気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

八十一の春 奥村晃作 文芸社

2019-02-02 22:04:49 | つれづれ
不忍池埋め尽くす大賀ハスその数かぞえることは不可能

鳥たちの頭小さい 鳩見ても体に比べ頭小さい

大きな雲大きな雲と言うけれど曇天を大きな雲とは言わぬ

一万歩越すや画面にヒト現われバンザイ、バンザイする万歩計

ハンマーで叩いて口語短歌へと文体を移す慎一郎は

目の前の女性手早く化粧して最後は鼻筋白っぽく塗る

つかまれて打たれ裂かれて焼き塗られ鰻はあわれ蒲焼となる

水原紫苑の歌がどうにも分からぬと無理だと判じた「ヘルメス歌会」

ラッシュ時は座席が壁に畳まれる新型詰込み車両に乗りぬ

鉄板の上にちいさな山をなす母九十七の白骨目守る

(奥村晃作 八十一の春 文芸社)

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