チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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第85話 打 算

2007年07月01日 | チエちゃん
 6年生になったある日、担任の小木先生が、突然言い出しました。

 これから、ブループ学習を始めようと思います。
 グループごとに机を並べて、学習も、清掃も、生活もグループ単位で行なうことにします。
 グループは、好きな人と組んでよいことにします。
 今から、用紙を配るから、グループを組みたい人の名前を一人だけ書くこと。

チエちゃんは、真っ先にナオちゃんと同じグループになりたいと思いました。

でも、・・・・・・・

正直言って、ナオちゃんはお勉強が得意じゃないの。

成績のいい久美ちゃんと同じグループになれたら、勉強が楽になるかもしれない、成績だって上がるかもしれない?


どうしよう! 名前を書くのは一人だけだ!

 そろそろ書けたか!

どうしよう? ナオちゃん、ごめん!


 次の日、グループ分けが発表されました。
チエちゃんは、希望どおり久美ちゃんと同じグループになりましたが、ナオちゃんは他のグループでした。

ナオちゃんは誰の名前を書いたんだろう?

グループ学習が始まってからも、ナオちゃんは今までどおりチエちゃんに接してくれました。

どうしてあの時、ナオちゃんの名前を書かなかったんだろう?

ずーっと、ずーっと、後悔しつづけるチエちゃんなのでした。