(北海道上空)
今年の夏は長期休みは取らず、週末に1,2日の休みをくっつけて、短い連休をいくつか楽しむつもりです。第1弾は釧路湿原マラソンへの参加とJR花咲線の鉄旅をメインにした道東旅行を敢行。
初日は、お昼過ぎに釧路たんちょう空港に着陸したので、ウォーミングアップがてら夕刻の釧網本線釧路湿原の巡りを計画しました。
空港を出て最初の感想は、「涼しい。いや、寒い」。35℃前後の灼熱地獄の首都圏と20℃前後の釧路とは別世界。首都圏にいると、気温の感覚が麻痺していて、「釧路20℃」と天気予報サイトにあっても、その情報を解釈できなくなってました。涼しいとか寒いというのがどういうものか分からなくて、今回持参した長袖衣類はシャツは1枚。これから大丈夫か少々不安に。
空港バスで市内に向かい、遅い昼食を取って、ホテルにチェックイン。釧路湿原の列車観光と言えば、観光列車ノロッコ号が有名ですが、日に2便しかないので、この日は間に合いませんでしたので、ローカル線に乗っての湿原巡りです。
【釧路駅から塘路駅へ】
16時29分の網走行きに乗車。2両編成です。ノロッコ号ではありませんが、ノロッコ号の終点が塘路駅なので、そこまで約30分の短い汽車旅としました。
(昭和を感じる駅舎)
釧路の街を抜け、次の東釧路駅では下校したての高校生たちが乗ってきます。車両は満席で、床に座ったり、立ってスマフォ弄ったり。座っている生徒たちは、単語帳開いて勉強したり、あっという間に完睡してたり。この生徒達の家はどこにあるのだろう?1日に4本しかない電車での通学なんて 大変だ。
まもなく、列車は釧路湿原の林を走ります。夕刻になるにつれて曇りから薄日が差し込み、湿原や林の緑が美しく反射していました。夕陽なのに、朝日のような瑞々しい光です。
塘路駅で折り返しのため下車。逆方向の釧路行き列車まで1時間あるので近くを散策することにしました 若干湿り気はあるものの気温は23°c。東京の暑さとは桁違いの別世界です。そよ風が気持ちいい。車窓からも何匹か見ましたが、蝦夷鹿が普通にうろうろしてます。塘路は湿原のカヌーツアーの基地になっているようですが、そのカヌー業者さん以外のお店類は何もないですが、こういう何もないところに、特段あてもなくうろうろしているというのも、非日常で楽しい。
(塘路駅出た左手にある簡易展望台からの眺め)
(鹿がそこらにウロウロしてます)
(塘路湖)
【塘路駅から釧路湿原駅へ 細岡展望所】
塘路駅18:11発の釧路行きに乗り、釧路湿原駅に向かいます。列車に乗っていて一つ気が付きました。運転手が汽笛を鳴らす時や スピードを急に落とした時は大抵、運転手が鹿を検知した時なのです。列車先頭から前方をを見ていると、何度も線路の上や脇にいる鹿を見かけます。急にスピードを抑えますが、運転手さんもヒヤヒヤものでしょう。線路を横切ってそのまま、前(列車の横)に逃げればいいものをなぜか 線路に沿って逃げる鹿もいて、これでは追いかけっこになってしまいます。こういうのは大抵、小鹿で、列車に慣れてないのか、危なっかしい。いつかは衝突間違いないので、とても見てられなくなり 先頭で車窓を追うのは諦め、自席から車窓を追った方が良い。衝突した鹿は運転手さんが線路や脇から運び出す作業がある。運転手さんは大変だ。
(車両後方から 線路右側に鹿)
釧路高原駅で途中下車し、日没が見られるのではというかすかな希望をもって、細岡展望台に行きます。 だが、残念ながら、夕日が沈む西方面は完全に雲がかかっていました。北方向は雲が切れていますうが、夕陽を見るとか夕焼けになるには雲が厚く、少々がっかり。
それにしても釧路湿原は広いです。日本ではなかなかお目にかかれない。ロンドンの郊外のリッチモンドヒルからの景色や南イングランドにも似たような景色は無いことは無いですが、このスケール感には及ぼないかな。日没の鑑賞はできませんでしたが、夕暮れ時の湿原見学をたっぷり楽しみました。30分ほどで私以外に訪れたのは小さいお子さん2人を連れた4人家族1組と若いカップル1組だけ。ほぼ独り占めでした。
前回、この展望台を訪れた3年前、蚊の集団に襲われ、その傷の治療に1月以上かかったので、今回は蚊対策(露出肌を最小化し、虫よけスプレーをかけるぐらいだが)を万全にして出かけました。何とか凌ぎましたが、それでも後でホテルに戻ったら数か所刺されてました。
釧路湿原駅に戻り、釧路駅行き最終列車(19時41分)を待ちます。小さな山小屋のような狭い駅舎は、うす暗い白熱灯がついていますが、本を読めないほどの暗さ。フォームに出ても外は真っ暗。聞こえる音は水が流れる音と虫の鳴き声だけ。こんな完全な静寂は久しぶりです。たまにはこういう時間もいいものです。(ただ女性の一人旅にはこの時間帯のお移動は全くお勧めできません)
(これ逃がすと明日迄で列車無し)
(道東旅編 つづく)