気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

宙吊り 大橋麻衣子 

2007-04-05 23:22:19 | 交友録
冷蔵庫しめて会釈をする河童ねむりたくないねむりのつづき

人込みを突破したくて急ぐ足足足足足どれがわたしの

天辺におっ立つように髪を結う未熟だが鬼と呼んでくだされ

(大橋麻衣子 宙吊り 短歌人4月号)

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関西短歌人会の主要メンバーである大橋麻衣子さんは、不幸をデフォルメしたような歌を作る人だ。歌に出てくる30代の子持ちの主婦像をつい彼女そのものとして読んで、老婆心をくすぐられるのだが、本当はどこまでが虚構なのか真実なのか、わからない。外見も美形なので、つい好奇心をそそられる。
ところで、今月の彼女の作品のうち、上に挙げたものは、いままでになかった傾向のコミカルな歌で、面白かった。今後こういう方向へ進むのは、よいことだと思う。新境地の開拓かと喜ばしく思った。ずっと後輩なのに生意気を言ってしまってすみません。

画像は、賀茂川沿いの半木の道の桜。JR東海「そうだ京都へ行こう」のHPからお借りしました。



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