AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

パワーハラのモチベーション(5)

2016-10-27 15:41:18 | 今そこにあるメディアのリスク











数日前から電通は午後10時全館消灯となりましたと、NHK他民放はこぞって報道しています。
オーバーワーク、パワハラ セクハラからはじまった優秀な若い女性社員の悲劇は、広告業界を含むマスコミ全般への問題提議だと思います。メディアがデジタル化へ移行されたことで、現場はそのタイムラインでそれなりの対応をしてきました。「デジタル化で直ぐに出来る」と言う間違った認識です。スポンサーのプレゼンも、競合プレゼンにビデオプレゼン、それがデジタルになって「間違った既成概念の虚構の巨人」の様に一人歩きをはじめました。スポンサーは、「競合プレゼン 2日後無理だったら結構ですよ。」てな滅茶苦茶なオファーをします。営業だったらなんとかするでしょうし、媒体絡みだったらそれは勝たないとエライ事です。協力局に泣きつきます。でも考えるのは人間なんですね。アナログなんです。インプットはアナログなんです。タグライン キャッチコピーも絵コンテのコピーも、いつの間にか写植になってしまいました。良いコピーも面白くないコピーも手書きではないから迫力がないのです。全て判らなくなるのです。ここいらからおかしくなっていきました。
雑誌やポスター 新聞などプロジェクターで投影しておエライさんが、「このフォント変えてみて、級数は?レイアウトこうしたら?」「御意!」もうそこには考え抜いたアートディレクターの意図もコピーライターの意図も存在しないのです。全てではありませんが、こういうクライアントもいる事を認識すべきです。在職中 各国の制作会社とのプレゼンワークショップでの質問「なぜ日本のクルーは権限を持っていないのですか?」海外ロケなどは決めていく部分でクライアントが立ち会わないとリスクを背負う。これに対しての海外現場からの素朴な疑問ですし、コストも余計にかかる。外資系クライアントは演出コンテ通りに撮り、これよりもこちらの方が良いのでは?それで納得してくれます。現場でのCD権限を与えてくれます。
ここいらも大きな問題です。出力が幾らデジタルでも、、、。
大先輩の小田桐さんとか鈴木八朗さんの頃はフォントまで考えていたんです。デジタル時代でもハンドメイドの精神は必要です。
電通がブラック企業とか そういう稚拙な問題ではないんですね。ACC ADC TCC ACC 民放連 そしてスポンサーである広告を出稿する企業にCM制作会社 デザイン事務所 フリランサーの方々 全てがこの悲劇を前向きに同じ土壌で考えていくべき事です。制作にしてもタレントプレゼンにしても、全てにおいて「口約束」でしょう。タレント事務所とタレント それにクライアント 代理店 三者が契約書を作成する様に、作業発注契約書を作成するべきだと思います。「デジタル デジタル」と騒ぐ割には、やっている事はアナログなんです。ACC の料金表やJASRACの覚書の様にすべき事なんです。今 巷ではクラウドサービスという滅茶苦茶な香港のキャットストリートの 阿片窟みたいな下流の世界が蠢いておりますが、上流も下流も指針を作るべきところまで追い詰められているのです。モチベーションも高かったであろうこの女子社員の悲劇をちゃんと受け止める指針を作るべき事です。それがせめてもの彼女への餞だと思います。


10月26日(水)のつぶやき

2016-10-27 02:46:18 | 百済ない話