環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

2009年1月のブログ掲載記事

2009-01-31 13:33:29 | 月別記事一覧
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1月のブログ掲載記事

1.2009年1月のブログ掲載記事(2009-01-31)

2.「成長の限界」の著者、メドウズ名誉教授に09年の日本国際賞を授与(2009-01-16)

3.「混迷する日本」を「明るい日本」にするために(2009-01-13)

4.低炭素社会は日本の政治主導による「持続可能な社会」の矮小化か?(2009-01-12)

5.「大不況」、ドラッカーなら、ケインズなら、ではなくて、現在のスウェーデンに学んでみたら(2009-01-11)

6.スウェーデンの「グリーン・ニューディール」は1996年に始まっていた!-その3(2009-01-10)

7.スウェーデンの「グリーン・ニューディール」は1996年に始まっていた!-その2(2009-01-09)

8.スウェーデンの「グリーン・ニューディール」は1996年に始まっていた!-その1(2009-01-08)

9.日本の産業界の環境自主行動計画、その成果は?(2009-01-07)

10.自由民主党の「旧党綱領」には、「公共の福祉を規範とし、福祉国家の完成を期する」と書いてあった(2009-01-06)

11.「自由民主党の党綱領」と「スウェーデン社民党の党綱領」の大きな落差(2009-01-05)

12.グリーン・ニューディール(米国)、緑の日本、そして、緑の福祉国家スウェーデン(2009-01-04)

13.スウェーデン社会民主党党綱領「グリーンなスウェーデン福祉国家」③(2009-01-03)

14.スウェーデン社会民主党党綱領「グリーンなスウェーデン福祉国家」②(2009-01-02)

15.スウェーデン社会民主党党綱領「グリーンなスウェーデン福祉国家」①(2009-01-01)

『成長の限界』の著者、メドウズ名誉教授に09年の日本国際賞を授与

2009-01-16 13:59:19 | 環境問題総論/経済的手法
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今朝の朝日新聞が「米2博士に日本国際賞」という小さな記事を掲げました。


「成長の限界」の報告書に対する受賞です。受賞者のデニス・メドウズさんが報告書を公表したのは1972年でしたから、基本的には36年前の業績が評価されたということなのでしょう。つい最近、私たちは同じようなシーンを見たような気がします。そうです、昨年、日本の研究者(物理学賞の南部洋一郎さん、小林誠さん、益川敏英さんおよび化学賞の下村 脩さんの4人)が受賞したノーベル賞も過去のすばらしい業績が評価されたものでした。

36年前に出版された『成長の限界』に続いて20年後の1992年に出版された同じ著者による『限界を超えて』(ダイヤモンド社 1992年)から、私が今なおその通りだと思うことを紹介しましょう。それは、「人類社会がとりうる対応が3つある」ということです。







日本の対策は①あるいは②であるように、私は思います。私の環境論では、③を重視していますし、スウェーデン政府の環境政策も同様です。どうも日本の環境政策は別の方向へ向かっているように思います。いま日本で、成長の限界論をまじめにそして真剣にフォローしておられるのは『地球温暖化対策が日本を滅ぼす』(PHP 2008年10月発行)の著者でおなじみの東京工業大学大学院理工学研究科の丸山茂徳さんだけなのでしょうか?

丸山さんは、『地球温暖化対策が日本を滅ぼす』の第4章「21世紀 地球を襲う本当の危機」で、ローマクラブ「成長の限界」が現実となるとし、ご主張を展開されています。


関連記事

日本の「温暖化懐疑論」という現象(1)(2008-09-24)

日本の「温暖化懐疑論」という現象(2)(2008-09-25)

1970年の大阪万博のスカンジナビア館(2007-03-18)

第1回国連人間環境会議(2007-03-28)
                       


「混迷する日本」を「明るい日本」にするために

2009-01-13 21:12:10 | 政治/行政/地方分権
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今日の朝日新聞の3面で、「成長の質」高める道を、と題した朝日新聞主幹の船橋洋一さんのお考えを拝見しました。偶然にも、昨日のブログで「低炭素社会」という言葉は十分な議論がないまま、日本の政治、行政、企業の間に、そして、学者・研究者、評論家、市民にも定着してしまった概念の不十分な用語で、「低炭素社会」の普及・定着にマスメディアが果たした役割は大変大きいと思う、と書きました。そこで、次の記事の「低炭素国」めざせと、いう文字がいつもよりも目についたのです。


記事を読んでみました。この記事は最後の段で、「将来の欧州と米国の方向性を語り、日本の進むべき道」を模索しています。私はここで2か所コメントをしておきます。日本の多くの方が共有しているけれども、私は納得がいかず、懸念している部分だからです。

(1)太陽光発電と電気自動車と太陽電池の使用を政府、企業に義務づけ、低炭素経済への転換を加速させる。
 
それは、船橋さんが日本のエネルギー体系を本気で転換すると考えておられるのかどうかです。それはひとえに、日本の国全体のエネルギー消費を削減(総エネルギー消費の削減していく。エネルギー効率化の向上とか、原単位の向上のような相対的ではない)という大前提の下で 、化石燃料を自然エネルギーで代替(単なる自然エネルギーの普及促進ではない)し、現在のエネルギー体系でおよそ30%を占めている原子力を現状維持とするのか、なくす方向に行くのか、あるいは更なる原子力への傾斜ということなのかどうかです。原子力への対応を議論しない、自然エネルギーの議論 はまさに絵に描いた餅だからです

関連事項
自然エネルギーにCO2削減効果はあるだろうか?(2008-01-14)

日本がなぜ、「今日の化石賞」を受けるのか? 経済成長、エネルギー消費、CO2の整合性なき政策(2008-12-07) 
 

(2)日本には、それを実現するのに必要な技術も能力もある。日本に欠けているのは、政治的な意思と実行力である。 

日本は世界に冠たる省「エネ技術」や「環境技術」がある などと、いわゆる識者や政策担当者が言いますが、本当だろうかということです。日本に欠けているのは、政治的な意思と実行力であるというご指摘は、その通りだと思います。問題は「技術」です。
    
日本の技術が世界的に優れているのは「要素技術」あるいは「単体の技術」で、逆に欠けているのは技術的思想です。せっかくの優れた要素技術を生かすシステム的な考え方やアプローチががほとんどないのです。具体的には太陽光などの自然エネルギーを組み込んだ新しいエネルギーシステムを構築したり、優れた自動車などを用いた総合的な交通システムを構築して社会全体のエネルギー消費や環境負荷を低減するようなシステムの提示が日本からなされないからです。

関連記事
●大和総研 経営戦略研究レポート CSR(企業の社会的責任)とSRI(社会的責任投資)  日本は環境先進国なのか? 2008年3月10日
世界銀行が2007年10月に公表した温暖化対策を評価した報告書において、日本は70カ国中62位、先進国では最下位という衝撃的な結果が示された。洞爺湖サミットで環境立国日本を標榜し、世界のリーダーシップをとるのであれば、日本は環境先進国、という思い込みを捨てて積極的かつ大胆な温暖化対策を早急に進める必要がある。


そのような認識に立てば、この日の夕刊に掲載された次の記事はどのように解釈したらよいのでしょうか。技術があり、能力があるとされる日本の振る舞い についてです。


オバマ次期米大統領が地球温暖化対策を重視しているため、方針を転換。正式加盟も視野に検討する。

私はここに「日本政府の温暖化問題に対する基本認識」の不十分さと、「日本の技術(この場合は自然エネルギー利用技術→太陽電池などの単体ではなく、それらを用いた自然エネルギー中心のシステム技術)に対する自信」の無さを感じるのです。このことは、記事の最後の「前向きな姿勢に転じた」という文章にはっきりと表れています。オバマさんがニューディールを政策を提唱しなければ、日本政府の後ろ向きな(今日の化石賞受賞するような)姿勢は変わらなかったと考えられるからです。

舟橋さんが「日本に欠けているもの」として掲げた政治的な意思と実行力を、私なりに表現すれば次のようになります。


     

低炭素社会は日本の政治主導による「持続可能な社会」の矮小化か?

2009-01-12 15:44:33 | Weblog
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今日はまず、次の記事をご覧ください。

斉藤環境相は、米国のオバマ次期大統領が提唱する「グリー・ニューディール(緑の内需)」政策の日本版として、地球温暖化対策への投資を広げることで、新たに100万人規模の雇用を創出する構想の策定に乗り出す考えを明らかにした、と報じています。そして、斉藤環境相は記者会見で、「現在の経済危機の克服と、人類が生き残っていくための低炭素社会づくりを一緒にやるチャンスになる」と強調したそうです。

この記事は皆さんにはもっともらしく、好ましく映るかもしれません。米国もオバマ政権の誕生により「グリーン・ニューディール」を、日本も遅まきながらも「グリーン・ニューディール」の日本版をと・・・・・。

私があのブログを書いたのは2007年10月24日。 すでに1年2ヵ月が経ってしまいました。それ以来、私の懸念はますます高まってきました。

「低炭素社会」という言葉十分な議論がないまま、日本の政治、行政、企業の間に、そして、学者・研究者、評論家、そして、市民の間にも定着してしまった感があります。「低炭素社会」の普及・定着にマスメディアが果たした役割は大変大きいと思います。試しに、ヤフーの検索エンジンを使って、1年2か月前の「低炭素社会」の検索結果と今日の「低炭素社会」の検索結果を比較してみました。ついでに、「持続可能な社会」「循環型社会」「自然共生社会」も。

2007-10-24                  2009年1月12日
持続可能な社会 約5,910,000件     15,700,000件(829,000件)
低炭素社会    約890,000件     4,390,000件(467,000件)
循環型社会 約4,590,000件        12,300,000件(908,000件)
自然共生社会 約3,310,000件       8,130,000件(492,000件)

2009年1月12日のカッコ内の件数はグーグルによる検索によるものです。件数に大きな相違があるのは、検索手段の基準がヤフーとグーグルでは異なるからだと思います。1年2カ月の間に「持続可能な社会」は2.65倍となったのに対し、低炭素社会はなんと4.93倍、循環型社会は2.67倍、自然共生社会は2.45倍でした。低炭素社会のヒット数が突出していることがわかります。

日本では「低炭素社会」が92年の地球サミットで合意された「持続可能な開発(社会)」の概念にとって替わるかもしれない勢いです。ところで、「低炭素社会」とは一体どんな社会なのでしょうか。この1年2ヵ月の間に、ウイキペディアの記述もかなり変わってきました。ここで、2007年10月24日に閲覧した「ウィキペディア」で調べた「低炭素社会」の記述を再掲します。

当時は、次のような短い説明しかありませんでした。ということは、この用語の概念が十分に議論されていない、きわめて不確かなことを示しているのだと思います。


低炭素社会(ていたんそしゃかい, Low-carbon society、LCS)とは、二酸化炭素の排出が少ない社会のこと。低炭素型社会ともいう。低炭素経済(ていたんそけいざい, Low-carbon economy)は経済システムを重視した概念であるが、基本的には同じである。平成19年度(2007年度)の日本の環境・循環型社会白書において提唱された。これ以前の2005年ごろから使用されていた用語で、同じような概念があったが、日本では白書以降よく使われ始めた。 


この説明にありますように、 「低炭素社会」はきわめて新しい、概念の不十分な用語であることがわかります。


そこで、私の疑問と懸念をまとめておきます。

(1)1992年に地球サミットで合意された「持続可能な社会」を政治的に「低炭素社会」という名称に置き換えたのは福田康夫・元首相です。

2007年10月1日の福田新首相の「所信表明演説」 なんと「持続可能な社会」が4回も登場(2007-10-02)

混迷する日本⑥ 福田首相の変心?(2008-01-20)


(2)日本の社会で「低炭素社会」の旗振り役を担っている西岡秀三さんは、『日刊 温暖化新聞』に2009年1月6日「産業革命をリセットする 低炭素世界の到来」 と題する考えを投稿し、その中で、「道筋はバックキャストで」という見出しの下に、「低炭素社会の行き先は持続可能な社会である」と書いておられます。それならば、西岡さんのお考えは私にも十分理解できます。でも・・・・・  

つまり、西岡さんのお考えでは、まず「低炭素社会」に(2050年頃?)到達してから、次に「持続可能な社会」をめざすということのようですが、これでは本来の目的である「持続可能な社会」の実現はほとんど絶望的ではないでしょうか。私の環境論からすれば、時間的な制約を乗り越えられないと思います。私は「低炭素社会」などという言葉よりも、もっと具体的に、まず「持続可能な社会」をめざすという目標を掲げ、そのためには地球温暖化対策が大変重要であると認識し、「地球温暖化対策」(あるいは国際社会で一般的な「気候変動問題への対策」)という言葉に統一して、この問題に真剣に取り組むべきだと思いますが、いかがでしょう。西岡さんの論文には「低炭素世界」や「低炭素社会」という言葉が4回登場し、「持続可能な社会」も登場します。

関連記事

「持続可能な開発」の概念① この言葉との初めての出会い(2007-09-23)

「持続可能な開発」の概念② 日本の意外なかかわり方(2007-09-24)

「持続可能な開発」の概念④ ブルントラント報告の要点(2007-09-26) 

スウェーデン大使館のシンポジウム「環境問題と持続可能な社会」 ただし、12年前のこと(2008-02-04) 


ついでながら、この『日刊 温暖化新聞』には 「温室効果ガスの排出と経済成長の連動は止めることができる-スウェーデンの成功事例から」 と題するスウェーデン環境省のスバンテ・ブデインさんの寄稿が載っています。ここには「低炭素社会」という言葉は出てきません。


(3)スウェーデンでは、「持続可能な社会」という言葉は政治、行政、企業、学者・研究者、市民などの議論に、よく登場しますし、長らく政権与党であった社民党の掲げる21世紀前半のビジョンも「エコロジカルに持続可能な社会の構築」です。2007年10月24日のブログを書くに当たって、スウェーデン在住でスウェーデン社会の政治、経済、社会に詳しい日本の方に尋ねたところ、スウェーデンでは「低炭素社会」という言葉はあまり目にしたり、聞いたことはないそうです。マスメディアもこの言葉は用いていないそうです。


2001年11月に採択された「スウェーデン社会民主党行動綱領によりますと、「2050年までにスウェーデンからの温室効果ガスの排出は半減されなければならない。気候変動は人類の生存にとって最大の脅威である。」(行動綱領 p91)とありますが、気候変動への対応は持続可能な社会を実現する一要素(最大ではありますが)という認識です。


(4)では、国際社会ではどうなのでしょう。英国では「Low-carbon Economy」という言葉が使われているようですが。どなたかご教示いただければ幸いです。


関連記事


日本経済新聞 「経済教室」から 低炭素社会構築の道筋 成長・福祉と同時対処を(2007-10-04) 

この記事は前欧州連合大使であられた朝海和夫さんが書かれたもので、EUの対応が日本の対応と違って、もっと包括的であることを示し、「経済成長と環境対応、社会福祉という三者を総合して扱う、政治のリーダーシップが今こそ求められる」と結んでいます。

持続可能な社会、循環型社会、低炭素社会、自然共生社会 これらを組み合わせた社会とは何だろう(2007-10-24) 

「2021年のスウェーデンプロジェクト」対日本の「脱温暖化2050プロジェクト」(2007-10-25) 

2021年のスウェーデン 我々はすでに正しい未来の道を選択した(2007-10-26) 

平成19年版「環境・循環型社会白書」の不可解(2007-10―27)    

「大不況」、ドラッカーなら、ケインズなら、ではなくて、現在のスウェーデンに学んでみたら

2009-01-11 18:02:58 | 政治/行政/地方分権
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今朝の朝日新聞が「資本主義はどこへ」という次のようなインタビュー記事を掲載しました。「資本主義に基づく経済や社会はどう変化するのか。シリーズで考える」とのことです。期待しましょう。第1回の今日は「ドラッカーなら、ケインズなら」です。



京都大学名誉教授の伊東光晴さんは50年以上、ケインズを研究してきた方だそうですし、ドラッカー学会代表で立命館大学客員教授の上田惇生さんはドラッカーと約30年の親交があるそうですから、お二人はケインズ、ドラッカーを語るには最もふさわしいかたがたなのでしょう。

関連記事

企業の目的は「利潤追求」、ほんとうだろうか?(2007-02-19)



私はこの分野はまったくの門外漢ですので、伊東さんも、上田さんも、ドラッカーも、ケインズもお名前だけは存じておりますが、知らないに等しいのですが、「私の環境論」の立場から上の記事に少々コメントしておこうと思います。


伊東さんの発言に、「30年代の大恐慌の際、スウェーデンは・・・・・」とスウェーデンが登場します。また、「もう一つのモデルは、付加価値税で福祉社会を支えている北欧です。・・・・・・日本が向かうべき道はこれです。」という発言もあります。1929年の大恐慌の時の対応の成功例としてスウェーデンをとりあげる経済学者やエコノミストがかなりおります。たとえば、次の小林慶一郎さんもそのお一人のようです。



ドラッカーの著書は2002年に「ネクスト・ソサエティ」(ダイヤモンド社 2002年)を読みました。今のところこの本が最初で最後です。本のタイトルと「本書は、まさに日本のために書かれたというほど説得力がある」というソニーCEOの出井伸之さんのコメントに関心をそそられ、その道の大家が21世紀前半社会をどう見ているかに関心があったのですが、今日改めて、読後のメモをみると、「2002年8月8日読了、環境問題に対する認識はほとんどないに等しい」とありました。20年以上前から、環境問題は資本主義社会(市場経済社会)を揺るがす最大の問題だという認識で、環境問題を論じてきた私には、ドラッカーのこの本の内容には大変失望した記憶があります。次の図をご覧ください。


著書「ネクスト・ソサエティ」に示されたドラッカーの「環境認識」には失望しましたが、朝日の記事の「実行すべきはマーケッティング(顧客の創造)、イノベーション(技術革新)、生産性の向上です。生産性を上げれば、市場が縮んでいるから、午後3時に仕事が終わるかもしれない。」という箇所には同感です。1月7日のブログの「積水化学工業株式会社 環境レポート2002 第三者審査報告委員」という図を参照してください。


そして、彼の著書「ネクスト・ソサエティ」に戻れば、下の図に示したように、「大事なのは経済よりも社会だ」という認識です。この考えには私も同感です。

1987年に、国連の「環境と開発に関する世界委員会(ブルントラント委員会)」が提唱し、1992年のリオサミットで合意された「Sustainable   Development(持続可能な開発)」という概念は、日本では「経済の」持続可能な開発、発展あるいは成長と理解されていますが、スウェーデンでは「社会の」持続可能な開発、発展と理解されているからです。 

一昨日紹介した 「スウェーデン社会民主党行動綱領」 の90ページの「6-3 使い尽くすことなく利用する」という項には、次のように書かれています。


資源を、いかに使い尽すことなく利用するかを学ばなければならない。エコロジカルな調整は、私たちの時代における最大の社会改革である。国も、自治体も、企業も、市民も誰もがこの挑戦に加わらなければならない。社会のすべての主体が、社会のすべての領域で、あらゆる水準で参加しなければならない。国際的な協力も強めなければならない。


このようにみてくると、これから深刻化すると思われる「21世紀前半の大不況」は、73年前の「20世紀の大不況」(とは言っても経済規模が現在とまったく違いますし、環境問題を考える必要がなかった)と違って、環境問題を十分考慮しなければならないのですから、「今亡き20世紀の巨人なら21世紀前半の社会や経済をどう考えるか」という「後ろ向きの発想」ではなく、伊東光晴さんが「もう一つのモデルは、付加価値税で福祉社会を支えている北欧です。・・・・・日本が向かうべき道はこれです」とおっしゃる北欧、その中でも12年前に「グリーン・ニューディール的対応」を開始し、すでに一定の成果を上げている北欧最大の工業国であり、経済、福祉、環境のバランスで世界の最先端を行く「福祉国家」スウェーデンの行動計画を日本の総力をあげて本気で検証するのが適切なのではないでしょうか。

関連記事

進化してきた福祉国家11 スウェーデンについて、私たちが最近知ったこと(2007-09-06) 

「希望の船出から11年」-経済も、福祉も、環境も・・・・・(2008-04-25)


●追加記事 朝日新聞2009年5月11日
 
ケベック大学教授 ジル・ドスタレールさん 「政治が制御」へ改革を 
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スウェーデンの「グリーン・ニューディール」は1996年に始まっていた!-その3

2009-01-10 23:25:54 | 政治/行政/地方分権
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一昨日の「スウェーデン社会民主党党綱領」(2001年11月採択)に引き続いて、昨日は「スウェーデン社会民主党行動綱領」(2001年11月採択)の紹介をしました。これら2つの資料の中で注目していただきたいのは党綱領に登場する「グリーンなスウェーデン福祉国家」と行動綱領に登場する「環境融和的(グリーン)な国民の家」(det gröna folkshemmet)です。これらは同一のもので、2006年6月22日に閲覧したスウェーデン政府の「持続可能な開発省」(Ministry of Sustainable Development)の英語版HPでは「Green Wealfare State」(緑の福祉国家)と表現されていたものです。





スウェーデン政府は「緑の福祉国家」を実現するという大きなビジョンを持っています。このビジョンの実現を加速する目的で2005年1月1日に誕生した、持続可能な開発省のHPのトップページを飾る「緑の福祉国家」の要旨を記します。


このビジョンの実現のために新しい技術を駆使し、新しい建築・建設を行ない、新しい社会にふさわしい社会・経済的な計画を立て、そして積極的なエネルギー・環境政策を追求しています。このビジョンの最終目標は現行社会の資源利用をいっそう高めて、技術革新や経済を促進させ、福祉を前進させてスウェーデンを近代化することです。

緑の福祉国家の実現によって、スウェーデンは「社会正義をともなった良好な経済発展」と「環境保護」を調和させることができるでしょう。現在を生きる人々と将来世代のために。
 
国際社会を見渡したとき、スウェーデンは発展の最先端に位置しているので、現在強い経済成長を経験している国々に、「生態学的に持続可能な社会の開発」の考えを伝える立場にいます。
 
現行社会の近代化は、地球の資源がすべての人々にとって十分であることを保障する近代化でなければなりません。
 

なお、「持続可能な開発省」は、2006年10月発足のラインフェルト新政権のもとで、再び「環境省」と名称変更されました。 

関連記事

Oppotunity Sweden スウェーデン12年ぶりの政権交代(2006-09-26) 

 

それでは、私が勝手に名づけた「スウェーデンのグリーン・ニューディール」(緑の福祉国家の実現)を、「私の環境論」に従って、次のようにまとめてみました。

まずは、私が理解した「緑の福祉国家」(エコロジカルに持続可能な社会)の概念です。

関連記事

緑の福祉国家3 スウェーデンが考える持続可能な社会(2007-01-13)

 

次に、この概念を実現するための具体的な行動計画の枠組みを示します。


①21世紀前半のビジョン:「緑の福祉国家」の実現
緑の福祉国家5 21世紀へ移る準備をした「90年代」②(2007-01-15)

②「環境の質に関する16の政策目標」の制定
緑の福祉国家6 21世紀へ移る準備をした「90年代」③(2007-01-16) 

③「環境法典」の制定
緑の福祉国家7 21世紀へ移る準備をした「90年代」④(2007-01-17) 

④「緑の福祉国家」への転換政策
緑の福祉国家11 「緑の福祉国家」を実現するための主な転換政策(2007-01-21)

緑の福祉国家15 「気候変動への対応」④(2007-01-26)

緑の福祉国家18 オゾン層保護への対応①(2007-02-05)

緑の福祉国家21 課税対象の転換② バッズ課税・グッヅ現在の原則(2004-04-21)

緑の福祉国家22 エネルギー体系の転換① 原発を新設しない・脱石油(2008-04-22) 

緑の福祉国家34 新しい化学物質政策の策定③ 化学物質政策ガイドライン(2007-05-04)

緑の福祉国家44 廃棄物に対する「製造者責任制度」の導入、まずは包装、古紙、タイヤから(2007-05-14)

緑の福祉国家47 廃棄物に対する「製造者責任制度」の導入⑪ 自動車に対する製造者責任制度(2007-05-17)

緑の福祉国家49 廃棄物に対する「製造者責任制度」の導入⑬ 電気・電子機器に対する製造者責任制度②

緑の福祉国家52 持続可能な農業・林業② 抗生物質の使用禁止、家畜の飼養管理(2007-05-22)

⑤持続可能な開発省の新設・環境省の廃止
緑の福祉国家8 「持続可能な開発省」の誕生、「環境省」の廃止(2007-01-18) 

⑥国内の協力
緑の福祉国家10 「新しいビジョン」を実現する行動計画(2007-01-20) 



さらに、スウェーデンの「緑の福祉国家」についてご関心のある方のために。

スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会 安心と安全な国づくりとは何か」(朝日新聞社 「朝日選書」792 2006年2月発行)

そして、これまでに得られた成果については

進化してきた福祉国家⑪ スウェーデンについて、私たちが、最近知ったこと(2007-09-06) 

「希望の船出」から11年-経済も、福祉も、環境も・・・・・(PDF)(2008-04-25)

スウェーデンの「グリーン・ニューディール」は1996年に始まっていた!-その2

2009-01-09 17:31:45 | 政治/行政/地方分権
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昨日の「スウェーデン社会民主党党綱領」に引き続いて、「スウェーデン社会民主党行動綱領」の紹介をします。この行動綱領は、訳者の宮本太郎さんの解説によりますと、2001年11月5日から11日にかけて開催された第34回大会で採択された行動綱領の全文だそうです。




       



スウェーデンの「グリーン・ニューディール」は1996年に始まっていた!-その1

2009-01-08 13:13:28 | 政治/行政/地方分権
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昨年11月6日のブログ「変革 米国に到来 Change has come to America」 で、米国大統領選で勝利したオバマ氏の「勝利演説」マケイン氏の「敗北宣言」に感動した、と書きました。

その後11月末に、ふとしたきっかけで初めて目にした「スウェーデン社会民主党党綱領」を読んで、さらに大きな感動を覚えました。格調高い内容に加えて、私自身が35年にわたって政策面からフォローし、理解した「福祉国家」スウェーデンと、2007年1月1日から書き続けてきた「緑の福祉国家」(今はやりの言葉でいえば「グリーン化」や「グリーン・ディール」)の行動計画と現在までの成果が確実に進展していることをこの党綱領で確認できたからです。

ここからは、
「党の綱領」 ⇒「政権与党」⇒「国会への政策案提出」⇒「政策決定・予算配分」⇒ 「実社会での党の理念の実現」という、現代民主主義の手続きを経た、見事なまでの党運営の構図
が見えてきます。

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上記のことからわかることは、先進工業国としてスウェーデンと日本はグローバルな市場経済社会の中で、正反対と言ってもよいほど「国民の意識」と「社会の制度」に相違があることがわかります。このことが理解できれば、日本が得意とする(?)そして、こだわりが強い「技術論」では社会の変化に迅速に対応できないこと がおわかりいただけるでしょう。



北海道大学大学院法学研究科教授・宮本太郎さんによる和訳は、全文40ページで格調高く、スウェーデンが世界の最先端を歩んでいることがよくわかります。そこからは現在の日本がめざすべき方向性がはっきりと読みとることができると思います。私が参照した「スウェーデン社会民主党党綱領」は社団法人 生活経済政策研究所発行の『生活研ブックス16』に収録されており、入手可能です。

ぜひ、皆さんにも読んでいただきたいし、日本の政治家、官僚、企業人、社会科学者やエコノミストや経済学者、評論家など、90年代に始まった日本の閉塞感を打開し、21世紀前半の日本社会を模索し始めた人々、特に「緑の日本」、(日本版 グリーン・ニューディール)というタイトルを掲げる社説記事を書いておられるマスメディアの論説委員、編集委員、雑誌の編集者などには是非読んでいただき、日本発の「エコロジカルに持続可能な社会」を構築する議論にぜひ参加していただきたいと思います。

この資料は、 「21世紀前半のスウェーデン社会」を理解する上でおそらく最も重要な資料の一つであろうと思われますので、「スウェーデン社会民主党党綱領の目次」、「訳者の解説」、「民主的社会主義」と題した冒頭部分、および私が35年にわたってフォローしてきたスウェーデンの「環境意識」と「グリーンなスウェーデン福祉国家」の部分を抜粋し、事あるごとに参照できるようにしておきたいと思います。









上の図の「グリーンなスウェーデン福祉国家」こそ、私はスウェーデンのグリーン・ニューディールだと思います。1996年からスウェーデン政府の政策を通して、私は「グリーンスなウェーデン福祉国家」の実現をめざす政策をフォローしてきました。私のブログでは、「緑の福祉国家1 ガイダンス」(2007-01-11)から「緑の福祉国家63 改めて、緑の福祉国家の概念を」(2007-06-02)までにまとめてあります。

市民連続講座 緑の福祉国家1 ガイダンス(2007-01-11) 

市民連続講座 緑の福祉国家63 改めて、緑の福祉国家の概念を(2007-06-02) 


スウェーデン社会民主党党綱領の改定歴

1944年綱領
1960年
1975年
1990年
2001年  

このブログで紹介した「スウェーデン社会民主党党綱領」は2001年11月に開かれたスウェーデン社会民主党大会で採択されたもので、宮本太郎さん訳出はその全訳だそうです。

それにしても、4年後の2005年11月22日の立党50年大会で、当時の小泉純一郎総裁の下で改定された 「自由民主党」の新綱領との落差には表現する言葉さえ失うほどです。


明日は、もう一つの「スウェーデン社会民主党行動綱領」を紹介します。

日本の産業界の環境自主行動計画、その成果は? 

2009-01-07 21:22:51 | 温暖化/オゾン層
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12月10日の環境新聞が「産業界の環境自主行動計画について 2007年度の達成状況」に関する、次のような記事を掲載しています。



この記事によりますと、39業種中、過半数を占める20業種が目標未達成であり、CO2排出量については29業種で増加していたそうです。記事の最後に、昨年度の目標未達成の団体が公表されています。ここには、日本の主要な企業が参加する団体が名を連ねています。

公表された団体名を見て、私は2004年11月12日の朝日新聞に掲載された業界団体の意見広告「地球を守るために私たちは行動します。環境税はいりません。」を思い出しました。私には、昨年度の「環境自主行動計画」が未達成な団体とこの広告に名を連ねている団体がオーバーラップして見えます。




日本の産業界の「環境自主行動計画」に対して、私は以前から危惧を抱いてきました。そして、ことあるごとに警告してきました。その危惧がこの記事に表れています。「自主行動計画では、目標設定において総量と原単位の選択が任意である」というところです。京都議定書ではCO2排出量の総量削減を目標としているのですから、論理的に考えても「総量の削減」を目標とすべきなのです。次の図の私の意見と東京電力㈱理事の小林さんの意見を比べてみてください。



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この記事に合わせて、2007年度の日本のCO2排出量が過去最高になったことを再確認しておきましょう。

 
このような結果は自然現象で起こるのではなく、政治や行政、企業などの選択した結果であることをしっかり理解してほしいと思います。

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日本がなぜ、「今日の化石賞」を受けるのか? 経済成長、エネルギー消費、CO2の整合性なき政策(2008-12-07)


数年前まで、「日本のCO2排出量は、世界に冠たる省エネ技術を駆使することによって産業界では増えておらず、問題は民生部門と運輸部門だ」と豪語していた産業界の見解はどこへ行ってしまったのでしょうか。

自由民主党の「旧綱領」には、「公共の福祉を規範とし、福祉国家の完成を期する」と書いてあった

2009-01-06 19:03:42 | 政治/行政/地方分権
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昨年12月30日のブログで、次のように書きました。

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スウェーデンと出会って35年、私は先月初めて 「スウェーデン社会民主党(社民党)党綱領」を読む機会を得ました。そして、そこに描かれていることの多くが、みごとなまでに現実の社会で実現されていることを知り、感動しました。
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ところで、「党綱領」とは何でしょうか。その定義をネット上で探してみました。

①読売新聞の「用語解説」に、次のような解説がありました。
党綱領とは
政党の基本的立場や目標、基本政策などを示したもの。具体的には、党規約などで活動や組織を定めることが多い。共産党など革新政党の綱領は存在理由、運動方針などを示したものが多い。

②「ヤフーの知恵袋」に、次のような解説がありました。
党綱領これは何と読むのですか
「とうこうりょう」です。その党の基本的な性格・位置づけ・根本精神を定める党規範です。国家でいえば憲法のようなものです。「マニフェスト」は本来「綱領」の意味です。それを日本で最近使用するに際して本来の意味とズレた日本的使い方をしたため、「政権公約」と訳しなおしています。
歴史的には、ドイツ社会民主党が階級政党から国民政党に転換した「バート・ゴーテスベルク綱領」などが有名です。日本の各政党にもそれぞれあります。

今の私たちにとっては、この2つの解説だけで十分でしょう。


それでは、 「日本の今」を築いた自民党の「党綱領」には何と書かれているのでしょうか。それを調べた結果が昨日のブログです。
ここで参照したのは「新理念」や「新綱領」で、小泉純一郎総裁のもとで、立党50年の党大会が開かれた2005年11月22日に策定されたものでした。

それでは、自民党の「旧理念」や「旧綱領」とは何だったのでしょうか。試しに自民党のHPに初めてアクセスしてみました。

「党基本情報」の「立党宣言」をクリック、いとも簡単に私が求めていた「旧綱領」が出てきました。制定されたのは昭和30年(1955年)11月15日と記されています。

旧綱領を見て、大変驚きました。私の予期に反して、書かれている内容が、次のように実に簡単だったからです。これが自民党の綱領だったのかと。そして、1955年から2005年までの50年間の自民党の「党規範」であったのかと。

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昭和三十年十一月十五日
一、わが党は、民主主義の理念を基調として諸般の制度、機構を刷新改善し、文化的民主国家の完成を期する。

一、わが党は、平和と自由を希求する人類普遍の正義に立脚して、国際関係を是正し、調整し、自主独立の完成を期する。

一、わが党は、公共の福祉を規範とし、個人の創意と企業の自由を基底とする経済の総合計画を策定実施し、民生の安定と福祉国家の完成を期する。 


そして、もう一度、おどろいたのが「綱領」の最後に「・・・・・民生の安定と福祉国家の完成を期する」と書かれていたことです。現在の日本の社会に私たちが抱くイメージとこの党綱領はあまりに落差が大きいのではないでしょうか。

初めて触れた「スウェーデン社民党の党綱領」の格調の高さと、その内容の多くが実現されている現実に感動した私は、この自民党の「旧綱領」に驚きを禁じえませんでした。自民党は「福祉国家の完成を期していた」のですか。

福祉国家が完成されるどころか、現実の日本は今、米国とともに「非福祉国家」とみなされているではありませんか


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自民党をはじめ、野党の政治家は軽々しくも、「政治は結果が大事だ!」などと言いますが、日本の政治家は現状をどう認識し、21世紀前半社会をどのように創って行こうとしているのでしょうか。今後、自民党政権が続く場合には、その時の「道しるべ」となるのは2005年11月22日に小泉純一郎総裁のもとで制定した「新理念」と「新綱領」なのでしょうか?

自民党のHPの「党基本情報」の「基本方針」をクリックすると、「新理念」「新綱領」「立党50年宣言」を参照することができます。自民党は50年ぶりに「党綱領」を新しくしたことにより、日本をどのような方向に導こうとしているのでしょうか。

 




「自由民主党の党綱領」と「スウェーデン社会民主党の党綱領」の大きな落差

2009-01-05 06:17:14 | 政治/行政/地方分権
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昨年12月30日のブログで、スウェーデン社民党の党綱領に示された「環境認識」を紹介し、今年1月1日~4日のブログでは、その「環境意識」に基づいて、スウェーデンが21世紀前半にめざすべき「グリーンなスウェーデン福祉国家」に関する記述を紹介しました。

今にして思えば、この「グリーンなスウェーデン福祉国家」こそ、私のブログの主題となっている「緑の福祉国家」(エコロジカルに持続可能な社会)だったのですね。

日本の自民党の38年にわたる長期単独政権がつくりあげた「経済大国」日本とスウェーデンの社民党の44年にわたる長期単独政権がつくりあげた「福祉国家」スウェーデンの「現状」についてはネット上をはじめ、国内外にたくさんの活字資料や映像情報がありますので、ここでは両国の「21世紀前半社会に向けたビジョンの相違」の大きさを改めて再確認しておきましょう。


関連記事
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せっかくの機会ですから、日本の自民党の「新理念」と「党綱領」を見ておきましょう。いずれも小泉純一郎総裁(元小泉首相)のもとで、立党50年の党大会(2005年11月22日)で採択されたものです。

関連記事

自由民主党の基本方針:新理念、新綱領、立党50年宣言

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自由民主党の「新理念」
●わが党は、すべての人々の人格の尊厳と基本的人権を尊重する、真の自由主義・民主主義の政党である。
●わが党は、自国の安全はみずからが守るという、気概と使命感をもち、正義と秩序を基に世界平和を希求し、その実現に貢献する政党である。
●わが党は、貧困・疾病・環境など人類が直面する課題の改善に貢献し、地球規模の共生をめざす政党である。
●わが党は、常に長期的・国際的視点に立ち、日本の方向を定め、改革を断行し、また、直面する課題に対しても安易な迎合に堕することなく、強い責任感と実行力をもって対処する責任政党である。
●わが党は、先人達が築き上げてきた日本の伝統と文化を尊び、これらを大切にし、その発展をめざす政党である。
●わが党は、政治は国民のものとの信念のもとに、都市・地方の幅広い支持のうえに立つ国民政党である。

自由民主党の「新綱領」
●新しい憲法の制定を
 私たちは近い将来、自立した国民意識のもとで新しい憲法が制定されるよう、国民合意の形成に努めます。そのため、党内外の実質的論議が進展するよう努めます。
●高い志をもった日本人を
 私たちは、国民一人ひとりが、人間としての普遍的規範を身につけ、社会の基本となる家族の絆を大切に、国を愛し地域を愛し、共に支え合うという強い自覚が共有できるよう努めます。そのために教育基本法を改正するとともに、教育に対して惜しみなく資源を配分し、日本人に生まれたことに誇りがもてる、国際感覚豊かな志高い日本人を育む教育をめざします。
●小さな政府を
 私たちは、国、地方を通じて行財政改革を政治の責任で徹底的に進め、簡省を旨とし、行政の肥大化を防ぎ、効率的な、透明性の高い、信頼される行政をめざします。また、国、地方の適切な責任分担のもとで、地方の特色を活かす地方分権を推進します。
●持続可能な社会保障制度の確立を
 私たちは、思い切った少子化対策を進め、出生率の向上を図り、国民が安心できる、持続可能な社会保障制度を確立します。
●世界一、安心・安全な社会を
 私たちは、近年の犯罪の急増やテロの危険性の高まりに対し、断固たる決意をもって闘うとともに、災害に強い国づくりを進めることにより、日本を世界一、安心・安全な社会にします。
●食糧・エネルギーの安定的確保を
 私たちは、世界の急速な変化に対応するため、食糧とエネルギー資源を確保し、経済や国民生活の安定に努めます。特に、食糧の自給率の向上に努めるとともに、食の安全を確保します。
●知と技で国際競争力の強化を
 私たちは、わが国の質の高い人的資源と技術力を基礎に、新しい産業の育成にも力を注ぎ、国際競争を勝ち抜くことのできる、活力と創造力あふれる経済の建設をめざします。
 特に、日本の中小企業の活力を重視し、また、最先端技術の基礎的、独創的な研究開発を推進し、知と技によって支えられる科学技術立国をめざします。
●循環型社会の構築を
 私たちは、自然も人も一体という思いから、地球規模の自然環境を大切にし、世界の中で最も進んだ持続可能な循環型社会の構築をめざします。
●男女がともに支え合う社会を
 私たちは、女性があらゆる分野に積極的に参画し、男女がお互いの特性を認めつつ、責任を共有する「男女がともに支え合う社会」をめざします。
●生きがいとうるおいのある生活を
 私たちは、ボランティア活動や身近なスポーツ・芸術の振興、高齢者や障害者の社会参加を促進し、生きがいとうるおいのある生活をめざします。そのため、NGO・NPO諸団体をはじめ、あらゆる団体との交流を深め、また、まじめに働く人たちの声を大切にします。
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私は、昨年11月に初めて読んだ「スウェーデン社会民主党綱領」に書かれていることと現実のスウェーデン社会を見てその誠実さと実現度の高さに感動し、それならば比較のためにと、日本の「自由民主党の党綱領」に興味を覚え、期待しながら今回初めてアクセスを試みました。

結果は上記のとおりで、あえて、コメントするまでもないと思いますが、3年前に採択された自由民主党の「新理念」や「新綱領」からは「21世紀の新しい日本社会のイメージ」がまったくといってよいほど湧いてきません。先に紹介した「スウェーデン社民党の党綱領」の内容とは比較のしようもありません。

私は自由民主党の「新理念」と「新綱領」を読んで、以前、京都大学教授の中西輝政さんが雑誌『VOICE』に書いておられた「自民党も民主党も現状維持政党だ」という見解を思い出し、納得しました。


関連記事

進化してきた福祉国家⑨ 「現実主義の国」対「現状追認主義の国」(2007-08-31) 
 
日本の社会を構成する「主なプレーヤー」の問題点(3) 経営者、政治家、そして官僚(2008-10-03)


グリーン・ニューディール(米国)、緑の日本、そして、緑の福祉国家スウェーデン

2009-01-04 07:46:36 | 政治/行政/地方分権
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元旦の毎日新聞が「日本版 緑のニューディールを」という社説を掲げました。「新モデルを求める」という小見出しをつけて、米国のオバマ次期大統領が「グリーンニューディール」を、韓国のイ・ミョンバク大統領は「グリーン・グロス(環境成長)」を打ち出した。日本もまた、日本版の「緑のニューディール」に踏み出すべきだと考えると。

朝日新聞は今日の社説で「温暖化防止 『緑の日本』担える政治を」と書いています。朝日の社説は「世界へ向けて『緑の日本』というメッセージをいかに発信するのか、そうした戦略が問われている」というお決まりのフレーズで結ばれています。

また、いつものパターンで、騒々しくなってきました。今日は、「グリーン・アメリカ」や「緑の日本」より10年以上前に「緑の福祉国家」というビジョンを掲げ、かなりの成果を達成しているスウェーデンの戦略を次の書評から読みとって、 “緑の日本”を構築する際の方向性とヒントを考えてみてください。


関連記事

書評;週刊エコノミスト



「希望の船出から11年」-経済も、福祉も、環境も・・・・・(2008-04-25)



スウェーデン社会民主党党綱領 「グリーンなスウェーデン福祉国家」-③

2009-01-03 10:50:47 | 政治/行政/地方分権
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今日は「スウェーデン社会民主党党綱領」に記載されている「グリーンなスウェーデン福祉国家」の3回目(最終回)です。

グリーンなスウェーデン福祉国家 -その3
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環境面で持続可能な発展を実現するための調整は、経済成長のための強いインセンティブをつくりだす。なぜならば、そのおかげで、資源節約型のテクノロジー、環境面で調整された新しい乗り物や輸送手段、エネルギー生産の新しい形態の需要が生まれてくるからである。

新しい住宅や職場の建設や立て直しに際しては、持続可能性のための要請を満たしていく必要がある。

こうした事情からして、戦略的な環境政策によって、経済的、社会的、環境的発展を結合させていくと同時に、企業のなかでの実践的な技術開発を促進していく必要がある。これらを達成していくためには、開発投資、法的整備、多様な経済政策手段が最も重要である。

環境政策が効果を発揮するためには、国際的な協力が必要である。豊かな世界は貧しい国々に対して、農業や産業における新しい環境融和的なテクノロジーを供給していく責任があり、それもこうした協力の一部である。豊かな国々は、最大の資源消費者であり、同時に生産、消費パターンを変革していく新たな責任を有する。
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関連記事

緑の福祉国家10「新しいビジョン」を実現する行動計画(2007-01-20) 

緑の福祉国家62 「政策評価」のためのチェック項目(2007-06-21) 

エコロジカルに持続可能な社会「緑の福祉国家」の3つの側面(2008-12-23) 



スウェーデン社会民主党党綱領 「グリーンなスウェーデン福祉国家」-②

2009-01-02 09:07:39 | 政治/行政/地方分権
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今日は「スウェーデン社会民主党党綱領」に記載されている「グリーンなスウェーデン福祉国家」の2回目です。

グリーンなスウェーデン福祉国家ーその2
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環境保護の要請に対する配慮は、初めから生産プロセスに組み込まれていなければならない。自然資源はもっと有効的に使われなければならない。エネルギー生産も調整される必要がある。

生物の多様性は保護されなければならない。農業政策は、環境面で持続可能な農業や安全な食物を求める要求に応え、また動物が自然の環境で、痛みや苦しみから守られて生きることができる倫理的畜産の提起に考慮して設定されなければならない。

輸送システムは、公共輸送に重点を置くように再組織されると同時に、また、燃料消費量の少ないエンジン、代替燃料、よりよい洗浄技術を発展させるための投資が要求される。

気候に影響を及ぼすガスの排出を削減することは優先事項である。

排出物や廃棄物というかたちをとおして環境に影響をおよぼすすべてのものは可能な限り削減されなければならない。

スウェーデン産業の強さはエネルギーの供給に依存しており、またスウェーデンはその地理的位置からして、暖房、照明、輸送のために大量のエネルギーが必要である。しかし、エネルギーの使用には、環境的な配慮による制約がある。

原子力は廃止していかなけれがならないし、同時に化石燃料の使用は減少させられなければならない。 

このような複数の目標を実現するには、代替エネルギーを開発していくと同時に、エネルギーの消費の総量を抑制するより効率的な方法を発達させる投資が前提となる。よりエネルギー節約型の生産プロセスが、また、地域や家庭を暖房する最もエネルギー効率のよいシステムが開発されなければならない。 
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社会民主党党綱領に掲げられた「グリーンなスウェーデン福祉国家」の考え方は具体的な政策案となって、行政府から国会へ提出され、審議の結果採決されて、国の政策となります。その政策の概略を次の関連記事で知ることができます。

関連記事
緑の福祉国家51 持続可能な農業・林業① 食料自給率(2007-05-21) 

緑の福祉国家61 都市再生(都市再開発) ディーゼル燃料、バイオ燃料(2007-05-31) 

緑の福祉国家12 「気候変動」への対応①(2007-01-23) 

緑の福祉国家22 エネルギー体系の転換① 原発を新設しない・脱石油(2007-04-22)




スウェーデン社会民主党党綱領 「グリーンなスウェーデン福祉国家」-①

2009-01-01 09:10:54 | 政治/行政/地方分権
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新年あけましておめでとうございます。

1年前、つまり、昨年1月1日の私のブログで何を書いたのか、ここをクリックすることから始めてください。

昨年11月3日のブログで紹介した米コロンビア大学ジョセフ・スティグリッツさんは朝日新聞のインタビュー記事で、「新自由主義の終わり」「グリーンなアメリカ」を主張し始めました。この記事を読んだ後、スウェーデン社会民主党党党綱領を読むとほとんどすべての面で「スウェーデンの先進性」が理解できます。

スウェーデン社会民主党党綱領における「環境認識」 
については一昨日のブログで紹介しましたが、重要なことですので、もう一度掲載しておきます。 
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労働運動の発展:平等観の拡張
1970年以降、環境政治や平等問題が社会民主主義の政策においてより重要な要素になってきた。環境論議は、非搾取的な経済を求める社会民主主義の古典的な要求と連動している。また、平等を進める政策は、社会民主主義の包括的平等を志向するイデオロギーから、当然発展してくるものである。こうした二つの議論は、社会分析をさらに深化させることにもなった。

a 環境
民主主義の状況と経済を分析するにあたっての中心的問題は依然として労使間での権力と資源の分配の問題である。しかし、環境問題が示しているのは、民主主義的な経済もまた搾取的になりうるということである。それはどのような場合かと言えば、経済が今日の福祉のために生み出す資源のその量的な側面だけが目標として掲げられ、自然資源のうえでどれほどのコストがかかったのか省みられない場合である。環境面での要求は、所有のあり方を問わず、また生産の帰結がどのように配分されるかにかかわりなく、経済権力をめぐる議論にもう一つの重要な次元を付け加えるものである。

環境政策はさらに、再分配にかかわるまた別の政策原理、すなわち世代間の再分配という原理も含んでいる。今日の世代は、自らの福祉のためだからといって、来るべき世代の生活の基盤となる資源や物的環境を疎かにする権利はない。こうした観点からすれば、社会民主党は環境政党でもある。

以下省略
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関連記事
年度末に当たって、改めて「環境問題」とは(2008-03-31)


以上がスウェーデン社会民主党党綱領に示された「環境認識」です。このような「環境認識」に基づいて、社民党は21世紀前半にめざすべき「新しい社会」の構築を模索してきました。その大筋がこの党綱領に書かれています。それでは、今日から同党党綱領に記載されている「グリーンなスウェーデン福祉国家」の記述を3回に分けて紹介します。


グリーンなスウェーデン福祉国家―その1
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地球の資源を賢く活用することは、人類の未来のための条件である。もし来るべき世代が、フレッシュな空気できれいな水のある、自然豊かで、多様な生物種に満ちた世界に生きたいと願うのであれば、経済発展は、環境的持続可能性との調和を図らなければならない。

しかし今日、自然資源とエコシステムは、長期的にみた持続可能性の限界を超えて使われており、これを止めないならば環境的崩壊の危険もある。環境的に持続可能な発展への調整が不可避であるが、これは世界社会全体の責任であり、また社会民主党にとってはあらゆる国際的なつながりのなかで追求するべき目標である。

当面求められるのは、資源節約型で効率的な生産、エネルギーシステム、輸送システムを採用していくことで、これは社会的公正を求める要求とも一貫するものである。そのためには今日用いられている資源の量を大幅に削減する必要があるが、このことは今度は、生産および消費のパターンを変えることになる。

新しい経済的合理性、社会計画における新しい方向性が求められていくし、個人が資源の使用にかんして、責任を負っていくことが求められる。
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