その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響 1月C定期/ ヴェデルニコフ指揮 ・・・年明けにぴったりのプログラム

2014-01-11 20:29:12 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 2014年コンサート初めです。昨年の秋に始まったN響2013/2014シーズン、N響は9月から12月まで相当聴き応えのある演奏を連発してくれたので、今年も大いに期待です。一方で、昨年の年明け定期演奏会で、ジンマンさん指揮のマーラー7番が相当イケてなかった覚えがある(こちら→)ので、今日は大丈夫か、ちょっぴり不安も。


≪NHKホール前。冬晴れの昼下がりです≫

 その心配は全くの杞憂でした。新年早々から充実した演奏会でした。ロシアの指揮者アレクサンドル・ヴェデルニコフさんは私は初めてですが、ロシア人らしい非常に大柄な体格から、スケールの大きな音楽を聴かせてくれました。

 今日はロシア・プログラムです。私が聴いたことがある唯一の曲は2曲目のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。今日は韓国系アメリカ人ジェニファー・コーさんの独奏です。ワインレッドの映えるドレスで現れたコーさんのヴァイオリン演奏は堅実なもので、感傷的すぎず、かと言って機能的すぎるというわけでもない微妙なバランスに立った演奏に聴こえました。ただ、ちょっと私とは何故か波長が合わず、今ひとつ捉えどころがない感じ。オケとのコンビネーションももう一つしっくり合ってなかったような気がしました。それでも、演奏後はブラボーの嵐でしたので、これは私の正月ボケのせいでしょう。途中、ちょっとウトウトもしちゃったし。

 私としては、このヴァイオリン協奏曲を挟んだ2曲の演奏がお気に入りでした。グラズノフの演奏会用ワルツ第一番は、年の初めを飾るに相応しい、晴やかな小品。そして、「眠りの森の美女」もバレエ音楽らしく、華やかだったり、ウキウキしたり、爽快だったりで、舞台のバレエが目に浮かんでくるようです。ステージ一杯に広がったN響の演奏も、金管の音が良く響き、木管の音色も美しい。かつ全体のアンサンブルもN響っぽく良くまとまってました。ヴェデルニコフさんの全体を大きくまとめていくという風の指揮とN響の組合せが良いのでしょう。

 肩に力が入らず、親しみやすい音楽で、しかも爽快感付き。やっぱり、年明けはマーラーとかよりも、こういうプログラムで、明るくリラックスしてスタートさせるのが良いね。きっと、団員の皆さんもそう思われたのではないでしょうか。


≪コーさんのアンコール曲≫



NHK交響楽団
第1772回 定期公演 Cプログラム
2014年1月11日(土) 開場 2:00pm 開演 3:00pm

NHKホール

グラズノフ/演奏会用ワルツ 第1番 作品47
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
チャイコフスキー/バレエ音楽「眠りの森の美女」作品66(抜粋)

指揮:アレクサンドル・ヴェデルニコフ
ヴァイオリン:ジェニファー・コー


No.1772 Subscription (Program C)
Saturday, January 11, 2014 3:00p.m. (doors open at 2:00p.m.)

NHK Hall

Glazunov / “Valse de concert” No.1 op.47
Tchaikovsky / Violin Concerto D major op.35
Tchaikovsky / “The Sleeping Beauty”, ballet op.66 (excerpts)

Alexander Vedernikov, conductor
Jennifer Koh, violin
コメント (2)
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