環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

2007年10月1日の福田新首相の所信表明演説         なんと「持続可能社会」が4回も登場

2007-10-02 23:59:50 | 政治/行政/地方分権
 

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私は9月17日のブログで、自民党総裁選に触れ、次のように書きました。

X X X X X 
当面の私の関心は、自民党総裁になられた方が国会の首相指名投票を経て首相となった後、国会での「所信表明演説」で何を主張するかです。いつものように、環境問題への基本認識、持続可能な社会に対する認識です。それは、私のブログの基本テーマが「環境」「経済」「福祉(問題)」、不安の根っこは同じだ!、「将来不安こそ」、政治の力で解消すべき最大の対象だ、だからですし、また、私の本のテーマが「スウェーデンに学ぶ持続可能な社会 安心と安全の国づくりとは何か」だからです。
× × × × ×

さて、待望の福田新首相の「所信表明演説」が昨日午後、国会で行われました。いつものように、昨日の朝日新聞の夕刊がその全文を掲載しています。
環境問題への基本認識、持続可能な社会に対する認識はどうなっていたでしょうか。

そこで、上の図の赤枠部分を拡大します。

驚いたことに、上の図のように「これからの環境を考えた社会への転換」と題した部分で「持続可能社会」という21世紀のキーワードが4回も登場します。この言葉だけを取り上げれば、小泉前首相や安倍前首相の所信表明演説とは明らかに違います。もっとも、福田首相の「持続可能社会」は私の「持続可能社会」とは似て非なる概念かもしれませんけど・・・・・

素直に読めば、「地球環境問題への取り組みは待ったなしです。従来の、大量生産、大量消費を良しとする社会から決別し、つくったものを世代を超えて長持ちさせて大事に扱う『持続可能社会』へと舵を切り替えていかなければなりません。」と書いてあるのですから、「現行の大量生産、大量消費の社会」から「持続可能社会」へ転換するという国際社会がめざす方向に向かうと読めます。 

けれども、福田首相の認識では、自身がおっしゃる「持続可能社会」行政が進めてきた「循環型社会」がどのような関係にあるのかははっきりしません。

1992年のリオの地球サミットで世界が合意した「持続可能な社会」(Sustainable Society)の概念福田首相の「持続可能社会」の概念の内容が同じものかどうか、この点にも疑問が残ります。

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それは、これまで日本の21世紀について多くの発言をしてきた評論家や識者やエコノミストの「持続可能な社会」という言葉の使い方に次のような例があるからです。

まず、この記事で目を引くのが中央の見出し「持続可能な社会実現を」です。ここには、「持続可能な社会」という言葉を使いながら、環境問題に対する意識(認識)がスッポリ抜け落ちていることがわかります。田中直樹さんのような要職にある社会的影響力の大きい方がこのような言葉の使い方をするのは大変問題だと思います。この記事にはどこにも、「環境」という言葉が出てこなければ、環境を意識したこと箇所もまったくありません。

つまり、「持続可能な社会」という言葉は使っていますが、田中さんの「持続可能な社会」は田中さん独自の、あるいは日本の主流のエコノミストの概念で、国際社会で使われている「持続可能な社会」とは全く異質のものです。

もともと「持続可能な社会」という概念は、このブログで紹介してきたように、1987年に国連の環境と開発に関する世界委員会が提唱した「ブルントラント報告」にその源があるからです。

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