元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ファム・ファタール」

2010-10-17 06:26:36 | 映画の感想(は行)
 (原題:Femme Fatale)2002年作品。美貌を武器に富を手に入れようとする悪女の運命を、ケレン味たっぷりの映像で追ったピカレスク篇。

 この映画のストーリーは底抜けである。カンヌ映画祭の会場から盗み出した宝石が中盤以降どこかに行ってしまうのをはじめ、逃亡を企てた女主人公の前には絵に描いたような御都合主義的展開が待ち受ける。さらにラスト近くにはそれまでの筋書きをチャラにするような「禁じ手」でお茶を濁す有様。

 しかしそこはブライアン・デ・パルマ監督。アホなストーリーを帳消しにするような映像のアドベンチャーを用意しているのだ・・・・と思ったらさにあらず。昔はサマになっていた画面分割や高速度撮影などのテクニックは見る影もなく衰え、それをまたしつこく繰り返すものだから、観ている方は面倒くさくなってしまう。

 事件を追うパパラッチ役にアントニオ・バンデラスも出てくるが、脚本がズンドコなので手持ち無沙汰の様子。見所といえば冒頭近くのウッフン場面ぐらいだろうか(笑)。

 しかしまあ、老監督の他愛のない空想話に付き合ってやったと思えば、あまり腹も立たないかもしれない。主演のレベッカ・ローミン=ステイモスは「X-MEN」シリーズで全身真っ青メイクのミュータントを演じていた女優だが、今回はキレイな素顔としなやかな肢体を存分に披露しており、悪女役として今後も期待できそうだ。
コメント
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