環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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21世紀前半社会:ビジョンの相違② 日本のビジョン「持続的な経済成長」

2007-07-26 10:14:29 | 政治/行政/地方分権


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一昨日のブログの最後に掲げた図「21世紀前半社会:ビジョンの相違」を再掲し、このことについてすこし考えてみたいと思います。

スウェーデンのビジョンについては、1月11日に始めた市民連続講座「緑の福祉国家 1」 から、6月1日に終了した「緑の福祉国家 62」 まで、62回にわたって、私が理解したことを書き込ましたので、そちらを参照してください。  

それでは、日本の21世紀前半のビジョン「持続的な経済成長」はどうでしょうか。

日本の社会的・経済的仕組みは「経済規模の拡大」を前提につくられており、21世紀になっても、国の政策は経済拡大ばかりを考え、表面的には変化しているように見えても、「基本的な構造部分」にほとんど変化が見られません。


「持続的な経済成長」は、小泉純一郎・前首相が「2002年2月4日の施政方針演説」の「はじめに」で述べたものです。

新聞の一面を埋め尽くす1万2000字を超える施政方針演説のなかで、小泉首相は、このブログの基本テーマの一つである「社会の安心の持続性」と不可分の「年金問題」に対しては、「年金不安の解消に向けて、公的年金が、その役割をしっかりと果たしていくことができるよう、次期制度改正を平成16年(2004年)までに行うこととし、これに向けた本格的な検討を開始します」と述べ、セーフティ・ネットの改善を示唆しました。
 

けれども、このブログのもう一つのテーマである「環境問題」最重要キーワードである「持続可能な開発」については、たった一言、「9月に開催される『持続可能な開発に関する世界首脳会議』においては、環境保護と開発を共に達成すべきことを訴えてまいります」と述べたにすぎません。   




「我が国が持続的な経済成長を取り戻すためには」「改革なくして成長なし」という表現に象徴されるように、小泉首相のビジョン(政治目標)は「持続的な経済成長」(つまり、20世紀の経済社会の延長上にある「経済の持続的拡大」)です。その意味で、21世紀初頭に発足した小泉・連立内閣は「行き詰まった20世紀経済を再生するための内閣」といえるでしょう。

2001年4月の小泉・連立内閣発足以来、政府の「経済財政白書」のサブタイトルが、2001年の「改革なくして成長なし」に始まって、2005年が「改革なくして成長なしⅤ」であったことからも、この内閣が従来の経済拡大路線を着実に踏襲していることは明らかです。さらに、2006年は「成長条件が復元し、新たな成長を目指す日本経済」です。


ここには、「経済」と「環境」は切っても切れない関係にあるという基本認識はまったくありません。



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