チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

樟脳のにほひ

2007年11月07日 | 昭和なもの
先週、紅葉狩りに行った時の1枚です

 そろそろ冬物衣類を準備する季節となりましたね。

子供の頃は、毎年この時期、母が押入れにしまってある茶箱の中から、セーターやオーバーコートを取り出してくれたものでした。

 茶箱を開けた時にプンと香ってくる樟脳の匂いが、私は好きでした。
その匂いに、もうすぐやって来る寒い冬のにほひを重ね合わせていたからかもしれません。
或いは、セーターを頭から被る時に鼻をつくその匂いに、母への感謝の気持ちを感じていたのかもしれません。

 母は昔人で、母親や母の祖母から教わったことを忠実に実行していました。
一度袖を通した衣類は必ず洗濯をしてからしまい、夏の暑い時期には茶箱を開いて虫干しをし、防虫剤を確認した後、また保管するのです。

 世間一般にはどうも防虫剤の臭いは敬遠されているらしく、最近では無臭の物が出回っていますが、時折、雑踏の中で、あのなつかしいナフタリンの匂いを嗅ぐことがあります。大概、その主はご年配の方です。

 樟脳とナフタリンは同じものと思っていましたが、原料が異なっており別物のようです。
樟脳は、クスノキから抽出した物である(漢字のとおりです)のに対し、ナフタリンはコールタールを精製した物だそうです。代用品であったのでしょう。
 あの頃、生家で使っていた防虫剤は、ナフタリンであったと思われますが、母は樟脳と呼んでいました。

「樟脳」は、もう死語ですね。


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15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
実は、今日も (チエ)
2007-11-09 20:17:10
> さじカンさん
ナフタリンの匂いの衣類を着ている方にお会いしました。
やはり、ちょっと香るだけならよいのですが、長時間一緒では、辛いかもです。
着る数日前に、取り出して匂いをとる配慮も必要ですね。
コメントありがとうございました。
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香りの記憶!? (チエ)
2007-11-09 20:09:04
> ちゃやさん
コメントありがとうございます
そうですね、或いは、樟脳の袋から匂いの記憶が蘇ったのかもしれません。
でも、樟脳の匂いは案外、いつまでも残っているみたい。本当に、匂いがしたのかもしれませんよ。
まだまだ、地震の爪痕は残っているのですね。
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Unknown (さじカン)
2007-11-09 15:36:53
さじカンはこのニオイが苦手でした。
でも、その反面懐かしさもあります。

母の着物タンスはいつもこのニオイがしてました。
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懐かしい (ちゃや)
2007-11-08 20:59:08
先日、この地区で最後となる粗大ゴミ収集に、中越地震で壊れたり、
ねずみに穴をあけられた箪笥を運びこむため、中身を出そうと
引き出しを開けたら、なんだか懐かしい香りが。
樟脳はすべて気化していて、入っていたセロハン紙?の袋が
散らばっていました。

ですので樟脳というより、古箪笥特有の匂いなんでしょうが、
なぜか、ハッキリと樟脳の匂いを感じました。
散らばった袋を見て、反射的に「香りの記憶」が甦ったのでしょうか。
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なつかしい匂い (チエ)
2007-11-08 20:44:57
> ラブっちさん
いつもコメントありがとうございます
ふっとなつかしい匂いを感じることがあります。
そんな時に、思い出が蘇ります。
私はこの先、どれくらい書けるのかなあ?
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クスノキ - 樟 (チエ)
2007-11-08 20:39:43
> エーさん
いつもありがとうございます。
子供の頃は、「しょうのう」の漢字知りませんでした。
日本語って、いいですよねえ。
私も、よく樟脳の交換を手伝いました。
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ありがとうございます (チエ)
2007-11-08 20:21:30
> ノアローさん
お忙しいのに、私のブログに来てくださってありがとうございます。
無臭の防虫剤になって、うれしいような、悲しいような・・・
あの頃は、生活に季節感がありましたね。
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旧かなづかい (チエ)
2007-11-08 20:14:24
> うしさん
うしさんは、なかなかの詩人でいらっしゃる。
古い仮名遣いが優しく思える時があります。
季節の匂いは、その人その人によって、感じ方が違うのでしょうけれど、確かに感じますね。
コメントありがとうございます。
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懐かしいにおいね・・・。 (ラブっち)
2007-11-08 10:15:02
うちの母も、たんすの引き出しを開けては、樟脳を入れ替えしてました・・・。

うしさんは、「雪の降る匂い」なのね。
うちの旦那も、冬になり、明日雪かも?の時、「雪の匂いがする」と言いますよ~。

私は、春の風や秋の風を、「におひ」や、肌にあたる感じから嗅ぎ取りますよ~。
って、誰でもわかるわね・・・。(^_^;)
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樟脳! (エー)
2007-11-07 22:22:06
「樟脳」って、こんな漢字だったのねぇ~♪
って、今更ながら思ってしましました。(笑)
ウチの母親も「樟脳派」でした。
衣更えの時期になると、空になった樟脳の袋を捨てて・・・。
新しい物と交換して・・・。
私は、無臭のものの方がいいです♪
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なつかしい (ノアロー)
2007-11-07 21:59:50
お久しぶりにコメントします、樟脳という言葉なつかしいです、たしか母もそう言っていました。そしてナフタリン好きです、チエちやんのお母様とおなじなので、うなずく事ばかりです。樟脳とナフタリンは違うんですね。
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にほひ (うし)
2007-11-07 21:59:42
「にほひ」とひらがなで手書きすると、とてもかたちがうつくしいので、私は自分で書いてうっとりします。


「にほひ」と「記憶」は繋がっていますね。うちの相方は樟脳やナフタリンの匂いが苦手なようです。

「あなたから渡された口紅の色は、からたちの花よりも薄い匂いです」(山口百恵さんの歌)を初めて聞いたとき、「どんな色なのだろう、どんな匂いなのだろう」とどきどきしました。

私が得意なのは「冬の匂い」です。冬の朝、玄関の戸を開けたときにする、雪が降る手前の「冬の匂い」をかいで、家族に「雪の降る匂いがするよ」と言うと不思議な顔をされます。
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味覚もね! (チエ)
2007-11-07 20:59:40
> 谷やん
コメントありがとうございます。
幼い頃の匂いや味は、思い出の中で、より以上のものに変化しているようです。
そういえば、最近フルーツ牛乳を手に入れたのですが、あの頃の味とどこか違っていました。へんだなあ?
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↑のコメントは・・・ (谷やん)
2007-11-07 19:21:41
谷やんです。
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リピート (Unknown)
2007-11-07 19:20:54
視覚を保存するソフトは、写真でありビデオです。
音声を保存するものは、今やCDやMDです。
でも、嗅覚を保存するソフトって無いんですよね?!
樟脳の匂い。
祖母を思い出します・・・
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