041:血
われに血を授けし母の命日の夜にひとり観る雷蔵シネマ
042:映画
母とゆく海辺の町の木曜座大映映画専属館へ
043:濃
Oの字に口あけうたふマドンナの口をふちどる濃きべにのいろ
044:ダンス
たそがれのダンススタジオ・ルネ芦屋姑の靴音たからかに鳴れ
045:家元
両親の仕事は元画家元モデルいまはスナック経営らしい
われに血を授けし母の命日の夜にひとり観る雷蔵シネマ
042:映画
母とゆく海辺の町の木曜座大映映画専属館へ
043:濃
Oの字に口あけうたふマドンナの口をふちどる濃きべにのいろ
044:ダンス
たそがれのダンススタジオ・ルネ芦屋姑の靴音たからかに鳴れ
045:家元
両親の仕事は元画家元モデルいまはスナック経営らしい
2004年8月の作品からずうっと見て来ましたが、大変失礼ながら、「あの近藤かすみさんの作品がこんな具合でいいのか」という印象の抱き続けでした。巧拙は別として、現在の近藤作品の特徴である、絶妙な仕掛けや陰影や情念のこもった作品が皆無だったからです。しかし、上掲の作品「たそがれの~」に出会って、私は初めて満足感を覚えました。いよいよ近藤短歌の開花ですね。
「姑の靴音たからかに鳴れ」という白秋を思わせる格調高い韻律と抒情の中に込められた、「愛憎」と「陰影」とに裏打ちされた「高雅な批評精神」は、まさに近藤短歌の真髄を表わすものでしょう。
平成の和泉式部誕生おめでとうございます。
そんなに持ち上げていただくほどのものでもありません。
ダンスの題で思案しているときに、たまたま芦屋方面へ行くことがあって、車の窓から「スタジオ・ルネ」という看板を見つけ一首にしました。
思えば、このころバンバン出来ていました。最近、それが停滞気味です。