環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

日本の社会を構成する「主なプレーヤー」の問題点(3) 経営者、政治家、そして官僚

2008-10-03 07:22:51 | 政治/行政/地方分権
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9月29日のブログで、15年前の作家の堺屋太一さんの「経営者、政治家そして官僚」に対する見方を紹介しました。まとめると次の図のようになります。


この堺屋さんの見方に賛同したコラムニストが1993年9月23日の日本経済新聞で、「とくに官僚15年という指摘は鋭い」として、官僚に苦言を呈しています。是非読んでみてください。


このブログで、あえて15年前のコラムを取り上げたのはここに書かれていることは15年前のコラムニストの主張であっても、私には今なお、2008年の10月3日現実のように見えるからです。皆さんのご感想はいかがでしたか。

もし、ご同意いただけるとしたら、「スウェーデンの判断基準」で環境・エネルギー分野をウオッチしてきた私には日本の現実は、経営者・政治家・官僚の“三位一体”で、国際社会の大きな変化の中で15年間足踏みを続けてきたか、あるいは、誤った方向に踏み出してしまったか、もしかするとやや後退してしまったのかもしれないという懸念があります。

次の図をご覧ください。


ここに示されている状況は6年前の2002年の状況ですが、それよりほぼ10年前に上のコラムニストが書いた「官僚に対する苦言」の状況とほとんど変わりませんし、6年後の2008年の今現在の状況ともほとんど同じだと私には思えます。つまり、日本の政治・行政システムはほぼ15年間、現状維持(この場合は15年前の状況を維持)を続けてきたといえるのではないでしょうか。

次の図は、2000年に都庁の有志によるある研究会で私の講演の後、当時の管理職から出てきた発言です。私は8年後の今でも、この発言は的を射ていると思います。いかがですか。

再び、政治家に戻りましょう。堺屋さんは「政治家は10年、実際の世の中の変化から遅れるものだ」とおっしゃっておられます。
次の図は7年前の2001年に中西輝政・京都大学教授が書いた論文に書かれている教授の「日本の政党に対するお考え」と私の「認識」を比較したものです。私も中西さんと同じような印象を持っています。



そして、今日最後の図は「成長論しか言えない経済学界」の話です。コメントは必要ないでしょう。


9月29日の所信表明演説の「就任に当たって」の最後の部分で、麻生・新首相は次のように述べています。

X X X X X
・・・・・
わたしは、悲観しません。
わたしは、日本と日本人の底力に、一点の疑問も抱いたことがありません。時代は、内外の政治と経済において、その変化に奔流の勢いを呈するが如くであります。しかし、わたしは、変化を乗り切って大きく脱皮する日本人の力を、どこまでも信じて疑いません。そしてわたしは、決して逃げません。
・・・・・X X X X X

私はこの30年間、特に1990年以降、日本の経営者、政治、官僚、そして日本人の環境問題やエネルギー問題に対する考え方を中心に、「日本の経済成長」という概念にさまざまな疑問と懸念を感じ、その一端をこのブログに書いてきました。私の考え方が杞憂であれば幸いです。

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2 コメント

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質問です (しゅとう)
2008-10-09 10:45:50
>縦割り行政を変えることが構造改革のの第一歩である
と先生は主張されていますが、
マスコミなどを見ていても、それほど問題にされていないように見えます。
僕自身もあまりその問題性がピンとこないのですが、
理解を深められるようなポイントを教えていただきたいのですが。
返信する
マスコミも取り上げています (小澤)
2008-10-11 18:25:42
この件については、次回に取り上げます。
最近では食品安全に関して、農林水産省と厚生労働省の守備範囲の問題として、批判が相次いでいます。
返信する

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