昭和40年代後半のあの頃、すでに高校進学率は90%を越えていたが、
はつ子さんは中卒で就職した。
おそらく、金銭面で進学することができなっかたのだろうと思う。
それから、16歳で結婚、成人式には子連れで出席した。
同級生の中で一番最初に家庭を持ったのは、はつ子さんだった。
まだ高校生だった私たちは、早熟なはつ子さんに多少驚きながらも、「やっぱりね」という思いが強かった。
そして、30代で一番早くおばあちゃんにもなった。
けれども、はつ子さんの幸せは続かなかった。
ご主人が30代で脳梗塞を患い、半身麻痺になってしまったのだ。
初孫を産んだ長女は離婚して、出戻りとなってしまった。
今回のクラス会で聞いたのだが、その後長男も30代で父親と同じ病気になったのだという。
彼女は子どもの頃からずっと苦労のしっぱなしだと思う。
でも、クラス会、同級会の出席率は100%なのである。
いつも幹事として、甲斐甲斐しくみんなの世話をしてくれる。
けっして、楽しい学校生活とは言えなかったと思うのだけれど、はつ子さんにとってはかけがえのない居場所だったのかもしれない。
つづく