その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

エディンバラ・フェスティバル・フリンジ 2011 (2)

2011-09-04 16:07:47 | 旅行 イギリス
 電話帳ほどもあるフリンジ公演ガイド。21192のパフォーマンスの中から選ぶのは至難ですが、今年は3つの公演をピックしました。

【Out of the Blue】



 昨年、初めて知ったオックスフォード大学の男性アカペラグループ。歌唱力もさることながら、振付の面白さで、腹を抱えて笑わせてもらいました。今年も、やっぱり気になります。

 去年はエディンバラ大学内の小ホールでしたが、今年は普段は何に使われているかわからないような謎の石造りの建物群の中にあるホール。200名程度の収容ですが、会場は満員で、BoxOfficeの売切れリストの筆頭に挙がっていました。

(会場番号33。この門をくぐると、中庭があり、それを囲んだ館の部屋部屋が会場として使われます)


(真ん中の黄色の方向指示案内が、館内の会場の方向を指し示しています)




 芸風は昨年と変わっていませんが、メンバーは卒業生が新入生の入れ替えがあったようで、相当変わっていました。私を昨年一番笑わせてくれた人はもう卒業したらしく不在。相変わらず、歌も上手だし、振りやトークも面白いのですが、昨年に比べるとややトンガリ人材が不在でパンチに欠けた印象がありました。







 ※Out of the BlueのHP→

【Bellissiama】



 男性アカペラを聴いたので、次は女性アカペラでも思い、オックスフォードの女性アカペラグループBellissiamaを聴きに行きました。

 場所はエジンバラ芸術大学のキャンパス内の小ホール。定員は200名ぐらいかと思われましたが、観客は60名位で空き空き。Out of the Blueの熱気と比べると、かなりさびしい雰囲気でした。

 女性7名のこじんまりしたグループで、バラードやポップなスタンダードな曲から比較的新しい曲(聞いたことはあるけど、名前まで知らない)を歌ってくれました。歌はそれなりに上手でしたが、軸になるような秀でたボーカルが居なかったこと、歌以外の見せ場(振りとか)は全くなかったので、50分の公演が聴いていて限界です。失礼ですが、日本の大学のアカペラサークルが学園祭で行う公演の方が上手で面白いかも。






【3 GAGA HEADS: Tokyo Game】



 フリンジと言えばやはりコメディが主役です。ただ、きっと英語のコメディを聞いても私には理解できない可能性が大きいこと、そして、結構日本人のパフォーマーを見かけたことから、日本人によるパフォーマンスを応援しようと思い、3 GAGA HEADSというグループのコメディを見に行きました。

(会場番号88番。かなり怪しい会場でした。この右手の建物の中の4部屋が会場として使われています)


(しとしと冷たい雨の中、開場を待つ人たち)




 場所はCAVEというまさに石造りの古い建物のパブの2階にある、陽が一切入らない洞穴のような会場です。50-60名が入るのが一杯と言う感じの、石の壁に囲まれて、暗くて、カビの匂いが匂ってきそうな空間に足を踏み込むと、それだけで何かとんでもないことが起こりそうな期待感と不安感が襲ってきます。

 満員とは行きませんが、40名位は入っていたような気がします。日本人も居ましたが、他のアジア人の若者や西洋人も多くいたのは驚きでした。

 芸は何と言うのでしょうか?全身タイツ姿で現れた日本人男性3人組による、タイツを駆使した芸やお座敷芸的な言葉を使わないコメディです。幾つか私には何が面白いのか意味不明な芸がありましたが、概ねとっても楽しめました。私よりも近くに居た白人が大笑いしていたので、ちょっと不思議な気分でした。

(ETです)






あとでHPを覗いてみたら、日本ではTVにも出たり、海外巡業を続けたりしているようです。なんか、こうして世界に挑戦している日本人を見て、そのチャレンジ精神に拍手を送りたいと思いました。

3GAGAHEADSのHP(芸がいくつかVIDEOで観られます)→

 いろいろ質的には玉石混合のエディンバラ・フェスティバル・フリンヂの公演ですが、このフェスティバルの面白さは、公演そのものの質というよりも、世界の芸人の一発当ててやろうとするチャレンジ精神や鍛えた技を披露しあうという競技的な舞台、そして旅先で面白いものを貪欲に物色する観光客たちが作り出す全体の雰囲気だと思います。この2年半、欧州内のいろんな所に足を運びましたが、私としてはこのイベントは間違いなく一押しです。

 2011年8月27-29日

 ※エディンバラ・フェスティバル・フリンジのHPはこちら→
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