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今日はまず、1月5日の朝日新聞に掲載された次の記事をしっかり読んでください。これまでに設置した風力発電装置がトラブルを起こしているという記事です。
今日のテーマは、この記事に書かれているようなトラブルがまったくなく、設置したすべての風力発電装置がすべて順調に稼働している場合、「地球温暖化の主因とされる二酸化炭素(CO2)を削減する効果はあるだろうか」です。「自然エネルギーは地球温暖化の原因であるCO2の排出を削減する効果があるだろうか」と問われたら、みなさんはどう答えるでしょうか。
私の考えでは、風力、太陽エネルギーなどの自然エネルギーはCO2排出の少ない発電装置ではありますが、CO2削減装置ではありません。ですから、その設置自体にはCO2の削減効果はまったくありません。 それにもかかわらず、自然エネルギーの利用が期待され、CO2削減効果を発揮すると考えられるのは次のような大前提がある場合です。これは、自然エネルギーがCO2をほとんど増やすことなく発電することができるからです。
あえていえば、「LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)」(原材料の採取から製造・流通・使用・廃棄に至るまでの製品の一生涯であるライフ・サイクルで環境に与える影響を分析し、総合評価する手法)の観点からは、この風力発電の設置によって逆にCO2を増加させた可能性があるのではないでしょうか。
自然エネルギーに関心を持っておられる市民の方々、自然エネルギーの普及活動を熱心に続けておられる方々、自治体の方々、そして自然エネルギーの専門家と称される方々にお尋ねしたいと思います。ちなみに、私は自然エネルギーに非常に関心を持ってはいますが、自然エネルギーの研究者でもなければ、自然エネルギーの普及活動をしているわけでもありません。率直なところ、私が抱いてしまった疑問が間違っているのかどうか皆さんのお考えを聞かせてほしいのです。
最初に掲げた朝日の記事には、「風力発電の普及に取り組む独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、02年度に576基だった国内の風力発電は、06年には1314基に急増」と書かれています。私の考えでは、これらのほとんどは設置しただけで、得られた発電量に相当する化石燃料の削減措置をとっていないのではないかと思います。 だとすれば、せっかくの努力と設置のための費用が初期の目的を達していないことになります。
NEDOで自然エネルギーを担当している方々、真剣に自然エネルギーの普及活動をなさっている方々、自治体で新エネルギーを担当している方々、環境省や経済産業省で自然エネルギーを担当している方々、この分野の学者、研究者の方々、そして、上の記事を書いた記者の方、誰でもけっこうですが、私の疑問にすっきりと答えてください。お願いします。
今日は風力発電を例にあげましたが、他の自然エネルギー(太陽光、バイオマス、地熱など)や原子力エネルギーでも考え方は基本的には同じです。 ただし、原子力エネルギーの場合は、発電規模が圧倒的に大きいこと、大量に排出される「温排水の問題」、原子力エネルギーに特有の「核廃棄物の処理」や「放射線管理」という、避けては通れない未解決の難問があり、自然エネルギーとは比べられないほど大きな困難な問題を抱えることになります。
私は自然エネルギーの利用を否定しているのではありません。逆に、自然エネルギーの利用を増やしていかなければなりません。その点を誤解しないようにお願いします。
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