AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

蝋管を結んだ二つの国(2)

2016-11-28 14:32:46 | 言の葉の輪転機







シェルマン三兄弟は実に凄いオタクと言えましょう。



青山骨董通りの時計のシェルマンは、好きが嵩じてミニッツリピータの時計をシチズンと開発してしまいました。「ミニッリピーター」とは夜中、時刻を音で知らせる仕組みです。時間と分を鐘の音で知らせる複雑機能です。バセロン、パティック、ティファニーなど、オーダーして一年以上はかかるでしょう。価格は数千万円です。それをクオーツで安い価格で提供したのです。時計のバーゼル博覧会で受賞もしております。
もう一人は築地にありました蓄音機を収集し店を出しました。蓄音機の音はばかにはできません。これもオタクです。そして赤坂にありました自動楽器専門店、自動楽器だとピアノが多く、当時スタインウエイのガーシュインの弾いたパンチング カードのものでしたこれも自作自演のスタインウエイですから凄い演奏でした。そしれ店の奥に目をやりますと、ピアノとバイオリンが一体になったものです。演奏曲は「チゴイネルワイゼン」その技巧には驚きました。



自動バイオリン(VIORANO VIRTUOSO "Single Mills")
MILLS
アメリカ(1910年)
調整中(演奏しません)
20世紀初頭10年における米国の8大発明の一つとして米国政府に認定された自動バイオリン。ミュージックロールを使用し、バイオリンとピアノを演奏するが、他と異なり電磁石を利用して演奏する画期的な楽器。当館所蔵のものは初期の型で、ピアノ部分の弦とハンマーに独特のものが使われており、最高の音色とされている。部品には真鍮が多用され、ケースはマホガニーを使っている。 (伊豆オルゴール館http://www.izu.fm/gakki.htm 引用させて頂きました。)

丁度 鈴木清順監督の 「チゴイネルワイゼン」が話題になった頃です。この映画は内田百間の「サラサーテの盤」を描いたものです。自作自演の演奏の中で途中 モゴモゴとサラサーテが喋っている?一体何を行ったのか?これを探る事で構成しました。音源の言葉を探るのにスピードを変え、グライコをいじり鮮明にさせていくのです。そして回転数も落として、エリザベート音楽院やスペインのサラサーテ博物館にも送り「一体何を喋っているのか?」分析をお願い致しました。
回答は「判らない」そこでこの方向はないと断念したのです。
Panasonic(松下)担当のKさんも同じ「サラサーテの盤」で考えていたのです。「サラサーテの一言」がそれでした。大先輩Kさんとご一緒にラジオの企画をお願いした才女Fさん、今ではラジオやエッセイ など巨匠です。やはり皆 凄かったですね。こういうニアミスもあるのです。