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昨年12月30日のブログで、スウェーデン社民党の党綱領に示された「環境認識」を紹介し、今年1月1日~4日のブログでは、その「環境意識」に基づいて、スウェーデンが21世紀前半にめざすべき「グリーンなスウェーデン福祉国家」に関する記述を紹介しました。
今にして思えば、この「グリーンなスウェーデン福祉国家」こそ、私のブログの主題となっている「緑の福祉国家」(エコロジカルに持続可能な社会)だったのですね。
日本の自民党の38年にわたる長期単独政権がつくりあげた「経済大国」日本とスウェーデンの社民党の44年にわたる長期単独政権がつくりあげた「福祉国家」スウェーデンの「現状」についてはネット上をはじめ、国内外にたくさんの活字資料や映像情報がありますので、ここでは両国の「21世紀前半社会に向けたビジョンの相違」の大きさを改めて再確認しておきましょう。
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せっかくの機会ですから、日本の自民党の「新理念」と「党綱領」を見ておきましょう。いずれも小泉純一郎総裁(元小泉首相)のもとで、立党50年の党大会(2005年11月22日)で採択されたものです。
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自由民主党の基本方針:新理念、新綱領、立党50年宣言
自由民主党の「新理念」
●わが党は、すべての人々の人格の尊厳と基本的人権を尊重する、真の自由主義・民主主義の政党である。
●わが党は、自国の安全はみずからが守るという、気概と使命感をもち、正義と秩序を基に世界平和を希求し、その実現に貢献する政党である。
●わが党は、貧困・疾病・環境など人類が直面する課題の改善に貢献し、地球規模の共生をめざす政党である。
●わが党は、常に長期的・国際的視点に立ち、日本の方向を定め、改革を断行し、また、直面する課題に対しても安易な迎合に堕することなく、強い責任感と実行力をもって対処する責任政党である。
●わが党は、先人達が築き上げてきた日本の伝統と文化を尊び、これらを大切にし、その発展をめざす政党である。
●わが党は、政治は国民のものとの信念のもとに、都市・地方の幅広い支持のうえに立つ国民政党である。
自由民主党の「新綱領」
●新しい憲法の制定を
私たちは近い将来、自立した国民意識のもとで新しい憲法が制定されるよう、国民合意の形成に努めます。そのため、党内外の実質的論議が進展するよう努めます。
●高い志をもった日本人を
私たちは、国民一人ひとりが、人間としての普遍的規範を身につけ、社会の基本となる家族の絆を大切に、国を愛し地域を愛し、共に支え合うという強い自覚が共有できるよう努めます。そのために教育基本法を改正するとともに、教育に対して惜しみなく資源を配分し、日本人に生まれたことに誇りがもてる、国際感覚豊かな志高い日本人を育む教育をめざします。
●小さな政府を
私たちは、国、地方を通じて行財政改革を政治の責任で徹底的に進め、簡省を旨とし、行政の肥大化を防ぎ、効率的な、透明性の高い、信頼される行政をめざします。また、国、地方の適切な責任分担のもとで、地方の特色を活かす地方分権を推進します。
●持続可能な社会保障制度の確立を
私たちは、思い切った少子化対策を進め、出生率の向上を図り、国民が安心できる、持続可能な社会保障制度を確立します。
●世界一、安心・安全な社会を
私たちは、近年の犯罪の急増やテロの危険性の高まりに対し、断固たる決意をもって闘うとともに、災害に強い国づくりを進めることにより、日本を世界一、安心・安全な社会にします。
●食糧・エネルギーの安定的確保を
私たちは、世界の急速な変化に対応するため、食糧とエネルギー資源を確保し、経済や国民生活の安定に努めます。特に、食糧の自給率の向上に努めるとともに、食の安全を確保します。
●知と技で国際競争力の強化を
私たちは、わが国の質の高い人的資源と技術力を基礎に、新しい産業の育成にも力を注ぎ、国際競争を勝ち抜くことのできる、活力と創造力あふれる経済の建設をめざします。
特に、日本の中小企業の活力を重視し、また、最先端技術の基礎的、独創的な研究開発を推進し、知と技によって支えられる科学技術立国をめざします。
●循環型社会の構築を
私たちは、自然も人も一体という思いから、地球規模の自然環境を大切にし、世界の中で最も進んだ持続可能な循環型社会の構築をめざします。
●男女がともに支え合う社会を
私たちは、女性があらゆる分野に積極的に参画し、男女がお互いの特性を認めつつ、責任を共有する「男女がともに支え合う社会」をめざします。
●生きがいとうるおいのある生活を
私たちは、ボランティア活動や身近なスポーツ・芸術の振興、高齢者や障害者の社会参加を促進し、生きがいとうるおいのある生活をめざします。そのため、NGO・NPO諸団体をはじめ、あらゆる団体との交流を深め、また、まじめに働く人たちの声を大切にします。
私は、昨年11月に初めて読んだ「スウェーデン社会民主党綱領」に書かれていることと現実のスウェーデン社会を見てその誠実さと実現度の高さに感動し、それならば比較のためにと、日本の「自由民主党の党綱領」に興味を覚え、期待しながら今回初めてアクセスを試みました。
結果は上記のとおりで、あえて、コメントするまでもないと思いますが、3年前に採択された自由民主党の「新理念」や「新綱領」からは「21世紀の新しい日本社会のイメージ」がまったくといってよいほど湧いてきません。先に紹介した「スウェーデン社民党の党綱領」の内容とは比較のしようもありません。
私は自由民主党の「新理念」と「新綱領」を読んで、以前、京都大学教授の中西輝政さんが雑誌『VOICE』に書いておられた「自民党も民主党も現状維持政党だ」という見解を思い出し、納得しました。
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昨年12月30日のブログで、スウェーデン社民党の党綱領に示された「環境認識」を紹介し、今年1月1日~4日のブログでは、その「環境意識」に基づいて、スウェーデンが21世紀前半にめざすべき「グリーンなスウェーデン福祉国家」に関する記述を紹介しました。
今にして思えば、この「グリーンなスウェーデン福祉国家」こそ、私のブログの主題となっている「緑の福祉国家」(エコロジカルに持続可能な社会)だったのですね。
日本の自民党の38年にわたる長期単独政権がつくりあげた「経済大国」日本とスウェーデンの社民党の44年にわたる長期単独政権がつくりあげた「福祉国家」スウェーデンの「現状」についてはネット上をはじめ、国内外にたくさんの活字資料や映像情報がありますので、ここでは両国の「21世紀前半社会に向けたビジョンの相違」の大きさを改めて再確認しておきましょう。
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混迷する日本② 臨時国会閉会 21世紀の新しい社会をつくる法律ができない(2008-01-16)
100年に一度の経済危機? 未曽有の経済危機? 今年の国会で成立した法律は?(2008-12-29)
せっかくの機会ですから、日本の自民党の「新理念」と「党綱領」を見ておきましょう。いずれも小泉純一郎総裁(元小泉首相)のもとで、立党50年の党大会(2005年11月22日)で採択されたものです。
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自由民主党の基本方針:新理念、新綱領、立党50年宣言
自由民主党の「新理念」
●わが党は、すべての人々の人格の尊厳と基本的人権を尊重する、真の自由主義・民主主義の政党である。
●わが党は、自国の安全はみずからが守るという、気概と使命感をもち、正義と秩序を基に世界平和を希求し、その実現に貢献する政党である。
●わが党は、貧困・疾病・環境など人類が直面する課題の改善に貢献し、地球規模の共生をめざす政党である。
●わが党は、常に長期的・国際的視点に立ち、日本の方向を定め、改革を断行し、また、直面する課題に対しても安易な迎合に堕することなく、強い責任感と実行力をもって対処する責任政党である。
●わが党は、先人達が築き上げてきた日本の伝統と文化を尊び、これらを大切にし、その発展をめざす政党である。
●わが党は、政治は国民のものとの信念のもとに、都市・地方の幅広い支持のうえに立つ国民政党である。
自由民主党の「新綱領」
●新しい憲法の制定を
私たちは近い将来、自立した国民意識のもとで新しい憲法が制定されるよう、国民合意の形成に努めます。そのため、党内外の実質的論議が進展するよう努めます。
●高い志をもった日本人を
私たちは、国民一人ひとりが、人間としての普遍的規範を身につけ、社会の基本となる家族の絆を大切に、国を愛し地域を愛し、共に支え合うという強い自覚が共有できるよう努めます。そのために教育基本法を改正するとともに、教育に対して惜しみなく資源を配分し、日本人に生まれたことに誇りがもてる、国際感覚豊かな志高い日本人を育む教育をめざします。
●小さな政府を
私たちは、国、地方を通じて行財政改革を政治の責任で徹底的に進め、簡省を旨とし、行政の肥大化を防ぎ、効率的な、透明性の高い、信頼される行政をめざします。また、国、地方の適切な責任分担のもとで、地方の特色を活かす地方分権を推進します。
●持続可能な社会保障制度の確立を
私たちは、思い切った少子化対策を進め、出生率の向上を図り、国民が安心できる、持続可能な社会保障制度を確立します。
●世界一、安心・安全な社会を
私たちは、近年の犯罪の急増やテロの危険性の高まりに対し、断固たる決意をもって闘うとともに、災害に強い国づくりを進めることにより、日本を世界一、安心・安全な社会にします。
●食糧・エネルギーの安定的確保を
私たちは、世界の急速な変化に対応するため、食糧とエネルギー資源を確保し、経済や国民生活の安定に努めます。特に、食糧の自給率の向上に努めるとともに、食の安全を確保します。
●知と技で国際競争力の強化を
私たちは、わが国の質の高い人的資源と技術力を基礎に、新しい産業の育成にも力を注ぎ、国際競争を勝ち抜くことのできる、活力と創造力あふれる経済の建設をめざします。
特に、日本の中小企業の活力を重視し、また、最先端技術の基礎的、独創的な研究開発を推進し、知と技によって支えられる科学技術立国をめざします。
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私たちは、自然も人も一体という思いから、地球規模の自然環境を大切にし、世界の中で最も進んだ持続可能な循環型社会の構築をめざします。
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私たちは、ボランティア活動や身近なスポーツ・芸術の振興、高齢者や障害者の社会参加を促進し、生きがいとうるおいのある生活をめざします。そのため、NGO・NPO諸団体をはじめ、あらゆる団体との交流を深め、また、まじめに働く人たちの声を大切にします。
私は、昨年11月に初めて読んだ「スウェーデン社会民主党綱領」に書かれていることと現実のスウェーデン社会を見てその誠実さと実現度の高さに感動し、それならば比較のためにと、日本の「自由民主党の党綱領」に興味を覚え、期待しながら今回初めてアクセスを試みました。
結果は上記のとおりで、あえて、コメントするまでもないと思いますが、3年前に採択された自由民主党の「新理念」や「新綱領」からは「21世紀の新しい日本社会のイメージ」がまったくといってよいほど湧いてきません。先に紹介した「スウェーデン社民党の党綱領」の内容とは比較のしようもありません。
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