環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

「将来不安」こそ、政治の力で解消すべき最大のターゲット

2007-06-23 21:23:21 | Weblog

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90年代後半以降のスウェーデン経済は「GDPの推移」「一般財政収支の対GDP比」「国際競争力」など国際比較の可能な基礎データを見るかぎり、きわめて好調でした。21世紀前半のビジョンである「緑の福祉国家(生態学的に持続可能な社会)」の社会的側面と位置づけられる「新公的年金制度」がいま、国際的に注目されています。

経済のグローバル化や国際競争の激化が、20世紀後半にそれぞれの国が築いてきた年金制度の前提を変え、制度の維持をきわめて困難にしてきたからです。1999年から始まった新公的制度の特徴は「年金受給世代」に優先権を与えていた「旧制度」とは違って、21世紀の社会を生きる「現役世代」に優先権を与えたことです。

スウェーデンがめざした福祉国家の基本的な考えは「国民に安心感を与えること」、つまり、「不安からの解放」「機会の均等」「連帯」などをよしとする価値観です。安心感とは文字どおり、「不安でないこと」です。たとえば、歳をとれば、財産の有無にかかわらず、誰でも、かならず身体のどこかに障害が起こり、健康に不安を覚えます。けれども、歳をとるということは「予想できる不安」であり、すべての人に共通する問題です。
 
これに対して、「予想できない不安」というものがあります。たとえば、町中を歩いているときに、突然、上から何かが落ちてきて怪我をしたとか、車にはねられたとかいうように、災難や事故に遭うことがあります。そうしたときに、災難や事故に遭った本人はもちろんですが、家族も非常に不安になります。

ですから、私たちが生きていくうえで起こる可能性のあるさまざまな突発事に対して、できるだけ不安が少なくてすむようにというのが、スウェーデンが考える安心感なのです。人間を中心に考えれば「将来不安」こそ政治の力で解消すべき最大の対象であることは間違いありません。

それでは、明日から「少子・高齢化問題」に早い時期に気づき、いち早く21世紀型の年金制度に切り替えたスウェーデンの「新公的年金制度」の概要を紹介しながら、新年金制度が「緑の福祉国家」の社会的側面としてどのように位置づけられているかを考えてみましょう。



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