元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

Nmodeの試聴会に行ってきた(その2)。

2010-10-08 06:40:28 | プア・オーディオへの招待

 前回のアーティクルで、福岡市にあるオーディオショップ「吉田苑」におけるNmode(エヌモード)の新製品の試聴会に参考出品されていた試作品のスピーカーが凄いことを述べたが、少なくとも現時点ではあれは非売品だ。メインはやはり新作アンプの方である。

 紹介されていたのはX-PM2FとX-PM10。定価が前者が14万円で、後者が33万円である。どちらも基本的な回路構成は同じで、出力は共に10W×2程度と、トランジスタ型アンプにしてはかなり低い。なお、X-PM10は電源部分を別筐体にしたセパレート式の形状である。

 いずれも省電力で駆動力を稼ぐデジタルアンプの体裁を取っているが、今回は1ビット方式を採用しているため、パワーよりも音質を確保する作戦に出たようだ。もっとも、10W×2という出力はそう捨てたものではない。コンパクト型のスピーカーならば(一部の超低能率の製品を除けば)十分な音圧が得られる。フロアスタンディング型でも図体のデカいものは無理だが、スリムなトールボーイタイプならば何も問題はないようだ。

 両機種とも前作のX-PM1よりも透明感や解像度が磨かれており、音場はどこまでも見通しが良い。おそらくはサンプリング周波数のアップが効果を上げているのだろう。X-PM2FとX-PM10との差だが、基本的な音色は同じながら、解像度や音場の広さは異なる。X-PM10には時折ハッとするような音の伸びがあり、ソースによっては艶っぽい表現も出来る。大音量派には向かないが、一般家庭で普通の音量で楽しむことを想定すると、コストパフォーマンスはかなり高いと思う。

 もっともX-PM2Fにしても価格を考えれば上質で、ミドルレンジのセグメントまでのスピーカーならばこれで十分かもしれない。・・・・というか、この出力のアンプで鳴らせないような規格のスピーカーは(一般家庭用途としての)コンセプトが間違っているんじゃないかという言い方も出来よう。

 Nmodeではハイエンド機の製作も企画しているようだが、なかなか良い音を出す素子が見つからないとかで、実現は未定らしい。気長に待ちたい。

 いずれにしても、これらの製品を見ていると、かつての“アンプは重ければ重いほど良い”という物量投入主義は過去のものになった感がある。庶民の住宅事情も考えれば、Nmodeの製品のような比較的コンパクトな形状で駆動力を発揮するアンプの方がアピール度が高い。他の国内大手メーカーも見習って欲しいものだ。

(この項おわり)
コメント (3)
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