チエちゃんの昭和めもりーず

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無痛/本

2016年11月24日 | 
著者:久坂部 羊(幻冬舎)2006年

読書の秋を楽しみ、たくさん本を読んでいるところです。
昨年暮れに西島秀俊主演でTV化され、毎週おもしろく見ていたので、原作を読んでみたいと思っていました。
TV化で設定が少し変わっていたけれど、基本的には忠実にドラマ化されたようです。

医師為頼(ためより)は、人をじっと見つめるだけで病気を診断することができた。
犯因症。眉間にM字型に盛り上がった皺が見えたら、その人は犯罪を犯したか、あるいはこれから犯罪を犯そうとしている。

本当に人を見るだけで病気が分ったらいいでしょうね。
作者は、為頼にこんなことを言わせています。
病気は自然現象の一つであるから、治るものは治るし、治らないものは治らない。
放っておいても治る病気を治療して、医師は自分が治したつもりになっている。
癌でも手術や抗がん剤の治療をせず、自然にまかせると、そんなに苦しくはない。
薬漬けの治療をした結果、患者は死の間際まで地獄の苦しみを味わうことになる。

著者自身がお医者さんなので、現代の医療対する厳しい批判には重みがありますね。
続編「第五番」が出ているので、図書館にリクエストしてみようと思います。