕方ないか…と思っていると、もう1人のおねぇさんが“私がプログラムを持って行って頼んでみましょう。”と云ってくれ、2冊のプログラムを持って行った。 
そして5分もすると、しっかりとサインのされたページを開いて、サインが貰えた事を教えてくれた。 あぁ、日本じゃ考えられないなぁ…… おねぇさん達と御婦人に何度も御礼を言い、そして“サイン会”が終わった事も告げられて帰途に着くこととした。

競技場を出て駐車場を見るとどうやら Vidmar 監督らしき人がいた。
サインの御礼を言おうかともしたけど、追い回すみたいなのでやめた。 
すると偶然駐車場に向かう途中だったさっきの職員のおねぇさんと出くわしたので、もう一度御礼を言った。 そして“来年日本で会いましょう。 Asia Champions League で….” と言うと

“ Definitely ( もちろん) !! “

と答えてくれた。 関東地区のチームと同じ組にならないかぁ… 今の順位は……

帰りは懸念されたけどタクシーがすぐにつかまった。ホテルの周囲はとても賑やかだった。そうか世間は金曜日だったか….でも私はすぐにベッドにもぐりこんだ。 
そして思った。

本当に日本じゃ考えられない事ばかりだったなぁ…

    


蛇に睨まれた蛙 Adelaide United 0-2 Melbourne Victory

2009-09-20 | Aussie & Kiwi

蛇に睨まれた蛙。英語でどういうのだろう?直訳するとFrog stared at by snake 。何か良い英語表現は無いだろうか?この試合が終わってホテルの帰る道中そんな事を考えていた。

A-League 屈指の好カード、Adelaide United vs Melbourne Victory が第7節に行われた。 この対戦は昨シーズンの Grand Final の再現で今シーズンはこれが初めての対戦。
Adelaide United と言えば昨シーズン Asia Champions League で鹿島アントラーズを破り決勝ではガンバ大阪に敗れたもののガンバの“開催国枠”の恩恵で FIFA Club World Cup の出場権が回って来たことで日本でも名のしれた A-League のチームだと思う。ACL での鹿島戦での会心の勝利、Club World Cup でのガンバとの死闘は忘れられない。まだ A-League では優勝経験が無いが Grand Final 進出2回を誇る強豪である事は間違いない。
そしてGrand Final 優勝2回の Melbourne Victory はその Grand Final の相手が2度とも Adelaide United。擁するに Adelaide の前には Melbourne が大きく立ちはだかっているという事。2006/07 の Grand Final は Archie Thompson に5ゴールを決められ 0-6 で大敗している。しかしそれは Grand Final だけではない。レギュラーシーズンと Final シリーズを含めた通算対戦成績では Adelaide の5勝10敗3分け。得点は Adelaide 14 Melbourne はその2倍の28。 2007/08 の第15節で 0-1 で敗れて以来、対 Melbourne Victory 戦6連敗中だ。 
ここまで両チームは Adelaide が5位(勝点8)そしてMelbourne が8位(勝点6)となっておりこの直接対決で Melbourne が勝てば順位がひっくり返る。そして、 Adelaide には少しばかりの有利な材料もあった。 
第6節を終了し Melbourne の勝点6は A-League 創設からの5年間で最低の成績。ただ Melbourne が優勝したのは 2006-07, 2008-09 のシーズンで1シーズンおきに優勝しているので今年は成績が悪い年だと予想していたサポーターもいた。しかしそれでもこの数字は悪すぎる。前節はホームで Wellington Phoenix と引分けまだ浮上の糸口が掴めない…
Adelaide は前節好調の Central Coast Mariners を 1-0 で破り、シーズン前にはスポンサー問題でもめたが徐々に上昇気流に乗りかかっているところらしい。また Adelaide, Melbourne とは地理的に航空機で1時間20分と“比較的近い”ところにあるのでライバル意識も醸し出されるらしい。 したがってこの試合はお互いに負けられない。しかし A-League の Golden Card は Melbourne vs Sydney, Melbourne vs Adelaide と Victory がらみの試合ばかりか…

昼間少し冷たかった風は夜には止み、スポーツ観戦には良い気候となった。 United のホーム Hindmarsh Stadium はシドニー五輪の準々決勝戦で日本五輪代表がアメリカ五輪代表にPK戦で敗れた競技場だ。だからというわけではないがこの日は NAKAMURA のブルーのレプリカを着て観戦した。(あまり関係ないか??) 

      

スタンドはほぼ満員。バックスタンドの一角には Melbourne から遠征してきたのか Victory のサポーター達が。そしてその周囲には警官隊が。 何か起こるかもしれないなぁ…
Melbourne はこの試合からついに Kevin Mascut が復帰。彼のスタメンが伝えられると競技場からは一斉にブーイングが。そして Victory サポーターからは大歓声が沸く。 そして前節CBに入った Adrian Leijer がボランチに入り MF Grand Brebner, FW Ney Fabiano が外れ、 Nick Ward がスタメン入りし 中盤を Carlos Hernadez ( 真ん中 ) Tom Pondeliak ( 左 ) と組むことに。そして Archie Thompson がワントップ。

   

ホームの United は Paul Reid が累積警告で出場できないのが痛い。 昨シーズン ACL 決勝進出の立役者でもあった Paul Agostino はいないが重鎮 Travis Dodd , ブラジル人MF Cassio 北京五輪メンバーのボランチ Kristian Sarkies そして2005 FIFA U-17 のメンバーだった左サイドバックの Scott Jamieson ,Robert Cornthwaite そしてかつて Victory でプレーしたアテネ五輪メンバーの GK Eugene Galekovic らは健在。ただ Cornthwaite は昨年右サイドバックだったがこの試合はCBだった。 DF にはMark Rudan そして Iain Fyfe らかつて Sydney FC でもプレーした選手達が今シーズンから加入した。 

     

Melbourne のキックオフで始まったゲームは大歓声の中開始2分9秒に Sarkies が中央からドリブルシュートを放つ。 これはゴールポストの左側に外れていった。 Muscat が復帰しVictory DFラインはどう対応するのだろう.. 攻撃では立ち上がりは Thompson のボールキープが目立つ。 しかし6分8秒、あっさりと Melbourne に先制ゴールが生まれる。  ボランチの Leijer から逆サイドの Nick Ward にボールが送られるとそのままドリブルで前線に上がり中にセンタリング気味に放り込んだクロスがそのままネァーサイドのゴールネットに突き刺さってしまった。

      

GK Galekovic は全く反応していなかった。ゴール裏に陣取る United サポータ達が静まり返ってしまい、Victory サポータ達の歓声が良く聞こえた。 これが相性というものなのだろうか? Adelaide は対 Melbourne 戦4試合連続無得点中だ。 勝つためには先制点…と思っていたサポーターの多かっただろう。
8分6秒 Sarkies が倒されPAのすぐ外でFKを得る。 Cassio が直接狙うが壁に当たってしまった。 Adelaide は右の Dodd, 左の Cassio が結構ドリブル、ボールキープ良く上がってくるのだがワントップのガーナ人 FW Lloyd Owusu に繋ごうとするのが見え見えなので Muscat の戻った Victory DFラインにパスを読まれてしまう。
Owusu は2006年のワールドカップ候補であったが開幕1ヶ月半前の4月26日の VfB Stuttgart との親善試合で怪我をしてチャンスを逸してしまった。

     

Adelaide はショートパスが繋がらずそしてロングフィードを後方から見せるのだが正確さに欠け、何度もゴールラインを割って行った。観客からは落胆の溜息が。 Melbourne は前線のポジションチェンジが顕著だ。20分を過ぎると Thompson – Pondeliak の2トップにし2列目を Hernandez – Ward – Leija の3枚に増やし中盤からプレスをかける。 24分にはインターセプトから Vargas, Ward と繋ぎ Hernadez から入れられたセンタリングにフリーの Pondeliak が走り込むが空振り。完全な2点目のチャンスだった。
25分12秒。今度は Adelaide がチャンスを迎える。 Owusu が右に流れDFを引き連れたところをDodd がドリブルで右サイドから中に切れ込む。 一斉に観衆が立ち上がるが Dodd は右の Owusu にボールを出し、Owusu がそのまま Melbourne ゴールに蹴り込みゴールネットが揺れるが線審の旗が上がってオフサイド。ここは Dodd がそのまま撃ったほうが良くは無かったか…
これ以降も Melbourne の攻勢が続くが Mark Rudan, Cornthwaite らCB陣が必死の守り。37分には3連続CKのチャンスを掴むが得点に結び付けられない。結局前半地元サポーター達から歓声があがったのは40分29秒に Thompson のシュートが大きく外れた時と 23分に Muscat , 42分に Broxham にイエローカードが出された時。

       
そして44分にDoddo からのクロスに 197cm の Cornthwaite が惜しいヘッドを放った時だけだった。 それから前半途中でサポーター同士で小競り合いがあり警官隊が割って入った時かなぁ.....

     

ハーフタイムの間、屋内にあるバーに行ってみた歴代の著名選手達のサインと写真があった。2006年にここで4試合だけ Guest Player としてプレーしたロマーリオの写真は時間が無くて見つけられなかった。そして数人の Adelaide サポーター達と話す機会が。 昨シーズンACL で鹿島、ガンバと対戦したことから J-League の事を良く訊かれた。来年ACL に出場権を得ているのでまた J-League のチームと対戦するのが楽しみだとか。 J-League のサポーター達の応援はよくオーガナイズされて素晴らしいとも語っていた…

        

後半に入ると Vidmar 監督の指示でもあったのか2列目の選手の飛び出しが顕著になった。そして Sarkies, Adam Hughes と云ったボランチの押し上げも早くなった。 46分にはCKからのこぼれ球を Jamieson, Owusu がそれぞれ撃つが最後はGK Moss の正面に。 49分には左から Jamieson のクロスに Owusu がシュートを放つが Leijer がマーク。 54分51秒には左サイドを Cassio から Sarkies に渡り Owusu にスルーが入りドリブルで Melbourne ゴールに迫るところを Rodrigo と Sukha が挟み込むようにマークに入り Owusu が転倒するがホイッスルは鳴らず、スタンドからはブーイングが。
後半は攻勢に出る Adelaide だがリードされているとは言え時間的に必要が無いのに焦っている様に見える。こういうときはカウンターで失点しがちだ。 58分48秒には Hernandez のCK にファーサイドから走り込んだ 完全にフリーのLeijer が飛び込むが空振り。 まだまだツキは残っていると思われた。 
60分過ぎから Melbourne は Nick Ward を左サイドの高い位置に置き Dodd のマークにつける。 67分 Adelaide ベンチはボランチの Sarkies を下げて Cristiano を入れて2トップに。すると71分今度は Melbourne ベンチが動く。 Nick Ward を下げて前節ではスタメンだった守備的MF の Grand Brebner を入れる。73分14秒。スタンドに悲鳴が走る。 Cristiano がPondeliak と競りながら前線の Dodd にボールを送る。 フリーのDodd が放ったシュートはクロスバーを越えてしまった。絶好のチャンスだったのだけど…..
75分19秒、 Adelaide は主将の Lucas Pantelins を下げて 若い攻撃的MF Matthew Leckie を投入する。そして攻撃時には前線に左から Cassio, Owusu Hughes そして Leckie が並ぶ。こうなると本当にカウンターが怖くなるが76分27秒には Brebnaer のスルーパスが Thompson に通りシュートに持ち込まれるがここは Galekovich がファインセーブ。 
79分にはFKのチャンスに Owusu がヘッドで落としたところを Dodd が手でボールを止めてイエローが出される。まだ焦る時間でもないんだけど… 85分にCKのチャンスを掴む。フィールド選手の Cassio と Leckie 以外はすべてPA内に入る。このCKも得点に結び付かなかったが今度はGK Moss が遅延行為でイエローに。
Dodd もそうだけどシーズンはまだ続くのでつまらぬことでカードを貰わない方がいいのにと按じてしまう。 

       

もうロスタイムに入りという88分、 Adelaide ゴール側の右コーナーで Hernadez がボールキープをして時間を稼ぐそこに Adelaide の選手が駆け寄る。一端は Cassio がボールを取り返すが、そこを狙っていた Thompson がボールをかっさらってドリブルで Adelaide ゴールに迫りシュートを放つ。 GK Galekovic に当たったリバウンドが Brerbner の前に転がりそのままゴールに押し込まれ試合を決定付ける追加点が入った。目の前でのゴールに Victory サポーター達が狂喜乱舞する。

      

そして一斉に観客が立ち上がり帰り支度を始める。ロスタイムは3分。でも2ゴールを上げるにはちょっと不充分だ…隣の United サポーターと少し言葉をかわした。
そしてスコアーはそのままで Srebre Delovski 主審のタイムアップの笛が鳴り響いた。

これで Adelaide United は Melbourne Victory 戦7連敗。そして5試合連続の無得点。実力差はそうあるとは思えないのに… 
しかし、 Golden Card の割には大した試合内容でも無い気がした。まぁ勝負なんてそんなもんかもしれない。 来年、この両チームが ACL に出てくる予定であるがそれまでにまたメンバーが替るのだろうか… 


初めての室内競技場観戦…でもなかったか Melbourne 1-1 Wellington

2009-09-20 | Aussie & Kiwi

もう少し暖かくて風が無かったらここに住みたくなるだろうなぁ… 
Melbourne に来る度にそう想っていた。ここにはMelbourne Cricket Grand がありMelbourne Olympic Park もあれば Rod Laver Arena があり Etihad Stadium があれば更に新たな競技場が建設中だ。これらすべての施設は少し無理をすれば全て歩いて回れる範囲にある。
既に欧州シーンからの“引退”を決めた Mark Viduka の次の所属先は彼のホームタウン Melbourne の Victory か新しく創設が予定されている Hearts かと言う地元紙の記事も。街中を流れるヤーラ川沿いは良いジョギングコースになっている。最近は地球温暖化のせいか Melbourne でもそう凍える思いはした事がない。
この6月のワールドカップ予選、昨年、そして今回。しかしこんな街中なんか家賃は高いだろうなぁ… ここ数年は郊外にどんどんショッピングモールが出来ているらしい..

Melbourne Victory の本拠地 Etihad Stadium は街中の Southern Cross Station から陸橋で繋がっており徒歩数分で到着する非常に便利な場所にある。 濃紺の Victory のレプリカを着た多くの人が競技場に向かってる。この日の対戦相手 Wellington Phoenix の黄色いユニフォームを着る人もちらほら。 私は ALL BLACKS のジャケットを着ていたので Phoenix サポーター達の何人かに声を掛けられた。
ここは2階席がピッチレベルの1階席よりも値段が高いが迷った挙句に1階席のチケットを買った。 Aussie Football League の試合も行われるこの競技場は立ち見席を含めると 56,347 人の観客収容能力があるらしい。 そして屋根が開閉式になっており、この日は屋根が占められて屋内競技場状態になっていた。屋内競技場での Football 観戦は初めてになるなぁ…と述懐していたら20年前に一度東京ドームで観戦をした事を思い出した。 

     

昨シーズンの覇者 Melbourne Victory は前節迄の時点で1勝2分2敗で10チーム中7位と出遅れている。北京五輪メンバーで 2005年FIFA U-20 で日本と対戦をしたこともあるチームの中心選手 Billy Celesky も怪我で今季はほぼ絶望。 元 Socceroos で守りの要ベテラン Kevin Mascut は怪我でまだ今季プレーできない。更に追い打ちを掛ける様に中心選手の1人、かつて Manchester City でもプレーした Daniel Allsopp がカタールの Al Rayyan に移籍してしまった。 Allsopp と言えば A-League の Debut Season 以来の Victory 生え抜きの選手。 それだけに Ernie Merrick のみならず地元サポーター達のショックは小さくは無かった様だ。中東からの選手の引き抜きはここオーストラリア大陸にも…ただサラリーキャップがあり球団経営もまだまだ軌道に乗らない A-League からすれば中東からの Oil Dollars は無視できないのかもしれない。
Victory は急遽 Brisbane Roar でプレーしていた Robbie Kruse と契約を交わした。 2007-08 のシーズンに Roar で A-League デビューを飾り17試合に出場したが翌シーズンは怪我などもあり4試合の出場に留まった。そしてその翌シーズンにあたる今シーズンはプレシーズンマッチでMassiom Murdoccca が足を骨折した為 Short Term の契約を交わしたらしい。そしてシーズンに入り5試合に全て出場していた。 Merrick 監督は早速 Kruse をこの Wellington 戦に起用することを示唆するコメントを残したとの事。
一方のWellington Phoenix 、監督は New Zeland 代表 All Whites を率いる Rickie Herbert 監督。そしてメンバーには何人かの All Whites の選手を含むが9月9日にアンマンでヨルダンとの親善試合を行いメルボルン入りしたのが前日だったそうだ。 GK  Mark Paston、右サイドバックの Manny Mascat , 左サイドバックの Tony Lochhead, ボランチの Tom Brown そして FW の Leo Bartos。怪我でこの日ベンチ入りできなかった Ben Sigmund 。更に Victory のGK Glen Moss 。但し Moss は昨年11月のワールドカップ予選フィジー戦で退場になり、バーレーンとのプレーオフには出場できない。
代表と言えば Victory MF の Carlos Hermandez はコスタリカ代表でワールドカップ予選出場の為に Wellington 戦の前日に戻って来た。 アテネ五輪、ワールドカップドイツ大会にも出場経験がある。またこの日のメンバーを見ると Victory のボランチ Leigh Broxham 、ベンチスタートのMF Nick Ward らは北京五輪予選のメンバーで GK Glen Moss は昨シーズまで Wellingotn でプレー。右サイドバックの Surat Sukha はタイ代表。昨年は ACL で Chomburi のメンバーで Victory そしてガンバ大阪と戦った。
Wellington のMF Vince Lia, Michael Ferrante の二人は2007年まで Victory でプレーした選手達。 CBの Jon McKain は2001年FIFA U-20 アテネ五輪にオーストラリア代表メンバー。 両軍結構なタレントぞろいでお互いのチームでのプレー経験のある選手もおり因縁めいた感じもして興味が湧いて来た。スタンドの1階席はピッチレベルで選手達の動きが良く解るが全体のフォーメーションを見るには難があった。2階席の方が値段が高い理由が解った。 

いよいよキックオフと云う時に歌声がだんだん近づいてくる。黄色いユニフォームを着た Phoenix のサポーター軍団だった。私が座ってたのは Phoenix のサポーター席だった。そして座っていたすぐ横の通路を歩いてくる。私が立ち上がって右手を差し出すと各自がハイタッチをする。だんだん手が痛くなり最後の数人とは握手にしてもらった。その様子を見ていた他のサポーター達におおいに受けた。そして私の着ていた ALL BLACKS のジャケットを見て“もっとこっちに来い、一緒に応援しよう…” てなことを言われたがあまり下に降りると試合が良く見えないのでここに留まる事にした。 頭上にはモニターがあり、これと併用して試合観戦をすることにした。

Phoenix サポーター達はここにいる観客の割合からすると 1% にも満たない。それでも Victory サポーター達を煽るようなコールを繰り返すのでそれに呼応する Victory サポーター達の大音量のコールが帰ってくる。多勢に無勢とはこのこと。でもそれだけに Wellington を応援したくなった。今シーズンはこれまで Victory と同じ勝点。こんなことは今まで無かったからなぁ…
試合開始直前に観客席を見ると “ FAREWELL ALL$OPP. AMATE HAS COME – WE’LL KRUSE TO THE TOP “ という横断幕が Allsopp のS が $ となっていると事が移籍の真実を語っているようだった。注目の Robbie Kruse はベンチスタートだった。 

開始2分45秒、Victory FW Ney Fabiano がドリブル突破をはかるところを Phoenix のボランチ Lia が倒してFKを与える。ゴール正面の絶好のポジションだ。 大歓声の中 Hernadez がボールをセットする。そして直接狙ったFKは GK Paston も届かずそのままゴールネットに吸い込まれた。 

    

更なる大歓声が湧きあがる。試合前から気勢の上がっていた Phoenix サポーター達の一気に消沈してしまい、彼らに向かって“それ見た事か”とばかりに Victory サポーター達がこちらに歓声を降り掛ける。
   
    

Melbourne は FW Archien Thompson のボールキープが良く、この日のブラジル人 FW Fabiano とポジションを替えながらドリブルで切れ込んでいく。 出場機会は無かったが2006年ワールドカップのメンバー。 Brown, Lochhead の左サイドを突いていく。彼らはヨルダン遠征から帰ったばかりでまだ Thompson の動きについていけないか….
17分2秒、劣勢だった初めて攻撃に転じる。England 人 FW Chris Greenacre が右サイドを上がり入れたクロスを中には走り込んだ Bertos がボレーを撃つが GK Moss がファインセーブ。またも大歓声が上がる。しかし Wellington の Herbert 監督は代表候補の Glen Moss のパフォーマンスには心中満足しただろう.
20分過ぎから Wellingotn は2列目の Bertos と Paul Ifill のポジションを替え Bertos が左サイドに Ifill が中に入るようになった。そして Bertos がサイド攻撃で起点を作り、Ifill がワントップの Greenacre のサポートに入る。これで Wellington の攻撃機会が増えた。それが功を奏したか30分 Ifill からボールを受けた Greenacre が右サイドに送りブラジル人 MF Daniel がゴールラインぎりぎりのところでクロスを上げる。
そして Ifill が中央から飛び込もうとするが上手くDF陣を二人引き連れスルー。左に流れたところを Tim Brown が 蹴り込んだショットは Moss でも止められず Wellington の同点ゴールが生まれた。 今度は数少ない Phoenix サポーター達が大歓声を上げる。 強豪相手に先制を許すもすぐに追いつくところ、今シーズンはちょっと違うぞと Victory サポーター達に思わせたか? 

    

34分にはCKから CB 182cm の Andrew Durante がヘッドを放つがここは Moss がファインセーブ。 この日の Moss は MVP級のパフォーマンスでこの時点で2失点を防いだ事に。 

    

それにしても Victory DF 陣、やはり Macsut がいないと統率がとれないか。 Wellington はBertos が左右に動いて起点となる。なかなか Wellington ゴール前に迫れない Melbourne は Thompson, Fabiano の2トップの後ろを左に Hernamdez 右にPordeliak を上げ、真ん中の Grant Brehner をもう少し高い 2トップもう少し近い位置に出した。これで少しは挽回できるようになり、40分32秒は Hernadez からのロビングを受けた Fabiano がシュートを放つ。これは Durante がブロックしCKとなりそのCKを再び Fabiano がヘッドで狙うが惜しくもポストの左に外れていった。 前半が終了しベンチに引き揚げる両軍の選手達。 そして歓声を上げる Phoenix サポーター達の歓声が響いた。

メンバーの交代無く後半に入る。 開始直後は Thompson のドリブルを起点に Victory が攻勢に出て49分51秒には Hernadez が右からのセンタリングの Brehner がミドルを放つがクロスバーを越えた。それ以降は Wellington が押す展開が続く。特に右からのサイド攻撃が多かった。51分56秒にはCKから Tim Brown が惜しいシュートを放つ。 
Victory のCB Adrian Leijer, RodrigoVargas らが必死の守りを見せる。CK等のセットプレーでは両チームとも上背のある CB の選手が出てくるので空中戦も見応えがある。  

       

59分Melbourne ベンチは FW Fabiano を下げて遂に大歓声に送られ Robbie Kruse が投入され Thompson と2トップを組む。 Kruse はその直後に Wellington ゴール前でボールを受け右から左にドリブルで流れ Thompson にスルーパスを送る。ここは Wellington のDF陣がマークに入りクリアーするがこのプレーに観衆から拍手が送られる。 しかし Wellington のCB Andrew Durante も Melbourne FW陣には厳しいマークでシュートを撃たせない。 70分過ぎから Victory は Thompson を2列目に下げ、 Kruse と Hernandez が2トップに。そして71分には Pordeliak を下げて Nick Ward を投入する。 Ward の投入で Wellington の攻勢が少し止められるようになった。
そこで Wellington ベンチは 76分に Daniel に替り Marco Rojas を入れ左サイドに置き Ward そして左サイドバックの Surat Sukha と対峙させる。 
Phoenix 相手になかなか2点目が奪えない試合展開にいらいらが募りだした Victory サポーター席からはついに発煙筒が焚かれだした。 

   

そんな中 Wellington は 右サイドバックの Manny Mascat が Vargas をかわしてシュートに持ち込むが Leijer がフォローに入りコーナーに。 89分にはカウンターから最後は Ifill が撃つがGK Moss の正面に。 そしてロスタイムが4分と表示される。 Wellington ベンチは CB の McKain を下げて MF の Michael Ferrante を入れる。もう1点取りに行くサインだ。 Phoenix サポーター達からは歓声があがる。92分には 右サイドから Brown が上げたクロスに Greenacre がヘッドを放つが惜しくもポストの右に外れた。 17,664人集まったスタンドからは安堵と落胆の溜息が上がる。 
そして94分に Craig Zetter 主審のタイムアップのホイッスルが鳴り響いた。 
選手、サポーター達の様相は対照的。 強豪 Melbourne Victory とアウェーで引き分けた Wellington Phoenix のサポーター達は歓喜に満ちた表情だった。 

  

試合後 Victory の Merrick 監督はピッチの状態に言及していた。二日前に National Rugby League の Melbourne Storm の試合がここで行われた為ピッチコンディションがいまいちとの事だった…

一方の Rickie Herbert 監督は強豪 Adelaide United, Melbourne と連続して引き分けた事に満足しながらも “ここに来たのは昨シーズン迄の様にただ勝点を取る為だけではなかった。”とコメント。
“ゲームプラン通りに進められた事が非常に良かった。数人の選手は遠征の為に疲れていた様だったが良くやってくれた。特に Tim Brown, Vice Lia のボランチがいいコンビネーションを見せた。 またDaniel がトップコンディションに戻って来た事も大きい。 Paul Ifill が守備の面でもよくやってくれた。我々は良くやれたと思うがもう少しチャンスを作れるようにならねばだめだ。” とも語った。
試合終了後クールダンする Phoenix の選手達をサポーター達と見守り続けた。そして Herbert 監督がこちらにやって来て丁寧に各自と握手を交わし、記念写真にも快く応じている。 New Zealand に Football を根付かせようと言う思いが伝わってくる。私も一緒に写真を撮った。

   

“ Good Luck in November 。我々は既に予選を通過した。次は All Whites だ!! “ と彼に言うと回りの KIWI 達に大いに受けた。11月に28年ぶりに本大会出場を決めるニュースが聞ける事を祈っているとも言うと硬い握手をしてくれた。 
日本じゃ代表監督とこんなに話したり出来るなんて考えられないなぁ……

競技場からホテルに戻る途中、来る時にもいた Victory のレプリカを着たバグパイプを吹く女の子がまたいたので楽器ケースにコインを入れて写真を撮らせてもらった。彼女はScotland 出身なのか…. 一生懸命奏でているので声を掛けられなかった……

     

 

 


Beatles...Liverpool...Sydney 0-1 Fowler

2009-09-19 | Aussie & Kiwi
5年目を迎えた HYUNDAI A-LEAGUE は今年も楽しみなシーズンだ。(と言ってもこう感じる日本人は少ないだろうけど…)
何といってもチーム数が2チーム増えて10チームとなり新チーム、 Gold Coast United が好調。現役オーストラリア代表の Jason Culina そして現役ニュージーランド代表の Shane Smeltz らを擁して開幕から3連勝を飾る等、第5節を終わって勝点12で首位を走っている。その一方で昨シーズンの覇者 Melbourne Victory が7位、Grand Finalist だった Adelaide United は9位と出遅れている。 
そして首位 Gold Coast を勝点2差で追って2位につけているのが久々に好調の Sydney FCだ。9月12日には地元 Sydney Football Stadium に North Queensland Fury を迎え“頂上決戦”に臨むことに。この試合に Sydney が勝てば首位が入れ替わるだけに熱戦が大いに期待された。
しかし、他にも“熱戦”への理由があった。新チーム North Queensland には Marquee Player として何とかつて Liverpool を始め, Leeds United, Manchester City でプレーし England 代表26 Caps を誇る Robbie Fowler が入団しており、前節までの5試合で3ゴールを決めている。ただまだ N.Q. は勝星が無いけど…

オーストラリアで最も人気のある League はPremiership でFowler の事は地元の人達にも良く知られており、いよいよ “ Sydney 登場” とあって新聞紙上でもこの試合の事は始まる前から Australian Football League や Rugby Union, Rugby League 並みに取り上げられていた。 そして Sydney FC の中心選手 John Aloisi との ”対戦“ を煽る記事も….. 地元紙によると Liverpool サポーター達がわざわざシドニーまで Fowler を観に来ているとか。バックパッカー達の宿にもこの試合のチラシを貼ったらしい。 そして Fowler 人気に為にチケットの売れ行きが好調だとかも書かれていた…..当日権が買えるか心配になり Sydney FC サポーターの友人に電話で確認までした。彼の話だと大丈夫だ…との事だった。

しかしやはり心配だったので開始30分前に競技場に到着する様にホテルを出た。 道行くサポーター達の中には赤い Liverpool のユニフォームを着る人達もちらほらと、やっぱり Fowler はスーパースターだ。 そして競技場の入り口に到着すると英国を走る2階建てのバスが….

      
そういえば新聞にこの試合のデモンストレーションの為に2階建てバスを走らせるって書いていたなぁ….. そして Beatles Number が聞こえてくる。 Beatles をカバーする生バンドのライブだった。
Liverpool と言えば Beatles 。空港も Liverpool John Lennon 空港と名前が付いているらしい。  Beatles が現役の時から Liverpool に在住していた地元の人と話がしたいなぁ.. Liverpool FC は 1950 年代は低迷しており William Shankly が引き継いだ60年代からチームの再建がはじまり 1963-64 にはリーグ優勝、翌シーズンには初タイトルとなる F.A. Cup を勝ち取る等 Beatles のデビューと共にチームが再構築されていった……
Ticket 売り場の前には長蛇の列が。こんなのは初めて。こりゅあ Sold Out の看板が出るかも….と案じていたが無事にチケットは入手でき、スタンドに着席したが空席はまだまだあった。 そういえば新聞に書いてあったがここまで N.Q. Fury のホームゲームの平均観客動員数は 7528人。これから Australian Football League が9月26日の Grand Final をもってシーズンが終了するので、地元 North Queensland Cowboys に流れていた観客が Fury に来るだろうとの事であったが…
スタンドにはやはり赤い Liverpool のユニフォームを着た人達も目に付いたが、 Fury 側のサポーター席には赤いユニフォームが半数以上を占めていた。 

    

注目の1戦、 Fowler はもちろんスタメン。

   


そしてボランチにはかつてアビスパ福岡でもプレーしこの日の対戦相手 Sydney FC に所属していた Ufuk Talay が。左サイドバックには6月 MCG で行われたワールドカップ予選の日本戦にオーストラリア代表の左サイドバックでスタメン出場を果たした Shane Stefanutto が。しかし昨シーズンまで Adelaide United でプレーし ACL のガンバ大阪戦に出場した Jason Spagunuolo そしてかつてガンバ大阪、城南一和、名古屋、新潟、東京Vでもプレーした海本幸治郎は残念ながらベンチ入りしていなかった。海本、次はピッチにでてくれよ。 

開始30秒、いきなり Stefanutto のスローインを受けた MF Rostyn Griffiths が入れたクロスを Fowler がオーバーヘッドを試みスタンドから歓声が沸く。 観客の注目を集める Fowler だが彼だけでなく左MFの Chris Tadrosse の縦への動きが良い。 Tadrosse は A-League デビューシーズンには Melbourne Victory に所属し8試合に出場。以降はドイツに渡ったが Bundesliga の1部でのデビューはならず今シーズンオーストラリアに帰って来た選手だ。 
11分49秒には Stefanutto から縦パスがベテラン FW Daniel McBreen に入り 中のFowler に送られるミドルを放つが右上に外れていった。 15分3秒には Stefanutto からのスローインを受けた McBreen がクロスを入れ Fowler が飛び込むが僅かに遭わなかった。 前半 Fowler 率いる Fury は Sydney サポーター達の陣取る COVE 側に攻めてくるのでシュートが外れる度に大歓声が上がる。
出だしはおされぎみだった Sydney だがかつて広島でもプレーした元 Socceroos のベテランMF Steve Corica のゲームメークから徐々にチャンスを掴みだす。 そしてCHFの Kanol Kisel のドリブル突破も良い。20分47秒には中央からドリブルシュートを放つが 34歳ベテランGK Paul Henderson が倒れ込んで好セーブ。 徐々にペースを掴みだした Sydney が25分にビッグチャンスを掴む。 ゴール正面やや左で得たFKを Kisel が入れ今季から Sydney に入団した左サイドバックの韓国人DF 卞盛煥 Byun Sung Hwan が落としたところを Alex Brosque が走り込み GK Henderson と交錯し倒れる。Beath 主審はすかさずペナルティースポットをさす。映し出されたREPLAY を観ると Henderson の手が Brosque の足に当たっていた。
このPKを Aloisi がセットする。 Sydney サポーター達の見守る中 Aloisi が右側に撃つがこれを Henderson が見事にストップ。絶好のチャンスを逸した。

    
“4年前はここでウルグアイ相手に決めたのに..” 隣に座る Sydney FC サポーターとこんな会話をした。 翌日の新聞には“ウルグアイのGKが出来なかった事を Henderson は演じた。”と述べていた。
これ以降はやや Fury が優勢な展開。 下記の様に Fowler が1トップで2列目に3人が並ぶ。 びボランチの二人が攻守によくフォローする。 Griffiths が187cm McBeen が186cm と長身の選手が目立つ

               9 Fowler

18 James Robinson   23 R. Griffiths  19 D. McBreen

        3 Chris Tadrosse    6 Ufak Talay

一方の Sydney は Corica のゲームメーク頼りだがボランチの二人が他の選手の動きを良く見ている。そしてPKを失敗した Aloisi が挽回を試みるのかドリブル突破が増えくるがDF,ボランチ陣の網にかかる。 38分に久々相手の右サイドを崩し Brendan Gan が入れたクロスを Corica がヘッドを放つがポストの左に外れていった。
ロスタイムに入り今度は数少ない Fury サポーター達が歓声を上げる。 中央を Ufak Talay がドリブルシュート。これはDFに当たるが跳ね返ったところを James Robinsonが Sydney ゴールに押し込んだ。しかしここは線審がオフサイドの判定。 この線審は Sara Ho と言う Lineswoman 。女性線審で A-League は女性線審を起用することがある。隣の Sydney サポからは “ J-League でも女性審判はいるか?“ 
と訊かれたが記憶にないので
” 女子のリーグなら主審でもいるが、J-League は….と答えた。でも彼にとってこの線審は“女神”に見えただろう……

       

Half Time 中に Sydney F.C. サポーター達が陣取る COVE に移動する。 
2年前 ACL の浦和戦で知り合った地元サポーター達と会うためだ。 彼らはすぐに見つかり再会を祝う。 今年は Debut Year 以来優勝が狙えそうだと言っていた。 前半の戦いぶりを話し合うが、Corica 頼みのGame Make では限界があるので戦術を変えるかテンポを変えねば…と言っていた。
両チームメンバー交代の無いまま始まった後半、今度は Sydney が自軍サポーター側に向かって攻めるので迫力あるシーンを…と期待するのだが、開始早々に Kisel のクロスに Grant がヘッドで合わせ GK Henderson が何とかコーナーに弾き出して以来試合は向こう側での展開が続く。 Talay が前に出て来て中盤の人数を増やしたので Sydney コート内で試合が進む。
そして53分51秒、GK Henderson からのゴールキックを Talay がヘッドで前に送ると Sydney DF の Simon Colosimo と Shannon Cole の間に走り込んだ Fowler が上手くボールをコントロールし GK Clint Bolton が出てこようとするところをボールを Sydney ゴールに放り込んだ。 
大喜びのゴール裏に陣取る Fury サポーター達。勢い余ってそのうちの1人がピッチに入って来た。 

          

こういうところできちっと決めるところはさすが Fowler だ。 Fowler は61分にもTalay からのロングフィードを受けたMcBreen が右サイドから上げたクロスに走り込むがマークに入った Stephan Kelter の為に僅かにポストの左に外れしてしまった。60分に Sydney ベンチは今年 Socceroos の代表合宿に召集されたこともある Shannon Cole を下げて 北京五輪メンバーだったMark Bridge を入れて攻撃力をアップさせるがこうなってくると前半のPK失敗が悔まれる。 そのPKを失敗した Aloisi が65分にドリブルシュートを放つがDFに当たってゴールラインを割った。そしてその直後に Kofi Danning と交代でベンチに下がってしまった。そして Alex Brosque と Mark Bridge が前に出て来て Corica がトップ下に入る。Danning が右サイドの2列目に入りドリブルでサイド攻撃を仕掛ける。しかしFury DF陣の前になかなかシュートが撃てない。 

            
Fury ベンチは67分に Griffiths , 78分には Talay を下げて Chris Grossom ,そしてオランダ人FWの Dyron Daal を投入してくる。 かつて Sydney でプレーしたTaly が下がった時は Sydney サポーター達から大ブーイングだった。そして84分には競技場全体から沸き起こる歓声に送られて Fowler がベンチに下がる。

         


だけど COVE の一部のサポーター達からは “ Go Home Fowler ! GO Home Fowler !! “ とのコールが。隣に座る地元の友人は両手を広げながら“今 on the way だよ。”と呟いた。 Sydney はもう Brosque を1トップに攻撃時は2列目に Dunning , Corica, Bridge, 卞盛煥 を並べるが最後までゴールは生まれることなくN.Q. Fury に今シーズン初勝利を献上することとなった。 1点リードされてから焦りからか攻撃が単調になり無失点を喫した Sydney そしてチャンスをきっちりと得点に結びつけた Fowler 、ワールドクラスの選手の存在感を見せつけた結果となった。

“ キーポイントは PK だった。しかし我々は前後半ともに決定機を作ることが出来なかった。 ” 試合後 Sydney の Vitezlav Lavicka 監督がこう語った。
そしてSteve Corica 主将は “彼( Fowler ) は素晴らしいゴールを決めた。それ以外彼には多くのチャンスがあったとは思えない。しかし Top Striker は得点の為にはただ1度チャンスがあれば良いだけだ。彼はそういうチャンスがありゴールを決めた。彼こそ Top Striker だ。” この様に称賛をした。

試合後、いつもの Bar で地元のサポーター達と色々話した。日豪揃ってワールドカップ出場を決めているのでお互い採集メンバー選択につて話をする。 彼らから言うと Socceroos は選手層が薄いらしい。そして5年後のブラジル大会に向けては予選を勝ち抜く為のアジアの戦いは更に厳しくなるとの予想だ。それは日本も同じか….
オーストラリアは10月にオランダ代表を招いて親善試合を行う。日本が 0-3 で完敗した相手だ、と話した。彼らも日本がどの様に戦ったか興味深く訊いてきた。 
“いつものパターン。最初の30分は相手が様子を見て来たので何度かチャンスがあった。しかし時間が経つにつれて劣勢になり、最後の20分で3連続失点だった。ワールドカップでのオーストラリア戦の様に….”
彼らも私も今度 Socceroos がオランダにどういう試合をするのか楽しみだ、とお互いに語り合った……………

翌日の朝刊は Fowler の写真が大きく紙面を飾っていた。 そして Super A-League Import 6人衆の中に Dwite Yorke ( Manchester United - Sydney FC ) Junihno ( Middlesbrough ) らに交じって Kazuyoshi Miura の写真と名前があった。ロマーリオはなかったけど...

移動続きで疲れる出張だけどここで King KAZU にエネルギーを貰えた。

    


シドニーでテレビ観戦 韓豪戦… 韓国 3-1豪州

2009-09-14 | Aussie & Kiwi

先週初めより商用でオーストラリアのシドニーに来ている。ここで開催される見本市に出展参加する為だ。
出発前日、日本がオランダとの“歴史的な”親善試合をテレビ観戦した翌日日本を出発。シドニーに到着した時の気温は摂氏14度。午前9時前とはいえやはり春の初めの南半球を感じさせられる。
いつも宿泊するホテルには今回はなんと FOX Channel が視られる。年々 FOX Channel を導入するホテルが増えているがついにここも導入してくれた。そのおかげで再放送ではあるが観たかった韓国対オーストラリアの親善試合がテレビ観戦出来る事となった。 これは幸先の良い出張だ…… とはいうものの、放映のあった日は見本市も Late Time で午後9時まで、後片付けやらしてホテルに戻ったのは午後10時過ぎ。既に前半を終えていた。 それでも後半だけでも観られる事をよしとした。(結果がわかっているんだから。) 

この試合韓国代表は朴智星を始め李正秀などスタメン5人が海外組。ベンチにも李根鍋や薜鉉ら4人の海外組がいる。 どうやらこの日は国際Aマッチデーに指定されていたにも関わらずK-League の試合も入れていたらしい。 ただ許丁茂監督はこの試合は海外組のテストの機会と考えていたらしく他にも安貞桓や車ドゥリと言った2002年組の招集も考えていたらしい。
一方も Socceroos は Tim Cahill, Lucas Neil, Craig Moore, Harry Kewell, Luke Wilkshire, David Carney らの主力が抜けている。J-League 所属の Joshu Kennedy らアジア、 A-League 所属のメンバーの“テスト”を兼ねているのかもしれない。それとも“生き残れる”選手を見極めたいのか…? ならば“当確”最右翼の GK Shcwarzer を使わず心配されているGK のバックアップを強化する為に Ante Covic あたりを使えばよくは無かったか?? Neil, Moore らの抜けたDFラインと Chipperfield と Carney の抜けた左サイドをどう埋めるのか? Grella と常にボランチを組んでいた Culina がオランダのPSV から A-League に戻りその技量を“確かめる”テストの意味合いもあったのかもしれない…

試合は韓国が 2-1 でリードしていた。(経過もしっていたけど。) 韓国とはいえやはり体格ではオージーの方が一枚上手のせいか、相手が寄って来た時に上手くボールを回している。それでもバイタルエリアに近づきここぞという場面では朴智星や李東國らがドリブルで突っかけて行く。今の日本にはこれが欲しいところ。 Monaco でプレーする朴主永は当たり負けしない。 Grella でも簡単に止められない。そして左サイドバックの金東進が結構上がって来る。

   

この試合の Socceroos はDFラインが左からStefanutto, CB が Mark Milligan と Patrick Kisnorbo そして右サイドバックに CB が得意な”地元”仁川 United でプレーする Jade North が入っている。これは彼の攻撃力を生かす為だろう。
このDFラインはレギュラー選手ではないので少し不安がある。そのせいかボランチの Grella, Culina が前に出て行けない。そして中盤をどんどん侵食されている。 
頼みの194cm の長身FW Kennedy にもボールが出ない。ボールが送られても愛するサンガ所属の李正秀がしっかりとマークをしている。従って Kennedy はボールを求めて左右に動くがこうなると韓国DFの思うつぼ。彼はトップにガンと張られてこそ脅威を感じさせる選手だ。 

    
この日 Verbeek 体制になってからほぼ初めて試された2トップのもう一人 Scott McDonald は劣勢の中かなり位置を下げてボールを受けに来るがそこには韓国選手が二人、三人と囲み前を向けない。 2列目に張る Bresciano, Hollman も前線にボールを配球しようにもそこに選手がいないのだ。  

 

53分には朴智星が起点となり薜鉉を経由して朴主永がフリーで撃つがここは Schwarzer がナイスセーブでCKに。そのCKから今度は金東進がヘッドを放つがここも Schwarzer がブロック。そのこぼれ球に Kennedy と李正秀が詰めるが李が少し遅れて入って Kennedy を押す形になったので Grella が李に詰め寄る。
55分過ぎからオーストラリアはカウンター攻撃から韓国ゴール前に迫るようになり、 久々に代表合流の Mark Milligan が2年前の ACL 浦和戦でも見せたロングスローを韓国ゴール前に放り込むが李正秀を始め韓国DF陣も激しいプレスで応酬。 
60分にオーストラリアベンチは Brett Holman を下げて攻撃的MFの Nick Carl を投入し同点を狙う。 すると韓国ベンチも70分にフェイスガードを付けた神戸所属の金南一を投入する。直後に Carl がミドルを放つもGK李雲在がファインセーブで防ぐ。世代交代がすすむ韓国だけどまだまだ2002年組も存在価値を示す。李雲在は77分にも Bresciano の FK を好セーブでしのいだ。 
80分 Mark Milligan が薜鉉と交錯し倒れて立ち上がれない。そして外に出される。 それでも動けず Spiranovich が替ってピッチに入った。しばらく"浪人生活" が続きようやく上海申花に安住の地を見つけ久しぶりの代表出場の Milligan ...怪我が深刻でない事を祈るよ。

残り10分。しかしまだ交替枠は4人あるベンチにいる攻撃的な選手Nikita Rukavytsya, Mile Jedinak らは起用されるのだろうか? 84分には珍しく中盤でボールを繋いでビルドアップし攻撃参加し、最後は Stefanutto が左サイドからクロスを入れるがゴールネットの上に落下してしまった。
そして86分47秒、カウンターから左サイドを朴智星が素晴らしいドルブルで独走。
Grella が慌てて追うが全く届かない。そして左サイドから上げたクロスを薜鉉が高い打点からヘッドを放つ。 Schwarzer の長い左手と大きな掌で何とか掻きだすが線審の判定はゴールイン。 韓国が試合を決定付ける3点目を挙げた。 
朴智星のドリブルはさすが Manchester United のレギュラーと思わせるものでおそらく彼が今アジア No.1の選手だろう。( かつて京都サンガでプレーしたことをここで書き落としてはならない。) 

                     

薜鉉もうまくマークに入った Stefanutto を外していた。 Milligan がピッチを去っていたことも幸いしたか? それにしても Shcwarzer が3失点も喫するとはそれだけ韓国の攻撃がすごいのか?この日の Socceroos のDFラインが弱いのか…多分両方だろうなぁ…

試合はそのまま終わり World Cup Stadium に集った 40,215 人の観衆を喜ばせられる結果となった……
2年前まで相手チームを指揮していた Verbeek 監督は金南一、趙源煕 らがベンチスタートで2007年 Asian Cup 時にはエースだった曹宰榛、崔成國らがメンバーに入っていないことに韓国代表の層の厚さを感じたらしい。
またDF陣のバックアップの再構築が急務だとも。まず Lukas Neil と組む CB 候補、Craig Moore, Kisnorbo, Jade North, Mark Milligan 。そして左サイドバックはChipperfield が万全でないときは…Brett Emerton の膝の回復が思わしくないときは右サイドバックに Jade North の攻撃力を生かすのか…

勝った方の許丁茂韓国代表監督は「ヨーロッパ・レベルのチーム相手にいい試合ができた。これからヨーロッパのチーム相手にどう準備し対処すべきで、課題は何であるかを把握できたことが収穫。相手が接近してくる前に、早め早めにパスをすること。相手は体格が大きいだけに瞬間的な動作や方向転換の動作がやや遅いので、そういう部分を攻略しろと選手たちに注文した。最初のゴールもそういった狙いから生まれたもの。」と説明したあと、「体格が大きく、制空権がる選手たち相手に、セットプレーで失点し、何度か危険な場面もあった。ヨーロッパチームを相手にしたときの制空権確保が宿題」とも付け加えた。

ただこの日の Socceroos はベストメンバーからは程遠く、体格は欧州レベルだけど技術的にはアジアレベルといえるだろう。日本もこのメンバーが相手だとかなりやれるだろう……

翌日、ここにいる韓国系のお客とこの試合の話をした。彼も同様の意見だった。

Sydney は好天に恵まれた。でもこれからまだまだいくつかの都市を転々とせねばらない…

Korea Republic starting line-up: GK 1. 李雲在 LEE Woon-Jae (水原); DF 4趙容亨CHO Yong-Hyung, (済州)12 李栄杓LEE Young-Pyo ( Al Hilal ) 14 李正秀LEE Jung-Soo ( 京都サンガ) , 15 金東進KIM Dong-Jin ( Zenit St.Petersburg )
MF 7 朴智星 PARK Ji-Sung, ( Manchester United ) 8金正友KIM Jung-Woo (城南), 16寄誠庸KI Sung-Yueng ( ソウル ) , 17李青龍LEE Chung-Yong, (ソウル)
FW 10 朴主永PARK Chu-Young, ( AS Monaco ), 20李東國 LEE Dong-Gook (全北)
Substitution : 46分 16寄誠庸KI Sung-Yueng → 19廉基勳 YEOM Ki-Hun (蔚山)→89分 23李昇 LEE Seung-Hyun (釜山) , 46分 8金正友KIM Jung-Woo → 6趙源煕 CHO Won-Hee ( Wigan Athletics ), 46分 20李東國 LEE Dong-Gook (全北)→
9薜鉉 SEOL Ki-Hyun ( Fulham ) , 71分 17李青龍LEE Chung-Yong, → 5金南一 KIM Nam-Il (神戸), 79分 10朴主永PARK Chu-Young, ( AS Monaco ) → 11李根鎬 LEE Geun-Ho (磐田)

Not in Use : GK 18鄭成龍JUNG Sung-Ryong (城南) , 21金永光 KIM Young-Kwang (蔚山) , DF 2呉範錫 OH Beom-Seok (蔚山) , 3姜敏壽 KANG Min-Soo (済州) , 13金致佑KIM Chi-Woo (ソウル) FW 22 金亨鎰KIM Hyung-Il (浦項)

Australia's starting line-up: GK 1. Mark Schwarzer ( Fulham FC ) 3 Shane Stefanutto ( North Queensland Fury ), 16 Mark Milligan ( 上海申花 ), 17 Patrick Kisnorbo ( Leeds United ) 4 Jade North ( 仁川 United ) , MF 5 Jason Culina ( Gold Coast United ), 13 Vince Grella ( Blackburn Rovers ), 14 Brett Holman (AZ Alkmar ), 23 Mark Bresciano ( Palermo ) FW 7 Scott McDonald ( Celtic ) , 9 Josh Kennedy ( 名古屋グランパス8)

Substitution  61分 Brett Holman→ 11 Nick Carle ( Crystal Palace ) , 81分 Mark Milligan→ 20 Matt Spiranovic ( FC Nurnberg )

Not in Use : GK 12 Ante Covic (IF Elfborg , 6 Michael Beauchamp( Aalborg BK ) , 10 Dario Vidosic ( FC Nurnberg ) , Rhys Williams ( Middlesbrough FC ) , Nikita Rukavytsya ( FC Twente ) , Mile Jedinak ( Antalyaspor )


Socceroos “アジア王者”の称号を懸けて...

2009-09-05 | Aussie & Kiwi

ワールドカップ予選で中国、イラク、日本を破り、先月はアウェーでアイルランドを 3-0 と粉砕したオーストラリア代表が本日ソウルの World Cup Stadium で韓国代表と親善試合を行う。 この試合はオーストラリアのマスコミによると “アジア王者を懸けた試合”となるそうだ……

最近の韓国、オーストラリアのサッカー関係は日本に非常に影響を及ぼしている様に思われる。 2002年日韓共同開催のワールドカップでは Guus Hidink 率いる韓国代表がベスト4に進出し、その時にコーチを務めた Pim Verbeek が後に韓国代表の監督に就任し今はオーストラリア代表監督だ。そして2006年ワールドカップドイツ大会では Hiddink オーストラリア代表監督に就任し、ワールドカップ前に韓国協会が Hiddink が日本を破る為の協力は惜しまないと韓国のマスコミで報道された事は忘れられない。

しかし、70年代はオーストラリアと韓国がワールドカップ出場権を巡って何度も対戦している。 1969年10月ソウルで開催されたメキシコワールドカップ1次予選。この時は日本、韓国、オーストラリアが総当たりで2回ずつ戦った。1974年西ドイツ大会へのアジア、オセアニア地区に与えられた唯一の出場権を掛けてのプレーオフ。 この2大会は共にオーストラリアに軍配が上がった。そして続くアルゼンチン大会のホームアンドアウェーで行われたアジア・オセアニア地区最終予選。ただ一つの出場権を獲得したのはイランで韓国は2位に終わったが5カ国中4位に終わったオーストラリアにはホームで引分けアウェーで敗れた。 70年代、日本が低迷していた時に両国がアジア・オセアニア地区から世界への挑戦権獲得を巡って死闘を演じていいたのだ。

この両国が親善試合とはいえ久々に対戦する事となった。9月1日発表されたメンバーは下記の通り。

GK Ante Covic ( IF Elfsborg Sweden )
     Mark Schwarzer ( Fulham FC England )
     Michael Petkovis ( Sivasspor Turkey )

DF Michael Beachamp ( Aalborg BK Denmark )
     Patrick Kisnorbo ( Leeds United England )
     Jade North ( 仁川 United 韓国)
     Matthew Spiranovic ( FC Nurnberg Germany )
     Rhys Williams ( Middlesbrough FC )
     Mark Milligan ( 上海申花 中国 )
     Shane Stefanutto ( North Queensland Fury Australia )

MF Mark Bresciano ( Palermo Italy ) 
     Nick Carle ( Crystal Palace England )
     Brett Holman ( AZ Alkmar Holland )
     Mile Jedinak ( Antalyaspor Kulubu Turkey )
     Dario Vidosic ( FC Nurnberg Germany )
     Jason Clina ( Gold Coast United Australia )
     Vincenzo Grella ( Blackburn Rovers England )

FW Scott McDonald ( Celtic Scotland )
     Nikita Rukavytsya ( FC Twente )

     Josh Kennedy ( 名古屋グランパスエイト )

赤字は8月12日のアイルランド戦に召集された選手。

20人中13人がアイルランド戦でも選ばれたメンバー。名古屋でもプレーする Kennedy, K-League に所属する North, 中国超級でプレーする Milligan そして A-League でプレーする Clina, Stefanutto らアジア地区でプレーする選手が選出された。
          

Harry Kewellは8月末日のリーグ戦 ( トルコ ) で30分プレーしゴールも上げたが踝を痛めた為召集を見送られた。 そして足にやや不安のある Tim Cahill も韓国には来ない。
Jason Clina, Vincenzo Grella といったボランチが戻ってきた。

    

8月12日のアイルランド戦後でも Verbeek 監督は “ Tim Cahill, Mark Schwarzer, Vince Grella そして Bretto Emerton の4人以外は現在のところワールドカップメンバーの当確者はいない。” と語ったらしい。しかし Emerton は負傷治療中だけど…
この4名は Premiership でレギュラーポジションを獲得しており絶大なる信頼があると言う事か…?
またワールドカップ予選で何試合も主将を務めた Lucas Neil はまだ所属先が決まらないので招集は見送られた。しかし Neil の次の契約先に就いての視界は悪くないらしい。現在のところ Athletico Madrid と Sunderland からオファーを受けていると事。その中で Athletico が有力とみられているがそれはスペインの方が税制が優遇されているかららしい…これまで所属していたのは West Ham だったが英国では税金が50%も課税されるらしい。 Athletico はオランダ人DF Johnny Heitinga を Everton に放出したのでその穴埋めが必要らしい。8月末の Malaga 戦は 0-3 で完敗している。  Sunderland は Scotland 人の右サイドバック Alan Hutton を Tottenham から獲得し損ねたので Neil に白羽の矢が立っているらしい。

この韓国戦。これまで1トップを通してきた Verbeek 監督は McDonald と Kennedy の2トップを試すらしい。 “私のプランは Josh Kennedy と Scott McDonald の2人を起用した2トップシステムを採用するつもりだが普通の2トップとは少し異なる。これまでやって来たフォーメーションはあまり変えたくない。” 
Cahill に就いては “ Timmy は欧州で多くの試合をすることから足に不安を抱えている。これまでの故障とは内容が異なるが今は England に残る方が得策と考える。 まだ他に試したい選手もいるので。そして彼はこれから長いシーズンが待っている。 “ 
Lucas Neil に就いては “彼に就いては心配していない。もし来年4月、5月にプレーしていないのなら心配もするが。アイルランド戦ではプレーしなかったが今は次の所属先にフィットする事を優先させた。

” Kewell は8月26日、所属先の Galatasaray がKayserispor を 4-1 で降した試合に出場したが “彼は踝を激しく蹴られている。金曜日に治療先で見たが状態は良いとは言えない。翌々週の試合でプレー出来る事を祈っている。”

    

また2007年の Asian Cup で代表監督を務めていた韓国代表に就いては “良いチームを選出している。 彼らはホームでは絶対にオーストラリアには負けたくは無いだろう。それだけに面白いゲームになりそうだ。” 
しかしこの韓国戦は勝負よりもテストの意味合いが多く含まれているだろう。アイルランド戦後にこう言うコメントを残している。
“私はこの試合に勝ちたいし、選手達も負けたくはないだろうしかしこのアイルランド戦の様にまず選手達のパフォーマンスに満足している。 そして新しい選手を見る事が出来彼らも私に翌月の試合(韓国戦)に向けて可能性を見せてくれた。これほどコーチの仕事を楽にしてくれることは無い。” 日本は Twente でオランダ代表と歴史的な親善試合を行う。 

私もこの韓国対オーストラリア戦もどこかで観たいなぁ……


Socceroos アウェーでThe Boys in Green に完勝

2009-08-30 | Aussie & Kiwi
12. August 2009 Ireland 0-3 Australia アジア地区のワールドカップ予選が終わって(まだプレーオフが残っていたか….) 約2か月。アジア各地域でワールドカップ予選を追いかけまわしていた私としては本大会までゆっくりと他の地域の予選を高みの見物と言ったところ。 90年代中旬まで考えられないこの雰囲気。しかし既に予選を突破した国々では既に本大会に向けての強化は始まっている。(当り前か..)
日本と激戦を交えたオーストラリア代表 Socceroos は8月12日、Thomond Park に乗り込み Ireland 代表を 3-0で破り“アジア王者”の存在を緑色のレプリカを着た地元サポーター達に見せつけた。

立ち上がり主導権を握ったのはホームチームだったが…

Socceroos のスタメンはGK Shcwarzer , DF Jade North, Rhys Williams, FW Tim Cahill らが6月の日本戦のスタメンでも名を連ねた選手。そして途中出場だった Scott McDonald もスタメンに。更に日本戦で出場しなかった Harry Kewell もスタメン入りした。 またワールドカップ予選でレギュラーであった Luke Wilkshire, Mark Bresciano もスタメンに。主将を務めてきた Lucas Neil はまだ新たな契約先が決まっていない為にメンバーから外れた。
一方翌月6日にワールドカップ予選の Cyprus 戦を迎える Ireland は6月に Sofia で行われたワールドカップ予選の Bulgaria 戦のスタメンから Keith Andrews, Stephen Hunt 以外のメンバーがスタメンに名を連ねた。日本でも御馴染みの Robbie Kean, Damian Duff, John O’shea らもスタメンだ。そしてイタリア人の Giovanni Trapattoni 監督。シーズン開幕前の選手達のコンディションを見極めたいとか…
それは Socceroos の Pim Verbeek 監督も同じだろう。 

             GK 1 Shay Given
  
     2 O'shea    4 St.Ledger 5 Dunne     3 Kibane  

                 8. Gibson        6 Whelan

   7 McGeady                                                11 Duff

            9 Doyle     10 Keane 

                
                                    4 Cahill
                                                  7 McDonald 
   
                23 Bresiano                                10 Kewell

                           6 Jedinak            8 Wilkshire

        3 Carney      12 Kisnorbo        5 North     20 Williams  

                                 GK 1 Mark Schwarzer


Thomond Park で開催された初めての国際Aマッチとなった記念すべきこの試合は開始9分 Harry Kewellの30ヤードからのミドルシュートで幕が開く。このショットは GK Shay Given が横っ飛びで防ぐが、以降地元 Ireland が攻め込む。 13分、 Glenn Whelanからボールを受けた John O’sheaが更に Aiden McGeadyに送って左サイドを突破して行き, Kevin Kilbane とのパス交換から抜け出した McGready が入れたクロスを Robbie Keane がヘッドで狙うが僅かにクロスバーを越える。 
McGread と Keane は度々 Australia ゴールに迫るが Jade North, Mile Jedinak らがタフな守備を続ける。しかし 20分にはMcGeady が左サイドを突破し Duff に素晴らしいクロスを入れるが放たれたショットはDFに当たりコーナーに。21分、今度は Australia が Bresiano のCKから Kisnorbo がヘッドを放つが GK Given が弾いて McDonald が詰めるがその前にボールを抑える。 23分には再び McGread からボールを受けた Keane がDF二人を振り切りシュートに持ち込む。ここは GK Schwarzer が Keane の足もとに飛び込むファインセーブでクリアー。32分には Darron Gibson が中央をドリブル突破でゴール前に迫る。最後は右サイドの Kevin Doyle に送るが反対側にいた Keane はノーマークであった。
38分に先制ゴールを挙げたのは劣勢だったAustralia 。 38分にDoyle の右からのクロスを North がヘッドでカットし Cahill に繋ぐ。そしてペナルティーエリア右隅に走り込んだ McDonalod に送り、そこから中に走り込んだ Cahill に折り返すと左足から放たれたショットはファーサイドのコーナーの下隅に吸い込まれて行った。 
更に前半ロスタイムにAustralia は追加点を挙げる。 フルバックの Williams が Ireland の右サイド奥深くに侵入しクロスを入れると見せかけマークに入った Kilbane をかわし St.Ledger を引き付けて左足から放ったショットは Given の素晴らしい反応が防がれたがリバウンドが Cahill の前にこぼれ約10ヤードからの位置から撃たれたシュートはそのままゴールネットを揺らした。前半終了前に7分間で連続ゴールを挙げた Tim Cahill の存在は本当に羨ましい限り。日本戦に続いて2試合連続2得点..
またシュートを放った Rhys Williams は6月の日本戦で代表デビューを飾った選手。 
                         
徐々に調子が出てきたが…
後半開始は選手を二人入れ替えた Ireland が攻勢に出る。( Australia は3人入れ替えた) そして52分には更に二人の選手が入れ替わり、そのうちの一人中盤に入った Keith Andrews が素晴らしい game make を披露する。60分にはPA内に走り込んで Whelan からのボールを受けた Keane のヒールパスを受けた Stephan Hunt が撃った22ヤードからのシュートはゴールを外してしまう。 終了直前にも Keith Andrew は絶妙のクロスを入れるが St.Ledger の6ヤードの位置からのヘッドは Schwarzer が好セーブ。そしてロスタイムに入りかつて Sydney FC のメンバーとして来日経験のある David Carney が放った30ヤードからのミドルは交替出場のGK Keiren Westwood を破りとどめの3ゴール目が Ireland ゴールに突き刺さった。
後半は攻撃に転じる時間が長かった Ireland であったが最後はフィジカルに定評のある Socceroos DF陣を崩し切れず、決定的なショットは Schwarzer に防がれたとの事であった。 
                                 
キプロスとのワールドカップ予選に向けてワールドカップ予選欧州第8組に属する Ireland は首位イタリアに勝点1差そして3位ブルガリアには勝点5の差をつけて2位にいるが試合数はイタリア、ブルガリアよりの1試合多い7試合消化している。残りは3試合。次の試合は9月6日、アウェーでの Cypress 戦。 この試合に勝つと2位以内がやや見えて来る。そして10月10日には地元 Dublin に世界王者のイタリアを迎え大一番に臨む。
現在 Ireland 代表を率いるのは70歳のイタリア人 Giovanni Trapattoni 監督。
この試合後、
“我々には厳しいレッスンだった。 選手たちには少し失望している。 オーストラリアは勝利に値するチーム。彼らは我々より出来が良かった。 我々も後半は調子が上がってきて何度かチャンスを掴んだが得点を挙げられなかった。 そのうちの一つでも決まっていれば良かったのだが。 我々の何人かは試合前迄の練習を見て国際試合レベルでは90分戦えるコンディションに無い事は解っていた。 試合前にオーストラリアはフィジカルに優れたチームでメンタル的にも強いものを持っている。キプロスとは異なった相手であるが強敵ではある。 オーストラリアとは違ったやり方で相対せねばならない。 試合後選手達はややショックを受けていたので勇気付ける言葉を送った。 30年後にはこう言う試合から何を予想できるかを知っている。 キプロスはまた違う相手だ。”  以上の様なコメントを残した。
そして Robbie Keane , Aiden McGeady のコンディションの良さを称賛していた。

                   
一方 Pim Verbbek 監督は “我々はレギュラークラスのDF選手を送ったが Robbie Keane には何度も悩まされた。ただ守備陣は良く守り、そして先制ゴールを奪えた。若い選手がいいパフォーマンスを披露してくれた。” 満足なコメントを残した。 
北京五輪組では David Carney, Jade North だけでなく Nikita Rukavytsya, Matt Spiranoivc らも起用できた事も大きかったと思う。
更にボランチの Grella, Culina の2人、CB の Lukas Neil がいなくて無失点。 欧州ベースの選手達が中心に構成されたメンバーでシーズン前にも関わらず Ireland に完勝出来た事は来年に向けて視界は良好と言ったところだろう。その上名古屋グランパスで好調の Josh Kennedy まで出ていないのに…… 
                   
9月5日 Socceroos はソウルに乗り込み韓国代表と代表Aマッチ戦を行う。ここで“アジア王者”の称号をかけた戦いとするらしい。  日本は大丈夫か…

アイルランド戦のメンバーは下記の通り。
Republic of Ireland
GK Shay Given ( Manchester City ); John O'Shea (Manchester United), Richard Dunne (Manchester City), Sean St. Ledger (Preston North End), Kevin Kilbane (Wigan Athletic); Damien Duff (Fulham ), Glenn Whelan (Stoke City), Darron Gibson (Manchester United), Aiden McGeady (Celtic); Robbie Keane (Tottenham Hotspur), Kevin Doyle (Wolverhampton Wanderers).
Substitutes: Caleb Folan (Hull City) for Doyle and Stephen Hunt (Reading) for Duff at half-time;
Keith Andrews (Blackburn Rovers) for Gibson (63)
Eddie Nolan (Preston North End) for Kilbane 63 Keiren Westwood (Coventry City) for Given 68.

Australia:
GK Mark Schwarzer ( Fulham ) ; Rhys Williams ( Middlesbrough ) , Jade North ( 仁川 United ) , Patrick Kisnorbo ( Leeds United ) , David Carney ( FC Twente ) Mark Bresciano ( Palermo ) , Luke Wilkshire ( Dynamo Kiev ) , Mile Jedinak ( Antalyaspor ) , Tim Cahill ( Everton ) , Harry Kewell ( Galatasaray ) ; Scott McDonald ( Celtic )
Substitutes: Brett Holman ( AZ Alkmar ) for McDonald, Adrian Madaschi ( Portosummaga ) for Kisnorbo and Nikita Rukavytsya ( FC Twente ) for Kewell at half-time,
Matt Spiranovic ( FC Nuremberg ) for North 72.

Referee: Mr. Alfonso Perez Burrul (Spain). 

     

Waitakere, Adelaide ガンバへの挑戦権を競って…..

2008-12-16 | Aussie & Kiwi

12月11日、国立競技場で行われたFIFA Club World Cup 2008 の開幕戦。対戦カードは オセアニア地区代表ニュージーランドの Waitakere United vs ACL 準優勝のオーストラリア A-League の Adelaide United 。 ACL の準決勝戦が終わって以来、この試合を私は楽しみに待っていた。ニュージーランドにオーストラリア。共に商用でよく訪れる国だ。そしてその度に現地のサッカー事情に出来るだけ触れようとして来た。試合日が近づくにつれてわくわくして来た。専門誌を見ても“サッカージャーナリスト”と自負する輩達からは両チームの情報は伝わってこない。たまに漏れて来るものは全く的を得ていなかった。それがこの試合に“臨む”私を余計に嬉しくさせてくれた…..

国立競技場はJSL時代を彷彿させる空席の数。そんななか試合開始15分程度前に突然照明が落ちて FIFA Club World Cup の開幕セレモニーが始まった。“世界大会”のセレモニーにしては地味な感じがしたが….. この日の東京地方は前日に引き続き最高気温が18度程度にあがる“暖冬”。キックオフの午後7時45分頃になっても屋外にいながらあまり寒さは感じなかった。どちらかと言えば観戦し易い気候だった。

  

2年連続出場のWaitakere United は11月に開幕した New Zealand Football Championship では2勝1分で8チーム中2位につけている。来日前には中国に遠征し12月6日に地元浙江Greentown に Allan Pearce, Roy Krishna, Jeff Campbell のゴールで3-1 で勝ち翌日、当地からバスで3時間半揺られて上海空港に到着。空路日本にやって来た。

一方 ACLで鹿島、ガンバと対戦した事で日本でも馴染みが深くなって来たA-League の Adelaide United 。8月に開幕した今シーズンのA-League では現在首位を行く。12月5日にはアウェーでそれまで3連勝中だった Wellington Phoenix を 6-1 と粉砕して日本に乗り込んで来た。対戦相手の Waitakere United は11月15日に このWellington Phoenix に 0-7 で大敗してしまっている。それを見てもこの両者間の力の差が少なからず測り知れる。

Waitakere のスタメンは GK が188cm の Richard Gillesie 。CBは188cmの England 人でコーチ兼任の Neil Emblen と183cm の Jonathan Perry 。左サイドバックは England 人の Neil Sykes 。右サイドは Jason Rowly. Rowly 以外は昨年に引き続いてのスタメンで Sykes と Gillesie は2006年は Auckland City FC のメンバーとして岩元輝夫と共に来日。 Rowly は昨年ベンチにいて出番がなかっただけにうれしいスタメン出場だ。ボランチには 左が185cm の Jake Butler と右が 182cm の Christphere Bale 。Bale は昨年に続いてのスタメン。MFは左がウェールズ人の Paul Seaman 右に ニュージーランド代表の Allan Pearce 。そして FW がクロアチア人の Daniel Koprivicic と フィジーの Roy Krishana 。 Koprivicic は昨年はロスタイムから投入された。この試合では Krishana が1トップ気味で Koprivicic は少し下がり目。そしてMFはどちらか一人が常に下がり気味でDFラインの前にさらにもう一つDFラインがあるという感じであった。浙江Greentown 戦でスタメンだったニュージーランド北京五輪メンバーの Aaron Scott と 日系人選手ケイン高木こと Kayne Vincent はベンチスタートで、ソロモン諸島の英雄 Benjamin Totori そして北京五輪メンバーの Daniel Ellensohn もベンチスタート。 Totori は浙江Greentown戦も59分からの投入だった。最初は守って時期をみて攻撃的選手を...何とかニュージーランドのチームに1勝を...と目論む Christopher Milicich 監督のゲームプランが良く解かる布陣だ。ただ重鎮 Danny Hay はついに怪我が完治せずベンチに入れなかった。浙江Greentownでもプレーをしなかったがこの試合には出てこれるかと期待していたが……..

一方の Adelaide United は GK 186cm の Euginen Galekovic , CBは 197cm の Robert Cornthwaite と 183cm の Angelo Constanzo。 左サイドバックは Scott Jamieson 右サイドはオーストラリア U-19 代表の Daniel Mullen 。ボランチ的なポジションには右が Farbian Barbiero 左に Jason Spagnuolo 。 Spagnuolo は10月15日のワールドカップ予選カタール戦の代表合宿にも招集され来年のAsian Cup 予選ではメンバー入りするのではと期待される選手。ワントップにはブラジル人でFC Basel 所属時代には UEFA Cup出場経験もある Cristiano 。2列目には右に 主将の Travis Dodd 左に北京五輪メンバーの Kristian Sarkies。その後ろにゲームメーカーの Paul Reid がひかえる。 左サイドの Cassio, CB のSasa Ognenovski そして 攻撃的 MF の Diego が病気で欠場。その病だがインフルエンザだと思っていたのだがオーストラリア紙によるとそれは“ヴィールス性”のものらしく同じ病気でかつての Socceroos でワールドカップ予選にも出場した Paul Agostino が来日前に同じ病で来日出来なかった事からオーストラリアで流行していたインフルエンザかもしれない。私も2度貰った事がある……  Paul Agostino の欠場は残念だった。
Adelaide United に就いては日本のマスコミ、専門家は判で押した様にフィジカルと体格ばかり強調するがこのチームは“オーストラリアらしくない”ショートパスを繋いだりロングパスでサイドチェンジを行ったりするチーム。9月にアデレードで行われたACL準々決勝の鹿島戦はロング、ショートパスを繋ぐ戦術でスコアーこそ 1-0 だったが決定機の数も多く演出し後にJリーグ王者となった鹿島を圧倒した。 

  

試合は開始から自力に勝る Adelaide が押しまくる展開。 Waitakere は昨年立ち上がり5分で2失点したせいか7人から8人でラインを引いて守備をするのでAdelaide の中盤、右から Spagnuolo, 左から Barbiero が、両サイドバックの Jamieson, Mullen も高い位置にポジションをとれる。そして最前線ではCristiano を真ん中に右に Dadd, 左に Sarkies とほぼ3トップの様な形で前線からプレスを掛ける。
それでも Waitakere は CB のEmblen と Perry が体格を使ってしっかりとAdelaide 攻撃陣を抑え、シュートが枠に飛んでも GK Gillesie が素晴らしい反応を披露する。11分44秒と18分25秒には共に Jamieson のミドルシュートをファインセーブで凌いだ。そして周りの観客達は Gillesie のファインセーブを楽しみにする様な雰囲気になる。それに応えて? Adelaide は攻撃の手を緩めない。26分40秒にはFKのチャンスから Barbiero が上げたクロスに Cristiano がフリーでヘッドを放つがこれはクロスバーを越えて行った。 

Waitakere はラインコントロールが遅いのでオフサイドを取れない。そして攻撃に転じても最前線とは完全に分断されるので全くに Krishna と Koprivicic のドリブル頼り。DF陣はなるべく1対1の状態を避け、タッチライン、ゴールラインにボールを出そうとする。開始後しばらくは緊張からかわざわざ蹴りだして相手ボールにしてしまうシーンも何度かありCKを献上する事も。最も Waitakere はオフサイドを取る気などさっぱり無いのかも知れない。最終ラインを引いて人を集めて泥臭く相手攻撃に対抗する、古典的なそのやりかたにむしろ新鮮味を感じる。
その Waitakere が先制ゴールを挙げるのだからサッカーは解からない。32分35秒 Krishna が右サイドで倒されて得たFKをPearce がゴール前に蹴り込む。そこに Seaman が飛び込み Adelaide GK の Galekovic と競り合う。 Galekovic は一旦はボールを掴むがファンブルをして落球するとそのこぼれた所を Seaman が体を反転させ Reid がマークに入り前に Adelaide ゴールに蹴り込んだ。 このプレー、キーパーチャージか?とも思ったがアルジェリア人の Benouza主審はセンターサークルを指しゴールインを認めた。 Adelaide の選手達もまったく抗議はしなかった。
ニュージーランドのチームが自ら挙げた歴史的なゴールであった。 そしてこれでゲームが俄然面白くなると確信した。先制ゴールを許した Adelaide は Dodd を最前線に上げ Cristiano と2トップを Sarkies が左に Barbiero が右に開き Reid がやや下がり Spagnuolo と共に中に入り押し上げる。失点直後には連続でCKのチャンスを掴むなど更に総攻撃をかける。Waitakere としても少しでも長くリードは保ちたい、見ているこちらもその方が試合が面白い….と考えていた38分5秒、CKをファーサイドでフリーで待ち構えていた Mullen が見事なヘッドでねじ込み Adelaide が同点に追い付いた。

  


これまで右からのCKは Jamieson が蹴っていたのだがここは Reid が蹴りファーサイドに上げたのが良かった。そしてこのCKはゴールライン付近でボールを取り合いしていた Mullen が相手の Perry の足に上手く当ててゴールに出して取ったもの。このあたりはプロとアマチュアの差か?? 
追い付かれた Waitakere は42分56秒、 Sykes が Dodd に倒されて得たFKを今度は左から Pearce がゴール前に入れるとまたも Seaman が飛び込むが肩に当たったボールはゴール枠を捉えられなかった。終了直前に Adelaide は波状攻撃を見せたが最後の Cornthwaite のシュートは Gillesie がファインセーブでストップ。大歓声が上がりその余韻が残るなか前半が終わった。ベンチに引き揚げる GK Gillesie の背中に拍手が送られた。

  

ハーフタイム中に後半も Adelaide が一方的に攻めるだろうと見込んで座席を反対側に移す事にした。国立競技場の通路には陸上競技用のタータンが敷かれている。学生時代にインカレに出場した時はこの通路を走ってアップをしたけど今でもそうなのかなぁ….  客席への入口では係員が丹念にチケットのチェックをしている最安価のカテゴリー4でも全席指定だけど入口でチケットを見せて“カテゴリー4だから良いでしょ?”と半ば強引に頼むと係りの女の子は素直に“どうぞ”と言ってくれた。 やっぱり女の子は素直が一番??
こちら “ Adelaide “ 側はオーストラリアからやって来たという熱心なサポーターと話が出来た。日本にはあと2週間滞在する予定とか。あと3か月早ければ為替が 40% 近く良かったのに….てな話や A-League の話を10分程度だけどできた事は嬉しかった。


後半は両軍ともにメンバーチェンジは無かった。Waitakere は自信を持ったのか開始5分で3度ほど相手ゴール付近まで攻め込む。49分15秒には Koprivicic のドリブル突破から送られたスルーパスに Krishna が走り込むがGK Galekovic がキャッチ。観客席から歓声が上がる。2列目から2トップに縦パスが連続して通った。しかし総じてゴール前に攻めん込んでくるのは Adelaide 。53分にはゴールまで細かいパスが通る。Spagnuolo から Sarkies , Cristiano と繋がり一旦は Emblen がクリアーするも Seaman に当たって Barbiero の前に転がりそのまま放たれたショットはまたも Gillesie がストップ。ゴールがなかなか決まらない Adelaide ベンチは 57分Spagnuolo を下げてブラジル人の Alemao を投入し2列目の左サイドに据える。59分44秒にはゴール正面で得たFKを Sarkies が直接狙うがクロスバーをわずかに越えた。

  

劣勢の Waitakere は66分59秒に Koprivcic を下げてケイン高木こと Kayne Vincent を投入し前線の運動量を強化する。 そのVincent は投入された直後に Jamieson に激しいタックルを入れチームに活を入れる。 
すると Adelaide ベンチは70分 Sarkies を下げて 186 cm の Robert Younis を入れて2列目右に。Younis は登場直後に Alemao のスルーパスから抜け出し Emblen をかわしてシュートを放ちCKを得る。そのCKから Mullen がヘッドを放つが惜しくもゴール枠を外す。その直後、Waitakere はこの試合両軍通じてベストといって良いほど素晴らしい攻撃を披露する。 Krishna がドリブルで前線に上がり右の Seamanにボールを出すがSeaman はこのボールをスルー。流れたボールに Pearce が走り込むが後ろから Jamieson がタックルを入れボールはゴールラインを割る。後ろからのチャージなのでPK かと思われたが Benouza主審はCKを与えただけであった。後にリプレーを見ると Jamieson の足はしっかりとボールを捉えていた。しかしこのプレーで Pearce は足を痛め Primenta との交替を余儀なくされ75分にベンチに下がった。無念そうな表情が映し出されると少し気の毒に思った。
Waitakere は時間を追って運動量が落ちて相手をファールで止めざるを得なくなりFKを与えるシーンが続く様になる。このスタミナの持続こそプロとアマの差だったのだろう。 そのFKが Adelaide に逆転ゴールをもたらす。82分8秒 ゴール正面やや左でFK を貰うと Reid の入れたFKに Tavias Dodd が頭でコースを変えるとボールはそのまま Waitakere ゴールに飛び込んだ。

  

ファインセーブを連発していた GK Gillesie もこの弾道は防げなかった。
スクリーンには Vidmar 監督の安心した表情が映しだされる。本来ならもっとリードすべき相手だったか…….

しかし時間はまだ10分程度残っていた。逆転を喫した直後の 83分52 秒についにソロモン諸島の英雄 Benjamin Totori が Seaman に替って投入された。できればリードされる前に投入して欲しかったが…… これでトップは左が Totori, 右が Krishna の2トップに。更に左サイドから Koprivicic 右サイドに Vincent が張る。89分17秒にはKrishna のドリブルシュートが GK Galekovic にセーブされる。ロスタイムは3分と表示され92分15秒には Krishna がドリブルで右サイドから切れ込み Jamieson がマークに入る前にセンタリングを入れる。そこに Vincent が飛び込むが寸でのところでConstanzo がカバーにはいる。ボールはゴールラインを割りBenouza主審はコーナーを指す。最後の Waitakere のチャンスに場内からは歓声が上がる。エリア内にはフィールド選手が殆ど全て入って来る。しかしゴール前に入れられたCKに合わせた Totori のヘッドは大きく枠を外れた。頭を抱える Totori 。真後ろにいた Emblen に撃たせた方が良かったか……..

  

そして試合終了のホイッスルが鳴った。 何人かの白色ユニフォームの Waitakere の選手達が座り込んでしまった。 
主力選手3人を欠く Adelaide に勝てるチャンスはあったと思ったのだろう。それだけに Danny Hay の欠場は痛かったか………

勝った Adelaide United はガンバとManchester United への挑戦権を巡って三度対決する事に。敗れた Waitakere は帰国の途に就くのだろうがピッチを去る選手達に場内から温かい拍手が送られる。私も精一杯の拍手を送った。

 

サッカーは世界中にある。今のサッカージャーナリスト、ライターと称する人達の殆どは単なる“欧州フォロアー”に過ぎない。しかし日本はアジア、オセアニアを勝ち抜いて初めて欧州勢に挑戦できるのだ。次に New Zealand に行った時は Waitakere の試合を観戦してみようかな…… そんな事を帰途に着く道中考えていた。 

そして Adelaideの次のゲームも楽しみでしかたがなかった。 翌日ある専門紙に掲載されたこの試合の論評を読んだ。 Adelaide United はガンバの敵にあらずと言った内容だ。しかしこの試合の Adelaide のメンバーにはレギュラー3選手が含まれていない。私は ACLの試合の様には簡単にいかないと思った。 

   

 


お疲れ Adelaide United Sydney に完敗…… 鹿島戦を前に

2008-09-26 | Aussie & Kiwi

お疲れ Adelaide United Sydney に完敗……
Hyndai A-League 2008-09 Round 5, 4年目を迎えた Hyndai A-League 。 Expansion は来シーズンまでお預け。今シーズンも8チームで覇が競われる。今回の出張はうまくスケジュールを組まめなかったので A-League の試合はSydney Aussie Stadium で行われた Sydney FC vs Adelide United の試合だけだった……….

南半球はまだ春の始め。Sydney 入りする前日まで滞在した Perth では冷たい雨が降ったりで長袖のジャケット無しでは過ごせなかった。それが Sydney入りするや(と言ってもフライトが3時間遅れたけど)夜になっても半袖で充分に過せるほど。現地の顧客に訊くと“2~3日前までは天気も悪くこんなに暑くはなかったですよ…..” と言われた。いつも”お前が来るまではいい天気だったのに…..” と言われる事が多かったのだけど……. そんな“小春日和”の Sydney キックオフの午後五時は本当に絶好の観戦日和となっていた………..

1週間前アウェーの Newcastle United 戦と対戦したSydney FC . 最近はインターネットと言う利器があるので日本にいてもこの試合は観戦出来た。昨年度A-League王者相手に枠内シュートがたった1本。それでも何とか0-0 で引き分け、前節を終わって2勝2分。首位でライバルの Melbourne Victory に勝点差2で2位に付けていた。開幕4試合まだ負け無し。開幕第5戦目でようやく初白星を挙げられた昨シーズンとは対照的な開幕ダッシュを見せているだけに地元サポーター達の期待も試合ごとに高くなる。
この日のスタメンは GK Clint Bolton , 昨年のACL浦和レッズ戦では痛恨のキャッチミスを犯したがその後もこのチームの守護神だ。左サイドバックは Robert Middleby 33 歳のベテランディフェンダー。右サイドバックは今シーズンから加入の Shanon Cole. 本来は左のMFの選手らしい。 CB は Iain Fyfe と Tony Popovich 。Fyfe は1999年 N.Z. で開催された FIFA U-17 に出場 Popovich はかつてサンフレッチェ広島そして Crystal Palace でもプレーし代表歴58試合のキャリアーを誇る。ワールドカップではブラジル戦に先発出場した。Middleby も代表歴がある。デフィエンシブ MFは北京五輪3試合フル出場の Stuart Musialik と A-League デビューシーズンから Sydney FC でレギュラーを張る Terry McFlynn。 Offensive Midlfielder は右に Steve Corica. かつてサンフレッチェでもプレーしたベテラン。五輪2回(バルセロナ、アテネ) U-17, U-20, 2001年のFIFA Confederations Cup の豪雨の中の日本戦でもプレーした経験があり、ワールドカップ出場経験だけが無いが文字通り Sydney FC の重鎮。 右のMFは昨年 Grand Final で決勝ゴールを決め Newcastle Jets を優勝に導いた Mark Bridge 北京五輪では交替出場も含めて3試合すべてに出場。 FW は Alex Brosque と Jhon Aloisi 。 Brosque 2003 年の FIFA U-20, 翌年のアテネ五輪のメンバー。そして Aloisi はご存知の方も多い、ワールドカップとアジアカップの日本戦でゴールを決めた選手だ。前節の Jets 戦と同じメンバーだった。

一方三日前に鹿島アントラーズと対戦したAdelaide United 。前節は Melbourne Victory に 0-1 で敗れ開幕初黒星を喫したがこの Sydney 戦に勝てば2位以上に浮上するチャンスだった。しかしメンバーを見て Adelaide サポーター達は少しがっかりしたのではないか?と言うよりもこの日のアウェー側のスタンドには数人程度の赤いユニフォームを着た人達しかいなかったけど…….
スタメンを見ると GK Ergene Galekovich, CB Sasa Ognenovski そして MF の象牙海岸人選手Jonas Salley の3人だけが鹿島戦のスタメン出場をした選手でMF Kristian Sarkies と FW Cristiano は途中出場をした選手。あとは鹿島戦に出場しなかった選手でレギュラーを4日後の Adelide での鹿島戦の 2nd Leg に温存したと思われる。 GK Galenkovic はアテネ五輪4試合にフル出場した選手だったが昨シーズンまで所属した Melbourne Victory では Michael Theoklitos の影に隠れて出場機会に恵まれなかった。新天地 Adelaide では開幕からゴールを守っている。 CB の Ognenovski は昨シーズンまで3シーズン所属した Queensland Roar から移籍してきた選手。Roar ではレギュラー選手だった。もう一人の CB Michael Valkanis はA-League のデビューシーズンから Adelaide United でプレーするが1年目24試合、2年目23試合とレギュラーであったが昨シーズンは3試合しか出場機会が無かった。怪我でもしたのか?そして今シーズンはこの Sydney FC 戦が初スタメン。左サイドバックはブラジル人選手の Cassio 昨シーズンは17試合に出場したが今季はこの試合が初スタメン。右サイドバックは19歳の Daniel Mullen 彼もこの試合が初スタメンだった。 MF は左から Jason Spagnuolo, 真中にJonas Salley 右にブラジル人の Alemon 。 Spagnuolo は 2006-07 の Adelaide United の Players of the yearを受賞するも翌年は怪我のせいか?スタメン出場8試合を含む12試合の出場に終わった。今季は3回目のスタメン出場だ。 Salley はかつて New Zealand Knights の所属し、今季から Adelaide に入団の象牙海岸人選手。 今季からAdelaide に加入のAlemon はクルゼイロ時代 Copa Libertadores にも出場した経歴がある。開幕からスタメンで起用されたが第3節の Wellington Phoenix では後半にベンチに下がり次の Melbourne Victory 戦はベンチ入り出来なかった。本来は右サイドバックの選手だが。 1トップの Cristiano は Eredivisie の NAC, Roda JC Willem Ⅱ そしてスイスのFC Basel でもプレー。中田浩二とは被ったのかな?その後ろにKristian Sarkies と Paul Reid の二人の攻撃的MFが配置された。Reide は2000年 NSLの Grand Final Champion Wollongong Wolves でプレーした事もある。その時は Chipperfield もいた。その後 England に渡り今季から Adelide United に入団。 Sarkies は2005年FIFA U-20 大会のメンバー。日本戦にも出場した。北京五輪ではセルビア戦、アルゼンチン戦では途中出場だったが最後の象牙海岸戦はスタメンでフル出場を果たした。

キックオフ直後、この日の線審の一人は女性と気が付いた。ならばラインズウーマンと言うべきか….と思っていた1分45秒、ゴール前で McFlynn にボールが渡りそのまま放たれたミドルシュートが Galenkovich の守るゴールネットに突き刺さりあっさりと Sydney FC が先制点を挙げた。 McFlynn のシュートは見事だったがシュートレンジに入られたのにマークがちょっと甘かったなぁ…  
  
  

その後も地元の大歓声を受けて Sydney の選手達が Adelaide ゴールに迫る。特に右サイドバックの Cole の上がりが良く、 Steve Corica が効果的にボールを配給するので対峙する Spagnuolo  Reid が上がれない。そして1トップの Cristiano と2列目の Reid, Sarkies の間が分断されてしまい前のボールが繋がらない。12分には McFlynn のスルーパスが Aloisi に通るがシュートは GK Galenkovich が足で何とかクリアー。16分にはスルーパスが攻撃参加した左サイドバックの Middleby に渡りクロスが上がるが走り込んだ Corica にわずかに合わなかった。20分を過ぎたあたりから Adelaide は Spagnuoloをトップにあげ Cristiano と2トップに。そして2列目に左からReide、Sarkies Alemao を並べた。これで少しは前線でボールが回る様になった。23分にはカウンターから Cristiano がドリブルで持ち込み右サイドを上がった Alemon に送り、中に走り込んだ Reid にクロスが送られるがその前に Fyfe にクリアーされてしまった。 Adelaide は Cristiano のボールキープが頼りだがすぐにかこまれてしまう。

  
34分には Middleby のロングフィードがBrosuque に渡ると Casino と Ognenovski をかわして最後は GK の Galenkovich もかわして放ったシュートが Adelide ゴールに突き刺さり追加点が生まれた。 Brosque のボールさばきもうまかったが Ognerovski まで簡単にかわされるとは…….

  


これでこの試合の興味は半減してしまった。なんとか前半のうちに1点でも返してくれればなぁ…. と思っていると Cristiano がドリブルで中央突破をそして Popovich をかわして GK Bolton と1対1になり Bolton の出鼻に放ったショットは完全にゴールの中に吸い込まれるはずであったが………ポストに当たってしまいゴールインならなかった。ポストに当てる方が難しいと思うのだけど……その直後もCristiano から Sarkies に渡り攻撃参加した Cassio に送られシュートに持ち込んだがここは Popovich がブロックしコーナーに逃れた。このどちらかが、特に Cristiano のシュートが決まっていれば後半はもっと興味を持って観戦出来たと思ったのだが……

試合はちょっと Adelaide が挽回出来そうにない展開となって来たので COVEと呼ばれる Sydney FC のサポーター達が陣取るゴール裏に観戦場所を変えた。そしてそこには2007年のAFC の浦和戦以来親しくなった地元の人たちと再会を果たす事に。 今シーズンの開幕ダッシュ、そしてこの試合の展開に満足な様子。今年こそ Grand Final に再進出をと言っていた。 開始から COVE 側に攻め込む Sydney FC の攻勢が続きその度に大歓声が上がる。Sydney の応援と言うよりも最近の A-League の応援もヴァリエーションが増えて来た。Twist and Shout や That’s the Way のメロディーに乗ったものやらオリジナルのものまで、試合がリードしていることもあり退屈はしない。これが Adelaide 相手だからこの程度だけどもし Melbourne Victory との対戦ならものすごいブーイングの嵐だ、それにサポーターソングも“ Victory 用 “ がある。 “我々がお前たちを嫌いなのはただお前たちが Victoria から来たからだ….” という内容のものは上品な方で一緒に観戦したサポーターの人が言うには”とても教えられる気になれない。“と言う内容のものまであるらしい。 
Adelaide ベンチは54分に Spagnuolo を下げて左サイドバックの Scott Jamieson を入れて Cassio を中盤に上げた。 Cassio は本来ここのポジションの選手。 Jamieson は 2005 年のFIFA U-17 大会に出場した経歴がある。59分には CHF の Janas Salley を下げて FW のRobert Younis を入れた。 Younis は今季から Adelide United 入りした選手。今季は全試合に出場しているがスタメンは1回だけ。スーパーサブ的存在か?この交替で攻撃的な布陣にし、時折カウンターやロングボールを入れてゴール前に迫るが Sydney ディフェンス陣の前にシュートが撃てない、そして Steve Corica が守備でも絶妙のタイミングでカバーに入る。 “ Corica は良いなぁ攻撃でも守備でも….” と隣のサポーターに言うと正にその通りと言った表情で親指を立てる。 Sydney ベンチも70分に Mark Bridge を下げて FW の Brendan Santalab を投入し、77分には Aloisi を下げて Dez Giraldi を入れた。これらの交替は追加点狙いだろう。 Giraldi は 2006-07 シーズンは Adelaide に所属していた選手だった。

  

そして79分、その Santalab が中盤の位置から狙い澄ました様にロングシュートを放つと GK Galenkovich のセーブもはるかに及ばずゴールネットに突き刺さり試合を決定づける3点目が決まった。そのシュートはこちらに向かって飛んで来たまさにロケットの様な弾道であった。Santalab の見事なロングシュートだったが、ヴァイタルエリアからのシュートでは無かったとは言え完全に をフリーにしていた。 
大喜びのサポーター達。すると雨が降って来た…… と思ったら後方からサポーター達がビールがいっぱいに入ったプラスティックコップを後方からバンバン投げていたのだった。これは試合再開のキックオフになっても続いた。 83分に Adelaide ベンチは Ognenovski を下げて Robert Cornthwaite を投入したがこれはDF選手同士の入れ替え。 Ognenovski は 62分にイエローカードを受けており次の試合以降を考えての交替だろう。 Comthwaite は三日前の鹿島戦で痛恨のオウンゴールを決めてしまったCBだ。 
89分 COVE から更に大きな拍手が送られるシーンが Steve Corica がお役目御免と Matthew Jurman に替ってベンチに下がった。会場中からこのベテラン選手に拍手が送られる。彼もあと何シーズン A-League でプレーするのだろう? 
この週に発行された初めてのサッカー週刊誌 Weekly Soccer 創刊号の栄えある表紙は Steve Corica だった。  その後も2度ほど Sydney は決定的なチャンスを掴んだが追加点はならず、しかし試合終了のホイッスルが鳴った時は大歓声が沸き上がった。 ピッチの中央でインタビューを受けるのは Steve Corica 。この試合が NSL 時代を含めてオーストラリア国内のリーグ戦出場400試合目だったらしい。 数日前までこの事を本人は知らなかったとの事。欧州でプレーする選手の様に派手さは無いがいつまでも現役でいて欲しい選手の一人だ。

  


敗れた Adelaide の Vidmar 監督、試合前は何人かのメンバーを休ませるがそれでも充分に Sydney FC とは渡り合える自信があるとコメントしていたが…… この時点では Adelaide サポーター達は4日後の ACL 鹿島戦に就いてどんな予想をしえていたのだろう………..

そして試合後はいつもの通り地元のサポーター達と競技場近くのパブに行き FOX TV でこの後に行われた A-League の試合 Central Coast Marners vs Melbourne Victory の試合を見ながら、ビールを飲みながら多くを語った.......

    


Hyundai A-League 2008 開幕間近  Pre-Season Cup 決勝戦

2008-08-14 | Aussie & Kiwi
8月6日、6000人以上の集客を目標にした Pre Season Cup の決勝戦。Melbourne Victoryを迎えたここ Wellington Phoenix の本拠地 Westpac Stadium は9,028 人の観客が集まった。少なく見積もっても95%が地元 Phoenix の勝利を期待する人々で占められたと思われる。試合は Phoenix が押す展開が続く中、 A-League の中では強豪の部類にはいる Victory が劣勢の中にもしっかりと耐えて得点機をうかがう展開が続いたが勝負は90分ではつかずそのままPK戦に突入した。
PK戦では Victory の最初のKicker 、主将の Rodrigo Vargas が決めた後 Phoenix の最初の Kicker 、エースストライカーの Shane Smeltz が大きく外してしまう。以降両チーム2人ずつが決めた後、Victory 4人目の Nick Ward がボールをセットすると相手チームの中心選手に向かって観客席からはひときわ大きなブーイングが飛ぶ。そしてそのブーイングは Ward のPKが大きくバーを越えた瞬間に大歓声に変わる。以降 Victory が Carlos Hernadez, Sebastian Ryall, Danny Allsopp, Mathew Kemp と連続して決めれば、後から蹴る Phoenix も Daniel, Michael Ferrnante, John McKain, Richard Johnson らが決めて食い下がる。6人目のサドンデスからは先攻の Victory が決め続けて後から蹴る Phoenix にプレッシャーがかかるのがよくわかるがそれを地元の観衆が後押しをする。しかしながらVictory 9人目の Evan Berger が決めた後の Phoenix 9人目 Kart Dodd がゴール左隅に狙ったショットを GK Michael Theoklitos がコースを読んでいたか右に倒れこんでセーブ。この瞬間この試合の勝負が就き、熱心に大歓声を送っていた観客は一斉に出口に向かい出した。ニュージーランドサッカー史上でも屈指のタイトル奪取がならなかった Wellington Phoenix の選手達は少し肩を落とした。そして A-League 史上初めて Grand Final, Preliminary Final ( リーグ戦 ) そして Pre Season Cup の3冠タイトルを勝ち取った Melbourne Victory のメンバー達は静かにこのタイトルを喜んでいた。
試合内容はPK戦で敗れた Phoenix が良かった。彼らの方がタイトル奪取のモチベーションが高い様に見えた。そして地元観客も彼らを大いに後押しをした。しかし悲願は届かなかった。しかし約10日後に開幕する今シーズンの A-League に向けて大いに自信となったのではないだろうか………

昨シーズン破綻した New Zealand Knights に替ってニュージーランドからA-League 入りした Wellington Phoenix は8チーム中最下位に終わり Australia のチームとの差を感じさせられたように見えたが、7位の Perth Glory とは同じ勝点で得失点差で7位の座を譲った。6位 Adelaide United とは勝点差が6で5位 Melbourne Victory とは7勝点差。Knights が参戦した2シーズンは共にダントツの最下位であった事と比較すれば“大躍進”とも言えなくもない。 昨シーズン終了後 Four Four Two Australia 誌が選んだ Year of the Coach には元ニュージーランド代表でワールドカップ出場経験もある Phoenix の Ricki Harbert が選ばれたのも納得が出来る。 Harbert 氏はニュージーランド代表 All Whites の監督も務めワールドカップ予選では日本と対戦するかもしれない….. いやアジア予選で出場を決めることを祈るけど……. まさに New Zealand サッカーの将来を担っていると言える人物だ。

今年の A-League の Pre Season Cup は他のチームが契約未締結等で戦力の整備が進まないなか Phoenix は早くから戦力の整備に取り掛かっており、その成果がまずあらわれたと言えるだろう。
1次リーグでは昨シーズンの Grand Finalist , Central Coast Mariners を 1-0 で破り続く Queensland Roar 戦は0-0 と引き分けたが第三戦の Sydney FC との試合では 0-2 の劣勢から3連続得点を挙げ逆転勝利で激戦を制し決勝戦進出を決めた。 Pre Season Cup とはいえこのタイトルを勝ち取ればニュージーランドクラブサッカー史上久々の歴史的勝利となると現地のサッカーファンの間では話題になっていたらしい。 8月6日の決勝戦を前にこの Pre Season Cup にはローテーションシステムを採り選手のテストを図りながらも決勝進出を果たした Phoenix の Herbert 監督は GK Glen Moss そして Andrew Durante, オーストラリア人のJon McKain のCBコンビ, MF Michael Fernante とMF Leo Bertons , FW の Shane Smeltz の All Whites コンビ以外のスタメンは未定とマスコミ達を煙に巻いた。オーストラリア人のCBで主将の Jon McKain は“我々はタイトルに飢えている。”選手達はみな決勝戦でプレーをする事を望んでいる。新しいクラブでチームメイト達と喜びを分かち合うのが我々の目的。“とタイトル奪取に執念を燃やす。 McKain は2003年から5シーズン に渡ってFC National Bucuresiti 等 Romanian League でプレー。アテネ五輪では Olyroos のメンバーとして出場。翌2005年ドイツで開催された FIFA Confederations Cup にも3試合出場した経歴がある Brisbane 出身の選手。何故 Queensland Roar に行かなかったのだろう?
対戦相手の Melbourne Victory は北京五輪に Archie ThompsonとBilly Cleleskiが北京五輪で不在, Leigh Broxham、Daniel Vasilevski , Grant Brebner そして主将の Kevin Mascut らが怪我で離脱と中心選手の多くが不在。この試合に帯同した選手は結局15人のみ。それでも Ernie Merrick 監督は“選手層の厚さには自信がある”とコメント。 

街の中心街にあるホテルから Westpac Stadium までは徒歩10分。途中 Wellington Station の構内を通ってスタジアムに向かうがスタジアムの照明の明かりが近付けば近付くほど黄色のレプリカや黄色と黒のマフラーを付けたサポーター達がどんどん増えてくる。彼らとてサッカーを愛する人達。地元チームの勝利を願ってやまない、言ってみればダメ息子が突然試験で100点を取ろうかと言う心境だろう。

   

Victory のスタメン発表に続き、地元 Phoenix のスタメン発表がサポーター達の大歓声と共に始まる。この日の Phoenix のフォーメーションはGKが以前は破綻したNew Zealand Knights のゴールを守ったGlen Moss。DFラインは4バックで左サイドバックが昨シーズンまでオーストラリア Victoria Premier でプレーした Emmanuel Muscut, CB はJon McKain,とKart Dodd で Andrew Durante はベンチスタート。 Doddは188cm の長身選手で昨シーズンは Scotland Premier League の Falkirk でプレー。中村俊輔とも対戦したか?その前は右サイドバックが Ben Sigmund。今年7年振りに N.Z. 代表 All Whites に復帰した本来はCBの選手。2006年岩本輝雄と共に New Zealand City FC のメンバーんの一員として来日し FIFA Club World Cup に出場した。ボランチがMichael Ferrante と Richard Johnson。Fernante は昨シーズンまでこの日対戦した Melbourne Victory に所属し、昨シーズンは16試合にスタメン出場した中心選手だった。 Johnson はEngland の Watford で12シーズンプレーをし Premiership も1シーズン経験している。その他 Queens Pars Rangers を含め都合 England で14シーズン5チームを過ごした。 2列目の左サイドには昨シーズンまで Central Coast Mariners に所属し今年2月に行われた Grand Final にも出場を果たした Adam Kwansnik, 真中には 北京国安にも所属した Leilei Gao。右サイドに ニュージーランド代表の Leo Bertos そしてShane Smeltz のワントップ。攻撃時には Gao が前線にあがり Smeltz と2トップに。 補強の充実ぶりがよくうかがえるメンバーだ。

一方の Melbourne Victory はGK Michael Theoklitos, 左サイドバックが Evan Berger。Australia U-20 にも選ばれた20歳の選手だが本来は中盤の選手。 CB は Sebastian Ryall と Rodorigo Vargas, Ryall は一時五輪代表候補にも入った選手。Vargas は昨シーズン20試合スタメン出場を果たした中心選手。 右サイドバックには19歳の新鋭 Nathan Elasi。しかし Elasi は本来FWの選手。 ボランチには Jose Luis Lopez と Nick Ward。 Lopez は今季コスタリカからやって来た助っ人で 2001 年のFIFA U-20、アテネ五輪にコスタリカ代表として出場。そして2005年のFIFA Club World Cup にも Deportivo Saprissa のメンバーとして来日。 KAZU のいたSydney FC と対戦した。Nick Ward は2005-06シーズンは Perth Glory に所属以降 Queens Park Rangers, Brighton と England でプレー。 Asian Cup 予選ではSocceroos のメンバーにも選ばれ、北京五輪最終予選でも6試合すべてに出場したにも関わらず最終メンバーには選ばれなかった。 このポジションは実績のある選手達で占められたがこの二人はどちらかと言えばDiffensive MF の様な働きだった。MFには左サイドに Carlos Hernandez, 右サイドに Matthew Kemp 。 Hernandez は昨シーズンからコスタリカの LD Alajuerense からローン契約でVictory の一員となったが、 Lopez 同様 FIFA U-20, アテネ五輪にも出場し2006年のワールドカップにもエクアドル戦、ポーランド戦に途中出場を果たした。Kemp は昨シーズンから Adelaide United より移籍し18試合スタメン出場を果たすなどチームの中心選手。しかし本来はフルバックの選手。 そして Danny Allsopp と Ney Fabiano が2トップ。Allsopp は1995年エクアドルで開催された FIFA U-17 の得点王。2年後のFIFA U-20 マレーシア大会にも出場。昨年 Asian Cup 直前のウルグアイ戦では遂にA代表に選ばれたが Asian Cup には選出されなかった。 Fabiano は今シーズン タイのChonburi から移籍したブラジル人FW。その前にもタイの Tabacco Monopoly でプレーした。 この日のメンバーを見ると Thompson, Celeski そして Mascut がいないと物足りない気がする。

Phoenix にとってはチャンスだった。 試合開始から地元サポーターの大歓声を受けて Phoenix の攻勢が続く。そして本来のレギュラーメンバーが少なく残されたメンバーでやりくりしている Victory はカウンター主体だが相手PA前ではスルーパスを通したりワンツーで抜け出たりしてチャンスを作る。11分にはスルーパスを受けた Allsopp がナイスクロスを上げるがGK Moss がキャッチ。23分にはFabiano が Allsopp とのワンツーで抜け出てゴール前に迫った所を E.Muscat に倒されたがここはノーホイッスル。 Phoenix はボール支配率が高く相手PA付近までよくボールを運ぶのだが足元へのパスが多く最後は Victory DF陣にラストパスを読まれてしまい決定機は作れない。26分には右サイドを Bertos がドリブルで上がるがフォローが無くチャンスが広がらなかった。この試合内容にエースストライカーの Smeltz が観客に声援をあおるジェスチャーを見せ大歓声が沸く。31分には Bertos から逆サイドの Kwansnik に送られた中の Gao に繋ぎ Gao は右に流れてシュートを放つが Victory DF にあたって得点には至らなかった。 33分頃から Phoenix は Gao と Kwasnik のポジションを替えた。これで Gao のボールキープ力と Kwansnik のシュート力を生かせるようになった。そして Smeltz との2トップに。しかし前半はロスタイム2分を加えても両者得点が入らずに終わった。

後半Phoenix ベンチはKwasnik に替えてベテラン FW Vaughan Coveny を投入する。 Coveny は地元Wellingotn 出身で2005-06 から2シーズンは New Castle Jets でプレーし、昨シーズン地元 Phoenix に移籍。All Whites 出場歴77試合20得点の実績がある。All Whites 出場歴77試合20得点の実績がある。 Coveny が Smeltz と2トップを組む事に。  53分この試合もっとも観客が沸いたシーンが。PAエリアのすぐ外でFKを得た Phoenix は Ben Sigmund に替って Troy Hearfield を投入。Hearfield はAustralia U-20 にも選ばれ一時は五輪代表候補にも選出された攻撃的MF。Victory ゴール前にFKが放り込まれ両軍の選手がボールの落下点に殺到するが結局GK Theokiltos がキャッチ。しかしこのあと Phoenix の選手が Theokiltios にぶつかったと両チーム入り乱れての小競り合いに。観客は大歓声を送るが Peter O’Leary 主審がMcKain にイエローカードを出すとブーイングに変わる。

   

64分 Phoenix は3人目の交代選手 Daniel を Gao に替えて投入すると大歓声が沸く。昨シーズンは4ゴールを挙げたチーム一の人気を誇るブラジル人選手だ。 Daniel が左右にポジションを取り高いボールキープ力を見せるので更に Phoenix にチャンスが生まれる。66分にはFKのチャンスから最後はこぼれ球をFerrante がシュートを放つが GK Theoklittos のファインセーブでCKに。 71分にはFerrante のスルーパスに抜け出したSmeltz がゴールに迫るがシュートを撃てない。75分にはFKをもらい早いリスタート Smeltz が左サイドからクロスを入れるが右に流れる。 Ferrante がフォローに入るがシュートは外れて行った。 Ferrante が完全に左サイドを制しているのでそちらからチャンスが多く生まれる。80分最大の得点チャンスシーンが。左サイドを抜け出したサイドバックの E. Muscat が絶妙のクロスを入れ、 Smeltz が頭で合わせる。誰もがゴールと思ったがGK Theoklittos が右に倒れこんで奇跡のセーブ。サポーター達のため息に続いて Smeltz そして Theoklittos ?? に拍手が送られる。結局後半も両チーム得点が入らず勝敗はPK戦に委ねられる事となった。

8月17日 Phoenix は Westpac Stadium に Queensland Roar を迎え、Hyundai A-League 2シーズン目に臨む。Kwasnik ( Central Coast ) , Durante ( Newcastle ) , Hearfield ( Newcastle ) , Gao ( My Pa Finland ) McKain ( Politethnica Timosoara Romania ) Sigmund ( Auckland City FC ) Mulligan ( Scunthorpe United, England ) Leo Bertos ( Perth Glory )新加入 8人の選手補強をみると今シーズンは期待できそうだ。もし A-League または Grand Final を制するとニュージーランドのチームが Asia Champions League を戦う事となるが……. 今シーズン何試合 A-League の試合を観戦できるだろう…….今年の楽しみだ。

  


なでしこと対戦する NZ代表 Football Ferns

2008-07-30 | Aussie & Kiwi
今週初めから南半球のニュージーランドに来ている。7月末の南半球は真冬。真夏の日本からの気候の変化に覚悟はしていたものの Auckland 空港に降り立つや豪雨と突風の出迎えには閉口した。おかげで仕事が終わってもホテルに直帰。寒さの苦手な私はとても外の出る気がしない。

ここニュージーランドで今最も話題となっているスポーツの Subject は五輪ではなく Tri Nations Rugby 。先週末には Sydney で ALL BLACKS が Wallabies に 19-34 で敗れた。前のブログでも書いたが Wallabies の監督は元 Crusaders の監督でニュージーランド人の Robbie Dean。昨年ワールドカップ終了後次の ALL BLACKS の監督になるものと誰もが思っていたのがラグビー協会 NZRU は Graham Henry 監督の続投を決め、その決定を受けて同じくワールドカップでベスト8に終わった Wallabies の後任監督にRobbie Dean がいち早くノミネートされそのまま Wallabies の指揮を執る事に。 その Robbie Dean の指揮する Wallabies にさっそく ALL BLACKS はアウェーとはいえ完敗を喫したのだ。 これで Robbie Dean が監督就任後 Wallabies は5連勝。( Ireland, France に2連勝、Tri Nations で 南ア、ニュージーランドに連勝。)試合終了後スタンドで試合を見守っていた Dean 氏にサポーターの一人が Gold and Green のマフラーをかけるなど完全に地元の人々のハートを掴んだとニュージーランドの新聞は述べている。 タクシーの運転手が “ここでは半分以上が Wallabies を応援しているよ。”と言うほど Robbie Dean の渡豪を許した NZRU に地元の人達は不信感を抱いているらしい。
8月2日に Auckland でリターンマッチが行われる。この試合にALL BLACKS が敗れれば2005年以来勝ち取り続けていた Tri Nations のタイトルは奪われる事となり、Graham Henry 監督のクビも危うくなるらしい。この試合で Dean はブーイングを浴びるのだろうか…… 

北京五輪開幕まで10日を切った。開幕前の8月6日から女子のサッカーが始まる。そしてなでしこジャパンはニュージーランド代表 Football Ferns との試合に臨む。

“この試合が我が国にとって最初の出場種目。勝ち星を挙げて後に続く選手団のモチベーションを上げたい。”

こう語るのは日本代表の佐々木監督だけではない。 Ferns の John Herdman 監督も同じだ。 7月29日。雷雨の為に打ち切られた男子の日本五輪代表対アルゼンチン代表戦の前に行われた女子の日本対アルゼンチン代表戦でなでしこ達は2-0 とアルゼンチンを一蹴。24日に行われたオーストラリア女子代表 Matildas も 3-0 で降している。共に五輪出場国では無いが上位進出を考えればなでしこ達の方がずっと可能性が高いのではないか???? しかしそれでなくてももっとなでしこジャパンを報じたり女子サッカーの展望などを論じる専門誌があってもよいのではないかな?????ならば私がと言う訳ではないが、仕事の担当地域でもあるニュージーランドが初戦の相手なのでここで Football Ferns と呼ばれるチームを分析してみよう。

2007年ワールドカップに出場
オーストラリアがAFC に移ったことからオセアニア地域は New Zealand 以外に対抗できる代表チームが無く無風で昨年中国で開催された女子のワールドカップの出場権を得ることが出来た。しかし戦績は3戦全敗。 Brazil 0-5, Denmark 0-2, 中国 0-2 。勝ち点も得点もあげられずに1次リーグ敗退となった。しかしこれはある程度予想された結果らしく、むしろ16年ぶりに世界の大会に出場した事を女子サッカーの興隆のきっかけとしたいらしい。 このワールドカップメンバーに選ばれたメンバーの中から12人が北京五輪メンバーに選出されている。また同時に昨年開催された FIFA U-20 選手権のメンバーも多く含まれている。
Football Ferns のメンバーは下記の通り。

Goalkeepers: Jenny Bindon (Waitakere City), Rachel Howard (TSV Crailsheim).

正GKは何と言ってもアメリカ生まれの35歳のベテラン選手 Jenny Bindon。ワールドカップ3試合はフル出場。文字通りチームの精神的重鎮でもある。ワールドカップでは劣勢の中雨あられと降る相手のシュートを何度も防いだシーンが印象的。 なでしこ達は彼女が守るゴールをこじ開けねば勝利はない。(当り前か…….)第2GKのRachel Howard はワールドカップメンバーであったが Bindon の控え。五輪代表決定後の7月16日、中国代表との試合で残り30分だけ出場した実績があるが、もし大会期間中に Bindon が怪我等で離脱した時。彼女がその代役を務められるか…….. 

 

Defenders:
Anna Green (Three Kings United)
Abby Erceg (Western Springs)
Kristy Hill (Three Kings United)
Marlies Oostdam (Eastern Suburbs)
Ria Percival (FC Indiana)
Rebecca Smith (Sunnana SK)

Ria Percival は米国リーグ FC Indiana に所属する19歳のフルバック。2006年FIFA U-20 にフル出場し昨年のワールドカップにも3試合スタメン出場。Abby Erceg も19歳ながら代表歴25試合の実績を持ち2006年FIFA U-20に出場し、ロシア戦では2-3 と敗れはしたがゴールを決めている。そして2007年ワールドカップにフル出場。Rebecca Smith はスウェーデンリーグでプレーする27歳の“ベテラン選手”で2003年ワールドカップ予選からのメンバーで昨年のワールドカップには3試合フル出場でチームキャプテンも務めた。この3人に加えて左サイドバックのスペシャリストAnna Green か30歳のベテランでワールドカップメンバーでもあった Marlies Oostdam のいずれかで4バックを組むと思われる。Oostdam そして Smith が怪我で大会に間に合うかが危ぶまれたが二人揃って7月26日のカナダ戦 ( 1-1 の引き分け ) にフル出場を果たした。DF陣はなでしこ達よりフィジカルで勝るかもしれないがここはテクニックで翻弄をしたい。

Midfielders
Katie Hoyle (Lynn Avon United)
Emily McColl (Cocoa Expos/Coastal Carolina University)
Hayley Moorwood (Lynn Avon United)
Ali Riley (Stanford University)
Kirsty Yallop (Lynn Avon United)

守備的 MF の Ali Riley, Katie Hoyle がスタメン候補最右翼。日本戦はともかく、ノルウェー、アメリカと格上相手に押し込まれる展開が続くであろうからこの二人のプレーに期待がかかる。特に Riley はFIFA U-20, そして昨年のワールドカップにも出場した実績がある。Kirsty Yallop は2006年のFIFA U-20 メンバーながら昨年のワールドカップは怪我で選出されなかった。その悔しさを五輪にぶつけてくるだろう。 3月の五輪予選のパプアニューギニア戦 ( 2-0 ) 、そして同じく3月の韓国での Peace Queen Cup の韓国戦 ( 1-2 ) でゴールを挙げて復活をアピール。五輪メンバー選出後4試合すべてにスタメン出場を果たしている。 Hayley Moorwood はワールドカップメンバーで3試合スタメンを果たしている。23歳ながら代表歴33試合で3得点の実績。またワールドカップメンバーで3試合すべてにスタメン出場を果たした Emily McColl はPeace Queen Cup ではアルゼンチン戦 ( 1-0 ) カナダ戦 ( 0-2 ) に出場を果たしたが五輪代表発表後の5試合では7月16日の中国戦 ( 1-3 ) と26日のカナダ戦 ( 1-1 ) に途中出場をしたのみでプレー時間も合計33分間。怪我でもしているのか? 
そしてMFでは FIFA U-20 に出場しワールドカップメンバーでブラジル戦、デンマーク戦に出場した Emma Humphries が選ばれていない。 怪我でもしてるのかな?もしそうなら Football Ferns にとって大きな痛手だ。 MFは守備偏重で攻撃に少し難があるかもしれない。 

   

Forwards:
Amber Hearn (Lynn Avon United )
Emma Kete (Lynn Avon United)
Renee Leota (Western Springs FC)
Merissa Smith (Three Kings United)
Rebecca Tegg (Eastern Suburbs)

Rebecca Tegg の怪我からの復帰が心強い。昨年のワールドカップのブラジル戦は前半で退いたがそれ以来の代表復帰だ。(おそらくブラジル戦で負傷したままプレー出来なかったのではないか??) また元 Arsenal のストライカー Amber Hearn が3年ぶりに代表に復帰した。Tegg はまだ7月16日の中国戦で55分間、20日の中国戦 (0-1) で17分間そして26日のカナダ戦で18分間出場をしただけで日本戦のスタメンに出てくるかは微妙だが、Tegg が出ないとなるとFIFA U-20 に出場した Emma Kete 同じく U-20 メンバーの Renne Leota のいずれか、または二人がツートップを組むかもしれない。 

  

上記した通りこのチームには20歳未満の選手が5人含まれた平均年齢22歳の若いチームだ。チームの指揮を執るイングランド人の John Herdman 監督は就任2年を過ぎこの大会が一つの集大成となっているらしい。 3月8日にポートモレスビーでパプアニューギニアを 2-0 で降し五輪予選突破を決めると翌週には韓国で開催された Peace Queen Cup に参加。五輪予選前もオーストラリアで Matildas と3試合行い ( 0-2, 1-2, 2-4 で3連敗 ) 代表発表後も4試合を組んだ。 7月12日 Sydney オーストラリア 1-2, 7月16日青島 中国 1-3, 22日青島 中国 0-1, 7月26日シンガポール カナダ1-1 。 
勝ち星こそないが暑さ対策それから実際に試合を行い青島で中国と2試合行うなど ”ニュージーランド“にしてはずいぶんと周到な準備をしている。そして26日のカナダ戦での引き分けは非常に自信を深めたのではないか??昨年12月には中国協会の招待で中国遠征も行っている。なでしこ達の準備は大丈夫か………
ニュージーランド女子はFIFA ランク24位となっている。日本は10位、ノルウェー5位そしてアメリカ1位となっているが Football Ferns もなでしこもとにかく初戦は絶対に勝たねばならない試合。8月6日は当地ニュージーランドで完全アウェーの状態で??なでしこ達の健闘を祈りながらテレビ観戦となりそうだ。

今年11月19日から12月7日、南米のチリで女子のU-20選手権が開催され日本もニュージーランドも出場権を勝ち得ている。そして10月28日から11月16日まで第一回 FIFA U-17 Women’s World Cup がニュージーランドで開催される。日本も韓国、北朝鮮と共に出場権を得ている。この五輪をきっかけに更なる飛躍をと思っているのは世界中どこでも同じと言うことだろう。

またブラジル、ベルギーそして中国と同じ組に入った男子の五輪チーム Thai Airways Ply-Whites のメンバーは下記の通り。

Goalkeepers:
Liam Little (Caversham AFC/Otago United), Jacob Spoonley (Miramar Rangers)

Defenders:
Michael Boxall (Santa Barbara University), Ian Hogg (Western Suburbs/Hawke's Bay United), Sam Jenkins (Western Suburbs/Hawke's Bay United), Ryan Nelsen (Blackburn Rovers), Steven Old (Macarthur Rams), Jack Pelter (unattached), Aaron Scott (Melville/Waikato FC), Cole Tinkler (Miramar Rangers/Team Wellington).

Midfield:
Jeremy Brockie (Miramar Rangers/Hawke's Bay United), Simon Elliott (unattached), Craig Henderson (Dartmouth College), Cole Peverley (Stop Out FC/Hawke's Bay United), Shaun van Rooyen (Western Suburbs/Waikato FC).

Forwards:
Daniel Ellensohn (Western Suburbs/Team Wellington), Chris Killen (Celtic FC), Sam Messam (Napier City Rovers/Hawke's Bay United)

Management:
Stu Jacobs (head coach), Jonathan Gould (assistant coach/goalkeeper coach), Jim Hogg (manager), Andy Foskett (sports science), Justin Lopes (physiotherapist), Andy Smith (trainer), Jake Pearson (doctor). 

  

特筆すべきは Premiership の Blackburn Rovers の中心選手 Ryan Nelson が 所属先の Rovers が“最初の2試合までなら”と言うことでリリースを認めてOver Age として選出されたこと。どこかの五輪チームと対照的だ。ジャカルタでインドネシア代表に 1-2 で敗れるなどしているが Ryan Nelson が合流する五輪ではどういう結果を残すのだろう?8月7日の初戦は瀋陽で地元中国と。そして10日にブラジル、13日にベルギー戦と続く。

サッカーはどこにでもある。南半球のオセアニアでもサッカーを愛する人がいるのだ。

そんな人とまだ五輪のサッカーに就いて話していないなぁ………. それにしても何と言う氷雨だ。

中国も日本もかなり蒸し暑いのだろうなぁ…….. 

  

北京に向けて 日豪の戦い。

2008-07-29 | Aussie & Kiwi

これと言った見せ場が少なかった試合が動き出したのは前半33分、細貝の縦パスを Over Age の Jade North がクリアー。そのボールを正面で受けた吉田麻也がすぐ右にいた水本裕貴に渡したがパスが緩く Nikita Rukavysta にインターセプトされてしまい、Rukavysta はそのままゴール前にドリブルで持ち込む。そして右から走りこんだ Archie Thompson に渡し、フリーの Thompson が後方から懸命に戻る長友裕都がマークに入る前に放ったシュートは山本海人の守るゴールネットを揺らして Olyroos が先制ゴールを挙げた。Rukavysta のインターセプトとドリブル、 Thompson のスピードも見事だったが Rukavysta にボールを取られた時に水本、吉田そして本田拓也の3人がマークに入ってしまい、Thompsonをフリーにしてしまったのが痛かった。ここは吉田、または本田拓のどちらかが Thompson の動きを注視出来なかったか……
しかし、これで目が醒めたか日本の Olyroos ゴール前での動きが速くなる。35分にはスローインを受けた李忠誠が North, Mark Milligan の間からシュートを放つ。これはGK Tando Velaphi がパンチングでコーナーに逃げるが香川が入れたそのCKを細貝萌が Milligan, Matthew Spiranovic と競りながらもヘッドで合わせるが惜しくもポストの右に外れる。この香川のCKは見事だったが Near Side で North を引き付ける動きをした吉田の動きも良かった。そして41分、長友が左サイドで頑張りスローインを得ると、細貝、本田圭祐とつなぎ逆サイドの内田篤人に。内田は中に走りこむ李に送ると Spiranovic を背負った李はボールをスルーさせると今度は森本がマークに付いた North をかわす様に後ろ足でボールをすらすとそこには走りこんだ香川が。香川には Milligan が追いすがるがそのまま香川が撃ったシュートはGK Velaphi を破って同点ゴールが生まれた。この一連のボールの流れは本当に見事で Olyroos の守備陣は完全に振られてしまっていた。 先制されてすぐに追い付くところはこの試合の残りは期待出来ると思った。ただ前半終了間際で倒れた細貝が心配であったが…… 
  
  


後半は立ち上がりから Olyroos が少し押す展開に。長身を生かすべくゴール前にロビングを入れて来る様になった。46分には右サイドの McClenahan が入れたロビングに Sarkies が飛び込み、一旦は内田がクリアーするもののボールが再び Sarkies の前に転がりそのままシュートを撃たれるが至近距離ながら正面を突いた事もありGK山本がキャッチ。再びリードを許すピンチでもあった。 Olyroos は右サイドから McClehnahan が中にロングボールを入れて来るのが目立ったがGK山本そしてDF陣が落ち着いて対処し失点は許さなかった。逆転を狙う日本は47分、本田圭祐からのパスを受けた右サイドの内田が Nikolai Topor-Stanley をかわして中に入れたところ後半から李忠誠に替って出場した谷口博之が Spiranovich と競り合いながらシュートを放つなどの積極的な動きが目立つ。
後半に入って高温多湿の気候に日豪両選手動きの差が出てきたか日本が優勢に試合を運ぶが Olyroos も何とか踏ん張りこのまま引き分けかと思われた89分左サイドで相手陣内深い位置でボールを受けた安田が中に切れ込まずに谷口に戻す。PAのやや外から入れたクロスを Supiranovich の前で谷口が頭で合わせたシュートはオーストラリアゴールに入り試合をひっくり返した。 GK Federici はボールがポストの右を通過すると反応しなかったが、あのコースに飛ぶと例え反応してもセーブは難しかったか….. 

  

終了間際のCKに Olysoos は Spiranovich, 途中出場の Ruben Zadkovich そして Topor-Stanley の長身選手達が飛び込むがキーパーチャージを取られる。2分あったロスタイムの間もスコアーは動かず日本がメンバー発表後の初戦を白星で飾った。 後半の日本は特にサイド攻撃が顕著だった。特に左サイドでスタメン起用された長友は前半から何度も相対する McClenahan を振り切る場面が続いた。83分に内田に替って安田理大が投入されると右サイドに入る両サイドこなせることを証明した。サイド攻撃にみならず前半の同点ゴールシーンに代表される連動性も顕著に見られた。これは高温多湿に慣れない Olyroos には堪えたのではないか? また1対1でもほとんど負けていなかった。谷口、香川が得点を挙げ、他にも長友がいい動きを見せるなど最終予選6試合に出場しなかった選手が結果を残したこの試合内容に反町監督はまず一安心しただろう。欲を言えば森本か李のFW陣にゴールが欲しかったか….そして細貝の肋骨にひびが入ると言う負傷の回復が非常に心配だ。万が一バックアップメンバーからの起用となると青山直晃か上田康太か…….

だが試合結果にはまさか諸手を挙げて喜んではいまい。この日の Olyroos は7月20日に行われた中国五輪代表戦からメンバーを7人替えていた。 GK Federich は五輪最終予選では1度も招集されなかった選手で子の日本戦が初登場。おそらく第2GKとなるだろう。そして Ruben Zadkovich, Mark Milligan のレギュラー候補はスタメンを外れ、もっとも妥当な Over Age と言われている代表でレギュラーポジションを勝ち取った David Carney は所属先の Sheffield United の都合で日本戦には合流出来なかった。そして高温多湿と遠征の疲れか動きは時間を追って少なくなっていた。 だがこのアジア独特の?気候が五輪で対戦するアメリカ、ナイジェリアそしてオランダに対して日本に味方するかもしれない。

一方の Graham Arnold 監督。中国、日本との連戦で何か光明は見出せただろうか?昨年のアジアカップで失敗した気候対策は見つけられたのだろうか?この試合では Nikolai Topor-Stanley が時折見せたサイドからの突破と“サプライズ選出”となった Nikita Rukavysta のスピードが武器となりうることが確認されたが………. Serbia, Argentina そして Ivory Coast を相手に目標であるグループリーグ突破はなるのだろうか??ハイクロス、ロングボールを多用する方策はアジアでは通じるが五輪に出てくるチームが相手ではどうだろう……

日本は7月29日アルゼンチンと。オーストラリア五輪チーム Olyroos は31日にソウルで韓国五輪チームと試合を行う。 

五輪開幕までいよいよあと10日ほどとなって来た。久々にテレビガイドでも買おうかな......
 

でもやっぱりスポーツは現場でみたいなぁ…………