歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

沢口靖子の“小津の秋”で想いをめぐらす -その6-

2010年01月13日 | 映画の話し
昨日の続きです。

今日こそ、ホントに最終回になる、と、思います。

映画はラストシーンに近づきます。

女神湖の畔で、

「ここで父と出会ったのですね」
「えェ」
「父はどんな人でしたか」
「心配してらしたは、あなたのこと・・・、いままで、お話してたの・・・、云ってらしたは、“憎しみを赦すのは女神”だと・・・。明子さん、女神はあなた自身・・・、だから・・・・・・」
「聞こえない・・・・・・・、お父さん・・・」


最後まで、父のことを知ることができなかった明子。

園子が愛した男としての父。

父を愛し、恨み、苦しみ、生きてた園子。

園子を知り、赦す明子。

むかし、明子の父と観た「秋日和」を、明子と観る園子。


父と観た時につけていた、母の形見の帯留めをつけて。


明子のなかにいる父と母。

父が愛した女、園子。

園子が愛した男の娘、明子。


結婚を決めた明子に、園子は母の形見の“鼈甲の帯留め”を贈る。


また、静かな日常に戻る、園子と茂の二人。



いつものように、何もなかったように、コーヒーを飲む二人、このラストシーンで、茂が・・・・・・、


「あァーあ、雪・・・ですねェ・・・」
「あっ、・・・えー・・・」と、ちいさく、つぶやく園子。

園子と茂、明子と出会い、これから、二人の、あたらしい物語がはじまるのです。

戦争、疎開、不倫、駆け落ち、恨み、憎しみ、そして、赦し、いろいろと絡まる大人の映画でした。わたしのなかでは“ベストテン”に入る映画です。


“ベストテン”と云えば、今日の朝刊に、キネマ旬報の2009年度のベストテンが発表されていました。

一位が「ディア・ドクター」でした。わたしが水戸で観た映画です。まぁ、それなりにヨカッタです。一位になると思いませんでした。
※7/27~7/31で記事にしています。

それで、「キネマ旬報」なのですが、いろいろと、云いたい事がありまして・・・・・・。

でも、今日は、区切りのイイこの辺で終わりにします。冒頭で最終回になる書いたのですが、またも、終わりませんでした。失礼しました。

それでは、また明日。
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