元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う」

2010-10-20 06:41:10 | 映画の感想(な行)

 ズバリ言って、これは主演女優・佐藤寛子のハダカを堪能するための映画である。それ以外の見所はない。ボディ自体はスリムなのに、バストだけはとてもデカい(そして、形も良い ^^;)。下半身にも余計な肉は付いておらず、足も見事に長くて細い。実に理想的なプロポーションだ。彼女が脱ぐシーンには、おそらく客席のオッサンどもからは多くの溜め息が洩れたことだろう(爆)。

 演技者としての佐藤は未熟だ。表情に乏しく、セリフ回しも棒読みである。同世代の若手女優陣と比べれば随分と見劣りするのは確かだ。しかし、この“カラダを張れる”というアドバンテージは捨てがたい。もうちょっと演技を勉強すれば、独自の地位を獲得するかもしれない。それまで身体の線を維持して頑張って欲しいものだ。

 さて、本作は93年に製作された「ヌードの夜」の続編である。監督と脚本は引き続き石井隆が担当し、主人公にも竹中直人が扮している。出来としては、駄作だった前作に対してこの映画は少しはマシである。しかし取り立てて評価すべきシャシンでもなく、まあ“凡作”のレベルだろう。

 代行屋の紅次郎こと村木(竹中)のもとに、死んだ父親の散骨時に誤って紛失した高級腕時計を探してほしいと言う若い女(佐藤)がやってくる。不審を抱きながらも引き受けた村木だが、やがて彼女の母と姉が企む奸計に巻き込まれていく。

 過去の石井作品に出てきたたようなキャラクターを寄せ集め、カメラワークも美術も従来通りで新味はない。ストーリー面でも序盤の緊迫感は中盤ぐらいで早々に薄れ、あとは行き当たりばったりの御都合主義的なプロットの羅列だ。正直、後半は眠くなる。しかし、そこを見計らったように佐藤寛子の“オッパイ攻撃”が炸裂し(笑)、スクリーンからは絶対に目が離せなくなる。これもある意味“うまい作劇”なのかもしれない。

 脇を固める大竹しのぶや井上晴美の演技は、悪くはないけど予想通り。宍戸錠も出てくるが、大した見せ場もない。ただし前回で余貴美子が演じたヒロインのような“不快感を覚えるキャラクター”が見当たらないのは本作の長所かと思う。なお、女刑事役で出ていた東風万智子は元の真中瞳が改名したものだ。事務所を辞めたせいらしいが、芸能界で生きていくのもいろいろと事情があって大変みたいである。
コメント
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