もうホームページは新型に切り替わっています。
はや!
こっちが新型で……、
こっちが旧型。
http://www.trekbikes.co.jp
なるほど、ほとんど一緒ですが情報通り軽量化とカーボンレイアップの変更、なによりチェーンステーに違いがあります。
http://www.roadbikeaction.com/Features/content/313/6752/First-Look-2014-Trek-Project-One-Madone.html
新型はBBから半ばちょいこえまで一回り太くなっています。旧型はスムーズに細くなっていくのに対して、新型はかなり段差があります。これは縦方向に楕円だったのが横方向へ急激に変化するためです。さらに上側のラインだけ取り上げてみると、弓なりにカーブを描いています。
http://www.bikerumor.com/2013/06/28/trek-introduces-new-madone/#more-62262
要するにここで振動吸収性を高めたい、チューブをしならせたいということなんでしょう。キャノンデールのSAVEマイクロサスペンションに通じる考えかと。極限まで軽く硬くなってきたロードバイクは、また快適を求めるフェーズに入りつつあります。トレックには快適性を重視したモデルはドマーネがありますが、そこまで行かなくても、可能な範囲で追求していくのは最新バイクの宿命ですね。
マドンはチェーンステーにブレーキを取り付ける最新エアロロードの先駆けの1台です。BB側が太く、おそらく剛性強化に振られたのもブレーキング部の力を受け止めるためかと。現在でもブレーキ力に不満は聞かれませんが、このシマノのダイレクトマウントのシートステーモデルはまさにマドンが最初です。この二年でさらなるデータの蓄積により、より最適な意見が出て来てもおかしくありません。新型はまさにそれが反映されたのでしょう。
こうやってマドン7をフレーム単体で見てみると……、ヘッドチューブ~ダウンチューブのボリュームが圧倒的です。その太さはフロントフォーククラウンと比べてもらうと分かりやすいかと。トレックは数あるテーパーコラムでもワンポイントファイブを採用しています。現行ではロードとMTBを合わせてみても最大径の規格です。それに対応するフォークなのに、ヘッドチューブはこのフォークがまるで1インチであるかのような錯覚さえ与えます。とんでもないサイズです。もちろんここはエアロロードであるためのカムテール理論の発揮場所でもあるのですが。
フォーククラウンとチェーンステーを比べても、新型のボリュームアップがわかりますね。確かに踏んだときにもっとも負荷が掛かる場所なので、それに対する方策としては妥当です。こんな風に部分的に変更が利くのも多ピースモノコックの利点です。完全なモノコックだとこうはいきません。面白い事に完全一体であるワンピースモノコックよりも、多ピースモノコックの方が現状では軽いのです(トレックもそうですが、キャノンデールもサーヴェロも多ピース式です)。もちろん軽さが性能のすべてではないので、あくまでパラメータの一つでしかありませんけど、興味深いですね。未来ではどうなっているか分かりませんが……。
さらにこれは昔からの5000系あたりからのトレックの特徴なんですが、相変わらずシートチューブの延長線上にBBがありません。オフセットしているのです。裸にしてみると面白い事に今更ながら気がつきます。
おまけ
これはどこで拾ったか忘れてしまったのですが、おそらくマドンの旧6シリーズ辺りのプリプレグの内訳です。
結構細切れです。最近は長く使用する傾向が出始めていますので、新7シリーズも色々と変わっている可能性があります。それにしてもチェーンステー辺りをピックアップしても、各部で剛性を変えるために形状、積層が非常に細かく変更されています。金属チューブであった時代はここまで役割を細分化することは出来ませんでした。カーボンのメリットは軽さ、剛性もあるのですが、各部の強化、弱化などがかなり簡単に出来るということも見逃せません。
黎明期であれば製作方法や良いカーボン素材の調達など、苦労も多かったでしょうけど、現在ならむしろこっちのほうが簡単なのかもしれませんね。