気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2013-05-13 17:45:03 | 朝日歌壇
折りたての折り紙のよう先生はスーツに身を包み家庭訪問
(諏訪市 宮澤恵子)

「わかったわ」「わからないの」を繰り返しやがては童女に戻りゆく母
(高槻市 川上由起)

蒲焼きの煙で飯を食えとばかり団扇であおぐアベノミクスは
(青梅市 津田洋行)

***************************************

一首目。上句の「折りたての折り紙のよう」の比喩が素晴らしい。先生も生徒も生徒の家族も緊張しているのがわかる。家庭訪問があったときは、いまほど家が散らかることはなく、人を呼べる家だったな・・・と反省する。
二首目。会話が生きている歌。親が長生きをして、それに付き合うとこういう感慨を持つのだろう。
三首目。この歌も比喩がうまい。景気がよいという実感はまるでない。いつも無駄使いしないか、びくびくして生活している。しかし家計簿をつけて管理する能力はなし。

最新の画像もっと見る