クラウンが道具片せる晩秋(おそあき)の広場の日暮れ死の匂ひせり
Welcome to JFKと死者の名の大き文字見ゆ機窓より見ゆ
おおここに高々と「無」が聳えをりグラウンド・ゼロ風吹くばかり
黄昏を浴びて世界はグラウンド・ゼロへと進むパレードである
昼まだき古書肆の奥処棚ひえて「新鋭歌人叢書」一束(いつそく)
ハローキティに口無きことを忍従の日本女性の像と読みつつ
一斉に都庁のガラス砕け散れ、つまりその、あれだ、天使の羽根が舞ふイメージで
(黒瀬珂瀾 空庭 本阿弥書店)
*******************************************
黒瀬珂瀾は、昭和52年生まれ。若い。でも歌には「死」の匂いが多く歌われている。若いからこそ死に敏感なのだろう。われわれの年になると、「考えたらやってらんない」状況になってしまう。
今後の活躍がますます期待される歌人だ・・・と私が言うのもおこがましいが・・・。
Welcome to JFKと死者の名の大き文字見ゆ機窓より見ゆ
おおここに高々と「無」が聳えをりグラウンド・ゼロ風吹くばかり
黄昏を浴びて世界はグラウンド・ゼロへと進むパレードである
昼まだき古書肆の奥処棚ひえて「新鋭歌人叢書」一束(いつそく)
ハローキティに口無きことを忍従の日本女性の像と読みつつ
一斉に都庁のガラス砕け散れ、つまりその、あれだ、天使の羽根が舞ふイメージで
(黒瀬珂瀾 空庭 本阿弥書店)
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黒瀬珂瀾は、昭和52年生まれ。若い。でも歌には「死」の匂いが多く歌われている。若いからこそ死に敏感なのだろう。われわれの年になると、「考えたらやってらんない」状況になってしまう。
今後の活躍がますます期待される歌人だ・・・と私が言うのもおこがましいが・・・。