福島県福島市在住@チエちゃんです
3月15日(火) 震災5日目
8:30 出勤。長男も仕事に行く。
この頃から、地面が揺れていないのに、時々揺れているような錯覚が襲う「地震酔い」の症状がひどくなる。
階段を上るときもふらつく。
貴重品を入れたショルダーバッグをいつも身に付けて仕事をする。
福島第一原発の事故も、日に日に深刻さを増している。
今朝も2号機で、爆発があったという。
これで、3つも爆発した。
福島市は60~70㎞圏内か? 完全に安全と言い切れる距離だろうか?
米国では、80~100㎞以上が安全圏内だとも言われている。
隣室の同僚が休憩にやって来た。
「実はね。私、昨日の夜中、子ども達を関西の姉の所へ避難させたの。
K市に住んでる弟が避難するというので、送って行ったのよ。
弟に仕事はどうするの?って聞いたら、『一応休暇は取ってあるけど、クビ覚悟かな』だって。
さっき、メールが来て、新潟でガソリン満タンにできたって言ってた。
私たちは、もうどうでもいいけど、これからの人たちはねえ。原発心配だから。」
私は、彼女の素早い対応に驚いた。
彼女は、昼休み銀行に行くとも言った。
私は、ハッ!とした。そういえば、彼女は昨日も(買い物へ行かず)銀行へ行ったと言っていた。
この先、避難指示が出たら、パニックになる。
そしたら、物をいうのは現ナマだ!
私も後で、銀行に行こう。
私は、今回の大地震・原発事故で感心したことが2つある。
そのひとつは、金融不安が起きなかったことだ。
人々が銀行へ殺到することも無かったし、金融機関も冷静に対応していた。
もうひとつは、品薄になっても商品の値段が変わらなかったことだ。
非常事態なんだから、便乗値上げがあってしかるべきなのに。
これも、日本のすごいところだと思った。
12:30 昼食もそこそこに、みんなで買い出しに行く。
昨日買った物で間に合うのだが、あと、いつ手に入るか分からないという不安が、私を買い出しに行かせた。
「まるで、戦時中の闇市だね」と誰かが言う。
私たちは、闇市なんか知らない世代なのに。
豚ロース肉1P、ベビーチーズ2個、ニンジン3本、玉ねぎ、カレ―ルー1箱、
玉こんにゃく、福神漬、紅茶ティーバッグ1箱、せんべいを買う。
もし餌が無くなった時のことを思い猫たちのために、煮干しと鰹節も買った。
今夜はカレーにしようと思った。
13:30 職場に戻ると、後片付けも一段落し、皆は休暇を取るという。
私も、もう仕事なんかやってる場合じゃないと思い始めていた。
放射能がいつ降ってくるかわからないのだ。
私は、今週いっぱい休暇届を出した。
その21へ つづく