気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2013-12-16 19:03:33 | 朝日歌壇
履歴書を茶色いペンで書いてきたマスブチ君が職場に馴染む
(横浜市 原田彩加)

木枯しに車を誘導する男車とだえて足踏みしおり
(三原市 岡田独甫)

小春日のニコライ堂に登る道バッハのチェロ曲似合う道なり
(東京都 三戸悠紀)

***************************************

一首目。履歴書を茶色いペンで書くとは、常識はずれ。しかし、そんなマスブチ君も職場に慣れてきたことを作者は喜ぶ。上句の具体的な行動で、マスブチ君の人柄がわかる。マスブチというちょっと珍しい名前もリアリティがある。
二首目。労働の歌。車を誘導して動いているときは、寒さが紛れるが、車がとだえるとしんしんと冷気がしみて足踏みしてしまう。この歌も現実味があっていい。
三首目。ニコライ堂は東京神田駿河台にある。数年前、新年歌会のために上京したとき、一度だけ行ったことがあるが、たしかにバッハの曲が似合いそうな雰囲気があった。
http://www.geocities.jp/ynicojp2/seido-haikan.html