福島県福島市在住@チエちゃんです
3月16日(水) 震災6日目
相変わらず神経が高ぶり、夜の睡眠時間は4時間。
早朝に目覚めてしまう。
ガソリンが無くなってしまったのか、放射能を恐れるためなのか、通りを走る車が全くない。
辺りは、シーンとして不気味だ。
TVをつけてみる。
被ばくを避けるためには、
なるべく外出をしない。外出する時は、なるべく肌を露出しない。
濡れたタオルなどで鼻と口をふさぐ。
帰宅したら、衣服をポリ袋へ入れ、しっかり口を閉じる。
シャワーで全身を洗う。
窓を閉め、エアコンや換気扇は使用しない。
何バカなこと言ってやがる。
被災地は水が出ないんだ。
どうやって、身体を洗えと言うのだ。
放射能モニタリング数値がテロップで流れる。
人体に影響のない数値だという。
果たして、本当だろうか?
政府は情報を操作しているのではないか?
疑心暗鬼。
昨日、私は休暇届を出した。今日は1日家に閉じこもっていられる。
岩手県や宮城県の被災地の様子が映し出される。
被災者のインタビュー。ムカついた。
あんたたちは、まだいい。
どんなに悲惨な状況でも、これからは復興に向かうだけだ。未来がある。希望がある。
だけど、福島県はどうなる!
放射能に汚染される。破滅に向かって進んでゆくのだ。
(ごめんなさい。この時は、本当にそう思っていました。)
映画「ターミネーター」世界最後の日のワンシーンが思い浮かぶ。
閃光が走り、公園で遊んでいた人々の身体が熱で溶けていく。
こんな映画もあった。
放射能からひとりだけ逃れて、核シェルターにたどり着く。
あれは、何というタイトルだったろうか?
お金持ちでもない私は、核シェルターなど持っていない。
たとえ持っていたとしても、食料がない。
餓死なんて、そんな死に方は嫌だ。
死ぬなら、一瞬で死ぬ方がマシだ。
7:30 起き出してきたヒロシと朝食。
今日は、透析日だ。3クールだから、いつもより早く行くという。
長男も、今日から自宅待機となった。
私は、思いついたことを口に出した。
「ねえ、二男の所へ避難しない?あそこなら、100キロ以上離れてる!」
「俺は行かない。行っても、透析が受けられない。
今、病院に来ている避難者と同じになる。
行きたいなら、おまえと長男で行け。俺は何とかする。」
「・・・・・」
それは、できないと思った。ヒロシを一人で置いてゆくなんて。
透析が受けられる病院がないと、移動もできないのだ。
「ごめん。今度、私が変なこと言ったら、ぶん殴って!」
「もう、変なこと言ってるし・・・」
今、振り返ると、この時私は精神的に相当参っていたと思います。
放射線に対する知識がなかったために、最悪の想像をして、勝手に自分を追い込んでいたように思います。
かといって、今でも知識がないことに変わりはりませんが。
その3へ つづく