ノーマルとXVに続く新作です。
ケーンクリーク・
ダブルバレルエアCS
CSとは『クライム・スイッチ』を意味します。文字通り上りを意識したバージョンのようです。
↑一番のキモとなるのはこのコンプレッション系、リバウンド系とも異なる『クライム・スイッチ』と名付けられたレバーです。
http://www.canecreek.com/
https://www.facebook.com/pages/Cane-Creek-Cycling-Components/124691776683
http://www.pinkbike.com/news/Cane-Creek-DBair-CS-First-Look.html
しかしケーンクリークはダブルバレルにぞっこんですな(笑)。特にエアユニットにばっかりというか、これしか見えていないような気すらしてきます(苦笑)。個人的には昔作っていたホイールとかをもう一度トライして欲しかったりします。
ま、それはさておき。
特性を見ると……、なんだこりゃ?
なにやらえらいこと変化するようです。
まずここでダブルバレルのおさらいをしたいと思います。写真はコイル式のダブルバレルですが、基本的にはダンパーシステムのことなのでほぼ同じです。ダブルバレルはMTBでは珍しい、4つのダンピング制御が可能です。すなわちハイコンプレッション、ローコンプレッション、ハイリバウンド、ローリバウンドです。ハイやローはシャフトの動くスピード=内部のオイルの流動速度です。要するにガレた道でホイールからフレーム、ショックへ伝わる時の入力速度に対するハイローと考えて良いでしょう。
こっちはコイルとノーマルエアのダンパーノブ。専用工具が必要で、二つの金色のノブの手前と奥がそれぞれハイローを独自に司っています。
こっちが新型のCS。アーレンキーで調整が可能になり、ハイローも別々にアジャスターが設けられています。
一般的な自転車用ショックユニットはシングルスリーブ構造なので、ダンパーオイルは同じ道を行き来することになり、コンプレッションもリバウンドも独自に設けられているのですが、オイルの通り道を変化させるとどうしてもお互いに干渉し合っていました。
フォックス・DHX RC4の断面図。ダブルバレルと違い、単筒なのがわかります。
http://www.foromtb.com/showthread.php?t=455870
これはある意味簡単に解消はできたのです。モーターサイクル用のショックでは実現されているのですから。しかしMTBには性能と同時に軽量性も求められます。そのため完全に分離可能な構造は使用されて来ませんでした。しかしここでケーンクリークがオーリンズのパテントを得てダブルバレルシリーズをリリースします。重量も胴体部を二重にすることで嵩むと思われましたが、意外や意外、ほとんど変わりませんでした(ダブルバレルコイル:442グラム、DHX RC4:447グラム)。これにより高性能を実現したケンクリは現在、リヤショックでは5thエレメント以来と言って良いくらいの人気を博しています。
とは言ってもダンパー構造をそのままエア式にすると、かなりな重量になります。フロートXが365グラム、ダブルバレルエアーCSは509グラムですから、かなりな差と言って良いでしょう。それでもこのショックがここまで注目されるのは、重さを補ってあまりある性能故でしょう。高性能なダンパーに加え、新採用したクライミングスイッチにより上りでの使用に耐えられる大容量ユニットとという新たなジャンルを確立しようとしています。
で肝心なクライミングスイッチです。先ほどのグラフのようにかなり特性が変わります。
ボビングをさせない、コンプレッション側でコントロールするのが大体のアンチボビングシステムでした。例外的なのはテックインのMバルブでした。あれはリバウンドをペダリング時にボビングとなる周波数帯の動きを制限することでペダリングロスを無くしていました。……ああ、あんな素敵なメーカーが無くなってしまうなんて。もう、ああいうプロダクトが日本から現れるのを見ることは出来ないのでしょうか(涙)?
それはさておき、
5thエレメントのCVTもマニトウのSPVも基本的に圧縮方向に力が向かうとき、ピストンに、ある一定の力が加わらないと動かないような力を掛けておき(エアもしくはコイルスプリングなど)、小さな入力との均衡を保つようにしてありました。この構造で無駄な動きをカットしていたのです。しかしダブルバレルエアーのクライミングスイッチは違います。
クライミングスイッチを作動させることにより、コンプレッションとリバウンド両方のロー側ダンパーのイニシャルを一気に変更することが可能なのです。グラフの横方向がシャフトの速度を示し、縦は力を表します。クライミングスイッチを入れると、ロー部分の動きが一気にカットされているのがわかります。おお、こりゃすごい!コンプレッションとリバウンド両方を制御出来るのもダブルバレルシステムを持つダブルバレルエアーでしかできないことなんですが、ロー側だけを制限してアンチボビングとするというのもこれまたスゴイ!!
これにより車体の無駄な揺れを防ぐとか。
うーん、かなり面白そうなショックです。140ミリクラスのバイクでも突っ込む価値はありそうですね。2014年、オーリンズと並んで大注目な製品です! ……両方ともルーツは同じなんですけどね(笑)。
ケーンクリーク・
ダブルバレルエアCS
CSとは『クライム・スイッチ』を意味します。文字通り上りを意識したバージョンのようです。
↑一番のキモとなるのはこのコンプレッション系、リバウンド系とも異なる『クライム・スイッチ』と名付けられたレバーです。
http://www.canecreek.com/
https://www.facebook.com/pages/Cane-Creek-Cycling-Components/124691776683
http://www.pinkbike.com/news/Cane-Creek-DBair-CS-First-Look.html
しかしケーンクリークはダブルバレルにぞっこんですな(笑)。特にエアユニットにばっかりというか、これしか見えていないような気すらしてきます(苦笑)。個人的には昔作っていたホイールとかをもう一度トライして欲しかったりします。
ま、それはさておき。
特性を見ると……、なんだこりゃ?
なにやらえらいこと変化するようです。
まずここでダブルバレルのおさらいをしたいと思います。写真はコイル式のダブルバレルですが、基本的にはダンパーシステムのことなのでほぼ同じです。ダブルバレルはMTBでは珍しい、4つのダンピング制御が可能です。すなわちハイコンプレッション、ローコンプレッション、ハイリバウンド、ローリバウンドです。ハイやローはシャフトの動くスピード=内部のオイルの流動速度です。要するにガレた道でホイールからフレーム、ショックへ伝わる時の入力速度に対するハイローと考えて良いでしょう。
こっちはコイルとノーマルエアのダンパーノブ。専用工具が必要で、二つの金色のノブの手前と奥がそれぞれハイローを独自に司っています。
こっちが新型のCS。アーレンキーで調整が可能になり、ハイローも別々にアジャスターが設けられています。
一般的な自転車用ショックユニットはシングルスリーブ構造なので、ダンパーオイルは同じ道を行き来することになり、コンプレッションもリバウンドも独自に設けられているのですが、オイルの通り道を変化させるとどうしてもお互いに干渉し合っていました。
フォックス・DHX RC4の断面図。ダブルバレルと違い、単筒なのがわかります。
http://www.foromtb.com/showthread.php?t=455870
これはある意味簡単に解消はできたのです。モーターサイクル用のショックでは実現されているのですから。しかしMTBには性能と同時に軽量性も求められます。そのため完全に分離可能な構造は使用されて来ませんでした。しかしここでケーンクリークがオーリンズのパテントを得てダブルバレルシリーズをリリースします。重量も胴体部を二重にすることで嵩むと思われましたが、意外や意外、ほとんど変わりませんでした(ダブルバレルコイル:442グラム、DHX RC4:447グラム)。これにより高性能を実現したケンクリは現在、リヤショックでは5thエレメント以来と言って良いくらいの人気を博しています。
とは言ってもダンパー構造をそのままエア式にすると、かなりな重量になります。フロートXが365グラム、ダブルバレルエアーCSは509グラムですから、かなりな差と言って良いでしょう。それでもこのショックがここまで注目されるのは、重さを補ってあまりある性能故でしょう。高性能なダンパーに加え、新採用したクライミングスイッチにより上りでの使用に耐えられる大容量ユニットとという新たなジャンルを確立しようとしています。
で肝心なクライミングスイッチです。先ほどのグラフのようにかなり特性が変わります。
ボビングをさせない、コンプレッション側でコントロールするのが大体のアンチボビングシステムでした。例外的なのはテックインのMバルブでした。あれはリバウンドをペダリング時にボビングとなる周波数帯の動きを制限することでペダリングロスを無くしていました。……ああ、あんな素敵なメーカーが無くなってしまうなんて。もう、ああいうプロダクトが日本から現れるのを見ることは出来ないのでしょうか(涙)?
それはさておき、
5thエレメントのCVTもマニトウのSPVも基本的に圧縮方向に力が向かうとき、ピストンに、ある一定の力が加わらないと動かないような力を掛けておき(エアもしくはコイルスプリングなど)、小さな入力との均衡を保つようにしてありました。この構造で無駄な動きをカットしていたのです。しかしダブルバレルエアーのクライミングスイッチは違います。
クライミングスイッチを作動させることにより、コンプレッションとリバウンド両方のロー側ダンパーのイニシャルを一気に変更することが可能なのです。グラフの横方向がシャフトの速度を示し、縦は力を表します。クライミングスイッチを入れると、ロー部分の動きが一気にカットされているのがわかります。おお、こりゃすごい!コンプレッションとリバウンド両方を制御出来るのもダブルバレルシステムを持つダブルバレルエアーでしかできないことなんですが、ロー側だけを制限してアンチボビングとするというのもこれまたスゴイ!!
これにより車体の無駄な揺れを防ぐとか。
うーん、かなり面白そうなショックです。140ミリクラスのバイクでも突っ込む価値はありそうですね。2014年、オーリンズと並んで大注目な製品です! ……両方ともルーツは同じなんですけどね(笑)。