環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

IPCC総会で承認された第5次報告書(地球温暖化の科学的根拠)、今回、「温暖化懐疑論」を提起するのは誰か

2013-10-02 21:53:25 | 温暖化/オゾン層
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 私の環境論が、他の多くの日本の環境の専門家と称される方々の議論と異なるのは、「環境問題」と「経済(活動)」を最初から関連づけて考えていること、そして、環境問題の解決のためには「民主主義の考え方」と「その実践」が必須なことを十分に意識していることです。具体的には環境問題の解決は、従来の公害とは違って技術的な対応だけでは不十分で、経済社会の制度の変革をともなうこと、そして、その解決策である21世紀に主な環境問題を解決した「エコロジカルに持続可能な社会」の創造のためには、さまざまな「政策」とそれらの政策を実現するための「予算措置」が必要なこと、つまり、環境問題の解決に当たって、「技術の変革」と「政治と行政のかかわり」を強く意識していることです。

このブログ内の関連記
私の環境論8 環境問題とは(2007-01-18)

あらためて、「環境問題」とは(2007-07-23)

年末にあたって、改めて「環境問題とは」(2008-03-29)

古くて新しい問題、「環境問題」をもう一度考える(2010-01-18)

世界経済のグローバル化がもたらしたこの10年間の「環境負荷の増大」(2010-04-05)


 20世紀の安全保障の議論は「軍事的側面」に特化されていましたが、21世紀の安全保障の概念は軍事的側面だけでなく、さらに広く「経済活動から必然的に生じる環境的側面」へと展開していかなければなりません。戦争やテロ活動がなくなり、世界に真の平和が訪れたとしても私たちがいま直面している環境問題に終わりはないからです。その象徴的存在が「気候変動問題(地球温暖化問題)」と言えるでしょう。

このブログ内の関連記事
「環境問題」こそ、安全保障の中心に位置づけられる(2007-03-12)



 さて、国連広報センターの10月1日付けプレスリリース(13-068-J 2013年10月1日)によれば、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が9月27日、スウェーデンのストックホルムで最新の評価報告書を発表し、気候システムに人が影響を与えていることは明らかだとしたうえで、この事実が世界のほとんどの地域ではっきりと表れていると結論づけた」と報じています。

 そして、気候システムが温暖化していることは疑いのない事実であり、ストックホルムで承認されたIPCC第1作業部会評価報告書『気候変動2013:自然科学的根拠』の政策決定者向け要約 (Working Group I Contribution to the IPCC Fifth Assessment Report Climate Change 2013: The Physical Science Basis Summary for Policymakers) によると、過去30年間を10年ごとに区切ってみても、1850年以来のどの10年間よりも地球の平均気温が高い状態が続いているとのことです。

このブログ内の関連記事
IPCCの創設とスウェーデン(2008-01-05)


 9月28日の朝日新聞が1面で、この評価報告書の概要を分かり易く、しかも明確に次のようにまとめています。


7面の解説記事:気温上昇2度以内「困難」IPCC報告書 専門家が指摘




第4次報告書で用いられた英語表現はVery likely:90–100% probability(日本語では可能性が非常に高い) 
第5次報告書で用いられた英語表現はExtremely likely: 95–100% probability(日本語では可能性が極めて高い)

 2007年の第4次報告書に比べて今回の第5次報告書が明らかにした最も重要なことは、「温暖化の原因は人為起源の温室効果ガスである可能性が極めて高い(95%以上)」と指摘したことです。この指摘は、私にとって極めて意義深い指摘です。2007年1月1日に開設したこのブログで、私が問い続けてきた地球温暖化を含む「環境問題の本質」に対する基本的な理解今回の報告書の指摘が見事に合致したからです。

2007年に第4次報告書が公表された後、2008年にはいくつかの「温暖化懐疑論」が提起されました。日本の温暖化懐疑論に対して当時の私の考えをこのブログで書きましたので、改めて紹介しておきましょう。今回の第5次報告書に対して、誰がどんな「温暖化懐疑論」を提起するのか楽しみです。

このブログ内の関連記事 
日本の「温暖化懐疑論」という現象(1)(2008-09-24)

日本の「温暖化懐疑論」という現象(2)(2008-09-25)



温暖化の使者(温暖化の生物指標の1つ)?  「ツマグロヒョウモン」 が2年前に我が家の庭にも!

2010-09-17 19:05:28 | 温暖化/オゾン層
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今日の朝日新聞の夕刊の一面に、こんな記事が出ていました。



この「ツマグロヒョウモン」という蝶は今や「地球温暖化の生物指標」の1つになっていることを数年前から聞いて知っておりました。    

この記事によりますと市民参加調査「いきものみっけ」調査という環境省の調査プロジェクトがあり、約30種類の生物がその対象になっているとのことです。


そこで、思い出したのが2年前の秋のちょっとした少年時代に返ったような心躍る体験でした。庭の草むしりをしていたときに、門扉から玄関に通じる飛び石の近くにいままで見たこともない不気味な幼虫(下の図の黒にオレンジ色)を見つけました。30分ぐらいかけてインターネットで調べてみると、ツマグロヒョウモンの幼虫のようでした。たしかに、庭には食草となるスミレもありますし、葉が虫に食べられた跡も残っていました。

これが話題のツマグロヒョウモンか。それではと、私の人生で初めて蝶の幼虫の飼育を試みました。そして、その成果が次の2枚の写真でした。




ツマグロヒョウモン色々

埼玉県にお住まいの蝶の専門家の知人から「神奈川では大変有名になったアカボシゴマダラというチョウを初めて見ました」というメールを9月4日にいただきました。そこで、インターネットでこの名も知らない蝶を調べてみました。この蝶も「地球温暖化の生物指標」となっているようです。

今日、庭をせわしく飛び回っていた見慣れないあの蝶はもしかしたら「アカボシゴマダラ」かもしれないと淡い期待をもって、また、明日にでも来るかもしれないと蝶との再会楽しみにしています。もし、そうであれば、今日は記念すべき日の1つになるかもしれません。



     

温暖化対策 議論は密室 政権が代わっても、いつか見たような景色がまた出現?

2010-03-07 21:54:24 | 温暖化/オゾン層
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昨日3月6日の朝日新聞が、「地球温暖化対策基本法案」に関する審議の経過を報じています。

●温暖化対策 議論は密室 審議会・民間から批判 法案作成大詰め(2010-03-06)

この種の記事を読むときに必要な私たちの心構えは、  「私の環境論」を形作っている原則の一つ、たとえば 「今日の決断が将来を原則的に決める」 というような基本認識を思い出すことです。具体的には次のような過去のブログ記事です。

混迷する日本③ 私の環境論:今日の決断が将来を原則的に決める(2008-01-17

あの時の決定が日本の「地球温暖化対策」を悪化させた(2007-02-26)

「個人」と「組織」のずれ(2007-01-29) 


私たち一般市民にとっては、この種のタイムリーな報道記事は議論の共通な基礎資料として極めて重要です。テレビやラジオのような映像や音声による情報は多くの場合、分かり易いという特徴がありますが、その場限りでフォローするのが難しく、雑誌は執筆者の主張(多くの場合、執筆者の個人の主張と言うよりもむしろ執筆者が属する組織の主張)が強すぎたり、テーマが矮小化あるい部分的化(良く言えば、テーマが深く)する傾向があります。一方、ネット情報は圧倒的にフローの情報が多く、個人の強い主張があるかと思うと、逆にあまり主張性がなく、不適切に編集されたり、コピペされており、その分野の予備知識と判断力がありませんと、ほとんど取捨選択が不可能です。また、時間の経過と共に情報ゴミの山と化します。

この点では、他の情報源に比べて、全国紙の報道記事や解説記事はいままでのところある程度の信頼感をもって接することができますし、ある特定のテーマの「現状と課題」に関する情報源としては安価で、しかも比較的確度の高い良質なものだと思います。ですからこれを否定してしまいますと、私たち一般人には議論のための共通の基盤がなくなってしまいます。もちろん、ここにもいくつかの問題点があります。そのことは幾度となくこのブログでも取り上げてきました。たとえば、  「またしてもミスリードしかねない“スウェーデンの脱原発政策”という日本の報道(2009-03-21)」 などはその好例です。それでも、私は日本の全国紙の報道にかなりの信頼を寄せています。

さて、今日のブログのタイトルに「政権が代わっても、いつか見たような景色がまた出現?」と書きました。この機会に今日は、「地球温暖化問題に関する過去の主なブログ33本」のリストを作ってみました。特に、赤、青および黒で表示したものをご覧下さい。 「自然エネルギー」と「原発」についての私の考えに異論を唱える方がおられるかもしれません。是非ご意見をお聞かせ下さい。「なるほど、そういう考え方なのか」と納得のいくご意見をいただければ、私は私の考えを改めます。

関連記事

2008年の温室効果ガス排出量:スウェーデンは90年比11.7%減、日本は7.4%増(CO2)+α(2009-12-19)

日本の温暖化対策 もう一つの視点(2009-12-16)

毎日新聞に掲載された「地球を考える会のフォーラム」(広告)に対する私のコメント(2009-11-06)

低炭素社会と原発の役割  再び、原発依存を強化する日本vs原発依存を抑制するスウェーデン(2009-10-08)

21世紀の低炭素社会をめざして 原発依存を強化する日本 vs 原発依存を抑制するスウェーデン(2009-07-27)

経済界の意見広告 第2弾 「考えてみませんか? 日本にふさわしい目標を。」(2009-05-21)

2020年時点で90年比4%増が大勢?  いよいよ混迷の度を増してきた日本の温室効果ガスの中期目標(2009-05-15) 

日本の温室効果ガス削減中間目標 これはもうどう考えたらよいのだろう???(2009-04-18)

企業の07年度の温室効果ガス排出量(CO2換算)上位10社(2009-04-14)

07年度の温室効果ガスの排出 鉄鋼・セメント業界が上位(2009-04-04) 

日本政府の中期目標検討委員会が受賞した「化石賞」(2009-04-03)

またしても、ミスリードしかねない「スウェーデンの脱原発政策転換」という日本の報道(2009-03-21)

日本は世界トップレベルの低炭素社会?  経済界の判断基準が明らかにされた「意見広告」(2009-03-17)

ドイツとポーランドが「今日の化石賞」受賞、 欧州のNGOが環境政策ランキングを公表(2008-12-11)

日本がなぜ、「今日の化石賞」を受けるのか? 経済成長、エネルギー消費、CO2の整合性なき政策(2008-12-07)

2008年COP14で 日本が「今日の化石賞」を受賞(2008-12-05)

日本の社会を構成する「主なプレーヤー」の問題点(4) 官僚と縦割り行政(2008-10-11)

再び、原発と温暖化対策の議論 また、18~20年前に逆戻り?(2008-03-21) 

日本のCO2排出量 もう一つの側面(2008-03-14)

国連への日本の提案 セクター別アプローチ、実効性はどうか?(2008-03-13)

国連へのポスト京都提案 日本、締め切り遅れ、(2008-03-12)

1990年代の「日本の温暖化政策」⑳(最終回) 温暖化対策議論を混乱させた「乾いた雑巾論」(2008-03-07)

1990年代の「日本の温暖化政策」⑲ まとめ(2008-03-06) 

混迷する日本⑩ 世界初の「温暖化防止法」、今月中にも成立! でも、10年前の話(2008-01-24)

自然エネルギーにCO2削減効果はあるだろうか?(2008-01-14)


前途多難な日本の温暖化対策(2008-01-06)

「気候変動をはじめとする環境問題」の解決と「民主主義」(2008-01-02)

環境省が「地球温暖化対策推進法改正案」を検討(2007-12-18)

COP13直前の地球温暖化に対する「政府の意識」と「企業の意識」、そしてある高校生の投書(2007-12-02)

日本の温暖化対策:経産省 vs 環境省、日本経団連 vs 経済同友会(2007-10-17)

松下、CO2排出量の目標を「原単位」ではなく、「総量」に!(2007-10-06)

温室効果ガス 「総量規制で」(2007-07-29)

原発を考える ⑪ CO2削減効果はない「原発」(2007-04-22)


温暖化に関する全てのブログ記事あるいは、上に掲げた記事以外の温暖化関連記事をご覧になりたい方は左の「カテゴリー」欄の「温暖化/オゾン層(112)」を参照して下さい。今日現在で、上に掲げた33本の記事を含む112本の記事があります。


国会内緊急集会 「ゆがめられる地球温暖化対策基本法」

2010-03-03 21:25:41 | 温暖化/オゾン層

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昨日3月2日に、衆議院第2議員会館第4会議室でNGOによる「基本法案を巡る検討状況と問題点」という集会が開かれました。午後3時から4時までのわずか1時間、質疑応答の時間なしの緊急集会でしたが、参加してみました。会議室は参加者であふれていました。

配布されたチラシには次のように書いてありました。
xxxxx
国会内 緊急集会

ゆがめられる
地球温暖化対策基本法
~密室の官僚主導でマニフェスト違反を許していいのか~

政府が検討している「地球温暖化対策基本法案」は、閣議決定が間近な状況です。ところがここに来て、官僚・産業界による猛烈な巻き返しが行われています。

鳩山首相が宣言した「25%の削減目標」は「国内の自主目標」としてすら条文凍結になりそうです。また「排出量取引制度」も、実質的にキャップのない、一部業界を極端に甘くする制度となりそうですし、「再生可能なエネルギー目標」も実質的に弱められようとしています。今、この問題を明らかにし、実効ある温暖化対策が図られるよう強く求めていきます。
xxxxx


このわずか1時間の集会で、NPO代表が取り上げたキーワードは次の4つでした。

●25%という削減率(他国の動向を見てという前提付き)
●キャップ&トレード(キャップなし、原単位ベース、間接排出量に基づく)
●自然エネルギーの導入目標10%(制度設計の問題)
●原子力の推進(核燃サイクルまで含む) 

そして、その背景にある1990年以来の相変わらずの「環境省」vs「経産省」の対立構造。  
 
質疑応答の時間はありませんでしたが、私は今回のNPOの主張は適切だと思います。

今朝の朝日新聞が、この緊急集会のもようを報じる記事を掲載しています。



この緊急集会に参加した3日後の3月6日、[MAKE the RULE メールマガジン] シロベエ通信【第36号】 2010/3/5から、次の情報をいただきました。

●集会の様子はこちらのビデオニュースでご覧いただけます。

●資料、出席議員名など報告はこちら


私はこの集会の間に、私が17年前の1993年に中央公聴会の公述人として意見を求められた衆議院環境委員会での「環境基本法案」の意見陳述の状況を思い出していました。

当時の私の意見の要旨は次のようでした。



17年前の「衆議院環境委員会の議録」の全文(ここをクリック)を今でもネット上で読むことができます。まだ、エネルギーの残っている方は、アクセスし、ページを繰って、当時の議員と私の討論(バトル?)をお楽しみ下さい。

厳しい言い方をすれば、不十分な環境基本法の下で多額の予算を費やし、多くの国民を巻き込んだ日本の17年の行動が図らずも実を結ばなかったばかりでなく、相対的には環境の改善にはつながらなかった、現状は“1993年以前より悪化した”と言えるのではないでしょうか。そして、NPOの主張が十分に取り込まれなければ、今回の「地球温暖化対策基本法」も同じ運命をたどらざるおえない危険性をはらんでいると言えるでしょう。

関連記事
「環境基本法」成立から14年② 不十分なので、このままでは私は反対だ!(2007-12-07)


私がいつも不思議に思うのは、この国ではなぜ新しい法案を作る段階で「骨抜き」が行われるのかです。その結果、実効性の乏しい不十分な法律ができ、そして、事態は改善するよりも悪化することになります。

日本の“脳科学者”には日本の「この不思議な思考回路」を解明し、日本の社会の改善に貢献してほしいと思います。

関連記事
環境省が「地球温暖化対策推進法改正案」を検討(2007-12-18)


COP15が閉幕、この決断が将来を決める

2009-12-30 15:56:27 | 温暖化/オゾン層
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コペンハーゲンで開かれていた「COP15(国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議)」が19日に閉幕と、20日付けの毎日新聞が伝えています。次の記事は一面トップの記事ですが、二面にはこの問題にかかわってきた方々のコメントがコンパクトにまとめられていますので、記録として保存し、次の議論の参考にしましょう。



●温室ガス削減 日本「25%」見直しも 「各国意欲的」の前提危うく(毎日新聞2面)


COP15を巡る海外の動向や日本のマスメデイアが伝える日本政府の対応や経済界の反応、さらには専門家の発言など大量の情報が発信されている割には、ほとんど「気候変動問題」の本質が語られていないような気がします。そこで、次の図をご覧下さい。





この図は米国の経済思想史家ロバート・ハイルブローナーの考えを示すもので、私の環境論に重なる部分です。私たちは12月19日に閉幕したCOP15で、ハイルブローナーが1993年に著書『21世紀の資本主義』で指摘していた状況(①生態学的障壁)を目の当たりにしたのです。
10日ほど前に、190を超える国と地域の首脳がコペンハーゲンに集まり、この問題の深刻さを理解しているにもかかわらず、その解決のための適切な枠組みに合意できませんでした。

関連記事
12月のCOP15で予定されていた「ポスト京都議定書の採択」を断念(2009-10-30)

21世紀の資本主義、その行方は???(2008-03-30)



そこで、 「環境問題」について、改めて私の考えをまとめておきます。
「環境問題は経済活動の目的外の結果の蓄積である」というのが私の環境論の根底をなす考えです。少々、説明が必要かもしれません。

私たちが行動すると、その目的が達成されようとされまいと、必ず「目的外の結果」が生ずることになります。20世紀後半に顕在化した「環境問題」の大半は、私たちが豊かになるという目的を達成するために行った「企業による生産活動」と「市民の消費活動」、そして両者による余暇活動があいまってつくりだした経済活動の「目的外の結果」が蓄積したものです。ですから、経済活動が大きくなれば「目的外の結果」も比例的に、あるいはそれ以上に大きくなります。つまり、「経済」と「環境問題」は切っても切れない関係にある、分かり易くいえば「コインの裏表」と表現してもよいでしょう。

21世紀に私たちが、20世紀のような「経済規模の拡大」ではなく、「経済の適正規模」への転換を模索しなければならないのは「資源やエネルギーの量的な不足や枯渇によって経済活動が制約される」という20世紀の懸念からだけではなく、自然科学者が明らかにした「有限な地球」に対して21世紀の新たな懸念があるからです。

それは、「20世紀の経済活動の結果、大気や水や土壌にすでに蓄積されている様々な環境負荷(温室効果ガスやオゾン層破壊物質、有害物質、廃棄物などの増加)」に加えて、「21世紀の経済活動にともなって新たに加わる環境負荷」の総和が、いよいよ環境の許容限度や人間の許容限度に近づくことによって、一部では超えたために、経済活動が制約されざるを得ないという、20世紀には想定されなかった新たな懸念です。

ですから、私たちがいま直面している「環境問題に対する最も重要な判断基準」は、 「社会全体のエネルギー消費量を削減することできるかどうかにかかっている」ということになります。本来めざすべきは 「低炭素社会」ではなく、 「低エネルギー社会」 、さらに言えば、 「エコロジー的に持続可能な社会」 なのです。  



2008年の温室効果ガス排出量:スウェーデンは90年比11.7%減、日本は7.4%増(CO2)+α

2009-12-19 20:18:48 | 温暖化/オゾン層
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まず、次の図をご覧下さい。



この図はちょうど1ヶ月前の11月19日のブログ「気候変動、もう一つの視点」(ここをクリック)のトップに掲げた「過去36年間のCO2排出量の推移の比較 1971-2007」の図(5年ごとに排出量をプロット)をさらに細かく見るために、年ごとのCO2排出量に加えてGDPをプロットし、京都議定書の基準年をそれぞれ100としてそれぞれの指標の増減を比較しやすいようにあらわしたものです。このグラフの作成に用いたデータは、エネルギーの専門家であれば誰でもご存じの国際エネルギー機関(IEA)が公表した報告「CO2 Emissions from Fuel Combustion Highlights 2009 Editon」から抜粋したものです。

スウェーデン環境省は12月15日、「Swedish greenhouse gas emissions at record low in 2008」と題するプレスリリースを出しました。プレスリリースによれば、スウェーデンは温室ガス排出量の削減を続けており、2008年には記録的な削減に達し、1990年比で220万トン、ほぼ12%の削減となったそうです。

このプレスリリースに合わせて、スウェーデン環境保護庁は同日、次のような図を公表しています。この図は京都議定書の基準年である1990年から2008年までの18年間のスウェーデンの温室効果ガスの内訳を示しています。温室効果ガス排出量の80%がCO2の排出量です。



二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素およびフッ化ガス(HFC,PFCおよびSF6)の温室効果ガスの排出量は変動しています。1990年以降の傾向は、二酸化炭素、メタンおよび亜酸化窒素は減少し、フッ化ガスは増加しています。

   ★二酸化炭素(CO2)は化石燃料の燃焼によって放出され、温室効果ガスの総排出量の80%を占めています。

   ★亜酸化窒素は農業、廃棄物および産業工程から放出され、温室効果ガスの総排出量の およそ11%を占めています。

   ★メタンは主に農業と埋め立てから放出され、温室効果ガスの総排出量の およそ8%を占めています。

   ★フッ化ガス(HFC、PFCおよびSF6)は産業工程からのみ放出され、温室効果ガスの総排出量の2%を占めています。


次の2つの図は日本の2007年度の温室効果ガスの排出量(CO2換算、環境省まとめ)および2008年度の「化石燃料を燃やしたときに出るエネルギー起源の排出量」 (CO2換算、経済産業省発表)です。日本の場合には、温室効果ガスの90%がCO2です。2007年度の温室効果ガスは過去最高の排出量を記録しました。





2007年度は「温室効果ガス」の総排出量ですが、2008年度は「CO2」の排出量となっておりますので、2008年度の最終的な温室効果ガスの総排出量(CO2+α)はさらに増えるはずです。この時点ではα分が未だ公表されていないからです。

これらの図はスウェーデンと日本の気候変動問題への対応の相違が結果としてはっきりあらわれたものです。正反対の結果が出ています。



上の図で注目してほしいのは、図の最後の注釈です。 日本はエネルギー分野は±0%、スウェーデンはエネルギー分野での削減をめざす」とあります。CO2の排出量を削減しなければいけないのであれば、温室効果ガスの90%(日本の場合)、同じく80%(スウェーデン場合)を占めるCO2の最大の排出源であるエネルギー分野に踏み込まなければならないことは自明の理ではないのでしょうか。

関連記事
●PDF 日本の温暖化対策 もう一つの視点(広領域教育 2009年11月号)

京都議定書の基準年である1990年以降、温室効果ガスの排出量を削減しつつあるスウェーデンの2020年の中期目標が 「90年比40%減」(ここをクリック)であるのに対し、温室効果ガス排出量を増加しつつある日本の2020年の中期目標は「90年比25%減」です。




スウェーデンが国際社会で「プラグラマティズム」の国、あるいは「リアリズム」の国、つまり「理想主義」の国ではなく、「現実主義の国」と理解されているのに対し、日本は「現状追認主義の国」だと言ってよいでしょう。

  

スウェーデンの新たな試み:2006年から「渋滞税」を段階的に導入、そしてその成果は?

2009-12-17 11:09:58 | 温暖化/オゾン層
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「私の環境論」では、20世紀後半に顕在化した「環境問題」の大半は、私たちが豊かになるという目的を達成するために行ってきた「企業による生産活動」と「私たち市民の消費活動」や余暇活動があいまってつくり出した経済活動の「目的外の結果」が蓄積したものです。ですから、経済活動が大きくなれば、「目的外の結果」も比例的に、あるいはそれ以上に大きくなります。つまり、「経済」と「環境問題」は切っても切れない関係にある、分かり易く言えば「コインの裏表」と表現してもよいでしょう。

環境問題解決への主な対応には、「技術的な対応」と「経済的手法」があります。スウェーデンは先進国のなかでも、とりわけ「経済的手法」については世界をリードしてきた国です。

関連記事
環境政策における「経済的手法」①(2007-03-26)

環境政策における「経済的手法」②(2007-03-27)


「気候変動問題」への経済的手法として、スウェーデンが世界に先駆けて導入した「二酸化炭素税」はよく知られているところですが、今日はその延長上にあるといってもよい「渋滞税」について、昨日(2009年12月16日)の朝日新聞が取り上げておりますので、この記事を紹介します。



この記事によりますと、

    ★2002年に「渋滞税」の導入が決まった時の抵抗は強く、世論調査では75%が反対。

    ★2006年から段階的に導入された「渋滞税」が交通量を激減さた。

    ★いまでは、「渋滞税」はすっかり定着し、世論調査では6割が支持する。

    ★英国が同様の税を導入し、効果を上げている。ドイツの自治体や米ニューヨーク州などでも導入が検討されている。

などの成果、波及効果が出ているそうです。


18年前の1991年にスウェーデンが「二酸化炭素税」を導入した時の状況(ここをクリック) を日本のメデイアが伝えていますので、参考までに紹介します。昨日の朝日新聞が伝えている「渋滞税」の導入状況と似たような状況が18年前にもありました。


関連記事
「国際機関への提案が多い国」と「国際機関からの勧告を受けることが多い国」(2007-06-06)

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スウェーデン発のCO2税に、日本の反応は?(2007-06-08)

スウェーデン発のCO2税に、EUの大国の反応は?(2007-06-09)

スウェーデン発のCO2税、企業のインセンティブを高めるのが目的(2007-06-10)


今朝の朝日新聞によりますと、「民主党の小沢幹事長が政府に示した要望18項目の最後に、環境税は『今後の検討課題とする』としただけで、
11年度以降への先送りをもとめられた
」そうです。これは国民の意識と政治家の意識の問題だと思います。

   

日本の地球温暖化対策 もう一つの視点

2009-12-16 18:50:06 | 温暖化/オゾン層
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12月7日(現地時間)にデンマークのコペンハーゲンで開幕したCOP15の会議は、18日に190以上の国や地域の代表が出席する首脳級会合で「拘束力のある政治合意」を採択して閉幕します。

このCOP15の会議の開幕の前日、私が寄稿した小論「日本の地球温暖化対策 もう一つの視点」を掲載した雑誌「広領域教育」の最新号(2009年11月 No.73)が、絶妙のタイミングで届きました。



「編集後記」には、「12月にコペンハーゲンでCOP15(気候変動枠組条約締約国会議)が開かれます。鳩山由紀夫首相は、先の国連総会で、2020年までに日本の温室効果ガスの排出量を90年比で25%削減する中期目標を公約しました。『日本の地球温暖化対策もう一つの視点』では、その実現に向けての課題について解説いただきました。」とあります。

編集者のご厚意で提供いただいた小論(PDF版)を掲載します。みなさんのお役に立てれば幸いです。

日本の地球温暖化対策 もう一つ視点(PDF版)(ここをクリック)
なお、この小論に出てくる関連事項は、次の項目をクリックして下さい。

●3月17日の意見広告 経済界の意見広告 第1弾 「考えてみませんか? 私たちみんなの負担額。」

●5月21日の意見広告 経済界の意見広告 第2弾 「考えてみませんか? 日本にふさわしい目標を。」

●原発の利用と温室効果ガスの排出量の関係

●ドイツの環境NGO「GERMAN WATCH」の「温暖化対策の実行ランキング」
     
     2008年:日本は対象57カ国中43位  
     2007年:日本は対象56カ国中42位、2006年:日本は26位   
  

●大和総研の経営戦略研究レポート「CSR(企業の社会的責任)とSRI(社会的責任投資):日本は環境先進国か?」(2008年3月10日)

●スウェーデンの「2020年の温室効果ガス排出量削減中期目標」:2009年2月5日の連立与党の合意文書 

●1990年代の「日本の温暖化政策」⑳最終回 温暖化議論を混乱させた「乾いた雑巾論」(2008-03-07)

●1990年代前半のもう一つの日本の議論「トリレンマ」 (2008-03-08)                                  


       

「気候変動対策」、もう一つの視点

2009-11-19 15:26:07 | 温暖化/オゾン層
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去る11月15日(日)に、私もサポートしている「持続可能な国づくりの会」のシンポジウムが開かれました。パネリストの一人として発言する機会をいただきましたので、「日本の地球温暖化対策、もう一つの視点」と題するペーパーを事務局から配布していただきました。そこに示した図表をご覧になって、参加者の中には日本の現状にある種のショックを受けた方がおられるかもしれません。例えば次のような図です。



これらの図は、エネルギー分野の専門家であれば誰でもご存じのはずの国際エネルギー機関(IEA)の最新の報告「CO2 Emissions from Fuel Combustion Highlights 2009 Edition」に掲載された国別のCO2排出量の推移(1971~2007年)を示す表から日本とスウェーデンの数値を抜粋し、その推移の傾向を見るためにグラフ化したものです。日本は京都議定書の基準年である1990年以降も着実にCO2の排出量が着実に増加していることがわかります。

また、参考のために主要先進国の1人当たりCO2の排出量の推移も示しました。出典は同じです。
1人当たりのCO2排出量は、6カ国中5カ国が減少傾向にあるのに対して、日本だけが京都議定書の基準年である1990年以降も年々増加傾向にあることが見て取れます。

           



このシンポジウムの質疑応答のセクションで、私は次の図を提示しました。



この図は、私が13年前の1996年に出版した『21世紀も人間は動物である 持続可能な社会への挑戦』(新評論 1996年7月)の45ページに掲載した下の図を、表現を変えて示した図です。

今から200年以上前までは自然に対して人間の活動が小さかったために、人間活動の環境への影響は無視しても問題はなかったのです。ところが、現在のように、環境の許容限度に近づいた段階になりますと、現状を拡大する方向では私たちがやることなすことのすべてが私たちに降りかかって来ることになります。

早い話が不況になって生産活動が低下すると、エネルギーの消費量、工業用水の消費量、硫黄酸化物や窒素酸化物など大気汚染物質の排出量やCO2の排出量、水質汚濁物質の排出量が減り、廃棄物の量が減るのを私たちは経験から知っています。このことからも明らかなように、「経済活動の持続的拡大」「環境への人為的な負荷の増大」および「人体への負荷の増大」は図2・1のように密接に関係しているのです。 
 



この図の中に、表2-1とあるのは次の表です。



日本では、環境問題は「自然科学的な問題」と考えがちですが、私は「環境問題は人間と自然とのかかわりで起こる問題だから、この問題を考えたり、解決策を考えたりする場合には基本的には「経済学、社会学、政治学、法学、心理学など社会科学系の問題」だと考えた方が適切だと思っています。ですから、環境問題の解決には、公害の解決とは違って、社会システムの変革など制度的な対応のほうが、技術的な対応より重要になってくるのです。 

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判断基準を変えれば別のシーンが見えてくる、改めて、日本は世界に冠たる「省エネ国家か」?(2009-10-11) 

●大和総研 経営戦略研究レポート CSR(企業の社会的責任)とSRI(社会的責任投資)  日本は環境先進国なのか? 2008年3月10日
世界銀行が2007年10月に公表した温暖化対策を評価した報告書において、 日本は70カ国中62位、先進国では最下位という衝撃的な結果が示された。
洞爺湖サミットで環境立国日本を標榜し、世界のリーダーシップをとるのであれば、日本は環境先進国、という思い込みを捨てて積極的かつ大胆な温暖化対策を早急に進める必要がある。



さて、今朝の朝日新聞の「オピニオン」に掲載された蟹江憲史さん(東京工業大学准教授)のご意見「気候変動対策 外交政策としての戦略必須」は、私にとって大変うれしい記事でした。私が15年ほど前から言い続けてきた環境問題(今回の場合は「気候変動対策」に限定されてはいますが)に対する私の基本認識をサポートして下さったように感じたからです。



上の記事の赤アミをかけた部分がまさに私と共有する基本認識です。エネルギーや資源の議論で「入り口」と「出口」の両方の議論をしておられることもうれしい限りです。この当たり前の議論がこれまで、他の専門家の議論では、あまりお目にかからなかったからです。これまでの議論はほとんど「入り口」の議論ばかりでした。この記事によって、若手の研究者で、しかも私とはバックグラウンドがまったく異なる蟹江さん(政治学がご専門で、国際関係論専攻)が、「気候変動対策」について私の基本認識と共通であったことが確認できました。

●蟹江さんのご意見の全文をご覧になるには次をクリックして下さい。
 オピニオン 気候変動対策 外交政策としての戦略必須(2009-11-19)

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原発を考える⑤ エネルギーの議論は「入り口の議論」だけでなく、「出口の議論」も同時に行う(2007-04-14)

私の環境論 経済危機と環境問題① 21世紀の安全保障 + 岩井克人・東大経済学部教授(2008-10-17)

低炭素社会と原発の役割、再び 原発依存を強化する日本 vs 原発依存を抑制するスウェーデン(2009-10-08)




日本の2008年度のCO2排出量は、90年度比7.4%増

2009-10-31 19:44:25 | 温暖化/オゾン層
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昨日の朝日新聞が、2008年度のエネルギー消費(原油換算)が、景気悪化の影響で2007年に比べて、6.8%減となったと報じました。それにもかかわらず、今日の朝日新聞は2008年度のCO2排出量は京都議定書の基準年である90年比で7.4%増加したと報じています。 


 


この2つの記事のもとになったデータの出所は同じで、いずれも経済産業省が所管する「エネルギー需給実績」(速報)です。

そこで、次の記事をご覧下さい。9月16日に発足した鳩山政権のもとで、環境省は「原発」に対してこれまで以上に積極的な姿勢を示したようにみえます。

●環境省、「アセスで原発推進」(2009-10-29)
 九電の川内で方針明示  CO2対策「最大限の活用を」

●環境省、「アセスで小名浜火力に反対」(2009-05-27)


「私の環境論」では、原発へのさらなる傾斜(依存)は国際社会が21世紀にめざすべき「エコロジカルに持続可能な社会」の構築をますます困難にすると考えますので、まず日本の原発は現状に凍結して、新規の原発を建設しないという選択がベストだと思います。

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原発を考える⑤ エネルギーの議論は「入り口の議論」だけでなく、「出口の議論」も同時に行う(2007-04-14) 


次の図を見れば、スウェーデンは原発を増やさずにCO2を削減できたのに、日本は原発を大幅に増やしたにもかかわらず、CO2を削減することが出来ていないのです。

 

なぜか数年前から国際社会では「原子力ルネッサンス」などという巧妙なネーミングで、原発の推進の動きが活発になってきたように思いますが、2002年に南アフリカのヨハネスブルクで開催された「持続可能な開発に関する世界サミット」(環境・開発サミット)までは、原子力エネルギーに対して国際社会は懐疑的で、積極的ではなかったのです。

関連記事
原発を考える⑥ 原発に否定的な国際評価の事例(2007-04-14)


2002年の「持続可能な開発に関する世界サミット」から今日までの7年間に、既存の原発に画期的なイノベーションがあったわけではありませんので、目の前の温室ガス対策のために日本が原発をさらに新増設するのは合理性があるのでしょうか、私はないと思います。

このブログでこれまでに何回も繰り返してきたように、原発は正常に稼働している限りは実質的に温室効果ガス(具体的にはCO2)を排出しない発電装置ではありますが、原発は温室効果ガス削減装置ではないことです。ですから、原発の新規建設によって、CO2を事実上増やさずに電力の供給量を増やすことは可能です。しかし、原発を建設し、運転しただけでは、現状からCO2を増やさなかったというだけで、CO2の削減にはなりません。 

そこで、 「新規の原発」で「既存の石炭火力発電所」を完全に置き換えれば、CO2の削減は可能になりますが、その場合は、私たちは同時に、現在十分に解決できていない原発特有のマイナス面(安全性、核廃棄物、核拡散、労働者被曝、廃炉、核燃サイクルなどの放射線がかかわる問題や温排水などの難問)と、それに対処するための「新たな膨大なコスト」をさらに抱え込むことになります。環境省の「環境アセスメント」にこのような原発特有の項目があげられていないことは大問題だと思います。
   
関連記事
低炭素社会と原発の役割  再び、原発依存を強化する日本 vs 原発依存を抑制するスウェーデン(2009-10-08)



12月のCOP15で予定されていた「ポスト京都議定書の採択」は断念

2009-10-30 10:29:28 | 温暖化/オゾン層
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2009年7月1日は、スウェーデンが1995年1月1日にEUに加盟して以来、2回目のEU議長国になった日です。EUの議長国は持ち回りで、任期は半年。前回は2001年1月1日から半年間でした。

今年の議長国スウェーデンの任期は7月1日から12月31日までで、この半年間に課せられた大問題は今年12月にデンマークの首都コペンハーゲンで開催される「国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)」で、EUの議長国として、一定の成果を収めることです。COP15の目的は、京都議定書に定めがない2013年以降の「地球温暖化対策」の方向性を決定し、各国の同意を求めることにあります。

10月29日、30日の朝日新聞は、国連気候変動枠組み条約事務局長が28日、12月のCOP15での「ポスト京都議定書」(温暖化対策の新議定書)の採択を断念し、拘束力がなく各国の批准手続きも必要ない「締約国会議決定」をめざすことになったと報じています。





10月29日の記事によりますと、新議定書への合意が遅れている理由は、先進国と途上国の考え方の溝が埋まっていないことだそうです。

今日は、このような現実の「国際環境政治」のあり方と、私が賛同する「経済学者の懸念」を皆さんにお知らせすることによって、今後、この大問題を皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

(1)勝利につながる資本主義の戦略とは


(2)資本主義を揺るがす大問題
 

関連記事
21世紀の資本主義、その行方は???(2008-03-30)


              

判断基準を変えれば、別のシーンが見える、改めて 日本は世界に冠たる「省エネ国家か」?

2009-10-11 13:38:44 | 温暖化/オゾン層
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このブログの目的は、「私の環境論」に基づいて、私の関心分野に次々に登場する様々な現象や事象を分析し、解説し、皆さんにもう一つの視点を提供していこうという試みです。

まず、「私の環境論」に共通する「環境問題を考える際の7つのキーポイント」を掲げます。環境・エネルギー問題を議論するときの共通の出発点として共有していただければ幸いです。



今日は、21世紀の環境問題を考えるときには、上の図の「③総 量」が、「GDP当たり」や「原単位当たり」という「相対量」よりも重要かつ適切な指標であることを示し、皆さんの議論の材料とします。それでは、今日のテーマである「日本はほんとうに世界に冠たる省エネ国家なのか?」を考えてみましょう。まず、次の図をご覧下さい。



この図の上半分は日本の産業界が、IEA(国際エネルギー機関)の統計資料の数値をそのまま引用し、いかに日本が他の国に比べて省エネが進んでいるかを示す資料として作成した図です。下半分は、実体経済に近づけるために国際機関などの統計で使われている「物価水準」を反映させた「購買力平価」でGDP当たりの排出量を示したもの です。

同じGDP当たりのCO2排出量も、物価水準を反映させると、日本が必ずしも世界一ではないことを示しています。このように、判断基準を変えれば、別のシーンが見えてくるのです。

詳しくは次の記事をご覧下さい。
●「25%削減」きしむ産業界(朝日新聞 2009年10月6日 1面)

●揺らぐ「省エネ世界一」 計算法違えれば欧州以下に(朝日新聞2009年10月6日  2面) 

日本の内閣府の政策統括官室が2年前にまとめた報告書では、購買力平価方式でも計算していて、日本は70年代にはCO2排出効率がよかったものの、原油価格が低迷した80年代後半以降は足踏み状態が続いた。04年は米国よりはよかったが、英国やフランス、イタリアよりも劣っていた。報告書は「先進国の中で相対的に高い排出効率を維持するためには一層の努力が必要である」と指摘していた。・・・・・


関連記事
日本の産業界の環境自主行動計画、その成果は?(2009-01-07)

日本は世界トップレベルの低炭素社会? 経済界の判断基準が明らかにされた「意見広告」(2009-03-17)

経済界の意見広告 第2弾 「考えてみませんか? 日本にふさわしい目標を。」(2009-05-21)

日本はほんとうに「省エネ国家」なのか? 評価基準の見直しを!(2007-03-17)

不十分な日本の「省エネルギー」という概念、正しくは「エネルギー効率の改善」という概念だ!(2007-11-26)

●NHK解説委員室  視点、論点「“乾いた雑巾”は本当か」(2007-05-17)

●大和総研 経営戦略研究レポート CSR(企業の社会的責任)とSRI(社会的責任投資)  日本は環境先進国なのか? 2008年3月10日
世界銀行が2007年10月に公表した温暖化対策を評価した報告書において、 日本は70カ国中62位、先進国では最下位という衝撃的な結果が示された。
洞爺湖サミットで環境立国日本を標榜し、世界のリーダーシップをとるのであれば、日本は環境先進国、という思い込みを捨てて積極的かつ大胆な温暖化対策を早急に進める必要がある。



大和総研の経営戦略研究レポートは、結論を導くまでに “エコノミストにわかりやすいように(?)” 複雑な論を展開しておりますが、そのようなことをしなくても「環境問題を考える際の7つのキーポイント」の「②経済活動 経済活動は金の流れではなく、資源/エネルギーの流れで見る」と「③総量」という原則で考えれば、簡単に、しかも正確に同じような結論を導くことが出来ます。

今私たちが理解しなければならないのは、京都議定書の規定も、ポスト京都議定書の規定も、温室効果ガスの「総量」削減であって、日本の産業界が求めてきた「原単位の改善」などの「相対量」の向上ではないのです。


   

低炭素社会と原発の役割  再び、原発依存を強化する日本 vs 原発依存を抑制するスウェーデン

2009-10-08 14:35:21 | 温暖化/オゾン層
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古くて、新しい原発議論が「気候変動問題」への対応との関連で、再び高まってきました。ここで議論しておきたいことは、「原子力ルネッサンス」などという巧みなネーミングのもとに国際的にも国内的にも推進の動きが高まってきたように見える「原発のCO2削減効果に対する有効性」についてです。今日は皆さんと一緒に、もう一度、この大切な問題を考えてみたいと思います。私の考えに対するコメントは大歓迎です。


原発依存を強める「日本」、 原発依存を抑制する「スウェーデン」

「日本版グリーン・ニューディールで経済の活性化を」をめざして活動を続けている「環境政策フォーラム(Environmental Policy Forum)」という団体があります。

この環境政策フォーラムの「第66回モーニング・セッション」(2009年7月1日)で斉藤鉄夫(前)環境大臣は、「政府が2020年の中期目標では90年比での削減ではなく、2005年比15%削減とした理由について米国中期目標が2005年比であること、日本の2020年の中期目標である温室効果ガス15%の削減の手段の中には新規原発を9基建設することが含まれていること」を明らかにしました。

去る9月16日に発足した鳩山新政権が国際的に公約した「温室効果ガスを2020年までに90年比で25%削減する」という目標の達成計画の中に前政権が掲げた新規原発9基が含まれているかどうか現時点では不明ですが、民主党のマニフェストには「安全を第一として、国民の理解と信頼を得ながら、原子力利用について着実に取り組む」と書いてあります。

この機会に日本とスウェーデンの原子力エネルギーの利用に対する考え方の相違を確認しておきましょう。日本とスウェーデンでは原発の利用に対する考え方が正反対です。原発依存を強める「日本」に対して、原発依存を抑制する「スウェーデン」ということになります。なお、言うまでもないことですが、日本の、そして、スウェーデンの「原子力技術のレベルの高さ」や「最新の原発事情」について私よりも正確にご存じなのは、ほかでもない日本の原子力分野の専門家のはずです。


「原発の利用状況」 と 「温室効果ガスの排出量」 の関係

脱原発の方向性を定めた1980年3月のスウェーデンの「国民投票の結果」とその結果に基づく同年6月の「国会決議」以降の両国の原発の利用状況をまとめてみますと、次のようになります。



1980年から2008年の28年間に、スウェーデンが2基の原発を廃棄したのに対し、日本は33基の原発を増やしました。この間、スウェーデンは京都議定書の基準年である1990年以降漸次、温室効果ガス(このうちおよそ80%がCO2)を削減し、2007年の排出量は9%減でした。一方、日本では、1990年以降、温室効果ガス(このうち90%以上がCO2)の排出は増加傾向にあり、2007年には過去最悪(9%増)となりました。日本では90年以降15基もの原発を運転開始したにもかかわらず、CO2の排出量が増加している事実に注目して下さい。

関連記事
1970年代からCO2の削減努力を続けてきたスウェーデン(2009-06-02) 


ここで注意すべきは、原発は正常に稼働している限りは実質的に温室効果ガス(具体的にはCO2)を排出しない発電装置と見なしてもよいと思いますが、原発はCO2削減装置ではないことです。しかも、原発利用のフロント・エンド(ウランの採掘から原発建設完成・運転開始まで)から、運転期間を経て、LCAという手法を用いて調べてみますと、原発はフロント・エンドとバック・エンドの作業工程で相当量のCO2を排出することがわかっています。ですから、たとえ正常に稼働している原発が運転時に事実上CO2を排出しないと見なしても、「原発がクリーンな発電装置である」というのは誤りだと思います。

関連記事
原発を考える⑪CO2削減効果はない「原発」(2007-04-22) 


ですから、原発を建設しただけでは温室効果ガスは増加することはあっても、減少することはないのです。日本政府が「2020年の中期目標である温室効果ガスの排出量を15%削減する」ために新規原発を9基建設するのであればその9基の原発がうみだす電力量と同じかそれ以上の電力を生み出す既存の運転中の石炭火力発電所を止めるという政策手段を取らなければ、いくら原発を9基建設しても、つまり、原発で石炭火力を代替しない限りはCO2の大気中への排出量を削減することはできないのです。
9基の原発の建設は、「CO2の発生を伴わない電力を既存の電力網に供給する」というだけの話です。

こうすることによって、CO2の削減は可能になるでしょうが、同時に私たちは、現在十分に解決できていない原発特有のマイナス面(安全性、核廃棄物、核拡散、労働者被曝、廃炉、核燃サイクルなどの放射線がかかわる問題や温排水などの難問)とそれに対処するための「膨大なコスト」をさらに抱え込むことになります。例えば一例ですが、

●核燃サイクル 総費用18兆8000億円(毎日新聞 2004-01-16)

●核燃サイクル 割高試算 経済性揺らぐ信頼(朝日新聞 2004-07-03)


「経済成長」と「温室効果ガスの排出量」の関係

2008年2月21日、スウェーデンのラインフェルト首相はEU議会で演説し、「スウェーデンは1990年(京都議定書の基準年)に比較して、2006年には44%の経済成長(GDP)を達成し、この間の温室効果ガスの排出量を9%削減した」と語りました。次の図が示しますように、「経済成長」と「温室効果ガスの削減」を見事に成功させたのです。



スウェーデンでは97年頃から「経済成長」と「温室効果ガス」(そのおよそ80%がCO2)排出量の推移が分かれ始めています。このことは、「経済成長」と「温室効果ガス排出量」のデカップリング(相関性の分離)が達成されたことを意味します。ここで重要なことは、温室効果ガスの削減が「原発や森林吸収や排出量取引のような日本が期待している手段ではない国内の努力によって(日本では“真水で”と表現します)達成されたもの」であることです。スウェーデンは今後も、独自の「気候変動防止戦略」を進めると共に、EUの一員としてEUの次の目標である2020年に向けてさらなる温室効果ガスの削減に努めることになります。

一方、日本は1986年頃から、「経済成長(GDP)」と「CO2の排出量」とが、これまた見事なまでの相関関係を示しています。さらに困ったことに、日本では今なお、二酸化炭素税の導入がままならないばかりでなく、すでに述べたように、2007年度の温室効果ガスの排出量が過去最悪(およそ9%増)となったことです。

関連記事
原発を考える⑤ エネルギーの議論は「入り口の議論」だけでなく、「出口の議論」も同時に行う(2007-04-14)  

経済、エネルギー、環境の関係(2007-02-17) 
これまでの日本の状況は増大する電力需要に対応するために、火力も、原子力も、水力を含めた自然エネルギーもすべて増加させてきたことは、このブログの電事連の統計資料でも明らかです。

ここでは火力発電を原子力で置き換えていませんですから、原発を増やしてもCO2を削減できないことは自明の理だと思います。



スウェーデンの原発に対する最近の動き

現時点(2009年10月現在)で、スウェーデンには日本のように新規原発をつくり続けていこうとするようなエネルギー政策はなく、 「原発依存を抑制する方向性(脱原発の方向性)に変わりはない」と断言できます。ただ、今年2月にスウェーデンの脱原発政策にちょっとした動きがありました。

それは、既存の10基の原発の寿命(国民投票が行われた1980年のときに想定されていた原発の技術的寿命は25年でしたが、現在では60年程度と見積もられているようです)が近づいてきた場合に混乱がおこらないよう、「現在の原発サイト(フォーシュマルク、オスカーシャム、リングハルスの3個所)に限って、そして既存の10基に限って更新(立て替え)が可能になるように、更新の道を開いておく」という政治的な決定がなされたことです。

1996年に21世紀のビジョン「緑の福祉国家」を掲げた比較第一党の社民党は現在、野党の立場にありますが、2001年の党綱領で「緑の福祉国家」(エコロジカルに持続可能な社会)には原発は不要であることを明記しています。


関連記事
民主党の原発原発政策に再考を促す投書(2009-09-27)



ノーベル賞受賞者がCO2削減へ声明書

2009-09-12 22:04:44 | 温暖化/オゾン層
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アーカイブ(公開論文集)
 
 

  「学習会」 と 「シンポジウム」 のご案内:下の図をクリック
         
*持続可能な国づくりの会からのお知らせ
9月13日の大井玄氏の学習会は延期となりました。代わりに、岡野守也氏(上図の左)をお招きしお話を伺います。
詳しくは、当会のブログ(ここをクリック)をご覧ください。

 

ノーベル賞受賞の日本人科学者が、20年の温室効果ガス削減の中期目標について、先進国が「90年比25~40%減」で合意するよう求めた文書に署名したそうです。




この署名は今年12月のCOP15に向けられたものですが、同じような声明が2007年12月の温暖化防止京都会議に向け発表されました。




このような著名な科学者の署名や声明はどの程度の影響力があるのでしょうか。



    

今日は、デンマークの環境相が「温暖化対策推進」で鳩山政権に期待

2009-09-03 07:51:36 | 温暖化/オゾン層
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*持続可能な国づくりの会からのお知らせ
9月13日の大井玄氏の学習会は延期となりました。代わりに、岡野守也氏(上図の左)をお招きしお話を伺います。
詳しくは、当会のブログ(ここをクリック)をご覧ください。



 

昨日のEU議長国スウェーデンのカールグレン環境相に対する毎日新聞のインタビューに続いて、今日の朝日新聞朝刊はCOP15(国連気候変動枠組み条約締結国会議)議長国デンマークのヘデゴー気候変動・エネルギー相へのインタビュー記事を掲載しました。





このインタビュー記事の背景を知るために、次の関連資料をご覧下さい。

●各党の温暖化対策 

●民主党のマニフェスト:地球温暖化対策