環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

IPCC総会で承認された第5次報告書(地球温暖化の科学的根拠)、今回、「温暖化懐疑論」を提起するのは誰か

2013-10-02 21:53:25 | 温暖化/オゾン層
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 私の環境論が、他の多くの日本の環境の専門家と称される方々の議論と異なるのは、「環境問題」と「経済(活動)」を最初から関連づけて考えていること、そして、環境問題の解決のためには「民主主義の考え方」と「その実践」が必須なことを十分に意識していることです。具体的には環境問題の解決は、従来の公害とは違って技術的な対応だけでは不十分で、経済社会の制度の変革をともなうこと、そして、その解決策である21世紀に主な環境問題を解決した「エコロジカルに持続可能な社会」の創造のためには、さまざまな「政策」とそれらの政策を実現するための「予算措置」が必要なこと、つまり、環境問題の解決に当たって、「技術の変革」と「政治と行政のかかわり」を強く意識していることです。

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 20世紀の安全保障の議論は「軍事的側面」に特化されていましたが、21世紀の安全保障の概念は軍事的側面だけでなく、さらに広く「経済活動から必然的に生じる環境的側面」へと展開していかなければなりません。戦争やテロ活動がなくなり、世界に真の平和が訪れたとしても私たちがいま直面している環境問題に終わりはないからです。その象徴的存在が「気候変動問題(地球温暖化問題)」と言えるでしょう。

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 さて、国連広報センターの10月1日付けプレスリリース(13-068-J 2013年10月1日)によれば、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が9月27日、スウェーデンのストックホルムで最新の評価報告書を発表し、気候システムに人が影響を与えていることは明らかだとしたうえで、この事実が世界のほとんどの地域ではっきりと表れていると結論づけた」と報じています。

 そして、気候システムが温暖化していることは疑いのない事実であり、ストックホルムで承認されたIPCC第1作業部会評価報告書『気候変動2013:自然科学的根拠』の政策決定者向け要約 (Working Group I Contribution to the IPCC Fifth Assessment Report Climate Change 2013: The Physical Science Basis Summary for Policymakers) によると、過去30年間を10年ごとに区切ってみても、1850年以来のどの10年間よりも地球の平均気温が高い状態が続いているとのことです。

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 9月28日の朝日新聞が1面で、この評価報告書の概要を分かり易く、しかも明確に次のようにまとめています。


7面の解説記事:気温上昇2度以内「困難」IPCC報告書 専門家が指摘




第4次報告書で用いられた英語表現はVery likely:90–100% probability(日本語では可能性が非常に高い) 
第5次報告書で用いられた英語表現はExtremely likely: 95–100% probability(日本語では可能性が極めて高い)

 2007年の第4次報告書に比べて今回の第5次報告書が明らかにした最も重要なことは、「温暖化の原因は人為起源の温室効果ガスである可能性が極めて高い(95%以上)」と指摘したことです。この指摘は、私にとって極めて意義深い指摘です。2007年1月1日に開設したこのブログで、私が問い続けてきた地球温暖化を含む「環境問題の本質」に対する基本的な理解今回の報告書の指摘が見事に合致したからです。

2007年に第4次報告書が公表された後、2008年にはいくつかの「温暖化懐疑論」が提起されました。日本の温暖化懐疑論に対して当時の私の考えをこのブログで書きましたので、改めて紹介しておきましょう。今回の第5次報告書に対して、誰がどんな「温暖化懐疑論」を提起するのか楽しみです。

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