気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人12月号 12月の扉

2013-11-29 00:13:04 | 短歌人同人のうた
はがき10円封書20円切手のころ明るき一生(ひとよ)を念ひてありき

午年の見本切手もはり出され初春の気は郵便局に生ず

(斎藤典子 ひとひら)

点線の枡目へぴたと切手貼るようにはゆかずわれの気持ちは

十円分足りず戻って来た手紙 出したくもあり出したくもなし

(荒井孝子 乙女座)

個性的であればあるほど好まれて日本にはない三角切手

シートから一枚切手切り離す瞬間今年の秋が始まる

(森 直幹 夏の終わりに)

切手なくメール便にて来る封書つみおきて開く三日の後に

八十円切手のキジバト飛べるのか色なき空の下にたたずむ

(寺島弘子 かなしみ色の切手)

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短歌人12月号。12月の扉より。今月のお題は「切手」

左上に切手貼るとき目を逸らす風流美人図傘さす女(近藤かすみ)

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3 コメント

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Unknown (teruo)
2013-12-01 11:44:24
はがき10円封書20円切手のころ明るき一生(ひとよ)を念ひてありき (斎藤典子 ひとひら)

母子家庭で私はそのころ必死でしたが…
末尾ご本人の一首をふくめて「ごくあたりまえに育った」ひとたちの作品にあこがれを感じることがあります。
Unknown (teruo)
2013-12-01 11:56:20
訂正、
そのころとは、はがき5円の時代でした。
Unknown (かすみ)
2013-12-01 22:55:21
teruoさま

何が「ごくあたりまえ」なのかわかりませんが、人それぞれですね。きょうは現代歌人集会秋季大会に行きました。