納沙布岬、チャシ跡のあとも根室半島のドライブツアーは続きます。
【北方原生花園】
75ヘクタールの広さで 6 月下旬~9 月上旬にかけて約100種類の花々が咲き誇る日本最東端の原生花園です(「根室十景 北方原生花園 見どころマップ」より)。北海道の原生花園は、小清水原生花園やサロマ湖ワッカ原生花園を訪れたことがありますが、広大な原野の風景は北海道らしさを感じることができる風景で私はどこも好きです。この北方原生花園も雰囲気は似たものがありますが、日本最東端の原生花園と言われると、特別感があります。
広いわ~。「ポニーが出て行かないようにゲートはしっかり閉めてくれ」と注意書きはあったものの、ポニーが見当たらないのは残念でした。帰り間際に花園の端っこに居るのを発見。
この辺りには、牧場も多く、乳牛らもいました。ポニーにしろ、牛にしろ、羊にしろ、動物たちがいると、ゆったりとした気持ちになれるのが不思議です。
市内中心部に戻って来ました。根室港に立ち寄りましたが、時期的なものか、時間的なものかよく分かりませんが、漁船が入港しているわけでもなく、人影もほとんどなく、殺風景であったので、直ぐに出発。
【電信陸揚げ局】
個人的な興味を引いたのは、根室と北方領土の各島と結ぶ起点となる、根室国後間海底電信線陸揚施設。1929年に旧逓信省により設営され、択捉島まで繋いでいたとのこと。終戦直後に情報漏洩防止のためケーブルは切断され、今は遺構となっていますが、当時の姿を思い起こせます。
【碓氷勝三郎商店】
釧路の居酒屋に行くと必ず置いてある地酒が、釧路の「福司(ふくつかさ)」と根室の「北の勝(きたのかつ)」。根室に来たからには北の勝の醸造所を観てみたいということでマップを基に尋ねました。碓氷勝三郎商店という個人商店のようなのですが、どんな佇まいの醸造所なのか、見学とかできるのか、興味津々です。
確かに、市街中心部に位置する同社は、創業1887年(明治20年)であるというだけあって、歴史を感じる建物です。ただ、この日は肩透かし。敷地の中の駐車場に車を止めてみたものの、全く人の気配を感じない開店休業状態。この会社大丈夫なのだろうか?とちょっと不安になるぐらいです。何か見逃している所があるに違いないと、暫しうろうろしましたが、まるで人気無し。挙動不審者扱いされるのも嫌なので、退散しました。その夜、釧路の居酒屋でその話をしたら、この時期は仕込みでもないし、出荷も終わっていて、操業停止状態なのだろうとのことでした。ホントかしら?
【タイエー やきとり弁当】
エスカロップを勧めてくれた釧路出身の友人が、もう一つお勧めしたのが、タイエー(根室の地のスーパーマーケット)の焼き鳥弁当(名前は鳥だが、豚らしい)。以前、NHKの「ドキュメント72時間」でも取材されたスーパーとのことで、そこの名物弁当とのこと。「是非、買って、釧路に戻る列車の中で食べて。」とのお勧めです。
復路の列車が16時8分発で、レンタカー返却の時間も考えると、ほとんど時間が無くなっている中で、店に飛び込みました。東京のコンビニの倍くらいの大きさのお店の中は、中央にレジと、焼き鳥丼をはじめとするお店で売っている焼き物を作るキッチンになっているのを見て、この店の重要度がわかります。
「焼き鳥弁当はここで頼めばいいんでしょうか?」とレジのお姉さんに訊いたところ、「はい。この注文票に書いてください。焼き鳥弁当はご注文いただいてから作りますので、10分から15分お時間頂きます」とのこと。ガーン、10分かかったら、汽車に間に合わない。「汽車の時間がもうすぐなので、優先的にお願い出来ませんか?」と我が儘かまそうかと思ったけど、確かに3人ほどの先客さんがお待ちの様子なので、それはマナーに反するということで自重。
この汽車逃すと最終の汽車で、釧路到着が21時過ぎ。翌日の釧路湿原マラソンに合わせて、体調を整えなくてはならない中、どっちを優先すべきか?5秒の思考の後、泣く泣く焼き鳥べんとうは諦めました。時間が無く、お店の写真も焼き鳥べんとうのメニュー写真も取らず仕舞。次回の根室訪問の宿題ですね。観光ガイドにひっそり掲載されていた広告を共有します。
根室、まだまだ見どころあるようです。観光ポイントだけでも根室十景と言われているポイントを今回は2ヶ所(納沙布岬、北方原生花園)を廻っただけ。加えて、花咲ガニもさんまも棹前昆布も食べてない。後ろ髪惹かれる思いで、根室を後にしました。
(根室駅待合室)
2024年7月28日