ワザとらしい設定に自己陶酔的なクサいセリフ、超御都合主義な筋書きetc.いわゆる“少女マンガ的なもの”が虫酸が走るほど嫌いな私にとっては、この映画の鑑賞は苦痛でしかなかった。
それ以前に「avecmon mari アベック モン マリ」や「とらばいゆ」の大谷健太郎監督としては、随分と場違いな題材である。ロックバンドの女性ヴォーカリストと高校時代の恋人を追って上京してきた女のダブル・ヒロインということで、いつもの大谷監督ならそれぞれの恋愛相手も加わった四角関係の微妙な屈託をウィットに富んだセリフと共に面白おかしく淡々と描くところだが、本作は矢沢あいの同名コミックを“出来る限り忠実に”実写化することだけを目的に作られているせいか(私は原作は未読だが、そうらしい)、各キャラクターが極端に図式的かつ一面的に設定されており、これでは監督も得意の“腹芸(?)”を見せる余地がない。プロデューサー側が何を狙って大谷を起用したのか、まったくもって謎である。
それでも、コンサートの場面が優れていれば目をつぶる気にもなろう。だが、これもダメ。ロックの何たるかが全然分かっていない。
中島美嘉は本職だから演出がまずくても一応絵にはなるが、松田龍平が所属するバンドは最低。あれは断じてロックではなく、ただのアイドル歌謡だ。こんなイモバンドにホイホイと参加してしまう軟弱野郎を忘れられない女性ロッカーって、いったい何なのかと思ってしまう(笑)。
演技陣はおおむね低調ながら、唯一“ハチ”役の宮崎あおいだけは目立っていた。あんな、さとう珠緒の出来損ないみたいな鬱陶しい女を生々しく演じられるのは、彼女の実力ゆえだろう。
なお、興行的には好調とかで同じスタッフで続編も作られるらしいが、私は観るのを遠慮したい。
それ以前に「avecmon mari アベック モン マリ」や「とらばいゆ」の大谷健太郎監督としては、随分と場違いな題材である。ロックバンドの女性ヴォーカリストと高校時代の恋人を追って上京してきた女のダブル・ヒロインということで、いつもの大谷監督ならそれぞれの恋愛相手も加わった四角関係の微妙な屈託をウィットに富んだセリフと共に面白おかしく淡々と描くところだが、本作は矢沢あいの同名コミックを“出来る限り忠実に”実写化することだけを目的に作られているせいか(私は原作は未読だが、そうらしい)、各キャラクターが極端に図式的かつ一面的に設定されており、これでは監督も得意の“腹芸(?)”を見せる余地がない。プロデューサー側が何を狙って大谷を起用したのか、まったくもって謎である。
それでも、コンサートの場面が優れていれば目をつぶる気にもなろう。だが、これもダメ。ロックの何たるかが全然分かっていない。
中島美嘉は本職だから演出がまずくても一応絵にはなるが、松田龍平が所属するバンドは最低。あれは断じてロックではなく、ただのアイドル歌謡だ。こんなイモバンドにホイホイと参加してしまう軟弱野郎を忘れられない女性ロッカーって、いったい何なのかと思ってしまう(笑)。
演技陣はおおむね低調ながら、唯一“ハチ”役の宮崎あおいだけは目立っていた。あんな、さとう珠緒の出来損ないみたいな鬱陶しい女を生々しく演じられるのは、彼女の実力ゆえだろう。
なお、興行的には好調とかで同じスタッフで続編も作られるらしいが、私は観るのを遠慮したい。