その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

これはホンモノ 高知城!:2024年夏 高知の旅(3)

2024-08-28 07:30:48 | 旅行 日本

今回の旅行ではホテルの朝食はつけなかった。一つには費用抑制だが、もう一つは、夕食をたくさん頂いた翌朝は、ホテルの朝食ブッフェは食べきれないからだ(ブッフェで少種少量しか食べられないは逆に欲求不満が溜まる)。ホテル近くのドトールの朝食セットで、2日目を始動させた。この日は市内の主要観光スポットを巡るつもりで、午前中は高知城へ。

【高知城】
高知城は、山内一豊により1603年に築城され、今でも江戸時代の天守が現存する十二城の内の一つ(重要文化財)。天守と御殿がそのまま残っているのは、高知城だけとのことだ。

城は小山の上に建っており、朝から30度を優に超える気温の中で本丸に上るのは汗に汗。階段の作りや、石垣などを見ながら、本丸まで辿り着く。柱の太さや壁の作りから本物感がひしひしと伝わってくる。

御殿のエリアでボランティアガイドの方から、城の歴史や概要について話を伺う。現在、姫路城など国宝指定されている五城への追加登録運動中とのことで、築城(改築?)当時の祈祷札など建築の証跡となる札が発見できれば、国宝指定も可能なよう。ただ、どうもそれが見つからないらしく、500万円の懸賞金がかかっているとか。神保町の古本屋や古物店で見かけたら教えて欲しいとのこと。「土佐の男がせこいと思われたくないですが、10%中間マージンはくださいね」って(笑)。

(御殿)

天守めざして階段を上がっていく。途中、江戸時代当時のお城と城下のジオラマ展示もあり、これらも楽しい。上がるにつれて狭くなる階段を昇り、天守へ上がる。




天守から市内の眺望はすばらしかった。あまり気が付かなかったが、高知市街は山に囲まれた盆地なのだ。北側の四国山地は気づいていたが、西側も南側も山に囲まれている。かろうじて、室戸方面になる東側に平地が広がっているぐらいだ。最近はどの街に行っても見かけるタワマンが見当たらないので懐かしい風景のような感じがする。

国宝の彦根城や犬山城も然りだが、この城は、天守や各層はさほど広くないので、兵を置くにも数は限られるだろう。戦闘用の要塞としては厳しい気がする。統治のシンボルであり、接待用の施設に見えた。

(きっと)高知市街では一番高い位置にある建築物だろうから風通しが良く、気持ちいい。汗も少しずつ引いていく。

 

【高知城歴史博物館】

天守の展望を楽しんだ後は、山を下りて、追手門の対面にある高知城歴史博物館を訪問。「涼し〜い博物館へようこそ」とのキャッチフレーズに吸い込まれるように中に入る。確かに涼しい〜。

涼しさだけでなく、「土佐藩主山内家伝来の貴重な資料を中心に、土佐藩・高知県ゆかりの歴史資料の数々を収蔵・展示する本格的な博物館」(高知市HP)で、見どころたっぷりであった。

常設展示で目を引いたのは、展示室入り口直ぐに観た「長宗我部地検帳のうち土佐郡大高坂郷地検帳」(天正 16 年)。なるほど、検地ってこうやって帳面に記録したのね。時間を超えてリアルに触れるのは、歴史が立体感をもって迫ってくる。

土佐藩の歴史のエリアでは、200年を超える幕藩体制の中での土佐藩の政治・経済・社会情勢のパネルや史料が展示してある。お家の相続危機や財政難等あったようだが、取潰し、改易・転封を免れて続いたのも、様々な藩士たちの苦労の賜物であることがわかる。そうした継続性も高知独自の文化を育ててきたのだろう。

また企画展では「武家の服飾~山内家伝来装束の世界~」が開催中で、羽織、袴から能の装束など山内家に伝わる衣装類が展示されていた。時間の関係でここは軽くで済ませた。

※高知城では、城と「高知城歴史博物館」の入場料がセットになった共通入場券も販売されていて200円ほど安くなるのでお勧めです。

 

【昼食】

午後からレンタカーを予約していたので、倒れるような灼熱の太陽の下、レンタカーオフィスのある高知駅近くまで移動したものの、昼食を食べるようなところが見当たらない。何とか、駅チカの昭和の喫茶店風のお店「駅前キッチンKAMEI」へ飛び込んだ。ここで、親子丼とうどんのセットを頼む。ローカルフードでは無いけど、家庭的な心温まる味でとっても美味しかった。高知の食に外れなしは、継続中。

(2日目 午前)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする