気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

暮れ惑ふ 平居久仁子

2007-03-30 23:39:34 | 交友録
気短に冬の日は暮れる路地裏のぽん菓子売りにぽんと言はせて

紅ささぬは裸と同じと咎めゐし錦紗のショールに叔母の手触り

打ち明けない秘密と解かれない嘘と夕べかなしき『リリー・マルレーン』

仕合せは真綿布団の裡に在り重さしんねり身に添ふあたり

閑話休題御身大切になさいまし瞼うつすら紅を帯びてゐる

(平居久仁子 暮れ惑ふ 短歌人4月号 卓上噴水) 

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平居久仁子さんは、関西歌会の先輩。というよりは、わたしのことをよくわかってくれる良きお友達である。はじめて歌会というものに、参加した帰り、京都方面だということで一緒に帰ってくれて、「欠詠はしたらあかんよ」などなど、結社に入って短歌を作ることの心得をやさしく教えてくださった。そのあとも、何か困ったら平居さんに相談してしまう。ご厄介かけてゐます。
わたしが旧かなのよさを知って、使いはじめたのも、彼女の研究会の発表がきっかけだった。文語口語にこだわらず、旧かなの良さ、やわらかさを使っていきたい。
ゐ、ゑ、などの文字のかたちにも惚れてしまった。

最近、短歌で絶好調の平居さん。憎らしいほどの巧さだ。今回の一連は、秘密の恋を思わせる歌もあって、艶っぽい。わたしも関西の仲間に刺激されて、すこしずつお酒の味を覚えつつある。酒豪の久仁ちゃんのおかげかな?



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