Mr.コンティのRising JAPAN

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お疲れ Adelaide United Sydney に完敗…… 鹿島戦を前に

2008-09-26 | Aussie & Kiwi

お疲れ Adelaide United Sydney に完敗……
Hyndai A-League 2008-09 Round 5, 4年目を迎えた Hyndai A-League 。 Expansion は来シーズンまでお預け。今シーズンも8チームで覇が競われる。今回の出張はうまくスケジュールを組まめなかったので A-League の試合はSydney Aussie Stadium で行われた Sydney FC vs Adelide United の試合だけだった……….

南半球はまだ春の始め。Sydney 入りする前日まで滞在した Perth では冷たい雨が降ったりで長袖のジャケット無しでは過ごせなかった。それが Sydney入りするや(と言ってもフライトが3時間遅れたけど)夜になっても半袖で充分に過せるほど。現地の顧客に訊くと“2~3日前までは天気も悪くこんなに暑くはなかったですよ…..” と言われた。いつも”お前が来るまではいい天気だったのに…..” と言われる事が多かったのだけど……. そんな“小春日和”の Sydney キックオフの午後五時は本当に絶好の観戦日和となっていた………..

1週間前アウェーの Newcastle United 戦と対戦したSydney FC . 最近はインターネットと言う利器があるので日本にいてもこの試合は観戦出来た。昨年度A-League王者相手に枠内シュートがたった1本。それでも何とか0-0 で引き分け、前節を終わって2勝2分。首位でライバルの Melbourne Victory に勝点差2で2位に付けていた。開幕4試合まだ負け無し。開幕第5戦目でようやく初白星を挙げられた昨シーズンとは対照的な開幕ダッシュを見せているだけに地元サポーター達の期待も試合ごとに高くなる。
この日のスタメンは GK Clint Bolton , 昨年のACL浦和レッズ戦では痛恨のキャッチミスを犯したがその後もこのチームの守護神だ。左サイドバックは Robert Middleby 33 歳のベテランディフェンダー。右サイドバックは今シーズンから加入の Shanon Cole. 本来は左のMFの選手らしい。 CB は Iain Fyfe と Tony Popovich 。Fyfe は1999年 N.Z. で開催された FIFA U-17 に出場 Popovich はかつてサンフレッチェ広島そして Crystal Palace でもプレーし代表歴58試合のキャリアーを誇る。ワールドカップではブラジル戦に先発出場した。Middleby も代表歴がある。デフィエンシブ MFは北京五輪3試合フル出場の Stuart Musialik と A-League デビューシーズンから Sydney FC でレギュラーを張る Terry McFlynn。 Offensive Midlfielder は右に Steve Corica. かつてサンフレッチェでもプレーしたベテラン。五輪2回(バルセロナ、アテネ) U-17, U-20, 2001年のFIFA Confederations Cup の豪雨の中の日本戦でもプレーした経験があり、ワールドカップ出場経験だけが無いが文字通り Sydney FC の重鎮。 右のMFは昨年 Grand Final で決勝ゴールを決め Newcastle Jets を優勝に導いた Mark Bridge 北京五輪では交替出場も含めて3試合すべてに出場。 FW は Alex Brosque と Jhon Aloisi 。 Brosque 2003 年の FIFA U-20, 翌年のアテネ五輪のメンバー。そして Aloisi はご存知の方も多い、ワールドカップとアジアカップの日本戦でゴールを決めた選手だ。前節の Jets 戦と同じメンバーだった。

一方三日前に鹿島アントラーズと対戦したAdelaide United 。前節は Melbourne Victory に 0-1 で敗れ開幕初黒星を喫したがこの Sydney 戦に勝てば2位以上に浮上するチャンスだった。しかしメンバーを見て Adelaide サポーター達は少しがっかりしたのではないか?と言うよりもこの日のアウェー側のスタンドには数人程度の赤いユニフォームを着た人達しかいなかったけど…….
スタメンを見ると GK Ergene Galekovich, CB Sasa Ognenovski そして MF の象牙海岸人選手Jonas Salley の3人だけが鹿島戦のスタメン出場をした選手でMF Kristian Sarkies と FW Cristiano は途中出場をした選手。あとは鹿島戦に出場しなかった選手でレギュラーを4日後の Adelide での鹿島戦の 2nd Leg に温存したと思われる。 GK Galenkovic はアテネ五輪4試合にフル出場した選手だったが昨シーズンまで所属した Melbourne Victory では Michael Theoklitos の影に隠れて出場機会に恵まれなかった。新天地 Adelaide では開幕からゴールを守っている。 CB の Ognenovski は昨シーズンまで3シーズン所属した Queensland Roar から移籍してきた選手。Roar ではレギュラー選手だった。もう一人の CB Michael Valkanis はA-League のデビューシーズンから Adelaide United でプレーするが1年目24試合、2年目23試合とレギュラーであったが昨シーズンは3試合しか出場機会が無かった。怪我でもしたのか?そして今シーズンはこの Sydney FC 戦が初スタメン。左サイドバックはブラジル人選手の Cassio 昨シーズンは17試合に出場したが今季はこの試合が初スタメン。右サイドバックは19歳の Daniel Mullen 彼もこの試合が初スタメンだった。 MF は左から Jason Spagnuolo, 真中にJonas Salley 右にブラジル人の Alemon 。 Spagnuolo は 2006-07 の Adelaide United の Players of the yearを受賞するも翌年は怪我のせいか?スタメン出場8試合を含む12試合の出場に終わった。今季は3回目のスタメン出場だ。 Salley はかつて New Zealand Knights の所属し、今季から Adelaide に入団の象牙海岸人選手。 今季からAdelaide に加入のAlemon はクルゼイロ時代 Copa Libertadores にも出場した経歴がある。開幕からスタメンで起用されたが第3節の Wellington Phoenix では後半にベンチに下がり次の Melbourne Victory 戦はベンチ入り出来なかった。本来は右サイドバックの選手だが。 1トップの Cristiano は Eredivisie の NAC, Roda JC Willem Ⅱ そしてスイスのFC Basel でもプレー。中田浩二とは被ったのかな?その後ろにKristian Sarkies と Paul Reid の二人の攻撃的MFが配置された。Reide は2000年 NSLの Grand Final Champion Wollongong Wolves でプレーした事もある。その時は Chipperfield もいた。その後 England に渡り今季から Adelide United に入団。 Sarkies は2005年FIFA U-20 大会のメンバー。日本戦にも出場した。北京五輪ではセルビア戦、アルゼンチン戦では途中出場だったが最後の象牙海岸戦はスタメンでフル出場を果たした。

キックオフ直後、この日の線審の一人は女性と気が付いた。ならばラインズウーマンと言うべきか….と思っていた1分45秒、ゴール前で McFlynn にボールが渡りそのまま放たれたミドルシュートが Galenkovich の守るゴールネットに突き刺さりあっさりと Sydney FC が先制点を挙げた。 McFlynn のシュートは見事だったがシュートレンジに入られたのにマークがちょっと甘かったなぁ…  
  
  

その後も地元の大歓声を受けて Sydney の選手達が Adelaide ゴールに迫る。特に右サイドバックの Cole の上がりが良く、 Steve Corica が効果的にボールを配給するので対峙する Spagnuolo  Reid が上がれない。そして1トップの Cristiano と2列目の Reid, Sarkies の間が分断されてしまい前のボールが繋がらない。12分には McFlynn のスルーパスが Aloisi に通るがシュートは GK Galenkovich が足で何とかクリアー。16分にはスルーパスが攻撃参加した左サイドバックの Middleby に渡りクロスが上がるが走り込んだ Corica にわずかに合わなかった。20分を過ぎたあたりから Adelaide は Spagnuoloをトップにあげ Cristiano と2トップに。そして2列目に左からReide、Sarkies Alemao を並べた。これで少しは前線でボールが回る様になった。23分にはカウンターから Cristiano がドリブルで持ち込み右サイドを上がった Alemon に送り、中に走り込んだ Reid にクロスが送られるがその前に Fyfe にクリアーされてしまった。 Adelaide は Cristiano のボールキープが頼りだがすぐにかこまれてしまう。

  
34分には Middleby のロングフィードがBrosuque に渡ると Casino と Ognenovski をかわして最後は GK の Galenkovich もかわして放ったシュートが Adelide ゴールに突き刺さり追加点が生まれた。 Brosque のボールさばきもうまかったが Ognerovski まで簡単にかわされるとは…….

  


これでこの試合の興味は半減してしまった。なんとか前半のうちに1点でも返してくれればなぁ…. と思っていると Cristiano がドリブルで中央突破をそして Popovich をかわして GK Bolton と1対1になり Bolton の出鼻に放ったショットは完全にゴールの中に吸い込まれるはずであったが………ポストに当たってしまいゴールインならなかった。ポストに当てる方が難しいと思うのだけど……その直後もCristiano から Sarkies に渡り攻撃参加した Cassio に送られシュートに持ち込んだがここは Popovich がブロックしコーナーに逃れた。このどちらかが、特に Cristiano のシュートが決まっていれば後半はもっと興味を持って観戦出来たと思ったのだが……

試合はちょっと Adelaide が挽回出来そうにない展開となって来たので COVEと呼ばれる Sydney FC のサポーター達が陣取るゴール裏に観戦場所を変えた。そしてそこには2007年のAFC の浦和戦以来親しくなった地元の人たちと再会を果たす事に。 今シーズンの開幕ダッシュ、そしてこの試合の展開に満足な様子。今年こそ Grand Final に再進出をと言っていた。 開始から COVE 側に攻め込む Sydney FC の攻勢が続きその度に大歓声が上がる。Sydney の応援と言うよりも最近の A-League の応援もヴァリエーションが増えて来た。Twist and Shout や That’s the Way のメロディーに乗ったものやらオリジナルのものまで、試合がリードしていることもあり退屈はしない。これが Adelaide 相手だからこの程度だけどもし Melbourne Victory との対戦ならものすごいブーイングの嵐だ、それにサポーターソングも“ Victory 用 “ がある。 “我々がお前たちを嫌いなのはただお前たちが Victoria から来たからだ….” という内容のものは上品な方で一緒に観戦したサポーターの人が言うには”とても教えられる気になれない。“と言う内容のものまであるらしい。 
Adelaide ベンチは54分に Spagnuolo を下げて左サイドバックの Scott Jamieson を入れて Cassio を中盤に上げた。 Cassio は本来ここのポジションの選手。 Jamieson は 2005 年のFIFA U-17 大会に出場した経歴がある。59分には CHF の Janas Salley を下げて FW のRobert Younis を入れた。 Younis は今季から Adelide United 入りした選手。今季は全試合に出場しているがスタメンは1回だけ。スーパーサブ的存在か?この交替で攻撃的な布陣にし、時折カウンターやロングボールを入れてゴール前に迫るが Sydney ディフェンス陣の前にシュートが撃てない、そして Steve Corica が守備でも絶妙のタイミングでカバーに入る。 “ Corica は良いなぁ攻撃でも守備でも….” と隣のサポーターに言うと正にその通りと言った表情で親指を立てる。 Sydney ベンチも70分に Mark Bridge を下げて FW の Brendan Santalab を投入し、77分には Aloisi を下げて Dez Giraldi を入れた。これらの交替は追加点狙いだろう。 Giraldi は 2006-07 シーズンは Adelaide に所属していた選手だった。

  

そして79分、その Santalab が中盤の位置から狙い澄ました様にロングシュートを放つと GK Galenkovich のセーブもはるかに及ばずゴールネットに突き刺さり試合を決定づける3点目が決まった。そのシュートはこちらに向かって飛んで来たまさにロケットの様な弾道であった。Santalab の見事なロングシュートだったが、ヴァイタルエリアからのシュートでは無かったとは言え完全に をフリーにしていた。 
大喜びのサポーター達。すると雨が降って来た…… と思ったら後方からサポーター達がビールがいっぱいに入ったプラスティックコップを後方からバンバン投げていたのだった。これは試合再開のキックオフになっても続いた。 83分に Adelaide ベンチは Ognenovski を下げて Robert Cornthwaite を投入したがこれはDF選手同士の入れ替え。 Ognenovski は 62分にイエローカードを受けており次の試合以降を考えての交替だろう。 Comthwaite は三日前の鹿島戦で痛恨のオウンゴールを決めてしまったCBだ。 
89分 COVE から更に大きな拍手が送られるシーンが Steve Corica がお役目御免と Matthew Jurman に替ってベンチに下がった。会場中からこのベテラン選手に拍手が送られる。彼もあと何シーズン A-League でプレーするのだろう? 
この週に発行された初めてのサッカー週刊誌 Weekly Soccer 創刊号の栄えある表紙は Steve Corica だった。  その後も2度ほど Sydney は決定的なチャンスを掴んだが追加点はならず、しかし試合終了のホイッスルが鳴った時は大歓声が沸き上がった。 ピッチの中央でインタビューを受けるのは Steve Corica 。この試合が NSL 時代を含めてオーストラリア国内のリーグ戦出場400試合目だったらしい。 数日前までこの事を本人は知らなかったとの事。欧州でプレーする選手の様に派手さは無いがいつまでも現役でいて欲しい選手の一人だ。

  


敗れた Adelaide の Vidmar 監督、試合前は何人かのメンバーを休ませるがそれでも充分に Sydney FC とは渡り合える自信があるとコメントしていたが…… この時点では Adelaide サポーター達は4日後の ACL 鹿島戦に就いてどんな予想をしえていたのだろう………..

そして試合後はいつもの通り地元のサポーター達と競技場近くのパブに行き FOX TV でこの後に行われた A-League の試合 Central Coast Marners vs Melbourne Victory の試合を見ながら、ビールを飲みながら多くを語った.......

    



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